キハ285系が遂に解体か!?
キハ285系 - 2017年02月20日 (月)
昨年の11月ごろから車体がブルーシートに覆われるようになり、依然として放置された状態が続いていたキハ285系ですが、2月中旬から動きがあり、苗穂工場解体線へ移動しています。
参考記事:キハ285系がブルーシートに覆われる!雪に埋もれて無残な姿に(2016年12月21日更新分)
上記の参考記事のように、ブルーシートに覆われて3カ月間放置されてきました。引き続き放置されるような様子でしたが、苗穂工場解体線に移動し、ブルーシートも外されている様子を確認しました。
1枚目と2枚目の写真は2月19日に撮影しました。ブルーシートで覆われたキハ285系の3両編成が苗穂工場解体線へ移動されています。
様子が気になり、2月20日に再度確認してみると、ちょうど車体を覆っていたブルーシートを撤去している最中でした。
予想では、車体が劣化しないよう保護する目的でブルーシートで覆い、昨今の状況を立て直すまで苗穂工場で車両を保管していく流れになると思っていました。
ここにきて動きがあり、解体されるような気配を感じます。
キハ285系は、複合車体傾斜システムが採用され、キハ283系をも上回る8°(制御付き自然振り子式6°+空気ばねによる車体傾斜2°)の傾斜角を実現させるものです。また、MAハイブリッド駆動システムを採用し、既存の気動車の動力にインバータ、モータ、バッテリーによる動力を組み合わせたものです。
過去の報道によると、将来的に札幌~函館間の特急列車として運行を予定していました。
ですが、2011年5月に発生した石勝線特急列車脱線火災事故を境に、車両トラブルや不祥事が相次ぎ、2013年11月には安全を最優先にすべく、減速・減便ダイヤが施行されて現在に至ります。高速走行を抑制することや1日に使用する車両数を減らすことで車両への負荷を少なくし、車両メンテナンス向上を図るために施行された措置でした。
この影響で、新型車両の開発よりも安全対策への投資が優先的に実施しなければならなくなり、落成して北海道入りして間もない2014年9月に開発の中止が発表されました。JR北海道からは同年9月10日付でプレスリリースより発表されています。
北海道の次世代特急気動車として活躍が期待されましたが、製造費用が高額なことや、車種を統一して車両メンテナンス体制の強化及び、車両数を抑制する目的でキハ261系を引き続き投入していきます。
一時期、試作車を活用する方法として、在来線の検測車としての使用を検討しました。ですが、キハ285系を改造して転用する場合、従来の車両よりも構造が複雑なため、車両の改造には多額の費用がかかる見込みとなり、昨今の状況下では検測車へ改造する巨額な費用を捻出するのは難しく、検測車としての活用も断念しました。
結果、試作車3両は2015年3月31日付で廃車されました。北海道にやってきて約1ヶ月後の2014年10月31日付で札幌運転所(札サウ)に新製配置されましたが、JR北海道の車両として車籍があった期間は5ヶ月間と非常に短いものでした。
開発費用は、おそらく、車両の製造費用を合わせておよそ25億円です。これが試作車3両に凝縮されているわけです。単純に1両あたり8億以上となります。新幹線車両が1両あたりだいたい4億円~5億円程度です。それよりも高額な車両です。
せっかく25億円をかけたのに対し、何も活用されずに解体の危機に直面しています。お金をその辺りのドブやゴミ箱に捨てるようなものです。
北海道の鉄道の愛好者として、本当に悔しいです。主な原因は、経営危機による製造費用を捻出できないこと、車両を維持すべく、十分なメンテナンス体制が整っていないことです。試作車は完成しているんです。走らせて、試験データをとれば、そのまま量産化できるところまで来ているんです。そこまで手が届いているのに、あと一歩届きませんでした。
試作車が北海道にやってきた時期からすると、試験走行は最終段階に入り、今ごろ量産化に向けて動き出していたと思います。さらに、減速・減便の影響もなければ、札幌と函館をキハ281系も問題にならないレベルで結んでいたことでしょう。
間違いなく、順調にいけば日本における気動車列車の頂点に君臨した車両です。
話題は少し逸れますが、最新の特急気動車としては、今年秋頃にJR四国が2600系特急気動車を先行導入します。四国の鉄道ファンの方には申し訳ありませんが、おそらく、2600系なんて問題にならないほどの性能をキハ285系は秘めていたはずです。
JR北海道の昨今の状況としては、ローカル線の多くが単独で維持することが困難であり、さらに、2020年度末をめどに全道で列車の運行ができなくなることも発表されています。
いずれは何らかの形で救済措置がとられると思われますが、、北海道の鉄道を存続・維持していくためには、キハ285系を投入している場合ではありません。
キハ285系試作車がどのような性能を秘めているのか、詳細については公式発表されていなかったはずです。ですが、間違いなく、今までの気動車列車よりも高性能な車両であることは言うまでもありません。
経営危機に直面している一方で、JR北海道はこのような高性能な素晴らしい車両を開発できる技術やノウハウを持っています。10年後や20年後も通用するような技術だと思います。
現在はキハ261系の増備に留まっていますが、いずれはその後継車両としてキハ285系のような高性能な車両が生まれることを期待しています。
↓ブログランキングにご協力お願いします↓
にほんブログ村
参考記事:キハ285系がブルーシートに覆われる!雪に埋もれて無残な姿に(2016年12月21日更新分)
上記の参考記事のように、ブルーシートに覆われて3カ月間放置されてきました。引き続き放置されるような様子でしたが、苗穂工場解体線に移動し、ブルーシートも外されている様子を確認しました。
1枚目と2枚目の写真は2月19日に撮影しました。ブルーシートで覆われたキハ285系の3両編成が苗穂工場解体線へ移動されています。
様子が気になり、2月20日に再度確認してみると、ちょうど車体を覆っていたブルーシートを撤去している最中でした。
予想では、車体が劣化しないよう保護する目的でブルーシートで覆い、昨今の状況を立て直すまで苗穂工場で車両を保管していく流れになると思っていました。
ここにきて動きがあり、解体されるような気配を感じます。
キハ285系は、複合車体傾斜システムが採用され、キハ283系をも上回る8°(制御付き自然振り子式6°+空気ばねによる車体傾斜2°)の傾斜角を実現させるものです。また、MAハイブリッド駆動システムを採用し、既存の気動車の動力にインバータ、モータ、バッテリーによる動力を組み合わせたものです。
過去の報道によると、将来的に札幌~函館間の特急列車として運行を予定していました。
ですが、2011年5月に発生した石勝線特急列車脱線火災事故を境に、車両トラブルや不祥事が相次ぎ、2013年11月には安全を最優先にすべく、減速・減便ダイヤが施行されて現在に至ります。高速走行を抑制することや1日に使用する車両数を減らすことで車両への負荷を少なくし、車両メンテナンス向上を図るために施行された措置でした。
この影響で、新型車両の開発よりも安全対策への投資が優先的に実施しなければならなくなり、落成して北海道入りして間もない2014年9月に開発の中止が発表されました。JR北海道からは同年9月10日付でプレスリリースより発表されています。
北海道の次世代特急気動車として活躍が期待されましたが、製造費用が高額なことや、車種を統一して車両メンテナンス体制の強化及び、車両数を抑制する目的でキハ261系を引き続き投入していきます。
一時期、試作車を活用する方法として、在来線の検測車としての使用を検討しました。ですが、キハ285系を改造して転用する場合、従来の車両よりも構造が複雑なため、車両の改造には多額の費用がかかる見込みとなり、昨今の状況下では検測車へ改造する巨額な費用を捻出するのは難しく、検測車としての活用も断念しました。
結果、試作車3両は2015年3月31日付で廃車されました。北海道にやってきて約1ヶ月後の2014年10月31日付で札幌運転所(札サウ)に新製配置されましたが、JR北海道の車両として車籍があった期間は5ヶ月間と非常に短いものでした。
開発費用は、おそらく、車両の製造費用を合わせておよそ25億円です。これが試作車3両に凝縮されているわけです。単純に1両あたり8億以上となります。新幹線車両が1両あたりだいたい4億円~5億円程度です。それよりも高額な車両です。
せっかく25億円をかけたのに対し、何も活用されずに解体の危機に直面しています。お金をその辺りのドブやゴミ箱に捨てるようなものです。
北海道の鉄道の愛好者として、本当に悔しいです。主な原因は、経営危機による製造費用を捻出できないこと、車両を維持すべく、十分なメンテナンス体制が整っていないことです。試作車は完成しているんです。走らせて、試験データをとれば、そのまま量産化できるところまで来ているんです。そこまで手が届いているのに、あと一歩届きませんでした。
試作車が北海道にやってきた時期からすると、試験走行は最終段階に入り、今ごろ量産化に向けて動き出していたと思います。さらに、減速・減便の影響もなければ、札幌と函館をキハ281系も問題にならないレベルで結んでいたことでしょう。
間違いなく、順調にいけば日本における気動車列車の頂点に君臨した車両です。
話題は少し逸れますが、最新の特急気動車としては、今年秋頃にJR四国が2600系特急気動車を先行導入します。四国の鉄道ファンの方には申し訳ありませんが、おそらく、2600系なんて問題にならないほどの性能をキハ285系は秘めていたはずです。
JR北海道の昨今の状況としては、ローカル線の多くが単独で維持することが困難であり、さらに、2020年度末をめどに全道で列車の運行ができなくなることも発表されています。
いずれは何らかの形で救済措置がとられると思われますが、、北海道の鉄道を存続・維持していくためには、キハ285系を投入している場合ではありません。
キハ285系試作車がどのような性能を秘めているのか、詳細については公式発表されていなかったはずです。ですが、間違いなく、今までの気動車列車よりも高性能な車両であることは言うまでもありません。
経営危機に直面している一方で、JR北海道はこのような高性能な素晴らしい車両を開発できる技術やノウハウを持っています。10年後や20年後も通用するような技術だと思います。
現在はキハ261系の増備に留まっていますが、いずれはその後継車両としてキハ285系のような高性能な車両が生まれることを期待しています。
↓ブログランキングにご協力お願いします↓
にほんブログ村
- 関連記事
-
- キハ285系試作車の解体開始!!~「キハ285-901」の車体に早くも切れ目が・・・ 2017/03/01
- キハ285系が遂に解体か!? 2017/02/20
- もはや自走脱出不可!ドカ雪で完全に埋もれたキハ285系 2016/12/30