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789系0番台道央圏転用化改造内容一覧

今回は3月のダイヤ改正から特急「ライラック」として営業運転を開始した789系0番台の道央圏転用に伴う、転用化改造の内容について紹介していきたいと思います。



今回、一部実車の写真も使用します。編成は789系0番台HE-104編成+HE-204編成(6両編成)です。以下で編成中の「モハ788-104」を取り上げています。





道央圏転用化改造の資料がこちらになります。以前から何度か取り上げているJR北海道の「車両部ニュース」2017年3月第11号を一部抜粋して掲載しています。

道央圏への転用化改造とともに、789系0番台のHE-101編成~HE-106編成、HE-201編成~HE-206編成の6編成36両が函館運輸所(函ハコ)から札幌運転所(札サウ)に所属変更になりました。合わせて以下のような改造が実施されているようです。

過去にトイレ関連の一部箇所が変更されていることをお伝えしていますが、今回は省略します。


【保安装置及び運転台関係】

津軽海峡線区間でATCを使用していましたが、道央圏転用後は必要がないことから、保安装置をATS-DNとしました。また、抑制ブレーキ等も必要なくなるため、マスコン関係機器の改造を実施しました。抑制ブレーキ等とは、青函トンネル区間の下り勾配走行に備え、抑速装置として回生ブレーキを装備していたようです。


【車体関係】

戸袋戸先にヒーターを増設し、また運転台の熱線ガラス電源容量も増加することで耐寒耐雪性を向上させました。MMBMの雪の吸入量を減少させるため、吸気口を車両妻側に移設しています。(※MMBM関係は29年度冬期までに全6編成完了)

MMBMとは、抵抗器に送風する主電動送風機のことを指すようです。詳しく知りませんが、おそらく機器冷却用の熱対策のためのものです。厳冬期の高速走行で雪煙によって雪が吸入してトラブルの原因となると思われ、これを移設した形になります。

詳しくは以下で説明します。


【台車関係】

道央圏で使用する合金鋳鉄制輪子(乙32改F振子)に変更し、ブレーキテコ比を変更しています。


【客室・サービス関係】

正面の愛称表示器をLED化しました。また、客室内において青函区間に関係する表記やシールを撤去しました。

シールは、青函トンネルの通過時刻など各座席のテーブルに貼っていましたが、これを撤去したものと思われます。写真を紹介したかったですが、データの保管場所を忘れてしまったため、写真を掲載することができません。




車体関係のところで紹介したMMBM関連と思われる内容がこちらで、苗穂工場の3月の重点実施目標の中に含まれていました。

「789系0代・雪切室の外気取り入れ口の変更」とあります。

789系0番台はこれまで車体側面部に雪切室の外気取り入れ口を設置していましたが、道央圏の運行に際して789系1000番台と同様に車体の外妻上部から取り入れる構造に順次変更するようです。

対象車両はモハ788-100番台、モハ789-200番台、モハ788-200番台です。





3月11日に苗穂工場内の鉄道技術館一般開放を見学したあとに実車を確認したところ、中には既に設置している車両もありました。写真は「モハ788-104」です。

従来の車体側面部の外気取り入れ口は塞がれていました。

まだ設置していない車両も確認でき、3月11日の時点では、HE-103編成+HE-203編成はまだ設置されていませんでした。


1年に満たない短期間で慌ただしく転用改造を実施したので、外装や内装を含めて大きな改造箇所・変更点は見受けられません。ヘッドマークのLED化ぐらいでしょうか?

道央圏転用に伴って客室のリニューアルもされておらず、今後順次実施されていくものと期待しています。










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コメント
6037: by シニアパートナー on 2017/03/24 at 14:30:57 (コメント編集)

雪切室へ流れる空気取入れ口が、車体側面から外妻へ変更になった点、興味深く拝見しました。

この送風経路に関して、過去大きなトラブルに見舞われたことがあったのを思い出しました。

1975年7月から特急「いしかり」として走り始めた北海道最初の電車特急485系1500番台は、冬季にこの雪切室を起因とするトラブルにより、長期間の運休や間引き運行を余儀なくされました。

この1500番台は北海道へ入る前の約1年間、当時の特急白鳥(大阪-青森)の一部に充当され、冬季の運用確認をしていました。しかし、本州の雪質と道央地区以北の雪質の違いから、十分な雪切りができず電気機器がダウンしました。(この苦い経験を基に781系が誕生した訳です)

今回の改造も道南地区での運用とは違い、更なる耐寒仕様にするため行われたものと思います。

同じ北海道でも、南と北では気象条件が随分違うことを認識させてくれます。

6039: by 管理人 on 2017/03/24 at 23:49:41

>>「シニアパートナー」さん、コメントありがとうございます。

485系1500番台も過去に北海道特有のパウダースノーに対応できず、同じようなトラブルに見舞われていましたね。711系の代走や間引き運転を余儀なくされたと思います。

北海道の気候は厳しく、道南と道央、道東、道北はまるっきり気候が違います。まず降雪量が全然違いますね。

キハ281系の正常進化版であるキハ283系も耐寒・耐雪構造を強化して登場しています。方面別に合わせて性能を適宜合わせる必要があり、マイナーチェンジとはいえ、性能アップを含めると製造コストが莫大にかかります。

徐々に合理化で形式がそれぞれ統一していくと思いますが、こうした1つ1つの車両の製造や改造を確認していくと、いかに北海道で使用する鉄道車両を維持していく、走らせるための難しさがわかりますね。

6047:やはり雪対策でしたか by パキラ on 2017/03/26 at 09:07:09 (コメント編集)

空気取り入れ口が塞がれている編成とそうでない編成があって不思議に思っていましたが、翌冬までに順次改造なんですね。いかに転用改造のスケジュールがギリギリであったかよく分かります。
ただ、同じ主電動機を積んでいる731系などでは空気取り入れ口が車体側面にあるので、なぜ789系ではこれを塞ぐ必要が生じたのか気になるところです。

6052: by 管理人 on 2017/03/26 at 23:22:53

>>「パキラ」さん、コメントありがとうございます。

一定の時間内を高速で走行する場合で分けているのではないでしょうか。731系の場合は各駅停車で重宝される列車なので、車体側面に吸気口を設置しても故障による影響は少ないのではないでしょうか。

ですがそれだと、例えばドア凍結は最低気温が-10℃程度になれば各駅停車の列車でも発生してくることなので、いただいたコメントをみて非常に疑問に思っているところです。

ありがとうございました。

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