将来的に実施される「北斗」・「スーパー北斗」の白老駅停車拡大
駅 - 2017年09月12日 (火)
別記事で関連コメントをいただいたので、予定よりも早く記事にしたいと思います。
実は、将来的に室蘭本線の白老駅において、特急列車の停車駅拡大が実施される予定です。現在は「すずらん」6往復のみ停車していますが、これを「北斗」・「スーパー北斗」にも停車列車を設けるというものです。
道南の白老町で開設される国のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間」が2020年春にオープンします。これに合わせ、JR北海道などの各関係機関は白老駅に停車する特急列車の本数を増やすことで最終調整に入ったことが地元メディアにより報じられています。
アイヌ政策推進会議/内閣官房アイヌ総合政策室のホームページから引用しますが、今回取り上げている象徴空間は、先住民族であるアイヌの尊厳を尊重し、アイヌ文化が直面している課題に対応しつつ、我が国が将来へ向け、多様で豊かな文化や異なる民族との共生を尊重する社会を形成するためのシンボルとなるものです。
具体的な機能としては、アイヌの歴史、文化等の総合的・一体的な展示、文化伝承・体験学習活動・国内外の文化との交流があります。実は、現在のアイヌ民族博物館を訪れる外国人観光客が増えているようです。伝統的なコタン(集落)を再現する国立民族共生公園などの憩いの場を設けることで、アイヌ文化のみならず、さまざまな諸外国との異文化同士の交流という点でも、機能的な役割を果たすのではないかと期待しています。
国が掲げる来場者を年間100万人の目標に向け、これに合わせて、白老駅に「北斗」・「スーパー北斗」を停車させる方向で調整しています。
ですが、ここで問題となるのが白老駅ホームの有効長です。
繁忙期期間中は、キハ261系による「スーパー北斗」で最大10両編成まで増結されることになるので、これに合わせて、白老駅ホームの延長・改良工事がJR北海道によって数億円の費用を負担して実施されるようです。
10両編成の列車を停車させる場合、200㍍以上の長さが必要ですが、現在の白老駅ホームの長さは170㍍しかありません。それでも、現在は普通列車や「すずらん」を停車させるには十分なホームの長さであり、これを10両編成の「スーパー北斗」に対応するためだけに数億円の費用を負担することになります。
ローカル駅などで見られますが、さらにホームの一部箇所では高さが低い箇所もあり、これら改良工事も同時に実施されるようです。
「北斗」・「スーパー北斗」が停車駅を拡大するからといって、全ての列車では実施されないと予想しています。例えば、「民族共生象徴空間」の営業時間帯に合わせて、特急列車を停車させるのではないでしょうか。
類似した例だと、同じく「北斗」・「スーパー北斗」が停車する大沼公園駅が該当しますが、これも観光需要が見込まれない朝・晩の一部の「北斗」・「スーパー北斗」は通過しています。今回報じられた白老駅の停車駅拡大が「民族共生象徴空間」への来場者向けの措置だとすれば、営業時間帯に合わせて停車列車を設定するというのが一般的な流れだと思います。
特急「スーパー北斗2号」のように、極端に朝の早い列車はほぼ関係ない内容だと思われます。12月の冬至の前後だと、白老駅付近を走行中でようやく日の出の時刻です。また、新千歳空港からのアクセスもできません。そのような列車は、今回の白老駅停車拡大はほぼ関係ないでしょう。
ただし、「北斗」・「スーパー北斗」は本来、札幌と函館を結ぶ特急列車であり、途中の新函館北斗駅で新幹線との接続を図ります。白老駅に停車拡大することで所要時間が今よりも伸びる可能性があります。減速運転や新幹線接続を考慮したダイヤとすることで所要時間が伸びている傾向がありますが、それよりもさらに伸びることは避けられません。
新聞記事などを読んだ限りでは、現段階ではかなり無計画さが露呈しているような気がしてなりません。果たして、白老という地で目標として掲げる年間100万人もの来場者数が見込めるのかどうか。
個人的な見解としては、札幌市厚別区にある「開拓の村」に少し毛が生えたような規模ではないでしょうか。
北海道を甘くみてはいけませんよ。

以前撮影した10両編成の特急「スーパー北斗11号」です。将来的には、これが白老駅に停車するようにホームの長さも長くなります。「民族共生象徴空間」のオープンが2020年の春で少し先なので、白老駅ホームの改良工事等を踏まえ、次のダイヤ改正など、すぐに停車拡大することはなさそうですね。
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実は、将来的に室蘭本線の白老駅において、特急列車の停車駅拡大が実施される予定です。現在は「すずらん」6往復のみ停車していますが、これを「北斗」・「スーパー北斗」にも停車列車を設けるというものです。
道南の白老町で開設される国のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間」が2020年春にオープンします。これに合わせ、JR北海道などの各関係機関は白老駅に停車する特急列車の本数を増やすことで最終調整に入ったことが地元メディアにより報じられています。
アイヌ政策推進会議/内閣官房アイヌ総合政策室のホームページから引用しますが、今回取り上げている象徴空間は、先住民族であるアイヌの尊厳を尊重し、アイヌ文化が直面している課題に対応しつつ、我が国が将来へ向け、多様で豊かな文化や異なる民族との共生を尊重する社会を形成するためのシンボルとなるものです。
具体的な機能としては、アイヌの歴史、文化等の総合的・一体的な展示、文化伝承・体験学習活動・国内外の文化との交流があります。実は、現在のアイヌ民族博物館を訪れる外国人観光客が増えているようです。伝統的なコタン(集落)を再現する国立民族共生公園などの憩いの場を設けることで、アイヌ文化のみならず、さまざまな諸外国との異文化同士の交流という点でも、機能的な役割を果たすのではないかと期待しています。
国が掲げる来場者を年間100万人の目標に向け、これに合わせて、白老駅に「北斗」・「スーパー北斗」を停車させる方向で調整しています。
ですが、ここで問題となるのが白老駅ホームの有効長です。
繁忙期期間中は、キハ261系による「スーパー北斗」で最大10両編成まで増結されることになるので、これに合わせて、白老駅ホームの延長・改良工事がJR北海道によって数億円の費用を負担して実施されるようです。
10両編成の列車を停車させる場合、200㍍以上の長さが必要ですが、現在の白老駅ホームの長さは170㍍しかありません。それでも、現在は普通列車や「すずらん」を停車させるには十分なホームの長さであり、これを10両編成の「スーパー北斗」に対応するためだけに数億円の費用を負担することになります。
ローカル駅などで見られますが、さらにホームの一部箇所では高さが低い箇所もあり、これら改良工事も同時に実施されるようです。
「北斗」・「スーパー北斗」が停車駅を拡大するからといって、全ての列車では実施されないと予想しています。例えば、「民族共生象徴空間」の営業時間帯に合わせて、特急列車を停車させるのではないでしょうか。
類似した例だと、同じく「北斗」・「スーパー北斗」が停車する大沼公園駅が該当しますが、これも観光需要が見込まれない朝・晩の一部の「北斗」・「スーパー北斗」は通過しています。今回報じられた白老駅の停車駅拡大が「民族共生象徴空間」への来場者向けの措置だとすれば、営業時間帯に合わせて停車列車を設定するというのが一般的な流れだと思います。
特急「スーパー北斗2号」のように、極端に朝の早い列車はほぼ関係ない内容だと思われます。12月の冬至の前後だと、白老駅付近を走行中でようやく日の出の時刻です。また、新千歳空港からのアクセスもできません。そのような列車は、今回の白老駅停車拡大はほぼ関係ないでしょう。
ただし、「北斗」・「スーパー北斗」は本来、札幌と函館を結ぶ特急列車であり、途中の新函館北斗駅で新幹線との接続を図ります。白老駅に停車拡大することで所要時間が今よりも伸びる可能性があります。減速運転や新幹線接続を考慮したダイヤとすることで所要時間が伸びている傾向がありますが、それよりもさらに伸びることは避けられません。
新聞記事などを読んだ限りでは、現段階ではかなり無計画さが露呈しているような気がしてなりません。果たして、白老という地で目標として掲げる年間100万人もの来場者数が見込めるのかどうか。
個人的な見解としては、札幌市厚別区にある「開拓の村」に少し毛が生えたような規模ではないでしょうか。
北海道を甘くみてはいけませんよ。

以前撮影した10両編成の特急「スーパー北斗11号」です。将来的には、これが白老駅に停車するようにホームの長さも長くなります。「民族共生象徴空間」のオープンが2020年の春で少し先なので、白老駅ホームの改良工事等を踏まえ、次のダイヤ改正など、すぐに停車拡大することはなさそうですね。
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