【祝】キハ261系1000番台営業運転開始から10年!
キハ261系 - 2017年10月08日 (日)
今年の10月1日をもって、789系1000番台と同様、キハ261系1000番台も営業運転開始から10年を迎えました!
ほぼ石勝線の話題になりそうですが、写真を交えて少し紹介していきたいと思います。
1枚目と2枚目の写真は釧路支社管内限定で発売された今はなき「オレンジカード」です。ダイヤ改正に合わせてオリジナルのものが数量限定で発売されました。
どちらも好きな車両だけに、いまだに使わずに大事に保管してあります。当時はこうしたものをつくる元気がありましたが、それが昨今の状況ではこうした記念品も消極的になってしまい残念です。
あえてツッコミをいれるとするならば、2枚目の写真の「帯広⇔札幌」の欄の最速2時間10分は当時の最速達列車である特急「スーパーおおぞら6号」の所要時間であり、「スーパーとかち」の場合だと、特急「スーパーとかち4号」(キハ261系)で2時間25分でした。
2007年10月1日のダイヤ改正といえば、石勝線特急である「スーパーおおぞら」・「スーパーとかち」も大きく変わった日でした。「スーパーおおぞら」が6往復から7往復に増発し、「スーパーとかち」もキハ261系1000番台を導入したことで2往復から3往復に増発されました。
前者はそれまでの特急「スーパーとかち7号」と特急「とかち4号」を釧路まで延長させて「スーパーおおぞら」化しました。釧路まで延長した時間帯の1往復は、それまで特急は「とかち」・「スーパーとかち」しか停車しなかった芽室駅と十勝清水駅に「スーパーおおぞら」が停車するようになりました。現在も1往復停車体制は存続しています。
後者はとかち系統だと1往復が「スーパーおおぞら」化されたため、1往復が減ったものの、新たにキハ261系1000番台を導入したことで「スーパーとかち」が2往復から3往復に増えました。内訳はそれまでキハ283系で運行してきた時間帯の列車(一部新規)にキハ261系1000番台を充当させ、新たに「スーパーおおぞら」の間合いでキハ283系が1往復使用されるようになりました。
「スーパーとかち」はそれまで札幌~帯広間を2時間20分台で結んでいましたが、ダイヤ改正後は一部を除いて2時間30分台で運行されるようになりました。「スーパーとかち」だけでダイヤ改正前後で比較すると所要時間は全体的に伸びていますが、キハ183系による「とかち」を置き換えたことで、釧路延長分の1往復を加えて平均所要時分は短縮されました。
明るい話題ばかりですが、"スーパー化"の裏ではもちろん消えていった列車や車両もあります。
札幌~釧路間は7往復が維持されましたが、その代わり、夜行列車である特急「まりも」は利用客減少によって季節列車へ格下げされました。加えて、キハ183系も釧路運輸車両所(釧クシ)所属の初期車がここでお役御免となり、マイナーチェンジ版の車両のみ札幌運転所(札サウ)へ転属しました。
これにより、引き続きキハ183系を使用する「とかち」2往復は従来の初期車とマイナーチェンジ車混在の充当から、マイナーチェンジ版であるN183系以降の車両が代走等を除いて充当されるようになり、札幌~旭川間に次いで変化の大きかった10年前のダイヤ改正でした。
やはり、新ダイヤが発表されるまではいくら高出力エンジンを搭載しているとはいえ、キハ283系のダイヤから相当遅くなると予想していましたが、結果的には札幌~帯広間は同等のダイヤで走行できることになり、改めてキハ261系の性能には脱帽しました。
要は・・・
【キハ283系】355ps×2エンジン+振り子式6°
【キハ261系】460ps×2エンジン+車体傾斜装置(通常2° 最大3°)
曲線通過性能が劣る分、出力でカバーしているという印象です。
5枚目と6枚目の写真は2014年3月に新夕張駅で撮影したものです。珍しく「スーパーおおぞら」が「スーパーとかち」を待避するという珍しい光景が両列車の停車駅で実現していたので撮影しました。キハ283系が特急「スーパーおおぞら9号」、キハ261系1000番台が特急「スーパーとかち10号」です。
都市間輸送タイプの「スーパーとかち」は停車駅が多く、その分所要時間も長いです。そのため、速達タイプの「スーパーおおぞら」に道を譲ることが多かったですが、2013年11月から「スーパーおおぞら」のみ110km/h運転化によって勢力が衰えたため、停車駅が多いながらも「スーパーとかち」の方が同程度か比較的早いという逆転現象が生まれました。一時的に「スーパーとかち」が優位に立った時期でしたね。
この交換シーンは長くは見られず、その後特急「スーパーとかち10号」の時刻が若干繰り上げられたため、僅か4カ月ほどで隣の十三里駅(現・十三里信号場)で交換するようになりました。
4枚目と5枚目の写真はダイヤ改正に直接関係するものではなく、あくまで両形式を並んで撮影できたというイメージ的なものです。
現在はどちらとも減速運転や本数削減、車体傾斜装置停止などの影響で所要時間が長い列車はかつてのキハ183系による「とかち」なみの遅さになってしまいました。並行して高速道路の延伸、都市間バスの拡充などでJRが優位に立った時代は終わりました。
10年前はキハ183系による「とかち」も2往復残存していましたが、下り列車は所要時間が短めで特急「とかち3号」で2時間51分、特急「とかち9号」で2時間46分でした。現在と比べても決して悪くない数字です。
管理者的には、この10年前のダイヤ改正が石勝線特急の完成形とも呼べるダイヤだったと思っています。速達性を求めるのであれば、この2年後のオールスーパー化を実施したダイヤ改正でしたが、一部の「スーパーとかち」が2時間40分台になるなど、同列車のグレードダウン感が否めないため、あまり印象的に残らなかったです。10年前のダイヤ改正こそ、まさに黄金期でしたね。
ですが、逆にこうして速達化とともに運用を増やした結果、車両に大きく負担がかかり、結果的に4年半後に大きな脱線火災事故を起こしました。黄金期とはいえど、全てが良い方向へ向かっていた、あるいは最良の選択肢だったのかと問われると決してそのようなことはなく、ある意味で反省点も多いダイヤ改正でした。
現在の「スーパーおおぞら」と「スーパーとかち」は10年前の黄金期とは状況がまるで異なり、マイカーの普及や高速道路の延伸ん、都市間バスの台頭で利用が著しくありません。これが昨年の台風被害でより一層厳しい状況となり、利用客離れが進みました。「えきねっとトクだ値」で対抗するも、依然として苦しい状況が続いています。
石勝線系統では暗い話題になってしまいますが、一方で、キハ261系1000番台はキハ183系を置き換える車両として10年を経た今も増備され続けている車両です。2016年3月には新たに「スーパー北斗」として札幌~函館間にも投入されました。
デビュー時と状況が異なるため、車体傾斜装置は搭載していませんが、ホワイトを基調とした新色に変わり、ヘッドマークもフルカラーLEDになりました。時代に合わせて細部の仕様は変更されており、熟成の域に達しています。
将来的には、北海道の特急気動車はキハ261系一種類に集約させ、車両メンテナンスを有利にするとともに、全体の車両数を減らしてコスト削減を図っていきます。
北海道の鉄道を守り抜くべく、都市間輸送の主力特急気動車として今後の活躍も期待したいですね。
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ほぼ石勝線の話題になりそうですが、写真を交えて少し紹介していきたいと思います。
1枚目と2枚目の写真は釧路支社管内限定で発売された今はなき「オレンジカード」です。ダイヤ改正に合わせてオリジナルのものが数量限定で発売されました。
どちらも好きな車両だけに、いまだに使わずに大事に保管してあります。当時はこうしたものをつくる元気がありましたが、それが昨今の状況ではこうした記念品も消極的になってしまい残念です。
あえてツッコミをいれるとするならば、2枚目の写真の「帯広⇔札幌」の欄の最速2時間10分は当時の最速達列車である特急「スーパーおおぞら6号」の所要時間であり、「スーパーとかち」の場合だと、特急「スーパーとかち4号」(キハ261系)で2時間25分でした。
2007年10月1日のダイヤ改正といえば、石勝線特急である「スーパーおおぞら」・「スーパーとかち」も大きく変わった日でした。「スーパーおおぞら」が6往復から7往復に増発し、「スーパーとかち」もキハ261系1000番台を導入したことで2往復から3往復に増発されました。
前者はそれまでの特急「スーパーとかち7号」と特急「とかち4号」を釧路まで延長させて「スーパーおおぞら」化しました。釧路まで延長した時間帯の1往復は、それまで特急は「とかち」・「スーパーとかち」しか停車しなかった芽室駅と十勝清水駅に「スーパーおおぞら」が停車するようになりました。現在も1往復停車体制は存続しています。
後者はとかち系統だと1往復が「スーパーおおぞら」化されたため、1往復が減ったものの、新たにキハ261系1000番台を導入したことで「スーパーとかち」が2往復から3往復に増えました。内訳はそれまでキハ283系で運行してきた時間帯の列車(一部新規)にキハ261系1000番台を充当させ、新たに「スーパーおおぞら」の間合いでキハ283系が1往復使用されるようになりました。
「スーパーとかち」はそれまで札幌~帯広間を2時間20分台で結んでいましたが、ダイヤ改正後は一部を除いて2時間30分台で運行されるようになりました。「スーパーとかち」だけでダイヤ改正前後で比較すると所要時間は全体的に伸びていますが、キハ183系による「とかち」を置き換えたことで、釧路延長分の1往復を加えて平均所要時分は短縮されました。
明るい話題ばかりですが、"スーパー化"の裏ではもちろん消えていった列車や車両もあります。
札幌~釧路間は7往復が維持されましたが、その代わり、夜行列車である特急「まりも」は利用客減少によって季節列車へ格下げされました。加えて、キハ183系も釧路運輸車両所(釧クシ)所属の初期車がここでお役御免となり、マイナーチェンジ版の車両のみ札幌運転所(札サウ)へ転属しました。
これにより、引き続きキハ183系を使用する「とかち」2往復は従来の初期車とマイナーチェンジ車混在の充当から、マイナーチェンジ版であるN183系以降の車両が代走等を除いて充当されるようになり、札幌~旭川間に次いで変化の大きかった10年前のダイヤ改正でした。
やはり、新ダイヤが発表されるまではいくら高出力エンジンを搭載しているとはいえ、キハ283系のダイヤから相当遅くなると予想していましたが、結果的には札幌~帯広間は同等のダイヤで走行できることになり、改めてキハ261系の性能には脱帽しました。
要は・・・
【キハ283系】355ps×2エンジン+振り子式6°
【キハ261系】460ps×2エンジン+車体傾斜装置(通常2° 最大3°)
曲線通過性能が劣る分、出力でカバーしているという印象です。
5枚目と6枚目の写真は2014年3月に新夕張駅で撮影したものです。珍しく「スーパーおおぞら」が「スーパーとかち」を待避するという珍しい光景が両列車の停車駅で実現していたので撮影しました。キハ283系が特急「スーパーおおぞら9号」、キハ261系1000番台が特急「スーパーとかち10号」です。
都市間輸送タイプの「スーパーとかち」は停車駅が多く、その分所要時間も長いです。そのため、速達タイプの「スーパーおおぞら」に道を譲ることが多かったですが、2013年11月から「スーパーおおぞら」のみ110km/h運転化によって勢力が衰えたため、停車駅が多いながらも「スーパーとかち」の方が同程度か比較的早いという逆転現象が生まれました。一時的に「スーパーとかち」が優位に立った時期でしたね。
この交換シーンは長くは見られず、その後特急「スーパーとかち10号」の時刻が若干繰り上げられたため、僅か4カ月ほどで隣の十三里駅(現・十三里信号場)で交換するようになりました。
4枚目と5枚目の写真はダイヤ改正に直接関係するものではなく、あくまで両形式を並んで撮影できたというイメージ的なものです。
現在はどちらとも減速運転や本数削減、車体傾斜装置停止などの影響で所要時間が長い列車はかつてのキハ183系による「とかち」なみの遅さになってしまいました。並行して高速道路の延伸、都市間バスの拡充などでJRが優位に立った時代は終わりました。
10年前はキハ183系による「とかち」も2往復残存していましたが、下り列車は所要時間が短めで特急「とかち3号」で2時間51分、特急「とかち9号」で2時間46分でした。現在と比べても決して悪くない数字です。
管理者的には、この10年前のダイヤ改正が石勝線特急の完成形とも呼べるダイヤだったと思っています。速達性を求めるのであれば、この2年後のオールスーパー化を実施したダイヤ改正でしたが、一部の「スーパーとかち」が2時間40分台になるなど、同列車のグレードダウン感が否めないため、あまり印象的に残らなかったです。10年前のダイヤ改正こそ、まさに黄金期でしたね。
ですが、逆にこうして速達化とともに運用を増やした結果、車両に大きく負担がかかり、結果的に4年半後に大きな脱線火災事故を起こしました。黄金期とはいえど、全てが良い方向へ向かっていた、あるいは最良の選択肢だったのかと問われると決してそのようなことはなく、ある意味で反省点も多いダイヤ改正でした。
現在の「スーパーおおぞら」と「スーパーとかち」は10年前の黄金期とは状況がまるで異なり、マイカーの普及や高速道路の延伸ん、都市間バスの台頭で利用が著しくありません。これが昨年の台風被害でより一層厳しい状況となり、利用客離れが進みました。「えきねっとトクだ値」で対抗するも、依然として苦しい状況が続いています。
石勝線系統では暗い話題になってしまいますが、一方で、キハ261系1000番台はキハ183系を置き換える車両として10年を経た今も増備され続けている車両です。2016年3月には新たに「スーパー北斗」として札幌~函館間にも投入されました。
デビュー時と状況が異なるため、車体傾斜装置は搭載していませんが、ホワイトを基調とした新色に変わり、ヘッドマークもフルカラーLEDになりました。時代に合わせて細部の仕様は変更されており、熟成の域に達しています。
将来的には、北海道の特急気動車はキハ261系一種類に集約させ、車両メンテナンスを有利にするとともに、全体の車両数を減らしてコスト削減を図っていきます。
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