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北海道知事が財政支援を表明

北海道知事がついにJR北海道に対し、財政支援を表明しました。昨日のヤフーニュースでもトップで取り上げられていましたね。

北海道知事といえばこれまで、「自助努力」と称してJR北海道を強くけん制していました。10月下旬に行われた会談でも溝は埋まらず、並行線をたどったままでした。

ここでおさらいですが、「自助努力」とは、

自分で努力に励み、困難の解決や成長を独力で進めていくこと。

ネット上で意味を調べることができます。ですが、北海道知事の発言する「自助努力」にはもう1つの意味が込められており、

「簡単に不採算路線の廃止をしない」

このような意味が加えられています。自助努力しようものであれば、不採算路線の整理が一番の近道ですが、これを封じられているという矛盾がここまで問題を長引かせてしまった1つの要因であることは間違いありません。

ですが、12月6日付でJR北海道のプレスリリースより、『平成29年12月6日再生推進会議有志による声明文に関する当社の受け止めについて』という資料が発表されました。

JR北海道再生推進会議有志から北海道民、北海道知事、道内市町村長、国土交通大臣、JR北海道代表取締役社長宛てに「声明」文書です。経営難に陥っていながらも不採算路線の整理などが一向に進んでおらず、2020年度末には資金ショートし、北海道全線で列車の運行ができなくなる試算も出ていました。そのような中で発表された当該資料は、もはや一刻も猶予も許されない、いわゆる警告文書として捉えることができます。


実は、JR北海道再生推進会議には北海道知事もメンバーとして加えられていますが、当日の報告会には欠席し、函館で開催された政治資金パーティーへ出席したという情報を得ました。文書は知事本人ではなく、まず道幹部の人間が受け取り、推進会議関係者からは知事の指導力不足や姿勢に不満の声が出たようです。

おそらくこの状況で危機感をもった知事は早速行動に移し、自助努力と称して消極的だったJR北海道の支援に対し、一転して財政支援に乗り出す方針を固めたというのが一連の流れではないでしょうか。一応表向きは、知事が財政支援を明言し、公費負担の姿勢を出すことで不採算路線の整理について状況が進展しないJRと沿線自治体の協議を進展させるねらいがあるようです。警告文書にも北海道知事の行動や判断力そのものを推すような内容は一切なく、知事としてのリーダーシップの欠如が露呈した形になります。

注目される支援内容ですが、資金をそのまま支援という形で回すのではなく、

・鉄道の安全運行に向けた老朽化した設備の更新

・利便性や快適性を高める車両の保有・貸し付け



などが主に支援策の一例として挙げられているようです。車両の保有・貸し付けについては、前例のある第三セクター「北海道高速鉄道開発」の事例を参考にして具体的な支援策を詰めていきます。車両の保有・貸し付けが検討されている理由としては、車両の製造費用や維持費をJR北海道に貸し付けた際の費用(レンタル料)で後々回収することができるからです。

ちなみに、「北海道高速鉄道開発」は、道とJR、沿線自治体が出資している第三セクターです。


ここで注目すべきは、車両の保有・貸し付け策です。これは、「宗谷」・「サロベツ」で使用されるキハ261系0番台が先行事例として挙げられます。第三セクターが車両を保有し、JRの運行管理下で使用される唯一の例です。



しかしキハ261系0番台の場合、車両の設計段階から宗谷本線で使用する特急車両に特化した仕様としたため、専用設備が仇となり、その後登場した他区分番台との車両と混用することができない状態を生み出しました。元々輸送密度の低い宗谷本線用の車両することでコストも大きくかけることができず、結果的に車両製造数そのものが削減されました。

結果、車両などを検査する際に必要な予備の車両までを考慮した車両数を確保するには至らず、運行開始当初から車両不足に悩まされているのが実態です。それに痺れを切らしたJR北海道は、同社が保有する形で札幌方先頭車を含む2両1ユニットを追加製造し、車両繰りは多少緩和されたことでしょう。

ですが、近年は特に冬期における車両不足に悩まされています。原因は、走行中にエゾシカなどの野生動物との接触、あるいは回避のため急ブレーキをかける際に車輪に傷ができてしまい、それを修繕するために列車の運休を余儀なくされます。元々の車両数が少ない以上、予備車両の確保も難しい状況であり、代走としてノースレインボーエクスプレスやキハ183系一般車が登板し、代走運転が多くなっています。

今年3月のダイヤ改正では、車体の老朽化を理由に宗谷本線の特急列車は3往復中2往復が旭川~稚内間の運行に縮小され、1日に使用する編成数を4編成(キハ261系×2編成、キハ183系×2編成)から2編成(キハ261系×2編成)に少なくしました。その代わり2編成に集約した分、1編成あたりの充当列車数が増えたことで稚内駅では折り返し時間を十分確保することができず、キハ183系代走時は一部列車で大幅な遅れが発生しています。

特に、上りの特急「宗谷」は1時間遅れということもしばしばあり、利用客に対するサービス低下、信用度の低下などが懸念される事態です。

このような事態を招くことから、JR以外の企業などがJRに対して車両の保有・貸し付けを行う運行体系は、管理者は反対という立場です。しかしながら、保有・貸し付けを行う車両が特急車両であればキハ261系1000番台、今後道内のローカル線で幅広く展開されるであろうH100形気動車であれば、一定の条件を加味すれば、道からの支援策は受け入れることが可能だと思います。

一定の条件とは、

・既存の車両と仕様を同一とし、共通で使用できること

・将来的な輸送の変動期において、車両の転属等をJR北海道の判断で容易に可能にしておくこと



要は、北海道が保有する車両だからといって地域別の輸送を担うために特別な仕様とするのではなく、既存の車両とともに共通で使用できることが車両の保有・貸し付けの支援を行ううえでの絶対条件です。これら条件がなければ、いくら車両を貸し付けたとしても数年後には同じことの繰り返しになるだけです。

とりあえず、北海道知事が支援に対して前向きな姿勢をみせたことは、ちょっとだけ評価できます。ですが、実際に支援を開始してからが本当の一歩前進です。事実、警告文書が出されてから行動に移していては遅いです。こんな数日間ですんなり決まったのであれば、この1年は何だったのでしょう??ただ時間を浪費しただけです。北海道知事にはもっと真剣に取り組んでいただきたいです。

期限となる2020年度末まで間に合うかどうかわかりませんが、まずはアクションを起こすことが大事です。そのためには、早急なリーダーシップ、行動力が求められます。











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コメント
7171: by シニアパートナー on 2017/12/16 at 14:34:02 (コメント編集)

どうも北海道庁の考えは、従来の第三セクター定義から抜け出せないのですね。

設備の更新支援や車両の貸し出しをする意思があるのであれば、上下分離により地上設備に責任を持つのか、車両・運行に責任を持つのか、明確に分担しないと混乱します。宗谷の事例にあるように、設備も一部持ち、車両も一部持つという中途半端・不明確な分担は今後するべきではありません。

道庁の案では結局責任の所在が曖昧になります。地上設備すべてをJRから分離する施策を取らないと、維持困難な線区の存続と円滑な運用は出来ません。

7175: by 管理人 on 2017/12/17 at 01:31:19

>>「シニアパートナー」さん、コメントありがとうございます。

道庁も財政状況が厳しい中での判断です。三セクの考えから抜け出せないというより、車両のレンタル料を通じて元が取りやすい仕組みで支援を検討している形になります。それがたまたま先行事例として三セクが行っていました。

キハ261系0番台と決定的に違う点は、同一の車両で対応することが可能な点です。これさえ克服できれば、あとは何ら大きな問題は生じないと思います。

上下分離を考えなかった理由は、道庁にもその影響が大きく出ることを避けたためと考えられ、ある意味で不採算路線は不必要という答えが出ていると思います。

7178:仕方無し感が物凄い?! by ピカチュウの休日倶楽部 on 2017/12/17 at 02:45:12

なんだか、仕方無し感が物凄く感じる支援策ですよね。

車両投入の件は、やはりJR北海道が自由に運用出来る様にするのは、大前提ですよね。

とりあえず、キハ261の0番台の予備車ですかね。

ところで、アイツ(高橋知事)は、5選目は不出馬との話を聞いたんですが本当ですかねぇ。

本当なら次の知事は、JR北海道の事を、真剣に真面目に考えてくれる方が知事になると良いんですが…、無理かな。

7180: by シニアパートナー on 2017/12/17 at 14:02:57 (コメント編集)

財政状況が悪いのはよく分かります。ただし沿線自治体を束ねる立場にある北海道が、自分が出来るのはここまでです、と言うだけで、北海道の自治リーダーとしてはどうなのでしょうか?本来は、国の支援を合わせれば、上下分離が可能になると言うような踏み込んだ提案が欲しい。

少なくても、宗谷、根室、石北の各線は重要課題であり、第三セクターなどというレベルではありません。管理人様も釧網線の可能性を探っておられるのですから、もっと踏み込むべきではないですかねえ。

7183: by 管理人 on 2017/12/18 at 20:39:24

>>「ピカチュウの休日倶楽部」さん、コメントありがとうございます。

車両の貸し付けを実施する場合は記事に記載している通り、従来車と仕様が同一でJR北海道の判断で自由に車両繰りができることです。これが大前提ですね。

現職の知事は次回の知事選には立候補しないことが既に報道されていたはずですよ。次回以降は北海道経済を含め、この先の問題が山積みのため、ある程度の支持を得た中で身を引けるのは現職が最後かもしれません。

後継は前回の知事選で惜しくも敗れた佐藤のりゆき氏あたりが有力ではないでしょうか。でも、民進党の推薦か何かあったはずなんですよねぇ~。

それでも、本当の意味で北海道出身の方なので、北海道事情を現職よりも把握してくれているはずです。管理者としては期待している部分もありますよ。

7186: by 管理人 on 2017/12/18 at 20:59:11

>>「シニアパートナー」さん、再度コメントありがとうございます。

上下分離策にしても、順番としてはどの路線を残してどの路線を廃止にするのかを決めるのが優先だと思います。現状ではこれがまだ決まっていないので、仮に上下分離案が推進されても事案が先に進まずストップしてしまうのではないでしょうか。

まずそれを決めたうえで、上下分離などの支援策が可能であれば、支援できる範囲内で道庁が判断すべきだと思います。もっと踏み込んだ対応を可能とするためには、まずは何ごとも早急に決めなければいけませんね。

7191: by 龍 on 2017/12/18 at 23:16:16 (コメント編集)

先日のフォーラムでも、JR北海道が「力を貸して欲しい。自助努力と言われているが車両投資は1両3億かかる。安全コストもかかる。
持続可能な交通網にするには利用促進が必要」と言っているにもかかわらず、知事の基本的な考え方は「JR北海道に自助努力、JR九州のような不動産開発を、国には実行ある支援、地域の実情に応じた方策を求める」で変わらないようです。正直うんざりです。「貴様、まだ言うか」と。

JRがこれまで開示してきた資料、まともに読んでないんでしょうか?「JR九州のような不動産開発」といっても、そもそも決算書に不動産その他の関連事業をやっていることは書いてあるし、北海道と九州では赤字額が全然違う。九州でさえ関連事業でカバーしてもギリギリ黒字というレベルで、その九州が今度のダイヤ改正で大規模な減便・合理化を発表したばかりです(フォーラムはダイヤ改正発表後に開催)。九州自慢の観光列車の一つ「はやとの風」も定期運行が取りやめになるくらい厳しいのに。まして北海道は関連事業で赤字額をカバーできないからこうなっているのに、それさえまだわからないのか、と。

どれだけJRが情報を開示しようが真面目に目を通そうともしない時点で、まともに議論する気がないのは明らかです。これ以上話し合っても時間の無駄なので、容赦なくどんどん廃止にしてしまえばいい。道には誰も、何も期待なんかしません。

7193: by 管理人 on 2017/12/19 at 22:09:20

>>「龍」さん、コメントありがとうございます。

現職の知事は次回の知事選には立候補しないことが既に報道されていたはずです。事前に物事を決定して引き継いだとしても、その決定した事案について後々何らかのアクシデントがあった際は責任問題になりますよね。

報道などを何回もチェックしていますが、これを避けているとしか思えないです。

話題は逸れますが、九州の事例を挙げるとするならば、今回のダイヤ改正資料のような、大きな輸送体系の見直しが必要です。いくら観光列車で潤っているように見える九州であれ、ローカル線や利用の少ない列車は多く削っています。強いて言うなら、主要駅の無人化、「にちりん」の一部区間や列車におけるワンマン運転など、華やかにみえて実は削っているところはしっかり削っていますね。

運転本数削減は事前通達も自治体に対してほとんどありませんでした。自助努力と言われ続けるのであれば、北海道でもこうした事例を参考にしてほしいです。

警告文書が出された当日の報告会に欠席し、函館で開催された政治資金パーティーへ出席しているという時点でこれら問題に対するやる気のなさは明らかであり、もう国ぐらいしか頼れるところはないです。

7196: by シニアパートナー on 2017/12/20 at 17:12:44 (コメント編集)

何度もすみません。

本当に迅速かつ果敢に決定しないといけないですね。

少し話題がそれますが、LCCピーチアビエーションの井上CEOが2018年度にも新千歳空港を拠点化して、国際路線と道内路線の就航検討を本格化させるとの報道がありました。
想定される道内路線は、新千歳を起点として釧路、女満別、稚内とのことで、ちょうどJR北海道が運行する特急との競合になります。

ただでさえ、JRの形勢有利とは言えない状況下、旅客の需要を奪い合う環境になりかねません(需要喚起になれば別だが)。LCCの経営判断と行動は早いので、ぼやぼやしているととんでもないことになるのでは?と心配です。

7198: by 管理人 on 2017/12/20 at 23:06:37

>>「シニアパートナー」さん、再々度コメントありがとうございます。

LCCの話は聞いています。ただでさえ、特急列車の再編が必要な中で、今回のダイヤ改正内容には驚きました。

おそらく、改善があるとすれば来年度になりますが、手遅れになりそうです。島田体制は速達化や不採算路線の整理が弱すぎます。そろそろ限界ではないでしょうか。

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