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【コラム】JR北海道の負担を減らすべく検討される車両のリース(貸し付け)

本題に入る前に前回の記事の訂正とお詫びです。

パワーウェイトレシオで約22.9PS/tという数値を記載しましたが、これは誤りです。この数値は1トンあたりどれくらいのパワー(PS)で動いているのかという計算です。割る数値を逆にしてしまい、単位も間違ったものを記載してしまいました。

正確な数値をキハ201系とキハ261系0番台のものだけ記載しますが、前者は43.70kg/PS、後者は52.76kg/PSです。主に自動車で使われる際の基準なので、単位もt(トン)からkg(キログラム)に変えています。

キハ201系の方が数値は低いことになりますが、パワーウェイトレシオは、1馬力(PS)あたり何kgを動かしているかという数値なので、当然低い方が動力性能的には優位になります。

両者でもこれだけの差が出ており、おそらく国内における気動車のトップだと思われますが、近々実際に計算したものを北海道の特急気動車を中心に紹介したいと思います。

誤った数値を記載してしまい、申し訳ありませんでした。



ということで本題に入りますが、JR北海道は経営難に陥っており、2020年度末で資金繰りが難しくなり、全道で列車の運行ができなくなると試算しています。昨年の12月6日付でJR北海道のプレスリリースより、『平成29年12月6日再生推進会議有志による声明文に関する当社の受け止めについて』という資料が発表されました。いわゆる早期な決断をしなければならないという警告文書にほかなりません。

その直後、全道各地で路線存続などのシンポジウムや会議などが開かれたと思いますが、その中でJR北海道の負担を減らすべく、車両のリース方式を検討する動きもあります。

車両のリースについて、利点と欠点の両方があります。利点は、運行会社の費用の負担を一時的に減らせることです。欠点は高額な製造費用ゆえに大量の車両の投入またはリースが難しい可能性があること、出資者によって線区別に専用の車両が用意される可能性があることです。

まずは利点から紹介していきます。

実施される場合、対象となるのは主に特急車両になりますが、車両をJR北海道にリース(貸し付け)をすることで同社の費用の負担を減らすというものです。この仕組みをとることで、初期投資として製造費用が高額であってもリースによって貸付料を支払ってもらうことでその負担分を後々帳消しにできるという仕組みです。加えて、車両の保有先がJRではなくなるため、固定資産税などの各種維持費用についての負担も減るはずです。車両の整備などは引き続きJR北海道が担うということで鉄道車両における上下分離方式のようなものです。

既に北海道では事例があり、札幌・旭川~稚内間で「宗谷」・「サロベツ」として運行するキハ261系0番台の14両中12両がそれに該当します。

同車の14両中12両は第三セクター北海道高速鉄道開発(株)が車両を保有します。車両の整備などはJR北海道に委託するリース方式を採用しています。同社は宗谷本線高速化事業はもとより、石勝線・根室本線高速化事業、学園都市線の電化事業などに携わりました。

車両のリースという点で宗谷本線に焦点を当てると、同線の高速化事業は1997年に国から認定を受け、同社は高速化事業に着手しました。この際、これまで北海道や釧路市、JR北海道などが出資者となっていましたが、同高速化事業によって名寄市と士別市が新たに加わることになります。

高速化工事にあたっては、地上設備改良などを実施し、その設備をJR北海道にリースする方法が採用されました。これは根室本線の高速化事業と変わりませんが、宗谷本線に至っては需要が少ないため、地上設備の高速化のほかに、特急車両も用意することになり、キハ261系0番台を12両投入し、2000年3月のダイヤ改正から「スーパー宗谷」2往復として営業運転を開始しました。

基本は4両編成で繁忙期などは増結されて6両編成となります。こうなると予備車両がなくなってしまうため、2001年にJR北海道が2両追加投入します。この増備車2両についてはJR北海道の保有となっています。

この体制となってまもなく17年が経過するわけですが、後々これが欠点となっていきます。

第三セクター保有分の12両について、車両の調達費用が21億円とあり、だいたい1両あたり1.6億円になります。キハ201系をベースとし、コスト削減を図ったとはいえ、決して割安ではない高額な車両製造費によって予備車両なども最低限まで抑えられたことでしょう。

結果このように、当初の製造数が少ないこともあり、車両故障などで使えなくなった際は代走運転が余儀なくされます。キハ183系などで代走するわけですが、性能差は大きく、各駅到着時刻に遅れが生じ、過去には終着駅で最大約1時間程度の遅れが発生したこともありました。

代走運転は年々増える傾向にあり、一昨年の12月と昨年の12月は代走運転が特に目立ち、稚内方面へ向かう全ての特急列車が代走運転という日も確認されました。特にここ最近は、キハ261系0番台の搭載機器や設備の老朽化によって各箇所の更新工事が実施されており、最低限の車両数しか製造されなかったことが、15年以上を経過して欠点として浮き彫りとなりました。

仮に、現在検討されている車両をリースする形で列車を運行する体制とした場合、果たして簡単にそれが実現するのでしょうか。宗谷本線の事例と同様に、キハ261系をリースして使用する場合はどうなるか考えてみます。

同じキハ261系でも現在は1000番台となりました。JR北海道から既に発表されていますが、製造費用は1両あたり約3億円です。0番台のときよりも1両を製造するにあたり、倍の費用を負担しなければなりません。そのような高額な車両を果たしてリースという形でJR北海道に貸し出すことができるのでしょうか。

沿線自治体などが出資者として絡むとしても、どの自治体も決して財政的な余裕はありません。場合によっては利点を上手く生かすことができる車両のリース形式での運行ですが、初期投資が膨大なこともあり、すぐにGOサインが出るわけがありません。このあたりは慎重に議論していかなければなりません。

では、実際に今後車両をリースする形で列車を運行させる場合、どのような方法が望ましいのでしょうか。


・既存の特急車両と同一仕様の車両を投入


対象となるのは主に特急車両ということで、非電化区間も視野に入れ、キハ261系1000番台をリースするという例を挙げましょう。

既存の車両と同一仕様の車両をリースする形で運行することでJR北海道は一時的に費用の負担を減らせると同時に、既存の車両と共通で使用でき、車両繰りもしやすくなります。さらに条件をつけるとすれば、出資者がどこであれ、全道各地で使用できるような貸し付け方法とすることが望ましいです。


この条件さえあれば、初期投資は別として車両をリースして運行する方法はJR北海道における救済措置の1つになります。「宗谷」・「サロベツ」で使用するキハ261系0番台のように、その線区に特化した車両をリースして運行することは今後絶対にあってはなりません。製造数さえもっと確保していれば代走なども減り、運行体制としてはより万全だったことでしょう。残念ながら、現状の体制ではそれが上手く生かされていません。

運行体制について、企業や自治体など複数が絡む場合、万が一双方で何らかの溝が生じるような問題が発生した場合など、以前取り上げた際に記載したように、JR北海道一社で車両の保有から運行まで一括で実施することが望ましいです。ですが、救済措置という点を考慮した場合、経営難に陥っている以上、これも妥協しなければならないかもしれません。


今年に入ってからJR北海道再生へ向けた動きが全然聞こえてこない状況ですが、車両をリースする方式を採用するのであれば、高額な車両製造費用をもとに検討する必要がありますね。












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コメント
7465:H100では駄目なのかな、 by キハ283好き on 2018/02/06 at 02:03:12

キハ261-0番台は、造りも良く、あれで1億6千万なら個人的にはお得に思います。帯広向けもこれと同じ仕様で作れば良かった(グリーン全室化くらいで、)、共通化できたし、

さて、車両のリースですが、特急車だと最低4両で12億と高額で、おそらくどこの自治体も手が出ないと思います。また、特急の走る線区の自治体と走らない線区の自治体で不公平、ということになるかもしれません。
将来的に北斗が新幹線にシフトして車両転用する場合でも、少数のリース車両が存在すると柔軟性を損ねる羽目になります。
これがH100系一般形ならば、どの路線でも必要とされるので、より理解を得やすいし、運用をその路線に固定しても問題は少ないと思います。2億円から購入できるので、費用面でのハードルも下がります。
自治体からリースを受けた車両は、ラッピング等でPRすれば、観光客などの利用促進にも繋がるかと。一部は室内を特急お下がりのリクライニングシートにすれば、快速きたみ等を置き換え、強化でき特急車の所要車両を削減することもできます。
自治体だけでなく、企業等を対象にネーミングライツのような感じで支援、リースを受けるのも有りかと存じます。
自治体の名前やラッピングの入った列車を運行することで、利用者に路線への愛着が生まれ、少しでも利用増につながれば、と思います。

7466: by シニアパートナー on 2018/02/06 at 10:54:38 (コメント編集)

リース方式は現状道庁が考えている支援策の骨子で、車両やその他(この範囲が分からない)を第三セクターに保有させ、JRに貸し出すというものです。北海道高速鉄道開発ですか、この事業者の延長線で考えていると思われます。

宗谷線と石北線は、道の有識者会議で「路線維持」を提言する予定(2月)で、国の支援も受ける方策も可能性あり、この2路線についてははっきりと「上下分離」をするほうが望ましいと個人的には強く感じています。仮に宗谷線が上下分離という形になった場合は、北海道高速鉄道開発は清算し、車両はJRに戻し、新たな鉄道設備を保有する第三セクターを発足させるほうがすっきりするでしょう。車両は一元的にJRが保有・管理するべきです。そうすれば、代走のようなみっともない現象も避けられます。

7468:北海道では…! by ピカチュウの休日倶楽部 on 2018/02/07 at 03:18:50

内地では、山形・秋田新幹線や、我が千葉県の北総鐵道や芝山鐵道等でもリース使用の例は散見されますが、やはらリースだと特に前者は、汎用性に乏しくなる傾向になりますね。

後者の場合は、京成グループ間の融通なので、JR北海道に当てはめるのは無理でしょう。

JR北海道の場合は、やはりリースより車両購入補助の方が得策の様に思えますがどうでしょう。

路線維持費か車両購入費かを選ばさせるのも、妙案だと思いますがねぇ。

7471: by 管理人 on 2018/02/07 at 12:17:57

>>「キハ283好き」さん、コメントありがとうございます。

製造費用を調べている際、ネット上で1.6億円と出てきたので驚きました。1000番台のほぼ半額です。

H100形でももちろん可能なことです。製造費用もキハ261系1000番台としたときの場合よりも安いので、初期投資を抑えられます。今回は救済措置として実施するために早く実施する必要があることに加え、H100形もまだ走行試験すら実施していない段階なので、話題から外させていただきました。

H100形は無事に量産化されれば、札幌圏も回送列車として乗り入れると思われ、全道各地で活躍する見込みもあります。主に道庁がこのリース方式を検討していますが、道民の税金を使うという点でいえば、地域別に偏ることなくある程度納得のいく使い方です。

ラッピングなどを施してしまうと、反ってその地域主体で列車を運行せざるを得ないため、実施するのであれば、車内に各地域の観光情報を掲載したパンフレットを設置する程度にしておいた方がいいと思いますよ。

逆に企業からの支援で、エクステリアにラッピング広告を設置するという方法は線区を限るわけではなく、反ってアピール効果と捉えるのであればアリかもしれませんね。

7472: by 管理人 on 2018/02/07 at 12:33:20

>>「シニアパートナー」さん、コメントありがとうございます。

ほかにも、宗谷本線活性化推進協議会でもこの話題は若干触れられているようです。

宗谷本線と石北本線は書物などで読んでいる限りでも、存続の方向で検討しているようです。特に宗谷本線は、踏切や利用の少ない駅の廃止などを盛り込んでいますね。

車両のリースは実施してもいいと思いますが、列車の運行に企業や自治体など複数が絡む場合、万が一双方で何らかの溝が生じるような問題が発生した場合など、このあたりの対応が非常に難しくなります。記事中に記載しているとおり、現有の車両と共通で使用できることや、設備も全て共通化した車両をリースすることが実施するうえでの絶対条件です。これさえあれば、あとは車両を多くリースできれば、今回取り上げた方法も救済措置として一定の効果があると予想しています。

北海道高速鉄道開発も昨今の経営危機を想定して設立されたわけではないと思われ、JR北海道の存続に向けた新たな第三セクターを設立し、車両のリース、上下分離などを盛り込む必要があるかもしれませんね。

7474: by 管理人 on 2018/02/07 at 12:55:10

>>「ピカチュウの休日倶楽部」さん、コメントありがとうございます。

全国的にも、車両をリースして列車を運行する方法はありますね。特定の線区向けに対応した車両が導入される例も多くあり、良い点ばかりではありません。JR北海道の場合は既存の車両と同様の仕様で線区別に関係なく使用できることが絶対条件です。

車両購入補助の案もアリだと思います。補助という名目の一時的な借入金なので、どちらがJR北海道にとって負担が少ないのか、それとも収支を少しでも改善しようと購入補助の案を見送っているのか、後者の案はほとんど出てきませんよ。

会社が存続を図るべく、最良の方法で救済措置として検討していただければと思います。

7499:航空会社は by 煮 on 2018/02/11 at 22:09:00 (コメント編集)

昔の話ですが、航空会社は利益操作のために
償却方法を変更したり、自社所有の航空機を
直ぐにリース会社に転籍していたような気がします。

又投資目的として、皆んなからお金を集めて
航空機をリースとする会社も存在します。

そこで、鉄道も、リース会社を組織して
鉄道会社に貸すのもいいかもしれません。

7506: by 管理人 on 2018/02/13 at 01:33:13

>>「煮」さん、コメントありがとうございます。

航空機のリースについては過去に聞いたことがありました。主に節税のために用いられることが多いようですね。

北海道高速鉄道開発(株)という似たような例がありますが、一部沿線自治体が出資している関係で、特に車両繰りに関しては大きな影響を受けてしまいました。リースをするのであれば、既存の車両と運用を共通化でき、同一仕様の車両が望ましいです。

新会社を設立して一般企業や個人からの出資を募った方が自治体を加えた場合よりも融通は利くかもしれませんね。

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