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キハ183系先頭車のうち、電源機関をもたない500番台・400番台

キハ183系の先頭車は、一部を除いて電源機関が搭載されています。

キハ183系を組成する際にルールがあり、そのルールとは主に、編成全体のサービス電源を確保することです。サービス電源がなければ、車内における冷暖房機器、照明などが機能しなくなるわけです。このサービス電源を確保するために先頭車の存在が非常に重要になってくるわけです。キハ183系の先頭車の床下には最大4両分の給電能力を有する電源機関を搭載しています。

サービス電源を確保する電源機関はキハ183系の先頭車に搭載されます。残存する中間車については搭載する車両はありません。かつてキハ184形0番台も搭載されていましたが、既に全廃となっています。



似たような車両として、昨年3月ダイヤ改正まで活躍していた「キハ183-104」は、キハ184形0番台を先頭車化改造を実施した車両です。特急列車の短編成化で先頭車が不足することから、電源機関をもち、先頭車として使用できるようにしたのが当該車両です。4両が登場しましたが、既に全車が廃車されています。

例外があり、先頭車でありながら、電源機関を搭載しない車両も存在します。





写真は全て400番台ですが、キハ183形500番台・400番台がそれに該当します。400番台は500番台から改番された車両で波動用として活用すべく、出力適正化(パワーダウン)を図り、最高運転速度も110km/hに下げられました。こちらも電源機関を搭載していません。

特急列車の短編成化に伴い、中間電源車のキハ184形0番台の余剰を回避すべく、製造されたのがキハ183形500番台です。キハ184形0番台と共に使用することで既存の電源車を有効活用する策がとられました。電源機関を搭載しない代わりに、トイレ・洗面所を設置し、大出力エンジンを搭載しました。この大出力エンジンとは、「北斗」として高速化に貢献した同型のエンジンであり、後に一時的な使用休止を余儀なくされます。

キハ184形0番台と編成内で連結して先頭車として活躍することが多かったですが、相方のキハ184形0番台が先に引退してしまったことにより、電源機関をもたない500番台・400番台の先頭車は本来の先頭車としての機能を果たすことが難しい状況になり、かつての「サロベツ」や現在の「オホーツク」・「大雪」で増結用の車両として活躍の場が限られてしまいました。

先頭車の床下には最大4両分の給電能力を有する電源機関を搭載していることから、「オホーツク」・「大雪」の所定の編成を組む際、組成ルールを満たしていることになります。ですが、先頭車として一向に活用されないことや、札幌運転所(札サウ)へのフライス回送(3両編成以下)での使用がメインとなっていることから、営業列車の先頭車として使用することができない何らかの事情を抱えているのかもしれません。雑誌などでも、「通常は編成内に組み込まれ・・・」などという記載しかされておらず、正確な理由については明記されていません。事実と運用・車両繰りが矛盾している状態にあります。

既存の先頭車の発電機容量は全て同じで、異なる点は主に初期車とマイナーチェンジ車で電源装置の機関の型式が変更されている程度です。遠軽方にスラントノーズ車、貫通型先頭車の両方が使用されど、札幌・網走方に500番台や400番台が連結されることはなかったので、機関の型式が異なるという点が理由という可能性は低そうです。

今回取り上げている500番台・400番台の先頭車を除けば、ほぼ全ての先頭車で電源機関が搭載されます。「北斗」は年末年始に9両編成や10両編成が確認されました。先頭車両が編成中に2両組み込まれているとすると、編成全体にサービス電源を供給することになれば、最大8両編成が限界となります。このため、9両編成以上で運行される際はこれまで必ず中間に先頭車を組み込む体制がとられていたはずです。年末年始に確認した際は、いずれも中間に先頭車を組み込み、サービス電源を確保していました。

ダイヤ改正後、キハ183系の定期仕業は札幌・旭川~網走間の「オホーツク」・「大雪」のみとなります。所定が4両編成となり、近年は増結されても最大6両編成なので、こうした組成ルールはあまり関係なくなります。

500番台や400番台の先頭車は増結用の車両として今後も重宝されていくと思いますが、旧130km/h対応車が3月のダイヤ改正を機に、「オホーツク」・「大雪」で営業運転を開始すると思われ、ブレーキ装置などが従来車と異なる関係で混用することはできなくなります。そうすると、現在よりも活躍の幅が狭まることが予想され、指定席がグレードアップ指定席タイプの座席を主体に車両繰りがされるのであれば、増結用の車両としても重宝することができない(座席が自由席タイプのままである)状況になるので、ダイヤ改正後は営業運転に入る姿がとても貴重になるのかもしれません。

登場時、既存の電源車を有効活用するという策が後に裏目に出てしまいました。500番台も現在の1500番台として登場し、電源機関が搭載されていれば、苗穂車もこれまでの先頭車不足に苦慮することはなかったことでしょう。キハ183系の中でも特に不運な先頭車です。










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コメント
7480: by 沿岸ライン on 2018/02/08 at 22:44:33

4両編成の場合、サービス電源付き車両は1両で足りますが、故障した時のことを考慮(特に冬季の暖房)して1編成につき最低2両連結にしているのではないでしょうか。
かつてのサロベツ編成は、基本3両にもかかわらずトイレの設置改造までして両端をキハ183-1500にしていましたよね。
あくまでも個人的な予想です。ご了承下さい。

7485: by 管理人 on 2018/02/09 at 00:32:57

>>「沿岸ライン」さん、コメントありがとうございます。

故障も一度考えてみましたが、それだと「北斗」で7両編成や8両編成を組んだ際に矛盾してしまうんですよね。稚内方面や網走方面は道南方面と違ってより過酷な条件下で使用するので、もしかしたら故障対策という点も含まれているかもしれませんね。

7489: by OHLINS・MAGIC on 2018/02/09 at 20:53:09 (コメント編集)

沿岸ラインさんのおっしゃっている理由で間違いないしょう。
同じような事例が白鳥で乗り入れていた485系特急電車でも当てはまります。
485系を代表とする国鉄型特急電車の電動発電機の容量は210KVAで給電能力は6両です。
という事は6両編成までなら両側の先頭車に必要はないのですが、1機故障したらサービス電源が無くなってしまいます。
無論10両・12両の場合は照明半減・冷暖房停止などの負荷半減処置をして
最低限の車内環境を働を確保する形を取りますが
もう1機あればそれが不要という事になります。
(電源誘導処置は必要ですが)
矛盾してるという考えも理解できますが
2機あれば何とか運転出来ますけど1機だと即運転不能という事態になりかねませんし
冗長性を持たせたいというのもあるでしょうね。
現に秋田地区のかもしかで使っていたグループは
先頭がクモハの為電動発電機が編成内に1機しかないので
(基本3両か5両編成<たざわ時代>なので)
交流区間だけで作動する非常用電源装置をクモハに搭載していたくらいですから。
逆に冷暖房の使用しない時期であれば400番台も普通に先頭に立つ事も出来ますからね。

もし乗った列車が寒くて照明が薄暗い場合は補助電源が故障していて負荷半減処置をしているでしょうね。
昔小浜線のキハ58に乗った時に寒くて停車中に運転士に言ったら
エンジン1基停止していますと言われて
となりのキハ28に移動した事がありますので。

正直稚内・網走まで暖房の入らない冷凍列車に乗りたくはないものです…。

7495: by 管理人 on 2018/02/10 at 18:41:20

>>「OHLINS・MAGIC」さん、コメントありがとうございます。

参考になるコメントありがとうございます。

485系は6両まで給電可能ですか。ちなみにキハ183系は容量は180kVAで最大4両の給電まで可能です。

故障対策や「北斗」より厳寒の地で使用することになりますから、冬期は特に暖房で電源を使うと想定すると、通常の容量では不足してしまい、結果として先頭車として活用できないのかもしれませんね。

晩年のキハ183系「サロベツ」は、札幌方スラント車が稚内で車輪フラットの検査で引っかかり、運よく500番台を増結して運行していたため、翌日に札幌方を500番台とした3両編成で戻ってきたことが一度あったはずです。フライス回送を含め、3両編成であればなんとか使用できるようですね。

こうして調べていくと面白いです。こうしたコメントは大変参考になります。ありがとうございました。

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