キハ281系で前照灯のLED化
キハ281系 - 2018年04月11日 (水)
今回は当ブログでもあまり取り上げることのないキハ281系についてです。
3月のダイヤ改正前から運転席下部に設置されている前照灯が従来のHIDからLEDに交換されています。
当記事掲載写真はいずれも今年3月のダイヤ改正日に撮影したものです。


まずは従来のHIDを採用している車両です。
2005年から全車に対して施行された重要機器取替工事に伴い、先頭車については運転席下部の前照灯が新たにHIDへと交換されました。
それ以降、13年間は交換されず、今日に至りましたが・・・


車番は「キハ281-6」です。運転席下部の前照灯が交換されており、従来のHIDからLEDへと交換されています。


最後尾の車両として点灯していない場合は5枚目、6枚目の写真になります。実車同士を比べると明らかに違いがわかります。
最近は自動車においても新車時からLEDのヘッドライトを採用する車種が多くなってきました。省エネに貢献するLEDですが、北海道では使用条件によってあまり普及してほしくないものでもあります。
なぜかというと、自動車の場合はライトを点灯しても温まることはありません。確かに、手などをかざすと熱を感じることはできますが、雪を溶かすまでには至りません。
LEDチップそのものは発熱するので手をかざすと熱いです。ですが、チップの熱をそのままにしておくと故障が発生してしまい、この対策として冷却装置が必要になります。自動車のLEDのヘッドライトはファンなどで強制冷却を行うので、発熱量を落とすことで故障を防ぎ、HIDを超える長寿命化を実現しています。
結果、LEDのヘッドライトは発熱量は少なくなるため、雪が降った際は思うように溶けません。逆にLEDより発熱量の多いHIDは雪が溶けやすいという仕組みです。
ちなみに、HIDでもLEDでも光量が新品時と比較して70%程度まで落ちた時点で寿命と判断します。自動車用のヘッドライトで比較しますが、ハロゲン>HID>LEDの順に消費電力が小さくなります。寿命もそれぞれ約1000時間、約2000時間となり、LEDになると約10000時間の長寿命になります。もちろん、製品や車種によって違いは出てきますが、ハロゲンやHIDと比較して長寿命ということがLEDの魅力です。
明るさを求めるのであれば、断然HIDです。車を保有している方は個々の好みでHIDにしたり、LEDにしたりしましょう。
北海道では、LEDのヘッドライトを採用している鉄道車両はまだ少ないと思います。数年前は札幌圏の733系を使って検証実験のようなこともしていましたが、結果的に従来のHIDタイプに戻され、採用されたのは函館地区で「はこだてライナー」として使用する1000番台のみとなりました。
なぜ後者はLEDのヘッドライトが採用されたのかというと、北海道内でも道南方面は比較的降雪量が少ないためと予想されます。降雪量が少なければヘッドライトに雪が付着する心配は少なくなります。結果、雪を溶かす役割があるHIDのヘッドライトを採用する必要がなくなり、加えて省エネで長寿命であるLEDを採用した方が全体的なコストを低く抑えられると判断したためと予想されます。
キハ281系も道央圏まで姿をみせますが、苫小牧あたりから降雪量は少なくなります。今後既存の特急気動車などに順次採用されていくのかは不明ですが、LEDのヘッドライトはヘッドライトカバーなどに付着した雪が溶けづらいという欠点を持つため、北海道で鉄道車両へ採用されるとなると、道南地区で活躍する車両のみになる可能性もあります。
今後の動向が気になりますが、札幌~東室蘭・室蘭間の特急「すずらん」のみで使用されることになった785系に採用されたら、フロント部分の印象が大きく変わるかもしれませんね。
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3月のダイヤ改正前から運転席下部に設置されている前照灯が従来のHIDからLEDに交換されています。
当記事掲載写真はいずれも今年3月のダイヤ改正日に撮影したものです。


まずは従来のHIDを採用している車両です。
2005年から全車に対して施行された重要機器取替工事に伴い、先頭車については運転席下部の前照灯が新たにHIDへと交換されました。
それ以降、13年間は交換されず、今日に至りましたが・・・


車番は「キハ281-6」です。運転席下部の前照灯が交換されており、従来のHIDからLEDへと交換されています。


最後尾の車両として点灯していない場合は5枚目、6枚目の写真になります。実車同士を比べると明らかに違いがわかります。
最近は自動車においても新車時からLEDのヘッドライトを採用する車種が多くなってきました。省エネに貢献するLEDですが、北海道では使用条件によってあまり普及してほしくないものでもあります。
なぜかというと、自動車の場合はライトを点灯しても温まることはありません。確かに、手などをかざすと熱を感じることはできますが、雪を溶かすまでには至りません。
LEDチップそのものは発熱するので手をかざすと熱いです。ですが、チップの熱をそのままにしておくと故障が発生してしまい、この対策として冷却装置が必要になります。自動車のLEDのヘッドライトはファンなどで強制冷却を行うので、発熱量を落とすことで故障を防ぎ、HIDを超える長寿命化を実現しています。
結果、LEDのヘッドライトは発熱量は少なくなるため、雪が降った際は思うように溶けません。逆にLEDより発熱量の多いHIDは雪が溶けやすいという仕組みです。
ちなみに、HIDでもLEDでも光量が新品時と比較して70%程度まで落ちた時点で寿命と判断します。自動車用のヘッドライトで比較しますが、ハロゲン>HID>LEDの順に消費電力が小さくなります。寿命もそれぞれ約1000時間、約2000時間となり、LEDになると約10000時間の長寿命になります。もちろん、製品や車種によって違いは出てきますが、ハロゲンやHIDと比較して長寿命ということがLEDの魅力です。
明るさを求めるのであれば、断然HIDです。車を保有している方は個々の好みでHIDにしたり、LEDにしたりしましょう。
北海道では、LEDのヘッドライトを採用している鉄道車両はまだ少ないと思います。数年前は札幌圏の733系を使って検証実験のようなこともしていましたが、結果的に従来のHIDタイプに戻され、採用されたのは函館地区で「はこだてライナー」として使用する1000番台のみとなりました。
なぜ後者はLEDのヘッドライトが採用されたのかというと、北海道内でも道南方面は比較的降雪量が少ないためと予想されます。降雪量が少なければヘッドライトに雪が付着する心配は少なくなります。結果、雪を溶かす役割があるHIDのヘッドライトを採用する必要がなくなり、加えて省エネで長寿命であるLEDを採用した方が全体的なコストを低く抑えられると判断したためと予想されます。
キハ281系も道央圏まで姿をみせますが、苫小牧あたりから降雪量は少なくなります。今後既存の特急気動車などに順次採用されていくのかは不明ですが、LEDのヘッドライトはヘッドライトカバーなどに付着した雪が溶けづらいという欠点を持つため、北海道で鉄道車両へ採用されるとなると、道南地区で活躍する車両のみになる可能性もあります。
今後の動向が気になりますが、札幌~東室蘭・室蘭間の特急「すずらん」のみで使用されることになった785系に採用されたら、フロント部分の印象が大きく変わるかもしれませんね。
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