733系3000番台B-3108編成+B-3208編成が営業運転開始
近郊形電車 - 2018年06月03日 (日)
4月21日に甲種輸送で札幌に到着した733系3000番台B-3108編成+B-3208編成ですが、試運転を経て営業運転を開始しています。


正式にいつから営業運転を開始しているか不明ですが、5月下旬の時点で既に営業運転に入っていたようです。
JR北海道の今年度の事業計画によると、快速「エアポート」用として733系が24両新製される計画です。昨年既に報道されているとおり、6両編成×4本の計24両が増備されます。発注に伴う費用は1編成あたりおよそ10億円です。1両あたりおよそ1.6億円となります。
快速「エアポート」については、混雑を理由に時間帯によって6両編成での運転に対応できないことから増発が検討されていました。快速列車でありながら、特急列車並みの速達性をもつ列車として空港アクセスのみならず、通勤・通学から普段の足として幅広く利用されています。その結果、普通列車よりも本数が多く、同列車に利用が集中してしまい、データイム毎時4本、15分間隔運転でも対応しきれない問題を抱えていました。
さらに、新千歳空港を発着する航空機の発着枠を拡大し、加えてインバウンド需要の増加で混雑がより目立つようになり、同列車の混雑緩和は喫緊の課題として取り組まなければなりません。
一昨年10月に政府要人(菅義偉・官房長官)から快速「エアポート」の増発について取り上げられ、「2020年度をめどに3割増やす」との発言がありました。現在のデータイム15分間隔の毎時4本運転からデータイム12分間隔の毎時5本で検討され、今年度から増発に向けた車両の増備(6両編成×4本の計24両)が実施されます。
その1編成目が今回取り上げているB-3108編成+B-3208編成の6両編成です。
しばらく既存の車両とともに活躍することになりますが、今年度に車両の増備が完了するというスケジュールだと、当初の予定よりも前倒しされ、2019年度末には快速「エアポート」の本数がデータイム毎時4本から5本へ拡大する可能性もあり、来年3月のダイヤ改正では札幌圏を中心にダイヤが大きく変更される可能性も否定できません。現段階で時間帯によって輸送力に限界が生じていることは確かで、計画を前倒ししても何ら問題はありません。
ただし、快速「エアポート」の増発については事業計画に明記されていないので、このあたりは気になるところですね。


今年度増備された車両と従来の札幌圏の733系と比較して大きく異なる点が、ヘッドライトがHID・ハロゲンタイプからLEDタイプに変更されたことです。道南方面で活躍する「はこだてライナー」用の1000番台では既に採用されていますが、札幌圏で活躍する733系に今後本格的に採用されるのであれば、B-3108編成+B-3208編成(クハ733-3108・クハ733-3208)が最初になります。
これまで、既存の3両編成や快速「エアポート」用の6両編成を使用して試験的にLEDのヘッドライトを採用した時期がありましたが、いずれも本格的な採用とはならず、最終的にHID・ハロゲンタイプに戻されています。
ここで大きく勘違いしてしまうのが、LEDはHIDに比べて明るいという点です。光量は従来のHIDの方があります。しかし、LEDとHIDでは光の出方が異なるので、どちらが明るいかは人それぞれだと思います。何よりLEDの方が白さが際立ち、従って明るく見えてしまうという錯覚が生じてしまうのかもしれません。
インターネットでHIDとLEDを比較すると、自動車のヘッドライトの事例がたくさん出てきます。前者のメリットの方が多く確認され、LEDが劣っているように紹介されているサイトもいくつもあります。確かに、光量という点でHIDを超えるLEDは現時点で確認されていませんが、その代わりに消費電力が少ないことや、寿命が長いこと、起動した際の速度にタイムラグが生じないことなど、メリットももちろんあります。
特に、寿命が長いことはLEDの利点として挙げられ、サイトによって記載方法が異なりますが、今回調べてみたサイトでは、HIDの寿命が約2,000時間だとすれば、LEDは約30,000時間の寿命で、省エネという点が際立っています。HIDほどの光量はありませんが、十分な明るさが確保されています。長寿命ということを踏まえると、将来的なコスト削減に貢献できます。
一方で、北海道などではLEDは欠点となる場合があります。
最近は自動車でもLEDのヘッドライトが新車時で標準で装着されている車種が増えてきました。以前紹介しましたが、北海道では使用条件によってあまり普及してほしくないものでもあります。
なぜかというと、自動車の場合はライトを点灯しても温まることはありません。確かに、手などをかざすと熱を感じることはできますが、雪を溶かすまでには至りません。雪が降る冬期は暗い中や吹雪の中をヘッドライトを頼りに走行しなければならない場合もあります。その条件下でヘッドライトのまわりに雪が付着したままで溶けないとすると、危険を伴う場合がありますね。
LEDチップそのものは発熱するので手をかざすと熱いですが、チップの熱をそのままにしておくと故障が発生してしまいます。このオーバーヒートを対策するものとして冷却装置が装着されています。自動車のLEDのヘッドライトはファンなどで強制冷却を行うので、発熱量を落とすことで故障を防ぎ、HIDを超える長寿命化を実現しています。
結果、LEDのヘッドライトは発熱量は少なくなるため、降雪時はヘッドライトまわりの雪が思うように溶けません。逆にLEDより発熱量の多いHIDは雪が溶けやすいという仕組みです。
万が一の視界不良を選ぶか、長寿命による省エネを選ぶかの2択です。今回の733系や最近ヘッドライトのLED化(交換)が確認されたキハ281系などから、JR北海道の車両は後者の省エネが今後普及していくと推測しています。
これまでも何度か確認していますが、HIDと比べると光量が少ないといえど、HIDに負けない十分な明るさを確保しており、白い光が際立つことでHIDよりも明るく見えてしまう錯覚を覚えます。
733系は今年度はあと6両編成×3本が投入されます。同じタイミングで札幌へ甲種輸送されたB-3109編成+B-3209編成もまもなく営業運転を開始することでしょう。
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正式にいつから営業運転を開始しているか不明ですが、5月下旬の時点で既に営業運転に入っていたようです。
JR北海道の今年度の事業計画によると、快速「エアポート」用として733系が24両新製される計画です。昨年既に報道されているとおり、6両編成×4本の計24両が増備されます。発注に伴う費用は1編成あたりおよそ10億円です。1両あたりおよそ1.6億円となります。
快速「エアポート」については、混雑を理由に時間帯によって6両編成での運転に対応できないことから増発が検討されていました。快速列車でありながら、特急列車並みの速達性をもつ列車として空港アクセスのみならず、通勤・通学から普段の足として幅広く利用されています。その結果、普通列車よりも本数が多く、同列車に利用が集中してしまい、データイム毎時4本、15分間隔運転でも対応しきれない問題を抱えていました。
さらに、新千歳空港を発着する航空機の発着枠を拡大し、加えてインバウンド需要の増加で混雑がより目立つようになり、同列車の混雑緩和は喫緊の課題として取り組まなければなりません。
一昨年10月に政府要人(菅義偉・官房長官)から快速「エアポート」の増発について取り上げられ、「2020年度をめどに3割増やす」との発言がありました。現在のデータイム15分間隔の毎時4本運転からデータイム12分間隔の毎時5本で検討され、今年度から増発に向けた車両の増備(6両編成×4本の計24両)が実施されます。
その1編成目が今回取り上げているB-3108編成+B-3208編成の6両編成です。
しばらく既存の車両とともに活躍することになりますが、今年度に車両の増備が完了するというスケジュールだと、当初の予定よりも前倒しされ、2019年度末には快速「エアポート」の本数がデータイム毎時4本から5本へ拡大する可能性もあり、来年3月のダイヤ改正では札幌圏を中心にダイヤが大きく変更される可能性も否定できません。現段階で時間帯によって輸送力に限界が生じていることは確かで、計画を前倒ししても何ら問題はありません。
ただし、快速「エアポート」の増発については事業計画に明記されていないので、このあたりは気になるところですね。


今年度増備された車両と従来の札幌圏の733系と比較して大きく異なる点が、ヘッドライトがHID・ハロゲンタイプからLEDタイプに変更されたことです。道南方面で活躍する「はこだてライナー」用の1000番台では既に採用されていますが、札幌圏で活躍する733系に今後本格的に採用されるのであれば、B-3108編成+B-3208編成(クハ733-3108・クハ733-3208)が最初になります。
これまで、既存の3両編成や快速「エアポート」用の6両編成を使用して試験的にLEDのヘッドライトを採用した時期がありましたが、いずれも本格的な採用とはならず、最終的にHID・ハロゲンタイプに戻されています。
ここで大きく勘違いしてしまうのが、LEDはHIDに比べて明るいという点です。光量は従来のHIDの方があります。しかし、LEDとHIDでは光の出方が異なるので、どちらが明るいかは人それぞれだと思います。何よりLEDの方が白さが際立ち、従って明るく見えてしまうという錯覚が生じてしまうのかもしれません。
インターネットでHIDとLEDを比較すると、自動車のヘッドライトの事例がたくさん出てきます。前者のメリットの方が多く確認され、LEDが劣っているように紹介されているサイトもいくつもあります。確かに、光量という点でHIDを超えるLEDは現時点で確認されていませんが、その代わりに消費電力が少ないことや、寿命が長いこと、起動した際の速度にタイムラグが生じないことなど、メリットももちろんあります。
特に、寿命が長いことはLEDの利点として挙げられ、サイトによって記載方法が異なりますが、今回調べてみたサイトでは、HIDの寿命が約2,000時間だとすれば、LEDは約30,000時間の寿命で、省エネという点が際立っています。HIDほどの光量はありませんが、十分な明るさが確保されています。長寿命ということを踏まえると、将来的なコスト削減に貢献できます。
一方で、北海道などではLEDは欠点となる場合があります。
最近は自動車でもLEDのヘッドライトが新車時で標準で装着されている車種が増えてきました。以前紹介しましたが、北海道では使用条件によってあまり普及してほしくないものでもあります。
なぜかというと、自動車の場合はライトを点灯しても温まることはありません。確かに、手などをかざすと熱を感じることはできますが、雪を溶かすまでには至りません。雪が降る冬期は暗い中や吹雪の中をヘッドライトを頼りに走行しなければならない場合もあります。その条件下でヘッドライトのまわりに雪が付着したままで溶けないとすると、危険を伴う場合がありますね。
LEDチップそのものは発熱するので手をかざすと熱いですが、チップの熱をそのままにしておくと故障が発生してしまいます。このオーバーヒートを対策するものとして冷却装置が装着されています。自動車のLEDのヘッドライトはファンなどで強制冷却を行うので、発熱量を落とすことで故障を防ぎ、HIDを超える長寿命化を実現しています。
結果、LEDのヘッドライトは発熱量は少なくなるため、降雪時はヘッドライトまわりの雪が思うように溶けません。逆にLEDより発熱量の多いHIDは雪が溶けやすいという仕組みです。
万が一の視界不良を選ぶか、長寿命による省エネを選ぶかの2択です。今回の733系や最近ヘッドライトのLED化(交換)が確認されたキハ281系などから、JR北海道の車両は後者の省エネが今後普及していくと推測しています。
これまでも何度か確認していますが、HIDと比べると光量が少ないといえど、HIDに負けない十分な明るさを確保しており、白い光が際立つことでHIDよりも明るく見えてしまう錯覚を覚えます。
733系は今年度はあと6両編成×3本が投入されます。同じタイミングで札幌へ甲種輸送されたB-3109編成+B-3209編成もまもなく営業運転を開始することでしょう。
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