多客臨に代走運転、6月は多忙だったノースレインボーエクスプレス
キハ183系 - 2018年07月06日 (金)
札幌~富良野間の臨時特急「フラノラベンダーエクスプレス」が6月から今年度の営業運転を開始しています。
最盛期は3往復が設定されていましたが、2014年度から3往復から2往復へと変更し、それ以降は2往復の体制が続いています。2往復体制直後は需要に対応しきれず、キハ183系一般車で代走したり、クリスタルエクスプレスを使用する列車がノースレインボーエクスプレスへ変更するなど、着席サービス向上を図った措置が見られました。
富良野方面のリゾート気動車といえば、フラノエクスプレスなどが引退した後はクリスタルエクスプレスのイメージがありましたが、本数削減による定員数確保の関係からノースレインボーエクスプレスが重宝されるようになりつつあります。
さらに、同車といえば、札幌・旭川~稚内間を結ぶ「宗谷」・「サロベツ」の代走としても活躍する車両であり、6月は代走運転も多かったことから、週末は富良野方面へ「フラノラベンダーエクスプレス」として、同列車が運行されない平日は稚内方面へ「宗谷」・「サロベツ」の代走に使用され、ノースレインボーエクスプレスは多忙を極めました。
車両故障等が発生してしまうと、「フラノラベンダーエクスプレス」の運行そのものが窮地に立たされますが、何らトラブルなく、7月に入ってからも活躍しているようです。


今シーズンの「フラノラベンダーエクスプレス」の写真を2枚掲載します。1枚目は苗穂運転所(札ナホ)出区前の様子で、2枚目は苗穂付近を走行する同列車です。
最盛期の本数が3往復から2往復へ削減されたことで、それまでの3往復分の輸送を2往復で担わなければなりません。結果、1編成あたりの定員数の多い車両が必要とされ、リゾート気動車で且つ1編成あたりの定員数が多いノースレインボーエクスプレスが重宝されている傾向にあります。

一方で、稚内方面へ「宗谷」・「サロベツ」の代走にも使用されました。写真は6月20日に岩見沢駅で撮影した上りの特急「宗谷」です。13分ほど遅れて運行していました。
先頭部分には営業列車では珍しい「JR北海道」の表示がされています。
ノースレインボーエクスプレスはリゾート気動車にも関わらず、最高運転速度が130km/h(減速運転施行前まで)のため、「スーパー宗谷」時代から代走車両として重宝されていました。最小で遅延は5分程度に抑えられ、リゾート気動車ならぬ高速特急気動車にも負けない速達性がウリです。
昨年は「宗谷」・「サロベツ」の代走のために「フラノラベンダーエクスプレス」をキハ183系一般車で代走したケースもありました。これは、キハ261系0番台の車輪に傷が入った影響によるもので、7月8日から15日まで実施されました。
「フラノラベンダーエクスプレス」1往復で使用していたノースレインボーエクスプレスを「宗谷」と「サロベツ」の代走に、その間「フラノラベンダーエクスプレス」1往復はキハ183系一般車による代走運転となりました。
なぜこのような車両繰りがされるかというと、110km/h運転対応のキハ183系一般車を宗谷線特急の代走に使用した場合、終着駅に列車によって最大1時間程度の遅れが発生してしまい、稚内駅での折り返し時間もさほど確保されていないことから、代走による遅れが目立っていました。そこで最高運転速度が120km/hのノースレインボーエクスプレスを充当させることで遅延を最小限に抑える措置がとられました。
このように、近年はノースレインボーエクスプレスが重宝されており、団体輸送や多客臨から代走運転まで活用できる万能な列車・車両になっています。
JR北海道では今後、キハ183系、キハ281系、キハ283系、キハ261系の4車種ある特急気動車をキハ261系に一本化します。車両メンテナンス向上及び、車種を統一することで全体の車両数を抑制するねらいがあります。
しかし、今後道内の都市間輸送の大半を担うであろうキハ261系には、ノースレインボーエクスプレスのような万能な車両と比べて乏しい点があり、おそらく現状では特定の路線しか入線することができないことや、観光列車としての機能を兼ね備えていないという点が挙げられます。
車体傾斜装置を搭載せずとも、一定の高速化が図られたことは評価できますが、いずれキハ183系のリゾート気動車にも寿命が訪れ、引退を余儀なくされるときがくるでしょう。もちろん、後継車は現状の厳しい経営状況では生み出すことができず、観光用の列車も次々と失っていくばかりと予想しています。
そのような中で、ノースレインボーエクスプレスのような高速特急気動車が充当される定期特急列車に使用でき、観光やそれに伴う臨時列車にも使用できる万能な車両が今後必要とされるときがくるでしょう。現に、「流氷物語号」や789系0番台による特急「ライラック旭山動物園号」がその一例であり、これらの列車は前者はシーズン以外はローカル線の普通列車として使用し、後者は特急「ライラック5号」と特急「ライラック38号」に旭山動物園へのアクセス列車としての機能を合わせ持った列車です。
経営難や車両の老朽化を理由に経営資源の選択と集中を進める中で、こうした定期列車の機能に観光・臨時列車としての機能を兼ね備えた列車・車両が次第に北海道では必要とされるようになってきました。
いずれリゾート気動車が老朽化などによって引退を余儀なくされた場合、毎年夏に設定している富良野方面の臨時列車はどうするのかなど、臨時列車用の車両について課題はたくさんあります。外国人観光客増加によるインバウンド需要が上向きとなる中で、果たして観光用の列車・車両をなくすことは影響がないと言えるのでしょうか。
こうしたいずれ訪れるであろう事態に備え、ノースレインボーエクスプレスのような定期特急列車にも使用でき、且つ観光やそれに伴う臨時列車の用途にも使える万能な車両がいずれ必要であると感じています。実現させるのであれば、ハイデッカー構造で部品や搭載機器を極力キハ261系と同じもので統一した車両が理想です。
ぜひとも収益が見込めないローカル線の存廃問題ではなく、こうした部分に投資していき、JR北海道に少しでも明るい未来があれば嬉しいですね。
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最盛期は3往復が設定されていましたが、2014年度から3往復から2往復へと変更し、それ以降は2往復の体制が続いています。2往復体制直後は需要に対応しきれず、キハ183系一般車で代走したり、クリスタルエクスプレスを使用する列車がノースレインボーエクスプレスへ変更するなど、着席サービス向上を図った措置が見られました。
富良野方面のリゾート気動車といえば、フラノエクスプレスなどが引退した後はクリスタルエクスプレスのイメージがありましたが、本数削減による定員数確保の関係からノースレインボーエクスプレスが重宝されるようになりつつあります。
さらに、同車といえば、札幌・旭川~稚内間を結ぶ「宗谷」・「サロベツ」の代走としても活躍する車両であり、6月は代走運転も多かったことから、週末は富良野方面へ「フラノラベンダーエクスプレス」として、同列車が運行されない平日は稚内方面へ「宗谷」・「サロベツ」の代走に使用され、ノースレインボーエクスプレスは多忙を極めました。
車両故障等が発生してしまうと、「フラノラベンダーエクスプレス」の運行そのものが窮地に立たされますが、何らトラブルなく、7月に入ってからも活躍しているようです。


今シーズンの「フラノラベンダーエクスプレス」の写真を2枚掲載します。1枚目は苗穂運転所(札ナホ)出区前の様子で、2枚目は苗穂付近を走行する同列車です。
最盛期の本数が3往復から2往復へ削減されたことで、それまでの3往復分の輸送を2往復で担わなければなりません。結果、1編成あたりの定員数の多い車両が必要とされ、リゾート気動車で且つ1編成あたりの定員数が多いノースレインボーエクスプレスが重宝されている傾向にあります。

一方で、稚内方面へ「宗谷」・「サロベツ」の代走にも使用されました。写真は6月20日に岩見沢駅で撮影した上りの特急「宗谷」です。13分ほど遅れて運行していました。
先頭部分には営業列車では珍しい「JR北海道」の表示がされています。
ノースレインボーエクスプレスはリゾート気動車にも関わらず、最高運転速度が130km/h(減速運転施行前まで)のため、「スーパー宗谷」時代から代走車両として重宝されていました。最小で遅延は5分程度に抑えられ、リゾート気動車ならぬ高速特急気動車にも負けない速達性がウリです。
昨年は「宗谷」・「サロベツ」の代走のために「フラノラベンダーエクスプレス」をキハ183系一般車で代走したケースもありました。これは、キハ261系0番台の車輪に傷が入った影響によるもので、7月8日から15日まで実施されました。
「フラノラベンダーエクスプレス」1往復で使用していたノースレインボーエクスプレスを「宗谷」と「サロベツ」の代走に、その間「フラノラベンダーエクスプレス」1往復はキハ183系一般車による代走運転となりました。
なぜこのような車両繰りがされるかというと、110km/h運転対応のキハ183系一般車を宗谷線特急の代走に使用した場合、終着駅に列車によって最大1時間程度の遅れが発生してしまい、稚内駅での折り返し時間もさほど確保されていないことから、代走による遅れが目立っていました。そこで最高運転速度が120km/hのノースレインボーエクスプレスを充当させることで遅延を最小限に抑える措置がとられました。
このように、近年はノースレインボーエクスプレスが重宝されており、団体輸送や多客臨から代走運転まで活用できる万能な列車・車両になっています。
JR北海道では今後、キハ183系、キハ281系、キハ283系、キハ261系の4車種ある特急気動車をキハ261系に一本化します。車両メンテナンス向上及び、車種を統一することで全体の車両数を抑制するねらいがあります。
しかし、今後道内の都市間輸送の大半を担うであろうキハ261系には、ノースレインボーエクスプレスのような万能な車両と比べて乏しい点があり、おそらく現状では特定の路線しか入線することができないことや、観光列車としての機能を兼ね備えていないという点が挙げられます。
車体傾斜装置を搭載せずとも、一定の高速化が図られたことは評価できますが、いずれキハ183系のリゾート気動車にも寿命が訪れ、引退を余儀なくされるときがくるでしょう。もちろん、後継車は現状の厳しい経営状況では生み出すことができず、観光用の列車も次々と失っていくばかりと予想しています。
そのような中で、ノースレインボーエクスプレスのような高速特急気動車が充当される定期特急列車に使用でき、観光やそれに伴う臨時列車にも使用できる万能な車両が今後必要とされるときがくるでしょう。現に、「流氷物語号」や789系0番台による特急「ライラック旭山動物園号」がその一例であり、これらの列車は前者はシーズン以外はローカル線の普通列車として使用し、後者は特急「ライラック5号」と特急「ライラック38号」に旭山動物園へのアクセス列車としての機能を合わせ持った列車です。
経営難や車両の老朽化を理由に経営資源の選択と集中を進める中で、こうした定期列車の機能に観光・臨時列車としての機能を兼ね備えた列車・車両が次第に北海道では必要とされるようになってきました。
いずれリゾート気動車が老朽化などによって引退を余儀なくされた場合、毎年夏に設定している富良野方面の臨時列車はどうするのかなど、臨時列車用の車両について課題はたくさんあります。外国人観光客増加によるインバウンド需要が上向きとなる中で、果たして観光用の列車・車両をなくすことは影響がないと言えるのでしょうか。
こうしたいずれ訪れるであろう事態に備え、ノースレインボーエクスプレスのような定期特急列車にも使用でき、且つ観光やそれに伴う臨時列車の用途にも使える万能な車両がいずれ必要であると感じています。実現させるのであれば、ハイデッカー構造で部品や搭載機器を極力キハ261系と同じもので統一した車両が理想です。
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