もと「スーパー白鳥」用789系0番台増結ユニットが苗穂工場に入場
785・789系 - 2018年08月19日 (日)
2016年3月の北海道新幹線開業直前まで函館~新青森間で活躍したもと「スーパー白鳥」用の増結用車両が8月4日に苗穂工場に入場しました。



写真は8月5日に撮影しています。よくよく見ると、パンタグラフが取り外されていますね。
789系0番台は、2016年3月まで函館~新青森間で「スーパー白鳥」として活躍していました。6両編成×6本と増結用の2両編成×2本の計40両が函館運輸所(函ハコ)に在籍していました。今回苗穂工場への入場が確認されたのは後者の2両編成×2本で、「スーパー白鳥」として営業運転を終了した後、長らく五稜郭車両所構内に留置されていました。
前者は「スーパー白鳥」の営業運転撤退後、苗穂工場で道央圏転用改造改造が順次実施され、翌年3月のダイヤ改正で札幌~旭川間の特急「ライラック」として785系による「スーパーカムイ」を置き換える形で営業運転に復帰しています。
長らく営業運転に就かず、動向が注目されていた789系0番台の増結ユニットですが、今年の8月4日についに苗穂工場へ入場しました。
2018年4月の時点では、まだ函館運輸所に在籍しており、用途がなくなった車両にも関わらず、車籍が抹消されていないことから、今後何らかの形で活用していく可能性が考えられます。本当に不要な車両であれば、2016年度末までに車籍が抹消され、車両も解体されるというのが筋ではないでしょうか。
ちなみに、2010年12月から「スーパー白鳥」の増結用車両として再度営業運転を開始した785系NE-303編成については、北海道新幹線開業とともにお役御免となり、札幌圏に再び復帰することはありませんでした。このように、用途がない車両であれば既に廃車されているはずです。
では、どのような展開が今後考えられるでしょうか。
以下の2点をあげます。
・特急「ライラック」の増結用車両
一番現実的な活用方法が札幌~旭川間で活躍する特急「ライラック」の増結用車両としての使用です。
2017年3月ダイヤ改正より、札幌~旭川間の特急列車の輸送体系が大きく変わりました。それまで電車特急は「スーパーカムイ」の一本から「カムイ」と「ライラック」の二本体制となりました。二本体制となった理由は、編成内容が大きく異なると同時に、後者は新たに網走・稚内方面の特急列車の一部が旭川駅発着になったことによる接続列車としての役割も担うようになりました。これにより、電車特急は1往復増発の24往復となりましたが、網走・稚内方面の特急列車の運行区間縮小によって気動車特急は4往復が減便されているので、実質3往復の減便となりました。
その中で、一部の時間帯の列車については、1時間間隔の運転にも関わらず、網走・稚内方面の輸送も引き受けなければならない時間帯の列車もあり、輸送力低下が見られます。特に、特急「ライラック13号」と特急「ライラック15号」は1時間間隔の運転でいずれの列車も旭川駅で特急「大雪1号」や特急「サロベツ1号」と接続を図るため、繁忙期輸送時は6両編成での運転に対応しきれない状況です。昨年度の年末年始輸送期間中や今年度のお盆期間中はこの間に臨時「カムイ63号」を設定し、旭川駅までの各駅に対し、混雑緩和を図りました。
比較的新しい車両で統一された札幌~旭川間の電車特急ですが、気動車特急の運行区間縮小によって基本編成のみでは対応しきれない時間帯があることは事実であり、指定席や自由席を増結することで臨時列車の増発を抑制することが可能ではないでしょうか。
使用列車を特急「ライラック」とすることで、転用改造も6両編成と同様に最小限に抑えることができます。
しかし、例えば網走・稚内方面の特急列車に接続する「ライラック」に対して増結ユニットを連結した8両編成での運行とすると、増結ユニットの車両繰りが2編成だけでは難しくなります。また、臨時の「カムイ」を増発させるような時間帯を走る特急「ライラック13号」や特急「ライラック15号」といった列車だけに限定してしまうと、必ずしも車両を有効活用しているとは言い難いです。「ライラック」の増結用としての使用は一番現実的ですが、十分な車両数が確保されない状況になるため、このあたりの対応が難しくなります。
・解体されていない「モハ784-501」と組み合わせ、新たに5両編成をつくる



2002年まで増結用車両として使用していた関係から、5両編成×2本が残る785系ですが、登場から30年弱が経過し、老朽化とそれに伴う置き換えが現実的な時期に差しかかってきました。
1990年の登場時から基本編成を組んでいた5両編成×5本は既に廃車・解体されてしまいましたが、そのうち、NE-1編成で使用されていた「モハ784-501」が解体を免れ、後にブルーシートの覆われたまま苗穂工場敷地内に留置されています。
実は、ブルーシートに覆われる前に緑色のガムテープのようなものが車体側面に貼られていたようで、このテープに「生かし車両 解体禁止」と書かれていたようです。今後何らかの使用目的があると思われ、もしや当時五稜郭車両所に留置されていた789系0番台の増結ユニットとともに編成を組んで5両編成とし、「カムイ」や「すずらん」で使用されると予想していましたが、「モハ784-501」は2017年4月30日付で廃車となりました。車籍が抹消されたにも関わらず、生かし車両として解体されずに残しておく理由は一体何でしょうか。現役で活躍するモハ785形500番台の部品取りぐらいでしか活用できないと思います。
管理者が知りたいのは、SLなどを除いて一度車籍が抹消された一般車両が車籍を復帰させて再び営業列車として運行させたことが北海道のみならず、全国的にそうした事例が過去にもあるのかということです。これが仮にあれば、車籍を復帰させる兆しが少しでも見えるかもしれません。
残る785系を置き換えて5両編成を組んで使用すると、増結用車両としての役割とするよりも車両を有効活用することができますが、車籍が抹消された車両と組み合わせることは過去にそうした事例がない限り現実的ではありません。
活用するにあたり課題はそれぞれありますが、少なくとも部品取り用として活用することは可能であり、近々解体される可能性は低いのではないでしょうか。
いずれにしても、「スーパー白鳥」として役割を終えてから廃車・解体されることはなかったので、何らかの形で活用していくのではないでしょうか。事業計画にも明確な活用方法が記されていなかったので、今後の動向が注目されます。
↓ブログランキングにご協力お願いします↓

にほんブログ村

人気ブログランキング



写真は8月5日に撮影しています。よくよく見ると、パンタグラフが取り外されていますね。
789系0番台は、2016年3月まで函館~新青森間で「スーパー白鳥」として活躍していました。6両編成×6本と増結用の2両編成×2本の計40両が函館運輸所(函ハコ)に在籍していました。今回苗穂工場への入場が確認されたのは後者の2両編成×2本で、「スーパー白鳥」として営業運転を終了した後、長らく五稜郭車両所構内に留置されていました。
前者は「スーパー白鳥」の営業運転撤退後、苗穂工場で道央圏転用改造改造が順次実施され、翌年3月のダイヤ改正で札幌~旭川間の特急「ライラック」として785系による「スーパーカムイ」を置き換える形で営業運転に復帰しています。
長らく営業運転に就かず、動向が注目されていた789系0番台の増結ユニットですが、今年の8月4日についに苗穂工場へ入場しました。
2018年4月の時点では、まだ函館運輸所に在籍しており、用途がなくなった車両にも関わらず、車籍が抹消されていないことから、今後何らかの形で活用していく可能性が考えられます。本当に不要な車両であれば、2016年度末までに車籍が抹消され、車両も解体されるというのが筋ではないでしょうか。
ちなみに、2010年12月から「スーパー白鳥」の増結用車両として再度営業運転を開始した785系NE-303編成については、北海道新幹線開業とともにお役御免となり、札幌圏に再び復帰することはありませんでした。このように、用途がない車両であれば既に廃車されているはずです。
では、どのような展開が今後考えられるでしょうか。
以下の2点をあげます。
・特急「ライラック」の増結用車両
一番現実的な活用方法が札幌~旭川間で活躍する特急「ライラック」の増結用車両としての使用です。
2017年3月ダイヤ改正より、札幌~旭川間の特急列車の輸送体系が大きく変わりました。それまで電車特急は「スーパーカムイ」の一本から「カムイ」と「ライラック」の二本体制となりました。二本体制となった理由は、編成内容が大きく異なると同時に、後者は新たに網走・稚内方面の特急列車の一部が旭川駅発着になったことによる接続列車としての役割も担うようになりました。これにより、電車特急は1往復増発の24往復となりましたが、網走・稚内方面の特急列車の運行区間縮小によって気動車特急は4往復が減便されているので、実質3往復の減便となりました。
その中で、一部の時間帯の列車については、1時間間隔の運転にも関わらず、網走・稚内方面の輸送も引き受けなければならない時間帯の列車もあり、輸送力低下が見られます。特に、特急「ライラック13号」と特急「ライラック15号」は1時間間隔の運転でいずれの列車も旭川駅で特急「大雪1号」や特急「サロベツ1号」と接続を図るため、繁忙期輸送時は6両編成での運転に対応しきれない状況です。昨年度の年末年始輸送期間中や今年度のお盆期間中はこの間に臨時「カムイ63号」を設定し、旭川駅までの各駅に対し、混雑緩和を図りました。
比較的新しい車両で統一された札幌~旭川間の電車特急ですが、気動車特急の運行区間縮小によって基本編成のみでは対応しきれない時間帯があることは事実であり、指定席や自由席を増結することで臨時列車の増発を抑制することが可能ではないでしょうか。
使用列車を特急「ライラック」とすることで、転用改造も6両編成と同様に最小限に抑えることができます。
しかし、例えば網走・稚内方面の特急列車に接続する「ライラック」に対して増結ユニットを連結した8両編成での運行とすると、増結ユニットの車両繰りが2編成だけでは難しくなります。また、臨時の「カムイ」を増発させるような時間帯を走る特急「ライラック13号」や特急「ライラック15号」といった列車だけに限定してしまうと、必ずしも車両を有効活用しているとは言い難いです。「ライラック」の増結用としての使用は一番現実的ですが、十分な車両数が確保されない状況になるため、このあたりの対応が難しくなります。
・解体されていない「モハ784-501」と組み合わせ、新たに5両編成をつくる



2002年まで増結用車両として使用していた関係から、5両編成×2本が残る785系ですが、登場から30年弱が経過し、老朽化とそれに伴う置き換えが現実的な時期に差しかかってきました。
1990年の登場時から基本編成を組んでいた5両編成×5本は既に廃車・解体されてしまいましたが、そのうち、NE-1編成で使用されていた「モハ784-501」が解体を免れ、後にブルーシートの覆われたまま苗穂工場敷地内に留置されています。
実は、ブルーシートに覆われる前に緑色のガムテープのようなものが車体側面に貼られていたようで、このテープに「生かし車両 解体禁止」と書かれていたようです。今後何らかの使用目的があると思われ、もしや当時五稜郭車両所に留置されていた789系0番台の増結ユニットとともに編成を組んで5両編成とし、「カムイ」や「すずらん」で使用されると予想していましたが、「モハ784-501」は2017年4月30日付で廃車となりました。車籍が抹消されたにも関わらず、生かし車両として解体されずに残しておく理由は一体何でしょうか。現役で活躍するモハ785形500番台の部品取りぐらいでしか活用できないと思います。
管理者が知りたいのは、SLなどを除いて一度車籍が抹消された一般車両が車籍を復帰させて再び営業列車として運行させたことが北海道のみならず、全国的にそうした事例が過去にもあるのかということです。これが仮にあれば、車籍を復帰させる兆しが少しでも見えるかもしれません。
残る785系を置き換えて5両編成を組んで使用すると、増結用車両としての役割とするよりも車両を有効活用することができますが、車籍が抹消された車両と組み合わせることは過去にそうした事例がない限り現実的ではありません。
活用するにあたり課題はそれぞれありますが、少なくとも部品取り用として活用することは可能であり、近々解体される可能性は低いのではないでしょうか。
いずれにしても、「スーパー白鳥」として役割を終えてから廃車・解体されることはなかったので、何らかの形で活用していくのではないでしょうか。事業計画にも明確な活用方法が記されていなかったので、今後の動向が注目されます。
↓ブログランキングにご協力お願いします↓

にほんブログ村

人気ブログランキング

- 関連記事
-
-
789系0番台の行先表示器が順次更新中 2018/09/28
-
もと「スーパー白鳥」用789系0番台増結ユニットが苗穂工場に入場 2018/08/19
-
2018年度も現役続投となる785系 2018/04/07
-