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8月下旬から9月も代走が比較的多かった宗谷線特急

地震の影響でまとめて掲載しますが、8月下旬から9月いっぱいにかけて、稚内方面の「宗谷」・「サロベツ」は比較的多く代走運転が見られました。





キハ183系一般車は8月下旬に撮影しました。今年3月のダイヤ改正以降、お馴染みのモノクラス4両編成です。



つい最近までノースレインボーエクスプレスも2日に1回のペースで代走運転が続いていました。現在は所定のキハ261系0番台が復帰し、2運用とも通常どおりの運行に戻っているはずです。

もしかしたら、「宗谷」と「サロベツ」は日本全国の特急列車の中で異形式による代走運転が一番多い特急列車ではないでしょうか。全体の車両数は14両で、このうち、営業運転中に不具合が発生した場合はほぼ必然的に代走運転となります。よくこのような不安定な状況でここまでやってきたと逆に感心してしまいます。

3月ダイヤ改正以降の代走の様子を確認していると、引き続き車両性能差が少なく、遅延を最小限に抑えることができるノースレインボーエクスプレスの登板が多く、同車が充当されないときはキハ183系一般車が使用されています。

夏季はノースレインボーエクスプレスが富良野方面へ向かう「フラノラベンダーエクスプレス」1往復に充当されたため、平日は稚内方面へ、週末は富良野方面へと多忙な日々を送っていました。

一方、キハ183系一般車は代走時といえどグリーン車を連結した編成が充当されていましたが、モノクラス4両編成での運行が多くなっており、今後も同車が使用される際は、モノクラス4両編成が使用されることになるでしょう。

札幌~函館間で運行された「北斗」で使用した車両を順次苗穂運転所(札ナホ)に転属させ、網走方面の特急列車に転用されています。グリーン車については、晩年はほとんど予備的な役割だった「キロ182-9」を含めて6両体制でしたが、現在はハイデッカータイプのグリーン車が5両となり、それまでよりも1両少なくなっています。1日に3運用あり、予備車両を含めると、決して代走運転分を確保する余裕はありません。

グリーン車を連結しなくても、グリーン席利用だった利用客に対し、到着駅でグリーン料金を払い戻すシステムとなっているようです。

この状況に対し、一向に改善する気配が感じられません。そろそろ危機感を持つべきではないでしょうか。

いくら車両故障が発生し、代走車両を登板させて運休を免れたとしても、代走運転を頻繁に実施していたら利用客の信用を失うことになります。以前、キハ183系一般車が代走した際、最高運転速度が110km/h対応だったこと、宗谷本線内の交換設備の関係から、下りの特急「スーパー宗谷1号」や特急「宗谷」は終着駅までに最大1時間程度の遅れが発生していました。

しかもこれが1回や2回だけでなく、近年の12月はほぼ連日の状態。運休が出ないことは評価できるとはいえ、定時運行ができない状態が多くなれば、利用客からの信用も失い、利用そのものが減少する原因の1つにもなりかねません。

そもそもの一番の原因が通常使用するキハ261系0番台の車両数の少なさであり、全14両しか製造されていません。しかも後から登場した1000番台とともに営業運転で使用できないなどの制約を抱えており、これが車両不足に陥り、代走が頻発する理由になっています。

元々キハ261系0番台はJR北海道が保有する車両ではなく、第三セクター「北海道高速鉄道開発」(株)の保有で、車両の点検・整備はJR北海道が請け負っています。これが稚内・札幌方ともに先頭車を含むユニット3本ずつの計12両が該当します。そして、後に繁忙期増結に対応すべく、札幌方のユニットが1本(2両・SE-104編成)が製造されており、この2両のみ完全なJR北海道の車両です。

宗谷本線の高速化を実施するにあたり、出資者として新たに名寄市や士別市を加え、高速化事業に着手。それまでの石勝線や根室本線の高速化事業同様、地上設備の改良工事を実施し、それら設備をJR北海道に貸し付ける形としました。しかし、需要が少ない区間における高速化事業を実施するため、車両についても保有することになり、それがキハ261系0番台になります。

12両の車両の調達費用は21億円とされ、1両あたりおよそ1.75億円です。いくらコストパフォーマンスに優れる車両が必要とされるとはいえ、1両あたりこれだけの調達費用がかかる車両を多く製造することはできません。よって、調達する車両を必要最低限とし、少ない車両数を穴埋めするため、キハ183系の一部に専用の改造を施し、「サロベツ」1往復に充当する方針としました。

当初は華々しくデビューを飾りましたが、車両数が少ないことで定期的な代走は見られました。それがここ近年になって次第に増え、特に12月は連日全ての車両が代走になる異常事態にまで進展。車両不足が見事に露呈した形になりました。

走行区間の全区間または半分以上を利用の少ない不採算路線を走行するわけですから、利用の多い路線・列車への投資が優先され、後回しにならざるを得ないことは理解できます。しかしながら、列車を設定・運行している以上はやはり所定の車両を用いて定時運行に努めなければなりません。




話題は変わりますが、今年度に新たに北海道入りしたキハ261系1000番台の増備車は新たに電子ホーンが採用されているようです。電子ホーンは「宗谷」・「サロベツ」で使用するキハ261系0番台にも取りつけられています。目的は、旭川運転所(旭アサ)入出区に伴うためです。

旭川運転所に入出区する車両は、運転所周辺の住宅地域を考慮して電子ホーンが設置されていますが、2017年3月ダイヤ改正を機に、特急列車の運行体系見直し等に備え、苗穂運転所(札ナホ)所属のキハ261系0番台に対して電子ホーンの取りつけを実施しています。

折り返し時間が多く確保されていることや、1日の走行距離から予想すると、おそらく燃料給油のために一度旭川運転所に入区する必要があり、そのために電子ホーンが設置されたのではないでしょうか。

新しい増備車でも電子ホーンが取りつけられたということは、既存のキハ261系1000番台全てにも採用される可能性があり、今後函館方面や帯広方面のみならず、全道各方面での使用を開始し、各運転所への入出区を伴う関係で採用されているのではないでしょうか。もちろん、旭川方面への入線、旭川運転所の入出区を伴う運用の「宗谷」・「サロベツ」での使用も想定されているのかもしれません。

なぜこのような話題に脱線したかというと、今年度分の増備車の一部が札幌運転所配置になるからです。

函館運輸所(函ハコ)に配置になれば、「スーパー北斗」などでしか活躍することはできませんが、札幌運転所配置になれば、札幌駅を発着する全ての気動車特急へ使用される可能性の幅が広がります。

現段階で1000番台に電子ホーンを設置する明確な理由は定かでありませんが、過去に0番台で上述のとおり、運転所への入出区に伴う近隣住民への配慮が目的で設置されています。これにより、1000番台についても将来的に0番台のように途中で運転所で給油を実施するような運用が想定され、一定の車両数が出揃うまで「スーパーとかち」や「スーパー北斗」の予備車両として、且つ予備車両の少ない宗谷線特急の代走なども視野に入れているのかもしれません。

後者については、宗谷本線の永山以北が電子閉塞となっていることから、それに対応できる車載器が搭載されているかなど、気になる点はいくつかあります。いずれにしても、最新のキハ261系に電子ホーンが設置されていることは注目すべきであり、代走車両がキハ261系になる日もそう遠くはないのかもしれませんね。

宗谷線特急代走の話題からいきなりキハ261系の電子ホーンの話題になり、イマイチまとまらない記事になってしまいましたが、キハ261系1000番台が札幌に新たに増備されることで、宗谷線特急の代走を含め、その使用目的が注目されます。











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コメント
7956:以前お話しした・・・ by s-kamui on 2018/10/09 at 09:49:43

今年度(?)の261系1000番台の初期型車両の特別保全工事(機器更新)に特殊閉塞装置対応のシステム基盤更新や電子ホーン取り付けも含まれている可能性が濃厚です。宗谷・石北系統の代走用(石北は専用の可能性大)にも対応できますが電子ホーンの採用はスーパーとかちとして帯広運転所への入区の際も近隣住民には嬉しいお話です。

7957:グリーン席 by スプレモ on 2018/10/09 at 14:40:21

こんにちは。
確かに代走が多すぎて、『代走』がレギュラーになりかけていますね。

一利用者の妄言ですが、私は札幌から稚内へ移動する際、中で仕事をしたり、ゆっくり眠ったりと自分の時間を取るためにJRを利用していましたが、それはあくまでもグリーン席があってこその前提です。そのため、キハ261系になるまではサロベツも乗りませんでした。

比較対象として、札幌からエアポートのUシートに乗り、千歳から約1時間とはいえ普通席しかない圧迫感のあるプロペラ機、稚内空港からタクシー利用は、所要時間は短いものの有効活用できる時間が少なく、乗り換えの移動だらけで体力的にもデメリットしかありません。

昔の「すずらん」にUシートを付けたように、豪華な設備は望まないものの椅子だけグリーン席を設けることは出来ないのでしょうかと、いつも考えてしまいます。

正直に申し上げると、「グリーン料金返すのだから良いでしょう?」という姿勢に思えてならないのです。

以前の「オホーツク」に使っていた椅子でも良いので、せめて載せ替えてほしいと思ってしまいます。

7958:オホーツクかも? by RC on 2018/10/11 at 09:25:54 (コメント編集)

今年度増備分のキハ261系には電子ホーンがつけられましたか。
私は、オホーツク系統の車両置き換えに期待しているところ…なのですが、実際のところどうなるのでしょうかね。

7959: by 管理人 on 2018/10/12 at 21:30:41

>>「s-kamui」さん、コメントありがとうございます。

電子ホーンについては、既存の車両にも順次搭載していくのではないでしょうか。現在は札幌、函館、帯広だけですが、いずれ釧路やもしかしたら旭川や稚内、網走方面にも入線することになるでしょう。

近隣住民対策を考慮するとやむを得ませんね。

7960: by 管理人 on 2018/10/12 at 21:46:16

>>「スプレモ」さん、コメントありがとうございます。

以前他の方ともやりとりしていますが、uシートのような設備が昨今特に望ましくなってきましたね。

スマートフォンやタブレット端末の普及、ビジネス利用でコンセントはほぼ必須です。コンセントでなくてもその列車に乗車した方に対して、モバイルバッテリーを無償で貸し出すという方法もアリです。コンセントが設置されていないのであれば、この方法が最良でしょう。いずれはこうしたサービスを導入し、都市間バスとの格差を是正してもらいたいです。

稚内方面は航空機の利用が好調と聞きますが、一度稚内空港に行った際は、市街地からやや離れているので、航空機利用が特別優位に立っているという感じはしませんでした。乗り継ぎを考えると、たとえ所要時間が短くても移動が慌ただしくなってしまうかもしれませんね。

その点ではJRは所要時間はかかるものの、都市間バスと同様に終着まで特に場所を移動することはありません。駅も市街地寄りなので、悪天候の際は特に助かりますね。

代走としながら運休が発生しないことは評価できますが、仰るとおり、グリーン料金を返金すればいい的な代走時の輸送体系では利用客側は好印象を持たない方が多いと予想します。

この辺りは今後代走時に新造車などを導入して利用客の負担を減らせる工夫をしてもらいたいですね。

7961: by 管理人 on 2018/10/12 at 21:55:26

>>「RC」さん、コメントありがとうございます。

過去に発売された鉄道雑誌で、2020年度前後でキハ183系の撤退が記載されていた気がします。何を根拠に記載されていたのか不明ですが、参考程度にしておいてください。

これまでの増備の様子をみていると、キハ261系1000番台は1年で大量に製造できる車両ではないので、次年度以降の投入分を含め、今年度投入分は予備車両等で待機させておくという方針かもしれません。

北海道ではいずれ4車種ある特急気動車を1本化します。将来的には釧路方面や網走方面にも投入されることでしょう。しかしながら、北海道新幹線札幌延伸で「スーパー北斗」の余剰車が大量に発生するので、これらの車両を活用するには、2030年度以降も既存のキハ183系、キハ281系、キハ283系が残っていなければ車両を上手く転用することは難しいでしょう。

網走方面は最新の車両が投入されたからとはいえ、線形や設備の関係で最高運転速度が抑制されているので、これまでのキハ183系の置き換えの様子も含め、キハ261系の投入は後回しにされそうな気がします。

とりあえず、来年度以降の増備車がどこに配置されるかで、次にどの列車が置き換えられるかある程度判断することが可能だと推測します。

7962:201 by 201 on 2018/10/13 at 09:00:03 (コメント編集)

持て余しているキハ201系を改造して座席を特急仕様にするなどして代走用に利用できませんかね。
キハ261系0番台と出力系は共通仕様のはず
183よりはダイヤ面でもその方がマシなような気がします
3両編成なのがネックだが、この列車の需要はもともとそれで十分のような気がする

7964:等価交換するべき by ダッフィー on 2018/10/16 at 18:28:50

山形新幹線では過去に400系からE3系への置き換えに対して等価交換を行いました。
ぜひ北海道高速鉄道は基本編成から1000番台への等価交換を強くJR北海道に要望してください。
ただですら波動用輸送車もままならないのに

7965: by ナナッシー on 2018/10/17 at 21:08:05

こんばんは
ウィキペディアによると2022年度までにキハ261系1000番代を67両増備するそうです。
キハ183系を2020年度(2021年3月)までに、キハ281系を2022年度(2023年3月)までに全車引退させる計画だそうです。
その後はキハ283系の一部置き換えに着手することまでは記載されてます。

キハ281系使用のスーパー北斗のダイヤはキハ261系に置き換えても一部列車は殆ど影響ありません。
スーパーおおぞらのダイヤ(キハ283系)にキハ261系がスジに乗るのは厳しいと思います。

7966: by 管理人 on 2018/10/17 at 22:12:58

>>「201」さん、コメントありがとうございます。

キハ201系は高性能気動車とはいえ、731系などの近郊形車両とさほど変わりません。元々特急用ではないことから、遮音材などが少なく、代走用として活用するにしても快適性まで維持することは難しいでしょう。ドア開閉時の冷気の問題もあり、シートを取り替えたとしても代走用車両として登板させるにはひどすぎると思いますよ。

また、出力はほぼ同等でも普通列車として短い距離を走ること前提に設計されているのであれば、燃料タンクの容量は大きいものなのでしょうか?果たして札幌から稚内へ行き、旭川へ到着するまで無給油で走ることができるのでしょうか?

このあたりは管理者も知りませんが、シートを取り替えるといった改造以外にも、キハ201系を充当することができない、あるいは持て余し気味の現状から抜け出せない理由がありそうな気がしますね。

7968: by 管理人 on 2018/10/17 at 22:39:25

>>「ダッフィー」さん、コメントありがとうございます。

JR側から車両だの設備だの交換されても、キハ261系0番台をJR側でどう活用するかが課題ですね。グリーン車9席で1000番台との共通使用不可となれば、活用先が見いだせません。波動輸送用ぐらいでしょうか。

「オホーツク」・「大雪」への転用も考えてみましたが、使用を開始した時点で車両数が足りないことから結果同じことです。

0番台をどこかへ売却か何かして金をつくり、1000番台を製造してJRへリースした方が一気に解決できると思います。

7969: by 管理人 on 2018/10/17 at 22:44:56

>>「ナナッシー」さん、コメントありがとうございます。

情報ありがとうございます。

キハ183系やキハ281系では重要機器取替工事などを施行していますが、あくまで既存の部品が生産中止によるメンテナンスの苦慮が主な理由です。置き換えが事実だとすると、機関換装等が延命措置ではないことが伺えます。

キハ183系の7550番台などの主要機器の一部(エンジンなど)は車体が廃車となってもまだ使えると思われ、他の車両に転用する可能性もあるかもしれませんね。

キハ261系化した場合、函館方面や網走方面は大丈夫だと思いますが、キハ283系のダイヤはキハ261系は引き継げないでしょう。以前から指摘されていた燃料の問題も気になるところですね。

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