8月下旬から9月も代走が比較的多かった宗谷線特急
代走・編成変更 - 2018年10月08日 (月)
地震の影響でまとめて掲載しますが、8月下旬から9月いっぱいにかけて、稚内方面の「宗谷」・「サロベツ」は比較的多く代走運転が見られました。


キハ183系一般車は8月下旬に撮影しました。今年3月のダイヤ改正以降、お馴染みのモノクラス4両編成です。

つい最近までノースレインボーエクスプレスも2日に1回のペースで代走運転が続いていました。現在は所定のキハ261系0番台が復帰し、2運用とも通常どおりの運行に戻っているはずです。
もしかしたら、「宗谷」と「サロベツ」は日本全国の特急列車の中で異形式による代走運転が一番多い特急列車ではないでしょうか。全体の車両数は14両で、このうち、営業運転中に不具合が発生した場合はほぼ必然的に代走運転となります。よくこのような不安定な状況でここまでやってきたと逆に感心してしまいます。
3月ダイヤ改正以降の代走の様子を確認していると、引き続き車両性能差が少なく、遅延を最小限に抑えることができるノースレインボーエクスプレスの登板が多く、同車が充当されないときはキハ183系一般車が使用されています。
夏季はノースレインボーエクスプレスが富良野方面へ向かう「フラノラベンダーエクスプレス」1往復に充当されたため、平日は稚内方面へ、週末は富良野方面へと多忙な日々を送っていました。
一方、キハ183系一般車は代走時といえどグリーン車を連結した編成が充当されていましたが、モノクラス4両編成での運行が多くなっており、今後も同車が使用される際は、モノクラス4両編成が使用されることになるでしょう。
札幌~函館間で運行された「北斗」で使用した車両を順次苗穂運転所(札ナホ)に転属させ、網走方面の特急列車に転用されています。グリーン車については、晩年はほとんど予備的な役割だった「キロ182-9」を含めて6両体制でしたが、現在はハイデッカータイプのグリーン車が5両となり、それまでよりも1両少なくなっています。1日に3運用あり、予備車両を含めると、決して代走運転分を確保する余裕はありません。
グリーン車を連結しなくても、グリーン席利用だった利用客に対し、到着駅でグリーン料金を払い戻すシステムとなっているようです。
この状況に対し、一向に改善する気配が感じられません。そろそろ危機感を持つべきではないでしょうか。
いくら車両故障が発生し、代走車両を登板させて運休を免れたとしても、代走運転を頻繁に実施していたら利用客の信用を失うことになります。以前、キハ183系一般車が代走した際、最高運転速度が110km/h対応だったこと、宗谷本線内の交換設備の関係から、下りの特急「スーパー宗谷1号」や特急「宗谷」は終着駅までに最大1時間程度の遅れが発生していました。
しかもこれが1回や2回だけでなく、近年の12月はほぼ連日の状態。運休が出ないことは評価できるとはいえ、定時運行ができない状態が多くなれば、利用客からの信用も失い、利用そのものが減少する原因の1つにもなりかねません。
そもそもの一番の原因が通常使用するキハ261系0番台の車両数の少なさであり、全14両しか製造されていません。しかも後から登場した1000番台とともに営業運転で使用できないなどの制約を抱えており、これが車両不足に陥り、代走が頻発する理由になっています。
元々キハ261系0番台はJR北海道が保有する車両ではなく、第三セクター「北海道高速鉄道開発」(株)の保有で、車両の点検・整備はJR北海道が請け負っています。これが稚内・札幌方ともに先頭車を含むユニット3本ずつの計12両が該当します。そして、後に繁忙期増結に対応すべく、札幌方のユニットが1本(2両・SE-104編成)が製造されており、この2両のみ完全なJR北海道の車両です。
宗谷本線の高速化を実施するにあたり、出資者として新たに名寄市や士別市を加え、高速化事業に着手。それまでの石勝線や根室本線の高速化事業同様、地上設備の改良工事を実施し、それら設備をJR北海道に貸し付ける形としました。しかし、需要が少ない区間における高速化事業を実施するため、車両についても保有することになり、それがキハ261系0番台になります。
12両の車両の調達費用は21億円とされ、1両あたりおよそ1.75億円です。いくらコストパフォーマンスに優れる車両が必要とされるとはいえ、1両あたりこれだけの調達費用がかかる車両を多く製造することはできません。よって、調達する車両を必要最低限とし、少ない車両数を穴埋めするため、キハ183系の一部に専用の改造を施し、「サロベツ」1往復に充当する方針としました。
当初は華々しくデビューを飾りましたが、車両数が少ないことで定期的な代走は見られました。それがここ近年になって次第に増え、特に12月は連日全ての車両が代走になる異常事態にまで進展。車両不足が見事に露呈した形になりました。
走行区間の全区間または半分以上を利用の少ない不採算路線を走行するわけですから、利用の多い路線・列車への投資が優先され、後回しにならざるを得ないことは理解できます。しかしながら、列車を設定・運行している以上はやはり所定の車両を用いて定時運行に努めなければなりません。
話題は変わりますが、今年度に新たに北海道入りしたキハ261系1000番台の増備車は新たに電子ホーンが採用されているようです。電子ホーンは「宗谷」・「サロベツ」で使用するキハ261系0番台にも取りつけられています。目的は、旭川運転所(旭アサ)入出区に伴うためです。
旭川運転所に入出区する車両は、運転所周辺の住宅地域を考慮して電子ホーンが設置されていますが、2017年3月ダイヤ改正を機に、特急列車の運行体系見直し等に備え、苗穂運転所(札ナホ)所属のキハ261系0番台に対して電子ホーンの取りつけを実施しています。
折り返し時間が多く確保されていることや、1日の走行距離から予想すると、おそらく燃料給油のために一度旭川運転所に入区する必要があり、そのために電子ホーンが設置されたのではないでしょうか。
新しい増備車でも電子ホーンが取りつけられたということは、既存のキハ261系1000番台全てにも採用される可能性があり、今後函館方面や帯広方面のみならず、全道各方面での使用を開始し、各運転所への入出区を伴う関係で採用されているのではないでしょうか。もちろん、旭川方面への入線、旭川運転所の入出区を伴う運用の「宗谷」・「サロベツ」での使用も想定されているのかもしれません。
なぜこのような話題に脱線したかというと、今年度分の増備車の一部が札幌運転所配置になるからです。
函館運輸所(函ハコ)に配置になれば、「スーパー北斗」などでしか活躍することはできませんが、札幌運転所配置になれば、札幌駅を発着する全ての気動車特急へ使用される可能性の幅が広がります。
現段階で1000番台に電子ホーンを設置する明確な理由は定かでありませんが、過去に0番台で上述のとおり、運転所への入出区に伴う近隣住民への配慮が目的で設置されています。これにより、1000番台についても将来的に0番台のように途中で運転所で給油を実施するような運用が想定され、一定の車両数が出揃うまで「スーパーとかち」や「スーパー北斗」の予備車両として、且つ予備車両の少ない宗谷線特急の代走なども視野に入れているのかもしれません。
後者については、宗谷本線の永山以北が電子閉塞となっていることから、それに対応できる車載器が搭載されているかなど、気になる点はいくつかあります。いずれにしても、最新のキハ261系に電子ホーンが設置されていることは注目すべきであり、代走車両がキハ261系になる日もそう遠くはないのかもしれませんね。
宗谷線特急代走の話題からいきなりキハ261系の電子ホーンの話題になり、イマイチまとまらない記事になってしまいましたが、キハ261系1000番台が札幌に新たに増備されることで、宗谷線特急の代走を含め、その使用目的が注目されます。
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キハ183系一般車は8月下旬に撮影しました。今年3月のダイヤ改正以降、お馴染みのモノクラス4両編成です。

つい最近までノースレインボーエクスプレスも2日に1回のペースで代走運転が続いていました。現在は所定のキハ261系0番台が復帰し、2運用とも通常どおりの運行に戻っているはずです。
もしかしたら、「宗谷」と「サロベツ」は日本全国の特急列車の中で異形式による代走運転が一番多い特急列車ではないでしょうか。全体の車両数は14両で、このうち、営業運転中に不具合が発生した場合はほぼ必然的に代走運転となります。よくこのような不安定な状況でここまでやってきたと逆に感心してしまいます。
3月ダイヤ改正以降の代走の様子を確認していると、引き続き車両性能差が少なく、遅延を最小限に抑えることができるノースレインボーエクスプレスの登板が多く、同車が充当されないときはキハ183系一般車が使用されています。
夏季はノースレインボーエクスプレスが富良野方面へ向かう「フラノラベンダーエクスプレス」1往復に充当されたため、平日は稚内方面へ、週末は富良野方面へと多忙な日々を送っていました。
一方、キハ183系一般車は代走時といえどグリーン車を連結した編成が充当されていましたが、モノクラス4両編成での運行が多くなっており、今後も同車が使用される際は、モノクラス4両編成が使用されることになるでしょう。
札幌~函館間で運行された「北斗」で使用した車両を順次苗穂運転所(札ナホ)に転属させ、網走方面の特急列車に転用されています。グリーン車については、晩年はほとんど予備的な役割だった「キロ182-9」を含めて6両体制でしたが、現在はハイデッカータイプのグリーン車が5両となり、それまでよりも1両少なくなっています。1日に3運用あり、予備車両を含めると、決して代走運転分を確保する余裕はありません。
グリーン車を連結しなくても、グリーン席利用だった利用客に対し、到着駅でグリーン料金を払い戻すシステムとなっているようです。
この状況に対し、一向に改善する気配が感じられません。そろそろ危機感を持つべきではないでしょうか。
いくら車両故障が発生し、代走車両を登板させて運休を免れたとしても、代走運転を頻繁に実施していたら利用客の信用を失うことになります。以前、キハ183系一般車が代走した際、最高運転速度が110km/h対応だったこと、宗谷本線内の交換設備の関係から、下りの特急「スーパー宗谷1号」や特急「宗谷」は終着駅までに最大1時間程度の遅れが発生していました。
しかもこれが1回や2回だけでなく、近年の12月はほぼ連日の状態。運休が出ないことは評価できるとはいえ、定時運行ができない状態が多くなれば、利用客からの信用も失い、利用そのものが減少する原因の1つにもなりかねません。
そもそもの一番の原因が通常使用するキハ261系0番台の車両数の少なさであり、全14両しか製造されていません。しかも後から登場した1000番台とともに営業運転で使用できないなどの制約を抱えており、これが車両不足に陥り、代走が頻発する理由になっています。
元々キハ261系0番台はJR北海道が保有する車両ではなく、第三セクター「北海道高速鉄道開発」(株)の保有で、車両の点検・整備はJR北海道が請け負っています。これが稚内・札幌方ともに先頭車を含むユニット3本ずつの計12両が該当します。そして、後に繁忙期増結に対応すべく、札幌方のユニットが1本(2両・SE-104編成)が製造されており、この2両のみ完全なJR北海道の車両です。
宗谷本線の高速化を実施するにあたり、出資者として新たに名寄市や士別市を加え、高速化事業に着手。それまでの石勝線や根室本線の高速化事業同様、地上設備の改良工事を実施し、それら設備をJR北海道に貸し付ける形としました。しかし、需要が少ない区間における高速化事業を実施するため、車両についても保有することになり、それがキハ261系0番台になります。
12両の車両の調達費用は21億円とされ、1両あたりおよそ1.75億円です。いくらコストパフォーマンスに優れる車両が必要とされるとはいえ、1両あたりこれだけの調達費用がかかる車両を多く製造することはできません。よって、調達する車両を必要最低限とし、少ない車両数を穴埋めするため、キハ183系の一部に専用の改造を施し、「サロベツ」1往復に充当する方針としました。
当初は華々しくデビューを飾りましたが、車両数が少ないことで定期的な代走は見られました。それがここ近年になって次第に増え、特に12月は連日全ての車両が代走になる異常事態にまで進展。車両不足が見事に露呈した形になりました。
走行区間の全区間または半分以上を利用の少ない不採算路線を走行するわけですから、利用の多い路線・列車への投資が優先され、後回しにならざるを得ないことは理解できます。しかしながら、列車を設定・運行している以上はやはり所定の車両を用いて定時運行に努めなければなりません。
話題は変わりますが、今年度に新たに北海道入りしたキハ261系1000番台の増備車は新たに電子ホーンが採用されているようです。電子ホーンは「宗谷」・「サロベツ」で使用するキハ261系0番台にも取りつけられています。目的は、旭川運転所(旭アサ)入出区に伴うためです。
旭川運転所に入出区する車両は、運転所周辺の住宅地域を考慮して電子ホーンが設置されていますが、2017年3月ダイヤ改正を機に、特急列車の運行体系見直し等に備え、苗穂運転所(札ナホ)所属のキハ261系0番台に対して電子ホーンの取りつけを実施しています。
折り返し時間が多く確保されていることや、1日の走行距離から予想すると、おそらく燃料給油のために一度旭川運転所に入区する必要があり、そのために電子ホーンが設置されたのではないでしょうか。
新しい増備車でも電子ホーンが取りつけられたということは、既存のキハ261系1000番台全てにも採用される可能性があり、今後函館方面や帯広方面のみならず、全道各方面での使用を開始し、各運転所への入出区を伴う関係で採用されているのではないでしょうか。もちろん、旭川方面への入線、旭川運転所の入出区を伴う運用の「宗谷」・「サロベツ」での使用も想定されているのかもしれません。
なぜこのような話題に脱線したかというと、今年度分の増備車の一部が札幌運転所配置になるからです。
函館運輸所(函ハコ)に配置になれば、「スーパー北斗」などでしか活躍することはできませんが、札幌運転所配置になれば、札幌駅を発着する全ての気動車特急へ使用される可能性の幅が広がります。
現段階で1000番台に電子ホーンを設置する明確な理由は定かでありませんが、過去に0番台で上述のとおり、運転所への入出区に伴う近隣住民への配慮が目的で設置されています。これにより、1000番台についても将来的に0番台のように途中で運転所で給油を実施するような運用が想定され、一定の車両数が出揃うまで「スーパーとかち」や「スーパー北斗」の予備車両として、且つ予備車両の少ない宗谷線特急の代走なども視野に入れているのかもしれません。
後者については、宗谷本線の永山以北が電子閉塞となっていることから、それに対応できる車載器が搭載されているかなど、気になる点はいくつかあります。いずれにしても、最新のキハ261系に電子ホーンが設置されていることは注目すべきであり、代走車両がキハ261系になる日もそう遠くはないのかもしれませんね。
宗谷線特急代走の話題からいきなりキハ261系の電子ホーンの話題になり、イマイチまとまらない記事になってしまいましたが、キハ261系1000番台が札幌に新たに増備されることで、宗谷線特急の代走を含め、その使用目的が注目されます。
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