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鉄道車両の塗装面の劣化症状

前回の記事で、キハ183系国鉄色車の冬囲いの様子をお伝えしました。



なぜブルーシートに覆うかというと、来春まで外装を綺麗な状態を維持させておくためです。来春には「キハ183-214」を道の駅「あびらD51ステーション」に、「キハ183-220」を安平町鉄道資料館(旧追分機関区)にそれぞれ展示する予定です。

では今回は、そのまま厳冬期に使用しておくと車体はどうなっていくのか、キハ183系の例で紹介していきたいと思います。





苗穂駅前に留置されている「キハ182-406」や「キハ182-405」にそのような症状が出ていたので紹介させていただきます。塗装面の一部が剥がれており、本来の美しい状態が保たれていません。後者については、車番の部分にダメージがあり、場合によって読み取れなくなってしまいますね。

これがひどい状態になると・・・





哀れな姿になってしまいます。今年2月に撮影した「キハ182-509」です。

現在、同車の外装は修繕されており、方向転換も実施されています。

同車は今年の2月に特急「オホーツク1号」から一度運用に入りました。外装がひどくて話題になりましたね。あまりにひどかったのか、一度特急「オホーツク2号」で戻ってきた際、車両の組み替えで編成から外されました。もしかしたら、苦情等があったのかもしれませんね。2日間限りこのひどい状態で札幌・旭川~網走間を数往復していました。

管理者が写真を撮影していると、反対側ホームで列車を待っていた一般の利用者の目にもとまり、何事かのように同車に注目が集まっていました。さすがにこの状態を見て目にとまらない人間は少ないでしょう。

車両数が不足していた関係から、こうした車両を使わざるを得ない状況だったのかもしれませんが、こうした車両の営業列車での使用は極力避けたいところです。こうした車両に案内される利用客の立場になって考えると、決して気分が良くなる車両の状態ではありませんよね。

これは北海道のみならず、全国でも度々確認されているようです。同じ鋼製車体のJR九州の787系でも同様の症状で過去に営業運転に使われたことがあるようで、上から塗装を塗って誤魔化して使用したこともあったようです。787系の場合は外装がダークグレーほぼ一色になっているので、速やかに応急処置ができたと思います。787系で検索すると「787系 ボロボロ」が予測として出てきますよ。

787系の場合は特に、屋根上で塗装の劣化が見られます。架線を使用しているうちにパンタグラフを削ってしまった際に発生する鉄粉や、車両がレール上を走行した際に削れた鉄粉が付着します。よく車両の側面が茶色くなっていますよね。それは主に鉄粉です。

漢字で表記すると鉄の粉ですが、詳しくその表面を確認してみると、塗装面に刺さっているんです。自動車も外装が白い場合、側面に茶色い点々が付着していると思いますが、それが鉄粉になります。

放置しておくと、雨などの水分で酸化してしまい、錆びながら塗装の中に侵入していきます。そこから塗装面の劣化という症状が発生します。

自動車の場合、それをねんどクリーナーなどを用いて水を流しながらボディを磨いていきます。1年に1回やるだけでも塗装の持ち具合は各段に違います。管理者は毎年春先に鉄粉を落とし、さらに研磨剤入りのボディクリーナーを使って綺麗にします。洗車を合わせると5時間ぐらいかかりますよ。

話題は逸れてしまいましたが、さらに北海道では、特に冬季に劣化が激しくなるようです。風雪や走行中(営業列車)に雪や氷によって塗装面が傷つきます。そして割れた塗装面の隙間に入り込んだ細かい雪が水となり、やがて気温が下がることで凍結し、氷になって膨張することで塗装面破損という状況が起こります。

これからの時期はキハ40形気動車やキハ183系ではそうした症状が例年多くなる時期です。なので北海道は、本州方面以上に車体のメンテナンスも大変なんです。自家用車でも手入れに時間がかかるのにも関わらず、これが鉄道車両になると、専用の機械等があったとしてもメンテナンスは相当大変です。

走行中のみならず、風雪によって塗装面が傷つくこともあるので、国鉄色復元車を綺麗な状態で来春まで保管しておくために、ブルーシートに覆って冬囲いをしています。

このように、車両を綺麗な状態で維持することはとても大変であり、手間とお金がかかります。資金不足に陥っているJR北海道も最低限こうしたことはしなければなりません。「安全投資と修繕に関する5年間の計画」と1,200億円の追加支援(そのうち修繕費は600億円)で既存の車両を維持していかなければなりません。

鉄道利用が本州方面に比べて乏しいにも関わらず、車両を維持していくためにお金がかかります。雪が降れば除雪費用も余計にかかります。北海道は大変な場所です。

稀に強風でブルーシートの一部が取れる場合もありますが、国鉄色復元車については厳重に縛りつけられており、暴風雪が発生した際でも車体はブルーシートに守られるでしょう。ぜひとも来春に綺麗な状態で国鉄色復元車に再開したいと思います。











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コメント
8127:見えてるのに見ていない人々! by ピカチュウ親方 on 2018/12/14 at 00:10:05

北海道は、こう言う酷しい条件が、多過ぎなんですよね。

こう言う事情を、政治家やマスコミに出演する自称鉄道専門家は、分かっているのだろうか?。

と、いつも思ってしまいます。

8128: by シニアパートナー on 2018/12/14 at 07:51:38 (コメント編集)

ちょっと驚きました。この状態で営業運転していたときもあったとは。国鉄末期でもこのようなことはなかったと思いますがねえ。
東洋経済によろと、社員の流出が止まっていないとか。何か気を配ることもできないほど劣化しているのですかね。深刻です。

8129:以前より by 旅人 on 2018/12/14 at 12:10:43 (コメント編集)

この車両が、北斗で塗装が、膨らんだような現象が起きていました。つまり、膨らみがさらに劣化して、剥がれた後が錆びなんでしょう、お金がないから修理もしなかったんしょ。国鉄時代はそうなる前に特別保全工事という延命工事を行ってました。
お金がないからこそ、車両を延命しなければという考え方でしたが、お金がないから放置ではもう末期症状ですな。早い所、JR東日本に合併吸収された方が一番です。北海道単独ではもう経営改善は見込めないでしょう

8130: by ERGA-1064 on 2018/12/14 at 14:40:21

キハ183系の場合、0番台よりも後期車の方が塗装の劣化がひどいように見受けられました。外板の素材が関係んしてるのでしょうか?比較的新しいキハ150でも外板の劣化が目立つのも気になりますね。

8132: by 管理人 on 2018/12/15 at 09:11:21

>>「ピカチュウ親方」さん、コメントありがとうございます。

夏季でも鉄粉によって同じ症状は全国的に起こります。北海道はさらに水は侵入して膨張して塗装面が劣化していきます。

不採算路線を抱えている問題のほかにも、こうしたありのままの姿・現状も常時取り上げてほしいです。道新ではこれを過去に急行「はまなす」の客車を取り上げて批判的に扱っていましたね。

8133: by 管理人 on 2018/12/15 at 09:19:06

>>「シニアパートナー 」さん、コメントありがとうございます。

北海道のみならず、九州でも787系で見られることがあるようです。787系はダークグレーほぼ一色なので、塗装面劣化部分の上にさらに応急処置で塗装し直しているようですね。収支改善が図られているとはいえ、必ずしもやっていることは綺麗なことばかりではありません。

写真の充当された際はたまたまだったと思いますが、極力こうした車両の使用は避けてほしいところです。社員流出は深刻な問題で、特に技術系の職員の離職が多いはずです。賃金をドライバー(運転士)よりも上げるなど、何らかの改善が必要だと思います。

8134: by 管理人 on 2018/12/15 at 09:29:43

>>「旅人」さん、コメントありがとうございます。

塗装面が膨れ上がる現象は、傷が塗装の下の鋼板まで到達し、錆となって塗装が浮いてしまいます。冬季の走行中に氷が飛散することのみならず、夏季でも飛び石などの原因でなることがあります。

塗装が劣化したことで必ずしも安全性に問題がある報告等はありません。その関係でほぼ必ず特別保全工事が施行されていた国鉄時代からルールが緩み、このように塗装の劣化の限界ギリギリまで使用する状況が続いているのではないでしょうか。北海道のみならず、全国的にも鋼製車体の車両は塗装の劣化後もそのまま使用され続けていますね。

東日本に吸収するにしても、国有化するにしても、収支改善等にはつながりますが、このルールが改善されなければ、利用者や見る側の印象はさほど変わらないですね。

8135:特に by 旅人 on 2018/12/15 at 10:01:43 (コメント編集)

おはようございます。連投です。
特にオホーツクの冷遇は昔からでしたからね。他列車がグレードアップ指定席を導入された時、やっと、R55Cリクライニングシートが回ってきたり、乗客から同じ料金を払っているのに失礼ではないか!と車掌さんにどなりつけるサラリーマン客がいたと知人が言ってましたよ。この前、国鉄最後の特急185系を撮影しに行ってきましたが、183ー500番台より年式が5年古い車両でしたが、デビュー当時と変わらないくらい塗装が美しかったですよ。やはり、特急車両は特急料金を払って乗る看板列車なので、劣化が激しいまま運行していてはさらなる乗客減が進むでしょう。

8136: by 管理人 on 2018/12/15 at 10:20:08

>>「ERGA-1064」さん、コメントありがとうございます。

塗装面劣化に直接起因しているか不明ですが、初期車と後期車で車体の鋼板の厚さが異なっているようです。後期車の方が薄いです。製造時期が国鉄末期ということもあり、製造コスト低減という形がとられたと思います。

逆に、その分自重を軽くすることができるため、逆に性能向上が図られますね。

8138: by 管理人 on 2018/12/15 at 10:32:42

>>「旅人」さん、再度コメントありがとうございます。

185系の使用は関東で状態もキハ183系よりも良いと思います。普通列車との使用を兼用を想定していたとはいえ、やはり状態が保って綺麗にしているだけで古い車両でもそれなりの新鮮さ、清潔さがあります。鉄道雑誌でも稀に拝見しますが、185系は綺麗に保たれている印象が強い車両です。

普通列車も含めて、利用する側は料金を払っているので、仕方ないとはいえ、こうした外装が劣化している車両の使用は極力避けてほしいです。利用する側が良い気分にはなれませんよね。

8145:実際に見て by ほのほの on 2018/12/16 at 20:51:57

実際に札幌駅で見たことがあります。よくこんなんで動かしてたもんだなと逆に感心しました。塗装は見栄えだけでなく車体の保護という意味もありますからね。ケチらないで欲しいものです。じきにとかち色に統一したり、計画的に塗装計画も必要だと思います。ただでさえじり貧なのに、見栄えがこれでは不安をあおるだけです。

8155: by 管理人 on 2018/12/17 at 16:04:09

>>「ほのほの」さん、コメントありがとうございます。

当時はよく稼働させたなと思っていました。ですが、利用する側の人間の立場になって考えると、決して良い気分にはなれませんよね。

経営状況が苦しいのは理解できますが、車両を保有している以上、見た目にも気を配らなければ、利用者の不安を募らせるだけですね。

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