鉄道車両の塗装面の劣化症状
その他あれこれ - 2018年12月13日 (木)
前回の記事で、キハ183系国鉄色車の冬囲いの様子をお伝えしました。

なぜブルーシートに覆うかというと、来春まで外装を綺麗な状態を維持させておくためです。来春には「キハ183-214」を道の駅「あびらD51ステーション」に、「キハ183-220」を安平町鉄道資料館(旧追分機関区)にそれぞれ展示する予定です。
では今回は、そのまま厳冬期に使用しておくと車体はどうなっていくのか、キハ183系の例で紹介していきたいと思います。


苗穂駅前に留置されている「キハ182-406」や「キハ182-405」にそのような症状が出ていたので紹介させていただきます。塗装面の一部が剥がれており、本来の美しい状態が保たれていません。後者については、車番の部分にダメージがあり、場合によって読み取れなくなってしまいますね。
これがひどい状態になると・・・


哀れな姿になってしまいます。今年2月に撮影した「キハ182-509」です。
現在、同車の外装は修繕されており、方向転換も実施されています。
同車は今年の2月に特急「オホーツク1号」から一度運用に入りました。外装がひどくて話題になりましたね。あまりにひどかったのか、一度特急「オホーツク2号」で戻ってきた際、車両の組み替えで編成から外されました。もしかしたら、苦情等があったのかもしれませんね。2日間限りこのひどい状態で札幌・旭川~網走間を数往復していました。
管理者が写真を撮影していると、反対側ホームで列車を待っていた一般の利用者の目にもとまり、何事かのように同車に注目が集まっていました。さすがにこの状態を見て目にとまらない人間は少ないでしょう。
車両数が不足していた関係から、こうした車両を使わざるを得ない状況だったのかもしれませんが、こうした車両の営業列車での使用は極力避けたいところです。こうした車両に案内される利用客の立場になって考えると、決して気分が良くなる車両の状態ではありませんよね。
これは北海道のみならず、全国でも度々確認されているようです。同じ鋼製車体のJR九州の787系でも同様の症状で過去に営業運転に使われたことがあるようで、上から塗装を塗って誤魔化して使用したこともあったようです。787系の場合は外装がダークグレーほぼ一色になっているので、速やかに応急処置ができたと思います。787系で検索すると「787系 ボロボロ」が予測として出てきますよ。
787系の場合は特に、屋根上で塗装の劣化が見られます。架線を使用しているうちにパンタグラフを削ってしまった際に発生する鉄粉や、車両がレール上を走行した際に削れた鉄粉が付着します。よく車両の側面が茶色くなっていますよね。それは主に鉄粉です。
漢字で表記すると鉄の粉ですが、詳しくその表面を確認してみると、塗装面に刺さっているんです。自動車も外装が白い場合、側面に茶色い点々が付着していると思いますが、それが鉄粉になります。
放置しておくと、雨などの水分で酸化してしまい、錆びながら塗装の中に侵入していきます。そこから塗装面の劣化という症状が発生します。
自動車の場合、それをねんどクリーナーなどを用いて水を流しながらボディを磨いていきます。1年に1回やるだけでも塗装の持ち具合は各段に違います。管理者は毎年春先に鉄粉を落とし、さらに研磨剤入りのボディクリーナーを使って綺麗にします。洗車を合わせると5時間ぐらいかかりますよ。
話題は逸れてしまいましたが、さらに北海道では、特に冬季に劣化が激しくなるようです。風雪や走行中(営業列車)に雪や氷によって塗装面が傷つきます。そして割れた塗装面の隙間に入り込んだ細かい雪が水となり、やがて気温が下がることで凍結し、氷になって膨張することで塗装面破損という状況が起こります。
これからの時期はキハ40形気動車やキハ183系ではそうした症状が例年多くなる時期です。なので北海道は、本州方面以上に車体のメンテナンスも大変なんです。自家用車でも手入れに時間がかかるのにも関わらず、これが鉄道車両になると、専用の機械等があったとしてもメンテナンスは相当大変です。
走行中のみならず、風雪によって塗装面が傷つくこともあるので、国鉄色復元車を綺麗な状態で来春まで保管しておくために、ブルーシートに覆って冬囲いをしています。
このように、車両を綺麗な状態で維持することはとても大変であり、手間とお金がかかります。資金不足に陥っているJR北海道も最低限こうしたことはしなければなりません。「安全投資と修繕に関する5年間の計画」と1,200億円の追加支援(そのうち修繕費は600億円)で既存の車両を維持していかなければなりません。
鉄道利用が本州方面に比べて乏しいにも関わらず、車両を維持していくためにお金がかかります。雪が降れば除雪費用も余計にかかります。北海道は大変な場所です。
稀に強風でブルーシートの一部が取れる場合もありますが、国鉄色復元車については厳重に縛りつけられており、暴風雪が発生した際でも車体はブルーシートに守られるでしょう。ぜひとも来春に綺麗な状態で国鉄色復元車に再開したいと思います。
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なぜブルーシートに覆うかというと、来春まで外装を綺麗な状態を維持させておくためです。来春には「キハ183-214」を道の駅「あびらD51ステーション」に、「キハ183-220」を安平町鉄道資料館(旧追分機関区)にそれぞれ展示する予定です。
では今回は、そのまま厳冬期に使用しておくと車体はどうなっていくのか、キハ183系の例で紹介していきたいと思います。


苗穂駅前に留置されている「キハ182-406」や「キハ182-405」にそのような症状が出ていたので紹介させていただきます。塗装面の一部が剥がれており、本来の美しい状態が保たれていません。後者については、車番の部分にダメージがあり、場合によって読み取れなくなってしまいますね。
これがひどい状態になると・・・


哀れな姿になってしまいます。今年2月に撮影した「キハ182-509」です。
現在、同車の外装は修繕されており、方向転換も実施されています。
同車は今年の2月に特急「オホーツク1号」から一度運用に入りました。外装がひどくて話題になりましたね。あまりにひどかったのか、一度特急「オホーツク2号」で戻ってきた際、車両の組み替えで編成から外されました。もしかしたら、苦情等があったのかもしれませんね。2日間限りこのひどい状態で札幌・旭川~網走間を数往復していました。
管理者が写真を撮影していると、反対側ホームで列車を待っていた一般の利用者の目にもとまり、何事かのように同車に注目が集まっていました。さすがにこの状態を見て目にとまらない人間は少ないでしょう。
車両数が不足していた関係から、こうした車両を使わざるを得ない状況だったのかもしれませんが、こうした車両の営業列車での使用は極力避けたいところです。こうした車両に案内される利用客の立場になって考えると、決して気分が良くなる車両の状態ではありませんよね。
これは北海道のみならず、全国でも度々確認されているようです。同じ鋼製車体のJR九州の787系でも同様の症状で過去に営業運転に使われたことがあるようで、上から塗装を塗って誤魔化して使用したこともあったようです。787系の場合は外装がダークグレーほぼ一色になっているので、速やかに応急処置ができたと思います。787系で検索すると「787系 ボロボロ」が予測として出てきますよ。
787系の場合は特に、屋根上で塗装の劣化が見られます。架線を使用しているうちにパンタグラフを削ってしまった際に発生する鉄粉や、車両がレール上を走行した際に削れた鉄粉が付着します。よく車両の側面が茶色くなっていますよね。それは主に鉄粉です。
漢字で表記すると鉄の粉ですが、詳しくその表面を確認してみると、塗装面に刺さっているんです。自動車も外装が白い場合、側面に茶色い点々が付着していると思いますが、それが鉄粉になります。
放置しておくと、雨などの水分で酸化してしまい、錆びながら塗装の中に侵入していきます。そこから塗装面の劣化という症状が発生します。
自動車の場合、それをねんどクリーナーなどを用いて水を流しながらボディを磨いていきます。1年に1回やるだけでも塗装の持ち具合は各段に違います。管理者は毎年春先に鉄粉を落とし、さらに研磨剤入りのボディクリーナーを使って綺麗にします。洗車を合わせると5時間ぐらいかかりますよ。
話題は逸れてしまいましたが、さらに北海道では、特に冬季に劣化が激しくなるようです。風雪や走行中(営業列車)に雪や氷によって塗装面が傷つきます。そして割れた塗装面の隙間に入り込んだ細かい雪が水となり、やがて気温が下がることで凍結し、氷になって膨張することで塗装面破損という状況が起こります。
これからの時期はキハ40形気動車やキハ183系ではそうした症状が例年多くなる時期です。なので北海道は、本州方面以上に車体のメンテナンスも大変なんです。自家用車でも手入れに時間がかかるのにも関わらず、これが鉄道車両になると、専用の機械等があったとしてもメンテナンスは相当大変です。
走行中のみならず、風雪によって塗装面が傷つくこともあるので、国鉄色復元車を綺麗な状態で来春まで保管しておくために、ブルーシートに覆って冬囲いをしています。
このように、車両を綺麗な状態で維持することはとても大変であり、手間とお金がかかります。資金不足に陥っているJR北海道も最低限こうしたことはしなければなりません。「安全投資と修繕に関する5年間の計画」と1,200億円の追加支援(そのうち修繕費は600億円)で既存の車両を維持していかなければなりません。
鉄道利用が本州方面に比べて乏しいにも関わらず、車両を維持していくためにお金がかかります。雪が降れば除雪費用も余計にかかります。北海道は大変な場所です。
稀に強風でブルーシートの一部が取れる場合もありますが、国鉄色復元車については厳重に縛りつけられており、暴風雪が発生した際でも車体はブルーシートに守られるでしょう。ぜひとも来春に綺麗な状態で国鉄色復元車に再開したいと思います。
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