千歳線・南千歳駅(H14)
駅 - 2018年12月25日 (火)
今回は南千歳駅について取り上げます。

南千歳駅は、鉄道ファンでも訪れる機会が少ないのではないでしょうか。2007年10月ダイヤ改正時から導入している駅ナンバリングはH14です。駅ホームの末端部分のアングルもよくなく、周辺には「千歳アウトレットモール・レラ」ぐらいしかありません。

周辺は民家もないですが、2018年3月ダイヤ改正現在、貨物列車を除いて全ての定期旅客列車が停車します。

南千歳駅の全景です。まずもって降りて駅舎を撮影する人間は少ないでしょう。
このアングルから・・・

左側を撮影したのが4枚目の写真で、

右側を撮影したのが5枚目で、

真後ろを撮影したのが6枚目です。
千歳市内ですが、駅周辺に民家はなく、国道36号線が千歳市内及び、苫小牧方面に向かって伸びています。線路を挟んで逆側に「千歳アウトレットモール・レラ」、千歳線と石勝線の分岐点あたりに私立千歳科学技術大学が設置されています。
周辺に施設や民家が乏しい割には、全ての特急列車が停車します。不思議な駅です。
その理由は、各方面からの乗り換えの拠点駅としての機能を有しているからです。1枚目の写真のとおり、札幌方面(千歳)とは逆の方向へ3つのルートへそれぞれ分かれることになります。
・快速「エアポート」が向かう新千歳空港方面
・「スーパー北斗」・「すずらん」が向かう苫小牧方面(植苗)
・「スーパーおおぞら」・「スーパーとかち」が向かう追分方面
乗り継ぎとしては、
(1)苫小牧方面から新千歳空港へ
(2)追分方面から新千歳空港へ
(3)苫小牧・追分方面からやってきた特急列車から新札幌駅までの途中の各駅へ
(4)苫小牧方面から追分方面へ
(5)追分方面から苫小牧方面へ
(6)新千歳空港から苫小牧方面へ
(7)新千歳空港から追分方面へ
(8)新札幌駅から南千歳駅までの途中の各駅から特急列車で追分・苫小牧方面へ
これら8つの機能を有することにより、乗り換えの拠点駅として重宝されています。なので周辺にほぼ何もない南千歳駅といえど、全ての定期旅客列車が停車するわけです。今はなき減速・減便前の札幌~函館間の最速達列車、特急「スーパー北斗15号」も停車していました。それぐらい重要な駅として扱われています。
しかし、千歳市在住の方にとっては、隣の千歳駅に特急列車を停車させた方が利便性が向上することは言うまでもありません。逆に千歳駅に特急列車を停車させて南千歳駅を通過とした場合、例えば、上述の乗り継ぎ例8つのうち6つについてルートを引き返すことになりますから、千歳駅~南千歳駅間で運賃計算が新たに生じてしまいます。かつて新千歳空港・札幌~旭川間を結んだ「スーパーカムイ/エアポート」では、重複する札幌~白石間は特例扱いとして運賃計算を行っていました。その手間を省くために南千歳駅がその役割を担います。
南千歳駅の昨今の話題といえば、来年3月に実施されるダイヤ改正で、特急「スーパー北斗23号」が同駅を通過するようになります。その代わりに、隣の千歳駅に停車するようになります。南千歳駅で旅客列車で通過扱いの列車が発生するのは何年ぶりでしょうか?
理由は、上述の乗り換えの8つの条件にどれも当てはまらないからです。上述のとおり、南千歳駅は周辺は民家や施設もあまりないため、あくまで各方面からの乗り換えとしての機能に重点を置いています。その中で、特急「スーパー北斗23号」は23時07分に到着しますが、この時間帯は追分方面の列車、新千歳空港へ向かう列車、新札幌駅までの途中の各駅に停車する普通列車などは全て終了しており、且つ千歳市中心部から離れているため不便であり、駅前にタクシーも常時待機しているわけではないので、もはや南千歳駅に停車する理由はありません。そこで、隣の千歳駅に停車駅を変更することで千歳市内のホテルに宿泊する方、千歳市在住の方は特急「スーパー北斗23号」が新たに利用可能な選択肢に入るようになり、そして同列車は千歳駅で札幌方面の普通列車に接続が図られることで新札幌駅までの途中の各駅までの利用も新たに可能になります。
現在は普通列車から特急列車までどの定期旅客列車が停車する大拠点駅ですが、機能が乗り継ぎにほぼ特化している以上、各方面の列車が乏しい早朝や深夜については、その機能が失われ、そのあたりの普通列車しか停車しない駅と何ら変わらなくなります。

また、過去の記事で管理者も指摘しましたが、今回の南千歳駅通過の件について、特急「スーパー北斗2号」も上述の8つの条件に全て当てはまらないことから、停車駅を南千歳駅から千歳駅に変更すべきだと思っています。
7枚目の写真は新千歳空港駅改札前コンコースにある乗換案内ですが、函館方面は唯一特急「スーパー北斗2号」のみ記載されていません。その時間帯はまだ新千歳空港駅からも札幌方面に向けて始発列車も出ていないためです。千歳市内から同列車に乗車するためには、南千歳駅までタクシーまたは自家用車での送迎か、北海道中央バスで空港市内線に乗車すれば、6時02分に南千歳駅前に到着することができます。一応アクセスは確保されているようですが、それでも不便ですね。
しかし、こちらは早い時間帯にも関わらず、札幌駅や新札幌駅からの利用が多く見受けられます。特にこの時期は札幌駅から中国人観光客の利用が多いです。なので、なぜ特急「スーパー北斗23号」だけそのような措置がとられたかというと、利用の改善という目的もあったのではないでしょうか。同列車については、設定する時間帯が時間帯なため、平日・週末問わず空気輸送のことが多々あります。かといって新函館北斗駅での新幹線との接続の関係や車両繰りの関係から輸送改善が難しい列車です。来年3月のダイヤ改正による改善によって少しでも利用が増えることを期待しましょう。
このように、中には駅周辺はローカル駅とほぼ変わらないにも関わらず、特急列車が全て停車する主要駅も存在します。今回は鉄道車両の紹介はしていませんが、こうしてみると、公共交通の事情は奥が深いものがありますね。
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南千歳駅は、鉄道ファンでも訪れる機会が少ないのではないでしょうか。2007年10月ダイヤ改正時から導入している駅ナンバリングはH14です。駅ホームの末端部分のアングルもよくなく、周辺には「千歳アウトレットモール・レラ」ぐらいしかありません。

周辺は民家もないですが、2018年3月ダイヤ改正現在、貨物列車を除いて全ての定期旅客列車が停車します。

南千歳駅の全景です。まずもって降りて駅舎を撮影する人間は少ないでしょう。
このアングルから・・・

左側を撮影したのが4枚目の写真で、

右側を撮影したのが5枚目で、

真後ろを撮影したのが6枚目です。
千歳市内ですが、駅周辺に民家はなく、国道36号線が千歳市内及び、苫小牧方面に向かって伸びています。線路を挟んで逆側に「千歳アウトレットモール・レラ」、千歳線と石勝線の分岐点あたりに私立千歳科学技術大学が設置されています。
周辺に施設や民家が乏しい割には、全ての特急列車が停車します。不思議な駅です。
その理由は、各方面からの乗り換えの拠点駅としての機能を有しているからです。1枚目の写真のとおり、札幌方面(千歳)とは逆の方向へ3つのルートへそれぞれ分かれることになります。
・快速「エアポート」が向かう新千歳空港方面
・「スーパー北斗」・「すずらん」が向かう苫小牧方面(植苗)
・「スーパーおおぞら」・「スーパーとかち」が向かう追分方面
乗り継ぎとしては、
(1)苫小牧方面から新千歳空港へ
(2)追分方面から新千歳空港へ
(3)苫小牧・追分方面からやってきた特急列車から新札幌駅までの途中の各駅へ
(4)苫小牧方面から追分方面へ
(5)追分方面から苫小牧方面へ
(6)新千歳空港から苫小牧方面へ
(7)新千歳空港から追分方面へ
(8)新札幌駅から南千歳駅までの途中の各駅から特急列車で追分・苫小牧方面へ
これら8つの機能を有することにより、乗り換えの拠点駅として重宝されています。なので周辺にほぼ何もない南千歳駅といえど、全ての定期旅客列車が停車するわけです。今はなき減速・減便前の札幌~函館間の最速達列車、特急「スーパー北斗15号」も停車していました。それぐらい重要な駅として扱われています。
しかし、千歳市在住の方にとっては、隣の千歳駅に特急列車を停車させた方が利便性が向上することは言うまでもありません。逆に千歳駅に特急列車を停車させて南千歳駅を通過とした場合、例えば、上述の乗り継ぎ例8つのうち6つについてルートを引き返すことになりますから、千歳駅~南千歳駅間で運賃計算が新たに生じてしまいます。かつて新千歳空港・札幌~旭川間を結んだ「スーパーカムイ/エアポート」では、重複する札幌~白石間は特例扱いとして運賃計算を行っていました。その手間を省くために南千歳駅がその役割を担います。
南千歳駅の昨今の話題といえば、来年3月に実施されるダイヤ改正で、特急「スーパー北斗23号」が同駅を通過するようになります。その代わりに、隣の千歳駅に停車するようになります。南千歳駅で旅客列車で通過扱いの列車が発生するのは何年ぶりでしょうか?
理由は、上述の乗り換えの8つの条件にどれも当てはまらないからです。上述のとおり、南千歳駅は周辺は民家や施設もあまりないため、あくまで各方面からの乗り換えとしての機能に重点を置いています。その中で、特急「スーパー北斗23号」は23時07分に到着しますが、この時間帯は追分方面の列車、新千歳空港へ向かう列車、新札幌駅までの途中の各駅に停車する普通列車などは全て終了しており、且つ千歳市中心部から離れているため不便であり、駅前にタクシーも常時待機しているわけではないので、もはや南千歳駅に停車する理由はありません。そこで、隣の千歳駅に停車駅を変更することで千歳市内のホテルに宿泊する方、千歳市在住の方は特急「スーパー北斗23号」が新たに利用可能な選択肢に入るようになり、そして同列車は千歳駅で札幌方面の普通列車に接続が図られることで新札幌駅までの途中の各駅までの利用も新たに可能になります。
現在は普通列車から特急列車までどの定期旅客列車が停車する大拠点駅ですが、機能が乗り継ぎにほぼ特化している以上、各方面の列車が乏しい早朝や深夜については、その機能が失われ、そのあたりの普通列車しか停車しない駅と何ら変わらなくなります。

また、過去の記事で管理者も指摘しましたが、今回の南千歳駅通過の件について、特急「スーパー北斗2号」も上述の8つの条件に全て当てはまらないことから、停車駅を南千歳駅から千歳駅に変更すべきだと思っています。
7枚目の写真は新千歳空港駅改札前コンコースにある乗換案内ですが、函館方面は唯一特急「スーパー北斗2号」のみ記載されていません。その時間帯はまだ新千歳空港駅からも札幌方面に向けて始発列車も出ていないためです。千歳市内から同列車に乗車するためには、南千歳駅までタクシーまたは自家用車での送迎か、北海道中央バスで空港市内線に乗車すれば、6時02分に南千歳駅前に到着することができます。一応アクセスは確保されているようですが、それでも不便ですね。
しかし、こちらは早い時間帯にも関わらず、札幌駅や新札幌駅からの利用が多く見受けられます。特にこの時期は札幌駅から中国人観光客の利用が多いです。なので、なぜ特急「スーパー北斗23号」だけそのような措置がとられたかというと、利用の改善という目的もあったのではないでしょうか。同列車については、設定する時間帯が時間帯なため、平日・週末問わず空気輸送のことが多々あります。かといって新函館北斗駅での新幹線との接続の関係や車両繰りの関係から輸送改善が難しい列車です。来年3月のダイヤ改正による改善によって少しでも利用が増えることを期待しましょう。
このように、中には駅周辺はローカル駅とほぼ変わらないにも関わらず、特急列車が全て停車する主要駅も存在します。今回は鉄道車両の紹介はしていませんが、こうしてみると、公共交通の事情は奥が深いものがありますね。
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