東京⇔新函館北斗間の所要時間短縮と、成田⇔函館線から撤退するバニラ・エア
北海道新幹線 - 2019年01月20日 (日)
迫る3月のダイヤ改正では、新幹線の所要時間短縮が実施されます。

青函トンネル内での最高運転速度が現在は140km/hですが、160km/hに引き上げることで東京⇔新函館北斗間を結ぶ「はやぶさ」の所要時間が短縮されます。最速達列車については、現行の4時間02分から3時間58分へと4分短縮されます。
北海道新幹線開業前から課題とされてきた「4時間の壁」が3月のダイヤ改正で最速達列車のみ越えることになります。「4時間の壁」とは、鉄道が航空路線に比べて優位に立つようになる基準として設けられているワードです。東海道新幹線を例にすると、4時間以内で結ぶことができる東京⇔岡山間は新幹線が優位に立ち、東京⇔広島間では新幹線と航空機が拮抗し、東京⇔博多間になれば、航空機のシェアが多くなります。
このことから、北海道新幹線開業時も函館まで4時間の壁がを越えることを目標としてきましたね。
しかし、北海道新幹線開業時から青函トンネル内の風圧の関係で新幹線という速達性の高い乗り物が行き来しながら、最高運転速度が在来線時代の「スーパー白鳥」と変わらない140km/h運転が今日まで実施されています。そうした理由から東京⇔新函館北斗間も最速達列車でも4時間の壁を越えることができず、新幹線開業効果が一段落した昨今では、青函トンネルなどの設備投資に負担がかかり、結果的には経営の足を引っ張るお荷物状態です。1月のUターンラッシュ時のように、新千歳空港が雪の影響で機能しなくならない限り、一年を通じて北海道新幹線を必要としている利用客は当初の見込みよりも少ないです。
3月のダイヤ改正で4時間の壁を越える列車があるとはいえ、たった4分短縮しただけで利用がそれまでよりも多く見込めるとは限りません。4時間の壁を越える列車は最速達列車の3本だけで、それ以外の東京⇔新函館北斗間を結ぶ「はやぶさ」については、4時間の壁を引き続き越えられません。3時間台の列車が設けられるとはいえ、その効果はほとんどないと管理者は予想しています。
4時間の壁と言われても、まだまだ函館までしか到達していないので、北海道民にとっては意識し難い点もあるでしょう。見方を変えれば、新幹線の良さがわかります。例えばダイヤ改正後で比較すると・・・
・札幌~釧路間と同一の所要時間で東京から新函館北斗まで移動できる
・「オホーツク」に乗って札幌から北見に行くよりも東京から新函館北斗までの方が早く移動できる
・一部の「スーパー北斗」と所要時分がほとんど変わらずに東京から新函館北斗まで移動できる
こうして、都市間の移動でも大移動になる北海道で例を上げることで、多少は新幹線の良さが理解してもらえると思います。こうして比較することで、青函トンネル内の160km/hの減速運転はそこまで大きな問題ではないように聞こえます。
所要時分が短縮のほかにも、新幹線にとって有利な状況を生み出す可能性があります。実は3月にはライバルであり、商売敵が1つ減ります。


写真は新千歳空港で撮影しました。格安航空会社バニラ・エアの機材です。北海道では、新千歳空港と函館空港に乗り入れています。いずれも成田空港と結んでいます。
しかし、成田⇔函館線については、3月30日をもって廃止されます。調べていると、こうしたLCC格安航空会社が航空機を運行する場合、通年運行で85%以上の搭乗率を達成しなければ存続は厳しいようです。函館⇔成田線は2017年2月から就航していましたが、2017年と2018年の10月まで搭乗率は全体で80%を下回り、月によって70%も下回る状況で客足が伸び悩んでいました。
ダイヤを調べてみると1往復のみの設定で、成田空港を15時30分に出発し、1時間35分後の17時05分に函館空港に到着。40分の折り返し時間を経て17時45分に再び成田空港へ向けて引き返します。本数も多くなく、決して利便性が高いとはいえないダイヤも利用不振を招いた影響の1つでしょう。また、羽田空港ではなく、都心から離れた成田空港発着にも問題があり、そこから東京方面へ向けて移動しなければならないため、その移動の不便さも利用不振を招いた一因として考えられます。
北海道も広大な土地で、ほかの都道府県にまたがることはないにしても、航空機で移動する人間は少なくありません。将来的には鉄道の脅威とされるLCCの道内路線の就航ですが、ダイヤや設定本数によって利便性が高くなければ、必ずしも航空機が有利になるわけではなく、利用客の獲得が厳しくなる状況が把握できました。通年運行で85%以上の搭乗率を確保しなければいけないノルマがあれば、もしかしたら道内路線の就航は将来的に難しいかもしれませんね。
ということで、バニラ・エア1往復だけですが、成田⇔函館線が廃止されることで多少は新幹線が有利になるかもしれません。所要時分はかかってしまいますが、悪天候でも安定した輸送が実施できることが新幹線の強みでもあります。今のところはあまりいい部分がない北海道新幹線ですが、徐々にでも構わないので、利用のシェアを拡大し、苦境のJR北海道を支える柱として貢献してくれればと思います。
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青函トンネル内での最高運転速度が現在は140km/hですが、160km/hに引き上げることで東京⇔新函館北斗間を結ぶ「はやぶさ」の所要時間が短縮されます。最速達列車については、現行の4時間02分から3時間58分へと4分短縮されます。
北海道新幹線開業前から課題とされてきた「4時間の壁」が3月のダイヤ改正で最速達列車のみ越えることになります。「4時間の壁」とは、鉄道が航空路線に比べて優位に立つようになる基準として設けられているワードです。東海道新幹線を例にすると、4時間以内で結ぶことができる東京⇔岡山間は新幹線が優位に立ち、東京⇔広島間では新幹線と航空機が拮抗し、東京⇔博多間になれば、航空機のシェアが多くなります。
このことから、北海道新幹線開業時も函館まで4時間の壁がを越えることを目標としてきましたね。
しかし、北海道新幹線開業時から青函トンネル内の風圧の関係で新幹線という速達性の高い乗り物が行き来しながら、最高運転速度が在来線時代の「スーパー白鳥」と変わらない140km/h運転が今日まで実施されています。そうした理由から東京⇔新函館北斗間も最速達列車でも4時間の壁を越えることができず、新幹線開業効果が一段落した昨今では、青函トンネルなどの設備投資に負担がかかり、結果的には経営の足を引っ張るお荷物状態です。1月のUターンラッシュ時のように、新千歳空港が雪の影響で機能しなくならない限り、一年を通じて北海道新幹線を必要としている利用客は当初の見込みよりも少ないです。
3月のダイヤ改正で4時間の壁を越える列車があるとはいえ、たった4分短縮しただけで利用がそれまでよりも多く見込めるとは限りません。4時間の壁を越える列車は最速達列車の3本だけで、それ以外の東京⇔新函館北斗間を結ぶ「はやぶさ」については、4時間の壁を引き続き越えられません。3時間台の列車が設けられるとはいえ、その効果はほとんどないと管理者は予想しています。
4時間の壁と言われても、まだまだ函館までしか到達していないので、北海道民にとっては意識し難い点もあるでしょう。見方を変えれば、新幹線の良さがわかります。例えばダイヤ改正後で比較すると・・・
・札幌~釧路間と同一の所要時間で東京から新函館北斗まで移動できる
・「オホーツク」に乗って札幌から北見に行くよりも東京から新函館北斗までの方が早く移動できる
・一部の「スーパー北斗」と所要時分がほとんど変わらずに東京から新函館北斗まで移動できる
こうして、都市間の移動でも大移動になる北海道で例を上げることで、多少は新幹線の良さが理解してもらえると思います。こうして比較することで、青函トンネル内の160km/hの減速運転はそこまで大きな問題ではないように聞こえます。
所要時分が短縮のほかにも、新幹線にとって有利な状況を生み出す可能性があります。実は3月にはライバルであり、商売敵が1つ減ります。


写真は新千歳空港で撮影しました。格安航空会社バニラ・エアの機材です。北海道では、新千歳空港と函館空港に乗り入れています。いずれも成田空港と結んでいます。
しかし、成田⇔函館線については、3月30日をもって廃止されます。調べていると、こうしたLCC格安航空会社が航空機を運行する場合、通年運行で85%以上の搭乗率を達成しなければ存続は厳しいようです。函館⇔成田線は2017年2月から就航していましたが、2017年と2018年の10月まで搭乗率は全体で80%を下回り、月によって70%も下回る状況で客足が伸び悩んでいました。
ダイヤを調べてみると1往復のみの設定で、成田空港を15時30分に出発し、1時間35分後の17時05分に函館空港に到着。40分の折り返し時間を経て17時45分に再び成田空港へ向けて引き返します。本数も多くなく、決して利便性が高いとはいえないダイヤも利用不振を招いた影響の1つでしょう。また、羽田空港ではなく、都心から離れた成田空港発着にも問題があり、そこから東京方面へ向けて移動しなければならないため、その移動の不便さも利用不振を招いた一因として考えられます。
北海道も広大な土地で、ほかの都道府県にまたがることはないにしても、航空機で移動する人間は少なくありません。将来的には鉄道の脅威とされるLCCの道内路線の就航ですが、ダイヤや設定本数によって利便性が高くなければ、必ずしも航空機が有利になるわけではなく、利用客の獲得が厳しくなる状況が把握できました。通年運行で85%以上の搭乗率を確保しなければいけないノルマがあれば、もしかしたら道内路線の就航は将来的に難しいかもしれませんね。
ということで、バニラ・エア1往復だけですが、成田⇔函館線が廃止されることで多少は新幹線が有利になるかもしれません。所要時分はかかってしまいますが、悪天候でも安定した輸送が実施できることが新幹線の強みでもあります。今のところはあまりいい部分がない北海道新幹線ですが、徐々にでも構わないので、利用のシェアを拡大し、苦境のJR北海道を支える柱として貢献してくれればと思います。
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