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北海道の鉄道の内容を中心に自身の知識も含めながらブログの記事を日々更新しています。札幌市在住のため、主に札幌圏を走行する列車についての話題です。

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富良野駅と3種類のキハ183系

昨今は冷えるので、昨夏に撮影した写真でも紹介しようと思います。

観光シーズンの富良野駅で撮影した写真です。



富良野駅構内にノースレインボーエクスプレス、クリスタルエクスプレス、キハ183系1500番台が一堂に集結しています。

昨夏は新たな試みとして、快速「ふらの・びえい号」が運行されました。快速列車でありながら、キハ183系一般車による3両編成が充当されました。快速列車のため、特急料金が不要で、特急車両に乗車券のみで乗車できるおトクな列車でした。

設定された理由は、7月のラベンダー最盛期に「富良野・美瑛ノロッコ1号」と「富良野・美瑛ノロッコ2号」が混雑します。ノロッコ号は指定席が1両、自由席が2両の設定ですが、この自由席の混雑緩和を図るべく、自由席主体の快速列車としての役割のためです。ダイヤはノロッコ号に乗車できなかった利用客を拾うように設定され、必ずノロッコ号の後に設定されていました。いわゆるノロッコ号の救済臨です。

乗車券のみで乗車できる列車でしたが、3両編成という短い編成でも利用はまばらだったようです。あくまで救済臨としての役割ですから、それぐらいの利用が当初の見込みだったのかもしれませんね。



旭川方面に向かう快速「ふらの・びえい号」が富良野駅で待機している際、クリスタルエクスプレスとホームを挟んで並んでいたので撮影してみました。車体形状は違いますが、ノースレインボーエクスプレスを含めてこれら3車種は同じキハ183系に属します。

このようにデザインが大きく異なっていても同じキハ183系なのです。びっくりですよね。

同じキハ183系とはいえ、クリスタルエクスプレスなどのリゾート気動車は、日本が好景気だった頃に苗穂工場で自社製造されました。一昨年で営業運転を終了したニセコエクスプレスが、部品の調達が困難で引退を余儀なくされました。それを踏まえると、これら後発の2編成についても、形式上はキハ183系と同一ながら、細部の部品については、オリジナルのものがデザイン・採用されているのではないでしょうか?

それら北海道のリゾート気動車の原点が今はなき、アルファコンチネンタルエクスプレスですが、デザイン決定前まではデザインを担うことができるスタッフは札幌にはいませんでした。北海道在住の建築家にアイデアを出してもらい、機能や構造については苗穂工場の職員が知恵を絞って完成にこぎ着けました。

途中から東京から苗穂に異動してきた人間も加入し、フラノエクスプレス、トマム&サホロエクスプレスとリゾート気動車を次々と投入していきます。集大成となるノースレインボーエクスプレスについては、専門家主体よりも社員主体で車両の落成が進められました。

そのようなリゾート気動車も残すところクリスタルエクスプレスとノースレインボーエクスプレスの2編成のみとなりました。前者は昨年で落成から30年を迎え、後者も30年弱が経過します。老朽化と向き合う時期に差しかかっていますが、元々臨時用で日頃使用する機会が少ないこともあり、全国的に同程度の車齢の車両と比較しても比較的美しい・良好な状態が維持されていると思います。最新の車両と比較すると、確かに年数が経過しているのでレトロな雰囲気はありますが、最新車両とは違った魅力がまだまだあります。なぜかわかりませんが、最新車両の中にこれらリゾート気動車を並べても一際目立ちますよね。

北海道のリゾート気動車の場合は、そのほとんどがハイデッカー構造だったことも魅力且つ目立つ理由の1つだったかもしれません。車両の床が高い分、全高がどうしても通常の車両よりも高くなってしまいます。そうなると、必然的に車体は大柄に見え、他の車両よりも目立ちますよね。現在は新製される車両や観光用に改造される車両でも床を高くすることはほとんどないと思います。1980年代から1990年代初頭の日本が好景気だった頃特有の、そうした無駄な豪華さが現在も一部の鉄道ファンなどから愛される理由の1つかもしれません。

ノースレインボーエクスプレスについては、キハ261系の「宗谷」・「サロベツ」の代走も担うことが多く、設備やデザインのみならず、性能も高性能気動車に引けをとりません。とても素晴らしい車両です。


しかし、JR北海道の経営が厳しい昨今では、こうした車両はもう生み出すことはできないでしょう。製造費用やランニングコストもかかることから、万が一リゾート気動車が引退しても後継車は製造されないでしょう。それは、一昨年と昨年にそれぞれ引退した旭山動物園号やニセコエクスプレスを例にするとわかると思います。

いずれはキハ183系という形式そのものが消滅され、リゾート気動車もこの先どの程度使用できるかわかりません。車齢30年を考えると、引退はそう遠い話ではないかもしれません。元々は団体・臨時列車用として登場したことが仇となり、昨今ではその需要が少なくなり、一年を通じて稼働する機会も少なくなっています。

使用する機会が減っても車両が使えなくなる状態までは何としても維持すると思われ、それがいつになるかわからない以上、稼働することがあれば、ぜひとも記録しておきたいところです。

昨夏は富良野駅構内で3種類のキハ183系が並ぶとは思いもしませんでしたが、今夏も設定されるのであれば、キハ183系の活躍ぶりをリゾート気動車とともにカメラに収めたいと思います。

寒いからといって夏の富良野の様子とともに紹介しましたが、午後から札幌は快晴になり、そもそも富良野は盆地で年間の気温差や一日の気温差が大きいのが特徴です。冬は-30℃にもなり、逆に夏は本州並みの30℃を越す場合もあります。写真を撮影した際も30℃近くを記録し、汗ばむ陽気でした。北海道民にとっては逆に暑すぎるぐらいです。

それでも、湿度が低いので、本州よりは快適に過ごすことができますね。









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コメント
8236: by 南の虎 on 2019/01/21 at 14:45:09

交通バリアフリー法への対応だけが問題ですね。すでに対応済みなのかもしれませんが、ハイデッカー構造はどうしても段差があるため、この点がきにかかります。
クリスタル~は、展望席が復活すればなお楽しいのですが、函館本線の踏切事故以降、もうダメなんでしょうね。一番うりものになりそうなものなのですが、社の方針としては致し方ないところではあります。

8241: by ERGA-1064 on 2019/01/22 at 13:10:52

個人的意見の範囲内での話になりますが、リゾート列車の灯火は絶やしてはいけないと思います。しかしながらクリスタル、NREともにいつかは寿命がきます。
どうすればいいのか、キハ261系のリゾートバージョンを造ればいいのです。独自仕様の外装&座席、音響設備、1組ずつラウンジカーを製造。残りの4~5両は通常のキハ261系1000番台と座席数、ドア位置、性能を統一したうえで互換性を持たせ、通常の1000番台や宗谷車、リゾート仕様車のいずれに不具合が生じても代走をしやすくし、かつ保有車両数を減らすことで減価償却費の節減にもつながります。
その先例となってるのが流氷物語号でしょう。これを教科書にして、リゾート列車の老朽化対策を考えて欲しいです。

8243: by 管理人 on 2019/01/23 at 18:14:14

>>「南の虎」さん、コメントありがとうございます。

交通バリアフリー法は厄介で、他社では、小田急のロマンスカーのHiSEとRSEがこの問題で引っかかっていたはずです。あとはE4系も2階建構造でこの問題と向き合わせですよね。

クリスタルエクスプレスはウリの展望席がなくなってしまったので、単なる床の高い気動車になってしまいました。個室やボックスシートも団体需要向けなので、昨今は使い勝手の面ではあまりよくないですね。

8247: by 管理人 on 2019/01/24 at 00:19:55

>>「ERGA-1064」さん、コメントありがとうございます。

臨時列車が削減されているとはいえ、リゾート気動車による臨時列車、SL、ノロッコ号などがまだまだ観光シーズンに運行されています。将来的にはこれらの車両の置き換えは必須です。流氷ノロッコ号のような後継車を用意するにしても、一年を通じて乗ることができるので、何か特別感というか、そうしたものが薄れている気がします。

臨時列車用の車両を残す必要は最低限ありますが、例えばリゾート気動車でキハ261系を投入するとしても、臨時列車にそこまでの性能は必要ありません。エンジンを各車1基に減らすなどのコスト削減を図ると同時に、代走から繁忙期輸送(観光シーズン輸送)まで対応できるような車両が望ましいですね。

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