【コラム】キハ281系やキハ283系は振り子を止めているのか?
コラム - 2019年02月01日 (金)
昨今になっても稀に出回ることのある情報です。


キハ281系やキハ283系で振り子を止めているような情報が2年ほど前から出回り始めました。当ブログでもここ2年で稀に同じ内容のコメントをいただきます。
答えは・・・

鉄道ファンの最新号では、特集が「車体傾斜」です。もちろんこれら2形式についても掲載されていました。特集記事の本題に入る前に、根室本線の十弗~豊頃間を走行する「スーパーおおぞら」の写真が大きく掲載されています。その様子を見たら答えが出て来るでしょう。
これだけでは記事の内容として乏しいので、ではなぜそのような情報が出回ったのかについて記載していきましょう。
当ブログでも2年ほど前から今回取り上げている内容と同様のコメントを稀にいただくようになりました。
実は2年以上前に発売された鉄道雑誌に読者を混乱させるような記載がされていたのを覚えていますか??

その鉄道雑誌がコレです。
「鉄道ジャーナル2016年12月号」です。最新の鉄道ファン誌とほぼ同じ内容が取り上げられていました。
手元にある方は、33ページを開いてみてください。
33ページを開くと、「スーパーあずさ」で活躍した今はなきE351系の写真とともに、キハ281系の写真も掲載されています。
その写真についての一言が以下のように書かれています。
「一時は在来線最高速を記録したJR北海道281系気動車 量産の当初はHEAT281(Hokkaido Express Advanced Train)の愛称があった 現在は振子を止めている」
色々と誤りがありますが、注目すべきは最後の部分です。そのまま記載されていますね。
広く極力細かく取り上げなければならない鉄道雑誌では、よくあるミスの1つだと思います。
根拠はどこにもなく、正式にJRから発表されたことでもありません。後に訂正されたのかどうか知りませんが、やはり注目される車両でることから、ちょっとでも記載されていると気になってしまいますよね。
また、在来線最高速を記録した~とも記載されていますが、それは表定速度(平均速度)が営業運転を実施する区間において、日本国内における在来線の特急列車の中で最も高い数値(106.8km/h)を記録しただけであって、最高速度はかつて福井・金沢~越後湯沢を結んだ「はくたか」の160km/hです。「スーパー北斗」そのものは130km/hと、フツーの在来線特急とほぼ変わりませんよ。
記載ミスが確認された鉄道ジャーナル誌が発売された頃は、まだまだキハ261系1000番台が札幌~函館間で営業運転を開始して1年も経過していませんでした。同車は車両メンテナンス軽減のために「スーパー北斗」増発分として製造された5次車から新製当初より車体傾斜装置を搭載していませんでした。「スーパー北斗」はキハ281系も使用されており、車体傾斜装置を搭載しないキハ261系と一部のキハ281系使用列車の所要時分が同等だったことで、そのように判断された可能性があります。また、北海道新幹線開業直前のキハ183系「北斗」は、一部列車を除いて札幌~函館間を3時間40分強で結んでおり、これら過去のデータから振り子を止めていると判断された可能性がありますね。
しかし、JR北海道から車体傾斜装置の使用については見送られたものの、キハ281系やキハ283系の振り子機構そのものの使用を停止することについての発表はありません。そもそも札幌~函館間の所要時分が北海道新幹線開業とともに大幅に延びている理由について、新幹線との接続を考慮し、遅延を発生させないために余裕時分を設けるとともに、接続駅となる新函館北斗駅でも接続時分を多めに確保することで接続先の列車に極力影響が出ないようにダイヤを組んでいるようです。それが昨今になって利用者から接続時分を過剰に設けていることで不満の声も聞かれます。
実際にこの問題は札幌圏でも過去に大きな問題として管理者もブログ記事で何度も掲載してきました。札幌圏の場合は特に、1つの列車で遅延が発生してしまうと、接続列車との接続時分が少ないことや、線路容量の関係でその遅れが他列車にまで肥大化する傾向があります。特に昨今のような冬季は数分程度の列車の遅れが常態化する傾向があり、ありとあらゆる場所や列車で遅延が発生してしまいます。
話題が逸れてしまいましたが、いずれにしても鉄道雑誌の最新号に振り子を止めているような記載がなければ、そうした公式発表もありません。過去のデータや同じ「スーパー北斗」として使用するキハ261系の所要時分から判断してしまった記載ミスでしょう。これで問題解決ですね。
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キハ281系やキハ283系で振り子を止めているような情報が2年ほど前から出回り始めました。当ブログでもここ2年で稀に同じ内容のコメントをいただきます。
答えは・・・

鉄道ファンの最新号では、特集が「車体傾斜」です。もちろんこれら2形式についても掲載されていました。特集記事の本題に入る前に、根室本線の十弗~豊頃間を走行する「スーパーおおぞら」の写真が大きく掲載されています。その様子を見たら答えが出て来るでしょう。
これだけでは記事の内容として乏しいので、ではなぜそのような情報が出回ったのかについて記載していきましょう。
当ブログでも2年ほど前から今回取り上げている内容と同様のコメントを稀にいただくようになりました。
実は2年以上前に発売された鉄道雑誌に読者を混乱させるような記載がされていたのを覚えていますか??

その鉄道雑誌がコレです。
「鉄道ジャーナル2016年12月号」です。最新の鉄道ファン誌とほぼ同じ内容が取り上げられていました。
手元にある方は、33ページを開いてみてください。
33ページを開くと、「スーパーあずさ」で活躍した今はなきE351系の写真とともに、キハ281系の写真も掲載されています。
その写真についての一言が以下のように書かれています。
「一時は在来線最高速を記録したJR北海道281系気動車 量産の当初はHEAT281(Hokkaido Express Advanced Train)の愛称があった 現在は振子を止めている」
色々と誤りがありますが、注目すべきは最後の部分です。そのまま記載されていますね。
広く極力細かく取り上げなければならない鉄道雑誌では、よくあるミスの1つだと思います。
根拠はどこにもなく、正式にJRから発表されたことでもありません。後に訂正されたのかどうか知りませんが、やはり注目される車両でることから、ちょっとでも記載されていると気になってしまいますよね。
また、在来線最高速を記録した~とも記載されていますが、それは表定速度(平均速度)が営業運転を実施する区間において、日本国内における在来線の特急列車の中で最も高い数値(106.8km/h)を記録しただけであって、最高速度はかつて福井・金沢~越後湯沢を結んだ「はくたか」の160km/hです。「スーパー北斗」そのものは130km/hと、フツーの在来線特急とほぼ変わりませんよ。
記載ミスが確認された鉄道ジャーナル誌が発売された頃は、まだまだキハ261系1000番台が札幌~函館間で営業運転を開始して1年も経過していませんでした。同車は車両メンテナンス軽減のために「スーパー北斗」増発分として製造された5次車から新製当初より車体傾斜装置を搭載していませんでした。「スーパー北斗」はキハ281系も使用されており、車体傾斜装置を搭載しないキハ261系と一部のキハ281系使用列車の所要時分が同等だったことで、そのように判断された可能性があります。また、北海道新幹線開業直前のキハ183系「北斗」は、一部列車を除いて札幌~函館間を3時間40分強で結んでおり、これら過去のデータから振り子を止めていると判断された可能性がありますね。
しかし、JR北海道から車体傾斜装置の使用については見送られたものの、キハ281系やキハ283系の振り子機構そのものの使用を停止することについての発表はありません。そもそも札幌~函館間の所要時分が北海道新幹線開業とともに大幅に延びている理由について、新幹線との接続を考慮し、遅延を発生させないために余裕時分を設けるとともに、接続駅となる新函館北斗駅でも接続時分を多めに確保することで接続先の列車に極力影響が出ないようにダイヤを組んでいるようです。それが昨今になって利用者から接続時分を過剰に設けていることで不満の声も聞かれます。
実際にこの問題は札幌圏でも過去に大きな問題として管理者もブログ記事で何度も掲載してきました。札幌圏の場合は特に、1つの列車で遅延が発生してしまうと、接続列車との接続時分が少ないことや、線路容量の関係でその遅れが他列車にまで肥大化する傾向があります。特に昨今のような冬季は数分程度の列車の遅れが常態化する傾向があり、ありとあらゆる場所や列車で遅延が発生してしまいます。
話題が逸れてしまいましたが、いずれにしても鉄道雑誌の最新号に振り子を止めているような記載がなければ、そうした公式発表もありません。過去のデータや同じ「スーパー北斗」として使用するキハ261系の所要時分から判断してしまった記載ミスでしょう。これで問題解決ですね。
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