区間快速「いしかりライナー」の各駅停車化を検討
快速列車 - 2019年10月25日 (金)
来年3月のダイヤ改正で小樽~岩見沢間で運行される列車のうち、江別~札幌間または札幌~手稲間で快速運転を行う区間快速「いしかりライナー」の各駅停車化を検討しているようです。

区間快速「いしかりライナー」は、札幌駅を境に、江別~札幌間または札幌~手稲間で快速運転を行い、それ以外の区間については普通列車として運行されます。途中の区間で快速運転を行う関係から、扱いが少々ややこしいです。
例えば・・・
・時刻表上ではいずれかの区間で快速運転を行う列車は全て区間快速「いしかりライナー」と記載される
・江別駅の電光掲示板で江別~札幌間快速運転の際は区間快速「いしかりライナー」と表示される
・江別駅の電光掲示板で札幌~手稲間快速運転の際は普通列車と表示される
・苗穂駅の電光掲示板で札幌~手稲間快速運転の際は普通列車と表示される
ほかにもたくさんありますが、途中の区間だけ快速運転を行うことで各駅での表示や対応もバラバラです。特に苗穂駅では小樽方面に向かう列車のうち、1つ隣の札幌駅から快速運転を行う列車でも普通列車の扱いであり、鉄道ファンや日頃から運行時刻を把握しておかないと利用者によってはわかりづらい仕組みになっています。

数年前に撮影したとある駅の時刻表ですが、途中のいずれかの区間で快速運転を行う列車を全て快速表示としています。小さい字で快速運転区間を区別していますが、それでもわかりづらいです。
現在の運行体系は2007年10月ダイヤ改正から始まりました。

それ以前は区間快速の扱いは同じでしたが、一部を除いて江別~手稲間で快速運転を行っていました。札幌駅停車時間も比較的短かったため、現在よりも利用しやすい雰囲気です。
現行ダイヤのように、札幌駅を境に快速運転区間を縮小した理由は、どうやら利用客のほとんどが札幌駅で入れ替わるからのようです。
江別~手稲間通しの快速運転列車を廃止し、札幌駅を境にそれぞれの区間で快速運転をする運行体系に改めた結果、列車によっては札幌駅で長時間停車を余儀なくされる列車も発生するようになります。札幌圏でのパターンダイヤ維持のため、過去から現在まで同駅で最大20分前後停車する列車もありますね。
例えば、現行ダイヤでは小樽方面に向かう12時台と14時台に、不便なダイヤが確認されます。12時台は江別駅12時25分に札幌方面に向けて発車する区間快速「いしかりライナー」で、その5分後に同じく札幌方面に向かう普通列車が追いかけます。後者は札幌から区間快速「いしかりライナー」になります。
前者が札幌駅到着後、パターンダイヤ保持のため、18分停車することになります。この18分間に何が起きているかというと、先行して追いついてしまった普通列車を先に発車させ、そのあとに、江別~札幌間の後続の普通列車(札幌駅からいしかりライナー)を先行させます。札幌~手稲間では途中で後続列車を待避できる駅は1つもないので、札幌駅で時間調整をする必要があります。時間調整をしなければ、先行列車に追いついてしまうからです。普通列車発車後、だいたい10分前後で後続の快速列車が発車するパターンダイヤです。これは区間快速「いしかりライナー」のみならず、同区間を運行する快速「エアポート」にも当てはまります。全ては手稲駅での乗り換え利便を考慮したものです。
そして14時台では、これの逆パターンが起きており、江別駅14時15分に札幌方面に向けて発車する普通列車(札幌駅からいしかりライナー)で、後続に区間快速「いしかりライナー」が8分後に追いかけるダイヤがあります。
こちらもパターンダイヤ保持による時間調整のため、札幌駅で19分停車します。この間に札幌駅で先に到着している快速「エアポート141号」の発車と後続の区間快速「いしかりライナー」から転身した普通列車に先行されます。そして途中の区間で追いつかないように先行する普通列車から10分の間隔を設けて札幌駅を発車するので、停車時間が長くなってしまうダイヤ上の仕組みがあります。
また、札幌~江別間では快速運転を実施するにも関わらず、先行する普通列車を追い抜く列車は1つもありません。要は普通列車にしても区間快速「いしかりライナー」にしても先行する列車に乗れば先に各駅に到着できるダイヤになっています。同区間で区間快速「いしかりライナー」と普通列車の所要時間差は一部を除いてだいたい4分~6分程度であり、千歳線の快速「エアポート」と普通列車のように所要時間に大きな差はなく、快速運転の恩恵はそれほど大きくありません。
これらを統合的に判断すれば、区間快速「いしかりライナー」の必要性というのは低くなってしまうというわけです。
もちろん、同列車を廃止にすることでダイヤ上の利点を生みます。
例えば、札幌~手稲間では、待避施設を有する駅もなく、同時に手稲区にある札幌運転所(札サウ)に出入りするために多くの回送列車が定期列車の合間を縫って多く設定されています。現在はこうした過密ダイヤのため、少しでも遅延が発生してしまえば、後続の列車に影響が広がっていきます。
区間快速「いしかりライナー」を各駅停車化することで先行する手稲行きあるいは、手稲発の普通列車を吸収することができます。要は2本を1本にすることができ、上述に長時間停車の例を記載しましたが、これら長時間停車列車を廃止にしたり、札幌運転所に出入りする列車の回送列車の行き来がしやすくなります。この結果、遅延が発生しづらくなり、さらなる安定輸送が期待されます。
しかし、区間快速といえど、観光シーズンには小樽方面へ訪日外国人の利用も多かったことは事実です。別に毎時15分間隔で快速列車を維持する必要はありませんが、これの代替案として導入すべきは、快速「エアポート」の増発に伴い、小樽方面についても現行の毎時2本から3本程度の乗り入れが実現できないだろうかと管理者は思っています。
なぜ毎時3本にするかというと、札幌~小樽間の普通列車も現行ダイヤで毎時3本~4本程度の設定であり、この本数を維持するためには20分間隔ダイヤが望ましいと考えています。
もちろんこのダイヤを実施するには、札幌~新千歳空港間の快速「エアポート」の毎時5本化のダイヤについて、より検討する必要がありますが、管理者の描く20分間隔ダイヤはあらゆる面で利点を生みます。
例えば・・・
①札幌~小樽間の全区間で快速運転をする列車を増発することで所要時分の短縮を実現
②札幌~小樽間の普通列車の本数を維持
③札幌~手稲間における札幌運転所出入区に伴う、回送運転ダイヤの自由度向上
①については、札幌~小樽間において特に観光シーズンにおける快速列車を中心に訪日外国人の利用が目立っています。区間快速といえど利用は多く、普通列車に格下げする場合になってもある程度の輸送力は保持しなければなりません。同じタイミングで快速「エアポート」の札幌~新千歳空港間の増発が盛り込まれており、これに合わせて札幌~小樽間でも増発することで区間快速「いしかりライナー」の普通列車格下げ措置もある程度カバーできます。
②については、時刻表上では一見複雑に見えますが、時刻表をよく確認すると、札幌~小樽間ではデータイム毎時3本または4本程度の普通列車が設定されています。普通列車については日中の手稲止まり、ほしみ止まりの列車を廃止して小樽行きに集約し、且つ手稲駅で現在と同様に快速「エアポート」との接続体制を維持できれば、利便性の高いダイヤが引き続き維持されます。
③については、例えば、毎時00分に普通列車が小樽方面に向けて発車したとすると、上述のとおり、先行する普通列車に追いつかないために10分後に快速「エアポート」が出発するとします。これを繰り返して毎時20分、40分に普通列車、毎時30分、50分に快速「エアポート」を発車させるダイヤとすると、10分~20分、30分~40分、50分~00分の間にそれぞれ単純に最大で10分の空白の時間が生まれます。現在では札幌駅周辺では札幌駅止まりの快速「エアポート」の桑園方への引き上げ、札幌~旭川間の「カムイ」・「ライラック」の折り返しのための引き上げ(一部を除く)、そして札幌運転所への入出庫の列車の行き来など、線路容量に限界があります。そこで20分間隔のダイヤとすることでこれら車両の引き上げや回送の際にも自由度が向上します。
一見本数が少なくなってしまう20分間隔ダイヤですが、快速列車全てが6両編成になることや、普通列車も一部6両編成にすることで混雑緩和も十分対応可能です。また、乗務員を減らすことができるのも大きな利点であり、人件費削減にも貢献します。
このように、区間快速「いしかりライナー」を廃止にする利点はたくさんあります。実際に各駅での表示や対応もバラバラでわかりづらく、扱いづらい列車というのは言うまでもなく、快速はエアポートに集約し、それ以外を普通列車とする運行体系の方が一般の利用者もわかりやすく、且つ業務上の利点も多くあり、札幌圏の輸送改善に大きく貢献する措置と言えます。報道ではまだ検討段階ですが、同列車廃止により、場合によっては上述のように札幌圏の輸送改善に大いに貢献できるでしょう。


過去の東洋経済の記事で「残念な快速」として紹介されたこともある区間快速「いしかりライナー」。ですが、晩年は訪日外国人利用や通勤・通学輸送に大いに貢献した列車でした。
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区間快速「いしかりライナー」は、札幌駅を境に、江別~札幌間または札幌~手稲間で快速運転を行い、それ以外の区間については普通列車として運行されます。途中の区間で快速運転を行う関係から、扱いが少々ややこしいです。
例えば・・・
・時刻表上ではいずれかの区間で快速運転を行う列車は全て区間快速「いしかりライナー」と記載される
・江別駅の電光掲示板で江別~札幌間快速運転の際は区間快速「いしかりライナー」と表示される
・江別駅の電光掲示板で札幌~手稲間快速運転の際は普通列車と表示される
・苗穂駅の電光掲示板で札幌~手稲間快速運転の際は普通列車と表示される
ほかにもたくさんありますが、途中の区間だけ快速運転を行うことで各駅での表示や対応もバラバラです。特に苗穂駅では小樽方面に向かう列車のうち、1つ隣の札幌駅から快速運転を行う列車でも普通列車の扱いであり、鉄道ファンや日頃から運行時刻を把握しておかないと利用者によってはわかりづらい仕組みになっています。

数年前に撮影したとある駅の時刻表ですが、途中のいずれかの区間で快速運転を行う列車を全て快速表示としています。小さい字で快速運転区間を区別していますが、それでもわかりづらいです。
現在の運行体系は2007年10月ダイヤ改正から始まりました。

それ以前は区間快速の扱いは同じでしたが、一部を除いて江別~手稲間で快速運転を行っていました。札幌駅停車時間も比較的短かったため、現在よりも利用しやすい雰囲気です。
現行ダイヤのように、札幌駅を境に快速運転区間を縮小した理由は、どうやら利用客のほとんどが札幌駅で入れ替わるからのようです。
江別~手稲間通しの快速運転列車を廃止し、札幌駅を境にそれぞれの区間で快速運転をする運行体系に改めた結果、列車によっては札幌駅で長時間停車を余儀なくされる列車も発生するようになります。札幌圏でのパターンダイヤ維持のため、過去から現在まで同駅で最大20分前後停車する列車もありますね。
例えば、現行ダイヤでは小樽方面に向かう12時台と14時台に、不便なダイヤが確認されます。12時台は江別駅12時25分に札幌方面に向けて発車する区間快速「いしかりライナー」で、その5分後に同じく札幌方面に向かう普通列車が追いかけます。後者は札幌から区間快速「いしかりライナー」になります。
前者が札幌駅到着後、パターンダイヤ保持のため、18分停車することになります。この18分間に何が起きているかというと、先行して追いついてしまった普通列車を先に発車させ、そのあとに、江別~札幌間の後続の普通列車(札幌駅からいしかりライナー)を先行させます。札幌~手稲間では途中で後続列車を待避できる駅は1つもないので、札幌駅で時間調整をする必要があります。時間調整をしなければ、先行列車に追いついてしまうからです。普通列車発車後、だいたい10分前後で後続の快速列車が発車するパターンダイヤです。これは区間快速「いしかりライナー」のみならず、同区間を運行する快速「エアポート」にも当てはまります。全ては手稲駅での乗り換え利便を考慮したものです。
そして14時台では、これの逆パターンが起きており、江別駅14時15分に札幌方面に向けて発車する普通列車(札幌駅からいしかりライナー)で、後続に区間快速「いしかりライナー」が8分後に追いかけるダイヤがあります。
こちらもパターンダイヤ保持による時間調整のため、札幌駅で19分停車します。この間に札幌駅で先に到着している快速「エアポート141号」の発車と後続の区間快速「いしかりライナー」から転身した普通列車に先行されます。そして途中の区間で追いつかないように先行する普通列車から10分の間隔を設けて札幌駅を発車するので、停車時間が長くなってしまうダイヤ上の仕組みがあります。
また、札幌~江別間では快速運転を実施するにも関わらず、先行する普通列車を追い抜く列車は1つもありません。要は普通列車にしても区間快速「いしかりライナー」にしても先行する列車に乗れば先に各駅に到着できるダイヤになっています。同区間で区間快速「いしかりライナー」と普通列車の所要時間差は一部を除いてだいたい4分~6分程度であり、千歳線の快速「エアポート」と普通列車のように所要時間に大きな差はなく、快速運転の恩恵はそれほど大きくありません。
これらを統合的に判断すれば、区間快速「いしかりライナー」の必要性というのは低くなってしまうというわけです。
もちろん、同列車を廃止にすることでダイヤ上の利点を生みます。
例えば、札幌~手稲間では、待避施設を有する駅もなく、同時に手稲区にある札幌運転所(札サウ)に出入りするために多くの回送列車が定期列車の合間を縫って多く設定されています。現在はこうした過密ダイヤのため、少しでも遅延が発生してしまえば、後続の列車に影響が広がっていきます。
区間快速「いしかりライナー」を各駅停車化することで先行する手稲行きあるいは、手稲発の普通列車を吸収することができます。要は2本を1本にすることができ、上述に長時間停車の例を記載しましたが、これら長時間停車列車を廃止にしたり、札幌運転所に出入りする列車の回送列車の行き来がしやすくなります。この結果、遅延が発生しづらくなり、さらなる安定輸送が期待されます。
しかし、区間快速といえど、観光シーズンには小樽方面へ訪日外国人の利用も多かったことは事実です。別に毎時15分間隔で快速列車を維持する必要はありませんが、これの代替案として導入すべきは、快速「エアポート」の増発に伴い、小樽方面についても現行の毎時2本から3本程度の乗り入れが実現できないだろうかと管理者は思っています。
なぜ毎時3本にするかというと、札幌~小樽間の普通列車も現行ダイヤで毎時3本~4本程度の設定であり、この本数を維持するためには20分間隔ダイヤが望ましいと考えています。
もちろんこのダイヤを実施するには、札幌~新千歳空港間の快速「エアポート」の毎時5本化のダイヤについて、より検討する必要がありますが、管理者の描く20分間隔ダイヤはあらゆる面で利点を生みます。
例えば・・・
①札幌~小樽間の全区間で快速運転をする列車を増発することで所要時分の短縮を実現
②札幌~小樽間の普通列車の本数を維持
③札幌~手稲間における札幌運転所出入区に伴う、回送運転ダイヤの自由度向上
①については、札幌~小樽間において特に観光シーズンにおける快速列車を中心に訪日外国人の利用が目立っています。区間快速といえど利用は多く、普通列車に格下げする場合になってもある程度の輸送力は保持しなければなりません。同じタイミングで快速「エアポート」の札幌~新千歳空港間の増発が盛り込まれており、これに合わせて札幌~小樽間でも増発することで区間快速「いしかりライナー」の普通列車格下げ措置もある程度カバーできます。
②については、時刻表上では一見複雑に見えますが、時刻表をよく確認すると、札幌~小樽間ではデータイム毎時3本または4本程度の普通列車が設定されています。普通列車については日中の手稲止まり、ほしみ止まりの列車を廃止して小樽行きに集約し、且つ手稲駅で現在と同様に快速「エアポート」との接続体制を維持できれば、利便性の高いダイヤが引き続き維持されます。
③については、例えば、毎時00分に普通列車が小樽方面に向けて発車したとすると、上述のとおり、先行する普通列車に追いつかないために10分後に快速「エアポート」が出発するとします。これを繰り返して毎時20分、40分に普通列車、毎時30分、50分に快速「エアポート」を発車させるダイヤとすると、10分~20分、30分~40分、50分~00分の間にそれぞれ単純に最大で10分の空白の時間が生まれます。現在では札幌駅周辺では札幌駅止まりの快速「エアポート」の桑園方への引き上げ、札幌~旭川間の「カムイ」・「ライラック」の折り返しのための引き上げ(一部を除く)、そして札幌運転所への入出庫の列車の行き来など、線路容量に限界があります。そこで20分間隔のダイヤとすることでこれら車両の引き上げや回送の際にも自由度が向上します。
一見本数が少なくなってしまう20分間隔ダイヤですが、快速列車全てが6両編成になることや、普通列車も一部6両編成にすることで混雑緩和も十分対応可能です。また、乗務員を減らすことができるのも大きな利点であり、人件費削減にも貢献します。
このように、区間快速「いしかりライナー」を廃止にする利点はたくさんあります。実際に各駅での表示や対応もバラバラでわかりづらく、扱いづらい列車というのは言うまでもなく、快速はエアポートに集約し、それ以外を普通列車とする運行体系の方が一般の利用者もわかりやすく、且つ業務上の利点も多くあり、札幌圏の輸送改善に大きく貢献する措置と言えます。報道ではまだ検討段階ですが、同列車廃止により、場合によっては上述のように札幌圏の輸送改善に大いに貢献できるでしょう。


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