3年もの間、時間がとまったままの根室本線の未復旧区間
駅 - 2019年12月03日 (火)
まもなく2019年が終わり、あと1カ月もすれば2020年になります。あれから3年が経ちました。
2016年に北海道を襲った台風の影響で根室本線の東鹿越~新得間では列車の運行ができないままです。
複数箇所で線路上に土砂が流入したことにより、それ以降、列車の運行ができずにバスによる代行輸送が続けられています。
クリスタルエクスプレスラストランの際、折り返し列車まで時間を持て余してしまい、復路の列車まで急遽様子を見に行ってみました。

まずは、未復旧区間の踏切です。根室本線の東鹿越~幾寅間にある幾寅西1号踏切です。踏切は残っているものの、遮断機は撤去されていました。
踏切手前では、列車が来なくても一時停止するのがルールですが、こういう場合はどうしたら良いのでしょうか?代行バスは一時停止していましたよ。

幾寅・落合方を眺めます。線路上に雑草が生い茂げ、自然に還りつつありました。もはや廃線のような状況ですね。

後日紹介しますが、意外と雑草は生い茂っていなかった幾寅駅構内です。

そして、当記事のメインでもある落合駅に行ってきました。
駅舎の中も入ることができます。鉄道は不通となっても代行バスの待合室として引き続き使用されています。
当初から無人駅でホームは2面3線です。不通になる前は当駅始終着の列車も設定されていました。



駅構内の様子です。列車が来なくなってから3年以上が経過しました。雑草が生い茂げ、自然に還りつつありました。もはや数メートル先のレールも雑草に埋もれてしまっています。

対向ホームへ行く際に使用する跨線橋は、内部には入ることができなくなっており、写真のように封鎖されていました。
1966年までの勾配が急な旧狩勝トンネルルートだったため、落合駅に機関車を配置していたようです。その関係で駅構内は広いですね。

正式な廃駅とはなっていないため、駅名標はまだ残されていました。この先は長い長~~~い新狩勝トンネルに入り、途中で石勝線と合流し、「スーパーおおぞら」や「スーパーとかち」が停車する新得駅とつながっています。合流ポイントは上落合信号場です。トンネル内に信号場がある北海道でも珍しい信号場です。
落合駅が不通になる以前の1日の平均利用者数は4~5人程度だったようです。ちなみに、不通になる前の営業係数(運賃100円を稼ぐのにどれだけの営業費用を要するかを表す指数)は846円(2015年度)です。それから年々膨れ上がり、2018年度は管理費を含むと2,289円の超大赤字路線(区間)になっています。列車が走らなくなり、バス代行を余儀なくされていることが要因の1つですが、管理費を含めて2,000円台になっているのは、道内の既存の路線で根室本線の富良野~新得間だけです。年々脅威のペースで営業係数が上昇し続けています。
先日、これまで廃止になった路線や区間、廃止が決まりつつある日高本線の一部区間をみて、沿線住民は危機感を募らせているようです。なし崩しといって、物事を少しずつ変えていくこと、あるいは徐々に変えていってそのまま始末してしまう流れに持っていくのではないかと神経をとがらせています。
確かに、不通になってから3年を経過した現在、根室本線の東鹿越~新得間はほぼ全く音沙汰がありません。夕張支線にしても留萌本線にしても、昨今廃止が決まりつつある日高本線にしても、何らかのアクションがあり、その様子が報道されてきました。それについては賛否両論ありますが、この東鹿越~新得間については、報道すらされなくなり、もはや忘れられた存在になりつつあります。
廃止が決まりそうな日高本線の一部区間や、本格的な交渉に乗り出した留萌本線と比べると、廃止はそれよりも先になりそうですが、課題や解決策が後回しにされています。利用が少ないとはいえ、日頃の利用者にとっては不便を強いられています。
1日でも早い解決策を強く望みます。
また根室本線では先日、富良野~野花南間において、トレーラーに積載した重機が架道橋に接触して一部が損壊した影響により、当初は芦別~東鹿越間で終日運休が続いていました。本日より、車両を富良野線経由で回送し、富良野~東鹿越間の列車の運行を再開します。
芦別~富良野間については、桁の補強が必要になることから、復旧工事に概ね3カ月程度の時間を要するため、引き続き列車の運転を見合わせ、バスによる代行輸送が実施されます。
3カ月程度の時間を要することから、今冬の営業はほぼバスによる代行輸送となり、少なからず利用客はいますから、日頃鉄道を利用して滝川などへ通勤・通学をしている方にとっては不便を強いられるかもしれませんね。
台風による不通や、架道橋損壊による長期運休で今年度は特に暗い話題ばかりの根室本線ですが、来年度以降は新たな観光列車が投入され、リゾート気動車の後継車として富良野まで入線するという明るい話題もあるので、不通区間の見通しを含め、今後に期待したいと思います。
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2016年に北海道を襲った台風の影響で根室本線の東鹿越~新得間では列車の運行ができないままです。
複数箇所で線路上に土砂が流入したことにより、それ以降、列車の運行ができずにバスによる代行輸送が続けられています。
クリスタルエクスプレスラストランの際、折り返し列車まで時間を持て余してしまい、復路の列車まで急遽様子を見に行ってみました。

まずは、未復旧区間の踏切です。根室本線の東鹿越~幾寅間にある幾寅西1号踏切です。踏切は残っているものの、遮断機は撤去されていました。
踏切手前では、列車が来なくても一時停止するのがルールですが、こういう場合はどうしたら良いのでしょうか?代行バスは一時停止していましたよ。

幾寅・落合方を眺めます。線路上に雑草が生い茂げ、自然に還りつつありました。もはや廃線のような状況ですね。

後日紹介しますが、意外と雑草は生い茂っていなかった幾寅駅構内です。

そして、当記事のメインでもある落合駅に行ってきました。
駅舎の中も入ることができます。鉄道は不通となっても代行バスの待合室として引き続き使用されています。
当初から無人駅でホームは2面3線です。不通になる前は当駅始終着の列車も設定されていました。



駅構内の様子です。列車が来なくなってから3年以上が経過しました。雑草が生い茂げ、自然に還りつつありました。もはや数メートル先のレールも雑草に埋もれてしまっています。

対向ホームへ行く際に使用する跨線橋は、内部には入ることができなくなっており、写真のように封鎖されていました。
1966年までの勾配が急な旧狩勝トンネルルートだったため、落合駅に機関車を配置していたようです。その関係で駅構内は広いですね。

正式な廃駅とはなっていないため、駅名標はまだ残されていました。この先は長い長~~~い新狩勝トンネルに入り、途中で石勝線と合流し、「スーパーおおぞら」や「スーパーとかち」が停車する新得駅とつながっています。合流ポイントは上落合信号場です。トンネル内に信号場がある北海道でも珍しい信号場です。
落合駅が不通になる以前の1日の平均利用者数は4~5人程度だったようです。ちなみに、不通になる前の営業係数(運賃100円を稼ぐのにどれだけの営業費用を要するかを表す指数)は846円(2015年度)です。それから年々膨れ上がり、2018年度は管理費を含むと2,289円の超大赤字路線(区間)になっています。列車が走らなくなり、バス代行を余儀なくされていることが要因の1つですが、管理費を含めて2,000円台になっているのは、道内の既存の路線で根室本線の富良野~新得間だけです。年々脅威のペースで営業係数が上昇し続けています。
先日、これまで廃止になった路線や区間、廃止が決まりつつある日高本線の一部区間をみて、沿線住民は危機感を募らせているようです。なし崩しといって、物事を少しずつ変えていくこと、あるいは徐々に変えていってそのまま始末してしまう流れに持っていくのではないかと神経をとがらせています。
確かに、不通になってから3年を経過した現在、根室本線の東鹿越~新得間はほぼ全く音沙汰がありません。夕張支線にしても留萌本線にしても、昨今廃止が決まりつつある日高本線にしても、何らかのアクションがあり、その様子が報道されてきました。それについては賛否両論ありますが、この東鹿越~新得間については、報道すらされなくなり、もはや忘れられた存在になりつつあります。
廃止が決まりそうな日高本線の一部区間や、本格的な交渉に乗り出した留萌本線と比べると、廃止はそれよりも先になりそうですが、課題や解決策が後回しにされています。利用が少ないとはいえ、日頃の利用者にとっては不便を強いられています。
1日でも早い解決策を強く望みます。
また根室本線では先日、富良野~野花南間において、トレーラーに積載した重機が架道橋に接触して一部が損壊した影響により、当初は芦別~東鹿越間で終日運休が続いていました。本日より、車両を富良野線経由で回送し、富良野~東鹿越間の列車の運行を再開します。
芦別~富良野間については、桁の補強が必要になることから、復旧工事に概ね3カ月程度の時間を要するため、引き続き列車の運転を見合わせ、バスによる代行輸送が実施されます。
3カ月程度の時間を要することから、今冬の営業はほぼバスによる代行輸送となり、少なからず利用客はいますから、日頃鉄道を利用して滝川などへ通勤・通学をしている方にとっては不便を強いられるかもしれませんね。
台風による不通や、架道橋損壊による長期運休で今年度は特に暗い話題ばかりの根室本線ですが、来年度以降は新たな観光列車が投入され、リゾート気動車の後継車として富良野まで入線するという明るい話題もあるので、不通区間の見通しを含め、今後に期待したいと思います。
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