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北海道の鉄道の内容を中心に自身の知識も含めながらブログの記事を日々更新しています。札幌市在住のため、主に札幌圏を走行する列車についての話題です。

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【コラム】オールスーパー化から10年

年が変わってしまう前に、当記事を掲載しなければなりません。

オールスーパー化から10年。何が10年を迎えたかというと・・・



札幌~帯広間で運行している「スーパーとかち」が、全てスーパー化されて今年で10年になります。

記憶にある限りでは、全スーパー化は2度目であり、キハ183系時代に全ての列車に2階建車両を連結したことで「スーパーとかち」になりました。一時期は1往復にまで減らされてしまいましたが、その後ダイヤ改正を機に2往復、3往復と増やしていき、最終的に現在の5往復になりました。



写真がないので、鉄道技術館に展示しているイラストから失礼します。2階建車両を連結したキハ183系による初代「スーパーとかち」です。

既存の車両の設備をグレードアップ対応で「スーパー」の名称が与えられた列車は、北海道以外にも存在するでしょう。「スーパー雷鳥」や「スーパーくろしお」、「スーパーやくも」がこれに該当するのではないでしょうか?

北海道では、内装の更新とともに、2階建車両を連結した車両を「スーパーとかち」としました。後に激化する速達性の向上よりも沿線のリゾートブームに乗り、所要時間よりも快適さや団体・小旅行向けの設備がウリでした。

沿線のリゾートブームが過ぎ去った後、しばらくしてキハ283系が「スーパーおおぞら」としてデビューします。振り子式車両に高出力エンジン搭載で、速達性は抜群になりました。同時期から2階建車両が付随車であることによる速達性の向上に黄色信号が見え始めます。

その頃、振り子式車両の投入で余剰となったマイナーチェンジ版のキハ183系を使って札幌~帯広間の列車が増発されます。名称は「とかち」で6年ぶりの復活でした。全車両が動力車で高出力の500番台も使用されていたため、性能では「スーパーとかち」よりも勝るという逆転現象が生まれ、所要時間も2時間40分台の列車も登場しました。



2000年3月ダイヤ改正で、これまでの運行体系をガラリと変更します。2階建車両を連結する列車を含めて、キハ183系で運行する列車を全て「とかち」とし、「スーパーとかち」に新たにキハ283系を投入しました。キハ183系時代と比較して所要時間がおよそ30分短縮されました。最速は当時の特急「スーパーとかち5号」の2時間23分(札幌11時47分発➡帯広14時10分着)で、この記録はいまだに破られていません。当時は足の遅いキハ183系が大半を占める時代であり、列車の行き合いの際もキハ283系が優先して高速で通過していた時代でした。その恩恵が非常に大きかったと言えるでしょう。

この頃は車両こそキハ283系が使用されていましたが、「スーパーおおぞら」の間合いを活用した運用でした。翌7月ダイヤ改正まで「スーパーとかち」が1往復の時期であり、最も本数が少なかった時期です。それでも、JRは所要時間を30分短縮したことを大々的にアピールしていましたね。

翌7月のダイヤ改正で、キハ283系が増備されたことで「スーパーおおぞら」との間合い運用が解消されます。同時に、「スーパーとかち」の本数を1往復から2往復に増発しました。全列車が2時間20分台の運転となり、引き続き一部の「とかち」を除いて所要時間差はおよそ30分でした。

一方、札幌~釧路間の昼行列車が「スーパーおおぞら」となり、都市間輸送タイプで単線区間で道を譲るとかち系統の列車については、速達化及び、所要時間差が大きく出ると思われましたが、「スーパーとかち」については、極力途中停車駅で「スーパーおおぞら」と交換するダイヤを組むことで、所要時間増を抑えています。ある意味で「スーパーとかち」の黄金期のような時代でした。



そこから6年が経ち、2007年10月ダイヤ改正では、道東方面の増強を図るべく、最新のキハ261系1000番台が「スーパーとかち」に投入されます。従来のキハ283系で運行されていた2往復の列車を置き換え、キハ283系充当列車は昼と夕方の1往復になりました。一部の「とかち」を釧路まで延長運転、いわば「スーパーおおぞら」化したことによって、キハ283系「スーパーとかち」は、再度「スーパーおおぞら」の間合い運用となりました。

2年後の2009年10月ダイヤ改正で、キハ261系1000番台を増備し、最後まで残っていた「とかち」2往復を置き換え、再びオールスーパー化を実現します。

翌年には高速道路無料化の社会実験に伴う、利用の低迷によって「スーパーとかち」が所定の5両編成から4両編成に減車されます。従来3号車に連結されていた増結用中間車は、増結時のみの稼働となります。

2011年5月には石勝線で脱線火災事故が発生します。これにより、一部車両が焼失したことから、予備車両確保として同年7月からキハ283系による「スーパーとかち」はグリーン車なしのモノクラス編成に変更されます。

しばらくこの体制が続くも、車両トラブルが相次ぎ、2013年11月に減速・減便を実施するダイヤ改正を実施します。これにより、キハ283系は「スーパーとかち」から撤退し、同年増備されたキハ261系1000番台に置き換えられました。一部の列車については、札幌~帯広間は「スーパーとかち」に振り替えたため、編成も5両編成に戻されています。しかし、前回は自由席を減車したのに対し、今回は指定席を増車しました。同じ5両編成でも編成内容は異なっていました。

全道の特急列車の大半で減速運転が実施される中で、「スーパーとかち「」は2度にわたって減速運転を先送りされました。「スーパーおおぞら」は大幅なスピードダウンとなったため、停車駅が少ない「スーパーおおぞら」よりも停車駅の多い「スーパーとかち」の方が速い列車もありました。

そして、後に減速運転対象列車となり、一部運行時刻を変更しながらも昨今まで5往復を維持してきました。

そして、今月ダイヤ改正の内容が発表され、オールスーパー化された体制で10年が経ちましたが、再び往年の列車名「とかち」に戻すことになりました。所要時間増加と車両が統一されたことで「スーパー」の名称で区別する必要がなくなったことが理由です。

列車名から「スーパー」は外されますが、来年3月のダイヤ改正では、特に帯広方面に向かう列車について、所要時間の短縮がみられます。2時間30分台で同区間を結ぶ列車が増え、130km/h時代と変わらない2時間40分で運行する列車も設定されるようです。この列車は特急「スーパーとかち7号」で現行ダイヤよりも9分短縮されます。札幌圏のダイヤが大幅に変更されることと、単線区間での行き合い変更を実施した結果、所要時間短縮を実現しているようです。これと引き換えに、一部の「スーパーおおぞら」の所要時間は延びるようです。

オールスーパー化から10年という節目を迎えられたことは管理者としても嬉しいことです。かつては利用増進を図るために得割きっぷなどが設定され、気軽に道東方面へ行きやすかった列車です。管理者も「スーパーおおぞら」以上に利用していました。

昨今は、所要時間も延びてしまい、全体的に残念な感じが否めません。単線区間での行き合いでせっかく高性能のキハ261系1000番台が上手く生かされていない状況です。これは「とかち」に名称が変更しても、何としても改善策を見いだせなければなりません。

かつて実施されていたように、対向列車の停車駅同士で列車を交換するようなダイヤを積極的に投入すれば、所要時間の短縮は容易に可能です。現在はそれが上手く生かされておらず、途中の信号場での待避が多く、結果的に停車が増えるわけですから、それがスピードアップを阻害しています。

ダイヤや運行体系を改善することで利用も増え、列車は進化します。育ちます。

列車を育てるのは鉄道会社の使命です。その育て方で列車の将来を大きく左右します。札幌~帯広間はどうでしょう?「スーパーおおぞら」の影に隠れ、優先順位としては後回しにされてきたかもしれません。

しかし、「スーパーとかち」はまだまだ可能性を秘めた列車だと管理者は感じています。「とかち」になったとしても、速達性を維持し、高速バスなどの強力なライバルに負けない体制を築き上げてほしいと思います。










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