旧苗穂駅舎の解体終了
駅 - 2020年01月08日 (水)
12月末で一昨年の11月で営業を終了した2代目苗穂駅舎の解体が終了しました。
完全に解体されるまでまる1年を要しました。直後に厳冬期が迫っていたため、解体に向けた準備等のみで、実際に解体に着手したのが昨年の春あたりからだったので、ここまで時間を要してしまったのも仕方がないといった感じです。


以前、9月までの解体の進ちょく状況をお伝えしました。10月に入ると、駅構内の跨線橋が解体され、ホームも一部を残して全て撤去され、ホームの柱が数本残っているような状態でした。

11月も引き続き工事は続き・・・



12月下旬には工事用車両やバリケードも全て撤去され、積雪も確認されて更地は一面真っ白になりました。引き続きロープで立ち入りは制限されていますが、見晴らしがよくなったことで、新たな撮影アングルが今後増えてくると思います。
旧苗穂駅舎がなくなったことで、苗穂運転所(札ナホ)の様子が確認しやすくなりました。でも、遠方からの確認になるので、車両を撮影するには不向きです。

実は過去に、閲覧者の方からコメントをいただき、苗穂地区もかつては路面電車が運行されていたようです。苗穂周辺を撮影していると、その資料を旧苗穂駅舎の目の前の交差点で見つけました。
大正7年(1918年)に札幌電気軌道として開業し、苗穂地区には苗穂線として大正11年(1922年)に旧苗穂駅までの区間が開業しました。その後、札幌市が電車事業を譲り受け、昭和40年頃には、1億人を輸送する市民の足として重宝されたようです。それをピークに、札幌市営地下鉄の開業や自家用車の普及によって昭和46年(1971年)に廃止になったようです。
苗穂の地名はアイヌ語で「小さな川」を意味する「ナイ・ポ」に由来しています。1860年代には、苗穂地区は札幌の開発の拠点として、後に新潟や山形などから36戸が入植し、苗穂村へと発展していくようです。
鉄道としては、明治42年(1909年)に現在の苗穂工場の前身となる鉄道院北海道鉄道管理局札幌工場が設けられ、翌年に苗穂駅が開業するようです。周辺には開拓使麦酒醸造所(サッポロビールの前身)や味噌醤油醸造所、北海道製酪販売(雪印乳業の前身)が設けられていきます。理由は、苗穂地区には至るところに湧水から流れた小川があり、大量の水を使用する工場の立地に適していたからです。
また、鉄道による原料や製品を輸送するために、鉄道の拠点だった苗穂地区に工場が集中して立地していきました。現在は普通列車しか停車しない駅になっていますが、苗穂地区が札幌の開拓の拠点であり、その歴史はとても古いのです。
そんな苗穂地区も新駅舎周辺には高層マンションが駅を挟むように設けられる予定です。北側の昇降棟周辺には病院等も設けられ、苗穂地区が急速に新時代に向けて突っ走っています。いわゆる昨今のコンパクトシティの展開で、苗穂地区も住みやすく、以前よりも明るいまちに生まれ変わることでしょう。
札幌市や江別市では郊外の宅地化が急速に進んでいます。苗穂地区の場合、高層マンションが複数設けられることで、これまでよりも利用が増えることが予想されます。なので、普通列車は今後重要な役割を担ってきます。今年3月のダイヤ改正で区間快速「いしかりライナー」の各駅停車化が実施されますが、理由は普通列車しか停車しない駅で需要が増えつつあるからです。
以前投稿した記事に記載しましたが、札幌~江別間であれば、苗穂駅は上述の理由、森林公園駅は駅周辺の宅地化と通学需要拡大、高砂駅も同様に周辺の宅地化が進みました。厚別駅周辺は近年特に大きな変化はありませんが、ほかの普通列車しか停車しない駅で需要が拡大しているのであれば、厚別駅も含めて各駅停車化に踏み切らざるを得ない状況です。
札幌~手稲間にしても、桑園駅は高層マンションが相次いで設けられていることや、通学、夏季は札幌競馬場へのアクセスがあります。発寒中央駅は目の前にショッピングセンターができました。発寒駅はイオンモールが設けられていることと、通勤需要が多いです。稲積公園駅も周辺の宅地化と週末には高校生がテニスの試合で利用が集中しますね。
苗穂地区の場合、他の札幌圏の普通列車しか停車しない駅から比べると、利便性という点で遅れをとっていましたが、今後は住みやすいまちに生まれ変わり、利便性という点で他の地区の駅周辺をあっという間に追い抜くでしょう。札幌の中心部から近いこともあり、鉄道利用のみならず、路線バスや、自転車通勤も増えるかもしれません。これまでよりも人の往来が多くなり、苗穂地区はますます明るくなっていくと思います。
新しい自由通路にしても、従来の鉄道のまちとしての苗穂を考慮した設計としてくれたのは管理者としても嬉しいポイントです。これまでの歴史的価値を考慮しつつ、鉄道のまちとして新たな苗穂地区がより明るく、元気になっていくことを期待しましょう。
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完全に解体されるまでまる1年を要しました。直後に厳冬期が迫っていたため、解体に向けた準備等のみで、実際に解体に着手したのが昨年の春あたりからだったので、ここまで時間を要してしまったのも仕方がないといった感じです。


以前、9月までの解体の進ちょく状況をお伝えしました。10月に入ると、駅構内の跨線橋が解体され、ホームも一部を残して全て撤去され、ホームの柱が数本残っているような状態でした。

11月も引き続き工事は続き・・・



12月下旬には工事用車両やバリケードも全て撤去され、積雪も確認されて更地は一面真っ白になりました。引き続きロープで立ち入りは制限されていますが、見晴らしがよくなったことで、新たな撮影アングルが今後増えてくると思います。
旧苗穂駅舎がなくなったことで、苗穂運転所(札ナホ)の様子が確認しやすくなりました。でも、遠方からの確認になるので、車両を撮影するには不向きです。

実は過去に、閲覧者の方からコメントをいただき、苗穂地区もかつては路面電車が運行されていたようです。苗穂周辺を撮影していると、その資料を旧苗穂駅舎の目の前の交差点で見つけました。
大正7年(1918年)に札幌電気軌道として開業し、苗穂地区には苗穂線として大正11年(1922年)に旧苗穂駅までの区間が開業しました。その後、札幌市が電車事業を譲り受け、昭和40年頃には、1億人を輸送する市民の足として重宝されたようです。それをピークに、札幌市営地下鉄の開業や自家用車の普及によって昭和46年(1971年)に廃止になったようです。
苗穂の地名はアイヌ語で「小さな川」を意味する「ナイ・ポ」に由来しています。1860年代には、苗穂地区は札幌の開発の拠点として、後に新潟や山形などから36戸が入植し、苗穂村へと発展していくようです。
鉄道としては、明治42年(1909年)に現在の苗穂工場の前身となる鉄道院北海道鉄道管理局札幌工場が設けられ、翌年に苗穂駅が開業するようです。周辺には開拓使麦酒醸造所(サッポロビールの前身)や味噌醤油醸造所、北海道製酪販売(雪印乳業の前身)が設けられていきます。理由は、苗穂地区には至るところに湧水から流れた小川があり、大量の水を使用する工場の立地に適していたからです。
また、鉄道による原料や製品を輸送するために、鉄道の拠点だった苗穂地区に工場が集中して立地していきました。現在は普通列車しか停車しない駅になっていますが、苗穂地区が札幌の開拓の拠点であり、その歴史はとても古いのです。
そんな苗穂地区も新駅舎周辺には高層マンションが駅を挟むように設けられる予定です。北側の昇降棟周辺には病院等も設けられ、苗穂地区が急速に新時代に向けて突っ走っています。いわゆる昨今のコンパクトシティの展開で、苗穂地区も住みやすく、以前よりも明るいまちに生まれ変わることでしょう。
札幌市や江別市では郊外の宅地化が急速に進んでいます。苗穂地区の場合、高層マンションが複数設けられることで、これまでよりも利用が増えることが予想されます。なので、普通列車は今後重要な役割を担ってきます。今年3月のダイヤ改正で区間快速「いしかりライナー」の各駅停車化が実施されますが、理由は普通列車しか停車しない駅で需要が増えつつあるからです。
以前投稿した記事に記載しましたが、札幌~江別間であれば、苗穂駅は上述の理由、森林公園駅は駅周辺の宅地化と通学需要拡大、高砂駅も同様に周辺の宅地化が進みました。厚別駅周辺は近年特に大きな変化はありませんが、ほかの普通列車しか停車しない駅で需要が拡大しているのであれば、厚別駅も含めて各駅停車化に踏み切らざるを得ない状況です。
札幌~手稲間にしても、桑園駅は高層マンションが相次いで設けられていることや、通学、夏季は札幌競馬場へのアクセスがあります。発寒中央駅は目の前にショッピングセンターができました。発寒駅はイオンモールが設けられていることと、通勤需要が多いです。稲積公園駅も周辺の宅地化と週末には高校生がテニスの試合で利用が集中しますね。
苗穂地区の場合、他の札幌圏の普通列車しか停車しない駅から比べると、利便性という点で遅れをとっていましたが、今後は住みやすいまちに生まれ変わり、利便性という点で他の地区の駅周辺をあっという間に追い抜くでしょう。札幌の中心部から近いこともあり、鉄道利用のみならず、路線バスや、自転車通勤も増えるかもしれません。これまでよりも人の往来が多くなり、苗穂地区はますます明るくなっていくと思います。
新しい自由通路にしても、従来の鉄道のまちとしての苗穂を考慮した設計としてくれたのは管理者としても嬉しいポイントです。これまでの歴史的価値を考慮しつつ、鉄道のまちとして新たな苗穂地区がより明るく、元気になっていくことを期待しましょう。
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