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2022年度から始まる721系エアポート編成の老朽取替

快速「エアポート」は登場時以来から721系が使用されています。





後に登場する733系3000番台と共通使用で、日頃の利用者の中には、普通列車よりも快速「エアポート」の方が利用頻度が高い方も多くおられるでしょう。



実は、昨年4月に発表された「安全計画2023」の中に、2022年度以降、『721系電車(快速エアポート用)老朽取替』と明記されています。遂に置き換えられる時期が迫ってきたようです。





その前に、昨年度まで実施されていた「安全投資と修繕に関する5年間の計画」では、721系の老朽取替が2018年度で完了予定となっていました。

実際に大量の721系が営業運転から撤退することはなく、動きがないのは苗穂工場に長期間入場しているF-12編成の3両編成×1本だけです。当該計画のとおりにはなっておらず、初期車も引き続き使用されている状況です。

そして、昨年4月には計画が変更され、次は、快速「エアポート」で使用している721系の老朽取替に切り替わっています。全ての編成が対象と思われ、順次置き換えられることになりそうです。







721系の枠が空くとすれば、当然そこに733系3000番台が入るでしょう。現在、快速「エアポート」は721系と733系3000番台の共通運用で、日によってどちらの車両がくるかわかりません。721系は転換クロスシートで、進行方向に向かって座れることが利点ですが、逆に定員数が少なく、近年需要が増え続けている新千歳空港では、大型のスーツケースを利用する利用者も多く、721系では通路が狭く、一部車両は防寒対策のために登場時の仕切りドアが残っている車両もあり、利用しづらい車両になりつつありました。定員数が多く、通路の広い733系3000番台に統一することで、そうした問題も解消されることでしょう。

実際に721系の初期車を置き換えるための転配なのか、そのままエアポート編成を直接置き換えるのかは不明です。ただ現実には1988年から投入されている初期車もいまだに残り、制御機器も未更新のまま現在に至ります。30年前の車両ともなれば、各種部品が生産中止になり、メンテナンス体制に苦慮していることでしょう。そうしたメンテナンス体制を優先すべきであれば、初期車から淘汰していくのが効率が良いと言えます。

6両固定のエアポート編成と普通列車用の3両編成との決定的な違いは、130km/h運転を実施しているか、していないかです。一部の3両編成は130km/h対応ですが、本格的なエアポート運用から離脱してから17年が経過しています。途中から快速「エアポート」は120km/h運転になりましたが、長年の高速運転ゆえの老朽・劣化は避けられない事実です。

エアポート編成の場合、早朝や深夜は普通列車として稼働している編成が多く、日中はそこからエアポート運用に順次入っていきます。そう考えると、1日の走行距離が長く、且つ長年の高速運転によって疲労は蓄積されており、早期の引退も仕方がないという見方もできます。

さて、上記で「721系の初期車を置き換えるための転配」と記載しました。3両編成の初期車中心の721系を6両固定のエアポート編成で置き換えることができるのか?

こうした疑問が出てくると思います。

実は数年前から、札幌圏では日中でも6両編成で運行される普通列車・区間快速「いしかりライナー」が増えてきました。







おそらく、運用の効率化を図ったものです。

一時期、早朝と深夜の普通列車を6両、日中の普通列車を原則3両としていました。しかしこれは、運用上において欠点にもなったのです。それは、元々退避施設の少ない札幌駅のその周辺で、いちいち札幌運転所(札サウ)に戻して分割や併合作業を実施することは線路容量が不足気味の札幌圏では、回送列車や送り込み列車が増えてばかりで、遅延した場合は多くの列車に影響を及ぼしました。過密ダイヤでもあるため、1本の列車で遅れが発生すると、それが徐々にほかの列車にも影響してしまうのです。

それでは安定した輸送が実施できないということで、千歳線や函館本線の列車では、日中に6両編成で運行される列車が増え、一部は721系の運用もあります。6両編成で運行される普通列車が増えてきているので、機器更新を実施した車両や721系の中でも経年の浅い6両編成が活躍する場が引き続き残されています。





また、学園都市線でも721系エアポート編成が大活躍しています。

快速「エアポート」は733系3000番台と共通使用となっていますが、学園都市線については、721系のエアポート編成が充当されることが多いです。あくまで共通使用となっていますが、やはり定員数を重視すべき、快速「エアポート」運用を733系3000番台に回す傾向はあるようですね。

記憶にある限りでは、早朝から深夜まで終日エアポート編成が充当される運用もあったはずです。なぜ学園都市線でエアポート編成による充当列車が多いかというと、これも利用者よりも運用上の都合を優先していると思われます。

こちらも一時期、日中のほとんどの列車を3両編成にした時期がありました。しかし、線路容量の関係で回送列車を多く走るようになった結果、定期営業列車を含めて遅延が発生しやすくなりました。

輸送適正化という意味では間違っていない判断ですが、札幌圏では線路の容量不足という問題を抱えており、回送列車を多く設定し、さらに過密ダイヤにしてしまうと、定期営業列車に遅延が発生してしまい、安定した輸送ができなくなります。また、回送列車を運行するにも運転士を手配しなければなりません。

こうしたことから、たとえ一部の時間帯で6両編成では輸送過剰な状態であっても、運用の都合上、その方が効率が良いわけです。終日6両編成の運用も増えたことで、おかげで回送列車も減り、一時期よりは列車の往来が少なくなりました。特に朝のラッシュ時間帯終了後は遅延が発生する列車も少なくなりましたね。

終日6両編成で運行する運用もあることから、6両固定のエアポート編成が充当される列車が多いです。たとえ、快速「エアポート」運用から離れたとしても、学園都市線など、6両固定の運用が組まれている普通列車でまだまだ使用でき、これと引き換えに3両編成を置き換える流れも考えられます。

いずれにしても、現段階ではどのようになるか不明なので、3年後どのようになっているか気になります。


車両は古くしても転換クロスシートで進行方向に向かって座ることができ、且つ景色が堪能できたり、各車両の端は1人がけもあってゆったり快適に移動できるのが721系の良いところです。それがあと3年で終了してしまうのは残念ですが、空港連絡事情が以前から大きく変化している背景を考慮すれば、これは仕方のないことだと思います。

快速「エアポート」デビュー当時から使用されている721系が数年後に空港連絡からほぼ撤退することは、管理者は今でも驚きを隠せません。快速「エアポート」前にも快速「空港ライナー」としても721系が使用されていましたね。

北海道では特急気動車の老朽取替を急ピッチで進め、今度はローカル気動車も急ピッチで置き換えが開始されようとしています。721系も次第にその波に呑み込まれてしまいそうです。










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コメント
8940: by 匿名希望 on 2020/01/31 at 06:24:34

JRが赤字経営なのを承知の上で言いたいですが個人的には、まず721系の31xx・32xx編成を真っ先にエアポートから撤退してほしいと思います。身障者対応トイレ無し・uシートの仕切りドアが手動と他の編成と比べて設備面でかなり劣ってます。

8945: by 管理人 on 2020/02/01 at 01:19:35

>>「匿名希望」さん、コメントありがとうございます。

改造車と新製車の設備の違いは大きいです。同じ料金を支払ってもなかなか納得はいきませんよね。

設備が異なる関係から、老朽取替時は3100・3200番台から優先して実施されそうな気がします。

8948:2両のワンマン電車との関係 by バターロール on 2020/02/01 at 19:44:40

去年の4月に発表された中期経営計画の中に23・24年度に733系への統一が明記されています。ネット上でも721系に対する評価は低くなりつつありますね。個人的にもラッシュ時に721系だとマイナスの感情を抱きますが、前面展望のしやすさは721系の方が上回るので721系・733系どっちも好きです。

さて、中期経営計画にも記述がありましたが、2両編成のワンマン電車の制作を検討しているようです。イラストには733系の2両編成verのような車両が描かれていました。721系0番台の定員が確か90名/両だったかと思います。733系は140名/両だと記憶してます。

721系0番台は日中は札幌圏だけではなく岩見沢以北の閑散区間の運用も担当します。ワンマン運転ができず車掌が乗務していますが、どう考えても無駄です。おそらく将来的にはそこに導入も考えられますが、定員的には札幌圏に投入しても問題はないとみてます。

さらに日中ずっと3+3両の6両編成の列車もありますからエアポート編成で置き換えても問題はないはずです。

したがって、自身の中での置き換え計画はこんな感じになると思います

721系初期車→2両ワンマン電車
その穴埋め、6両固定運用→エアポート編成(4000番台・5000番台)

まだ2両ワンマン電車の話が出てきていないので何とも言えません。一個人のアイディアとして受け取ってもらえると幸いです。



あとこれとは関係ありませんが、エアポート編成車の方向幕に変化があるそうです(快速エアポート幕の色が赤→橙)

8949: by ナナッシー on 2020/02/01 at 20:06:00

こんばんは
721系のトップナンバー編成は今年で31年目に突入します。
711系100番代が約33年〜35年で引退したことから、概ね置き換えるタイミングとしては妥当かと思います。
おそらく今後は快速エアポート編成(B-3112+B-3212〜)と3両編成(B-122〜)が大量に増備され、更にキハ143形の置き換えに伴うワンマン電車新造すると予想します。
岩見沢以北はワンマン設備を整える可能性もありそうですね。

快速エアポートが大幅に増発されますが、乗務員はもとより車両が圧倒的に足りないです。追い打ちをかけるように札沼線も増発するため、仕方なくいしかりライナーの廃止に踏み切ったことでしょう。

札幌運転所のキャパが足りなければ岩見沢運転所(旧空知運転所)に車両基地を復活させても良いかも知れません。
ゆくゆくは札幌運転所に電車、苗穂運転所に気動車を集約すると思いますが、それでも厳しいです。

8951: by 龍 on 2020/02/02 at 21:48:47 (コメント編集)

最近、733系3000番台の快速「エアポート」で前面のLED表示の色が赤からオレンジになっているのが確認されるようになりました。オレンジは区間快速「いしかりライナー」で使われている色です。3月のダイヤ改正で「エアポート」は快速と特別快速の2種類が設定され、「いしかりライナー」は廃止されることが決まっています。特別快速を赤、快速をオレンジで表示して区別するということでしょうか?

8956: by 管理人 on 2020/02/03 at 00:54:00

>>「バターロール」さん、コメントありがとうございます。

ワンマン化は人件費・輸送コスト削減に貢献します。実は室蘭本線の苫小牧~室蘭間で711系からキハ143形気動車へ同じようなワンマン化が行われましたね。

輸送コストカットに貢献したのはいいですが、通学時に2両だと輸送力不足で、且つワンマン運転だから基本的に前乗り・前降りで利便性に欠く点も出てきているようです。後続にすぐ列車が控えていれば、遅延発生要因になったりしますね。これはいずれお伝えします。

ワンマン化は良い点も悪い点もあります。1日全体の輸送をみれば2両が妥当かもしれませんが、必ずしも良くなっただけではないらしですね。

8957: by 管理人 on 2020/02/03 at 01:00:45

>>「ナナッシー」さん、コメントありがとうございます。

社員数が減っている一方で、列車の大量増発・・・。実際にダイヤ改正後になってみないとわからないですね。

快速エアポート増発の一方で、全体的に普通列車が削減されます。輸送適正化と乗務員の確保がねらいだと思います。

気動車は問題なさそうですが、今後電車が増えるので、札幌運転所の一括配置は容量不足が心配されます。あとは他の方と以前コメントでやりとりしましたが、エアポート増強による出発前の札幌運転所での準備が大変になりそうです。一部の業務を苗穂運転所へ回すなど、対策がとられてもおかしくはないですね。

8959: by 管理人 on 2020/02/03 at 01:15:48

>>「龍」さん、コメントありがとうございます。

ダイヤ改正のフライヤーもらってきて確認しました。そこで快速が橙、特別快速が赤になっていますね。

そんな色分けよりも、行先表示器や案内放送で誤乗車を防ぐことが重要だと思いますよ。

8968:721系電車の置き換え by 苗穂住民 on 2020/02/04 at 01:11:49

 721系電車(1~7次車)の製造年は1988年~1994年ですので、2022年から6年程度かけて置き換えればどの編成もだいたい34年前後で廃車となりそうです。8次車は2003年製ですが、中間車のみですので一緒に廃車されそうです。また、キハ143の改造年が1994年~1995年(客車としての製造は1978年~1981年)ですので、これらの置き換えも迫ってきています。2両ワンマン電車の新製が検討されていることから、同時期に2両電車導入(旭川~岩見沢間も?)の可能性もあります。
 6両固定編成運用ですが、函館線・千歳線に入るものが4、主に学園都市線に入るものが6あるので、合計10になります。現行ではエアポート車は実際には5運用前後に入っており、エアポート運用を含めると、全22編成のうち運用は16前後で、予備は721系、733系共3くらいでしょうか。将来、733系エアポート車が22編成、721系元エアポート車11編成になる時期があると思います。33-13(エアポート運用)-10(6両固定運用)-6(予備)=4なので、6両固定運用を4増やし、6両固定運用に733系を6、721系を8入れることによってうまく回せるのではない
かと思います。
 3月ダイヤ改正のプレスリリースを見ると、6両化されるのが4運用程度と予想され、それが夕方ラッシュ時ですので、予備車両の余裕分を活用したものと思われます。ここで運用が3両+3両なのか、6両固定なのかで予想の方向なのかどうかが見えて来ると思います。また、6両固定ならば、札幌運転所や札幌駅での分割や併合が減るかもしれません。昼間減便された分を一部6両化で補うということもあるかもしれませんね。

8974: by 管理人 on 2020/02/05 at 01:29:46

>>「苗穂住民」さん、コメントありがとうございます。

初期車の撤退も白紙のようになり、動向が見えづらいです。でも、今後エアポート編成から順次置き換えられそうです。

函館本線・千歳線の普通列車で一部6両編成化されます。運用をみてみないとわかりませんが、エアポート車における普通列車の運用が増えるかもしれませんね。

千歳線は不明ですが、手稲~江別間では、データイムで列車1本が削減されます。一方でエアポート運用は増えるので、管理者としては、運用減で余裕が生まれる3両編成を活用して6両編成の運用を増やすのではないかとみています。

6両固定運用についての予想は、今後記事作成のうえで大変参考になります。ありがとうございました。

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