【コラム】新旧の並び~鉄道車両は大幅に進化したか?
気動車 - 2020年02月04日 (火)
2年前に旧苗穂駅構内から撮影した写真を紹介します。

当時、H100形が北海道にやってきたばかりということもあり、昨今よりも見かける度に新鮮でした。こうして苗穂運転所(札ナホ)構内に留置され、我々の目から届く範囲の場所に留置されていたこともありました。
まずは、キハ40形気動車との並びです。日高本線用の350番台です。
元々同線には小型で低コストなキハ130形気動車が分割民営化後に登場しましたが、塩害による車体の腐食や踏切事故で運転士が重傷を負った背景から、早々に廃車されました。後継となるのはキハ40形気動車で、キハ130形気動車時代のダイヤに合わせるために機関換装で出力増強を図り、所々塩害対策も実施されていたはずです。
完全オリジナルではありませんが、キハ40形気動車の製造が1977年~1983年にかけてなので、両者で車齢差が40年から40年弱ぐらいあります。
40年後の車両と見比べると、デザインは大きく変更されていますが、鉄道車両としての構造はほとんど変わっていません。自動車のイメージやコンセプトカーのように、丸いデザインや超ビッグなタイヤを履かせ、ワイド&ローを強調したデザインでもなく、40年を経過した今もフツーの形です。
一方、40年もの間に技術は進歩しており、行先表示器が設置されたり、種別表示器も行先表示器を含めてLED化、低床で身障者対応トイレになるなど、身体の不自由な方でも利用しやすいやさしい車両になっています。
動力面でも、搭載されるディーゼルエンジンから直接動力として伝わる従来の方式ではなく、ディーゼルエンジンは発電用とし、そこで得られた電力によってモーターで走行します。よって、部品を少なくすることで保守低減や信頼性の向上により、安定した輸送が実施されるようになります。
あくまで数値上の走行性能(起動加速度)も公表されていますが、あくまで数値上のデータです。そのデータでは、既存のキハ40形気動車と同等か劣るレベルの走行性能のようです。H100形の試運転時の加速動画を拝見していると、キハ40形気動車にはみられない強烈な加速で駅を発車していく動画もあります。
日産自動車からも同じようにエンジンは発電用としてモーターで走行する自動車が複数ラインナップされていますが、排気量に見合わない走行性能を有しているようです。また、変速機が搭載されておらず、且つエンジンから直接動力を伝達する方式ではないため、加速時はフラットトルクで常時一定のパワーが得られるはずです。力強いモーターの加速とそれらのタイムラグを無くしたことで、従来のキハ40形気動車と同等、使用環境によっては、それ以上の走行性能が期待されます。
2018年に北海道入りしてから2年。ようやく3月のダイヤ改正から函館本線の山線を中心に営業運転を開始する予定です。
例えば、1枚目の写真が40年前の写真としましょう。突然目の前にH100形という40年後の車両が並びました。
皆さんはどういう印象を受けますか??
速いんだろうなぁ~
鋭い加速をするんだろうなぁ~
このような感じですか??
でも実際は40年を経過しても、走行性能はキハ40形とほぼ同等のようです。
昨今は新車が出てきて引き続き注目はされますが、昔ほどの注目はないと思います。それは、画期的な性能を秘めていないからです。
昨今の状況から、気動車は性能が頭打ちになってきている印象があります。
例えば、最新のJR四国で導入している振り子式車両2700系のエンジン出力は1基あたり450psです。同程度の出力を持った機関は1990年代から既に存在しています。そして、30年前に2000系で実用化した制御つき自然振り子式が最新の2700系でも引き続き採用されました。30年経過した今でも、いまだカーブを高速で通過する際は制御つき自然振り子式に頼らざるを得ない状況が続いているようです。
JR四国を含め、現在は制御つき自然振り子式に代わって車体傾斜装置を搭載した車両を投入し、保守低減を図っていますが、四国では2600系や8600系で空気の容量不足が欠点となり、量産車では空気タンクの増設が実施されました。前者については量産化を断念し、従来の制御つき自然振り子式の2700系を製造しています。
こうしてみると、特に従来方式の気動車においては、30年もの時間があったにも関わらず、技術的な進歩は思ったほど進んでいないとみています。近年ではハイブリッド気動車やディーゼルエレクトリック方式気動車が登場しましたが、一部鉄道雑誌では、有用性についてはまだまだ従来の液体式の方が高い記載もされていますね。
国鉄時代から気動車や機関車の技術力不足はありました。特に、大出力機関を搭載する車両については、熱問題をクリアできないという問題を複数抱え、結果的に長らく活躍しなかった車両もあります。
製造当初、キハ183系も先に登場したキハ181系に比べて出力で劣っていました。また、キハ40形気動車と同一のエンジンが搭載されていたなんて今となっては驚きですよね。
それほど、当時は技術力が進展しておらず、保守面を優先せざるを得ませんでした。その後、スピードアップとともに機関出力の増強を図っていくわけですが、キハ183系の登場時はローカル気動車と一部を共用せざるを得なかった悲しい現実がありましたね。
速達性を必要としない気動車はハイブリッドやディーゼルエレクトリック方式に切り替えられていくでしょう。しかし、特急用としてのディーゼル気動車は、まだまだハイブリッドやディーゼルエレクトリック方式は未知の世界です。今後、JR東海がHC85系を投入し、既存のキハ85系を置き換える計画です。パンタグラフを持たない特急列車用のハイブリッド車両です。ハイブリッド車が定期特急列車で使用されるのは、初の試みとなります。JR東海もエンジンの有無を除けば、限りなく電車に近い設計としていると発表していることから、形式名も電車と同じクハやモハを使用しています。気動車の部類に入ると思いますが、正式に鉄道雑誌などで紹介されるまでは、どのように表現していいかわかりませんね。
ハイブリッド式のような環境にやさしい車両が普及していくか、性能を重視して従来の方式を引き続き採用していくのか、列車や線区によってその判断が委ねられてくるわけですが、ちょうど日本の在来線の昨今の気動車は、どちらの道に進むかの選択が迫られています。
数が少ないうちは、環境にやさしい車両を新規に投入することで車種のラインナップが増えてしまい、利点が生かされないでしょう。しかし、増備によって増え続けたときに、初めてその恩恵が受けられます。燃費改善や部品数が削減され、車両メンテナンスが有利になります。
一方、従来方式の気動車を引き続き採用すると、構造は大きく変わるわけではないので、研修時間を多くかける必要はありません。車両の検査も従来から大きく変えることなく、実施することができるでしょう。しかし、部品数が多いので、少ない人材で現場を回していると、作業効率が非常に悪くなります。
北海道では、ローカル気動車については前者を選択し、今後部品数削減によって車両メンテナンス体制を有利にする体制になります。特急気動車については、従来方式が引き続き採用されますが、車種を統一することで車両メンテナンス体制の強化を図ります。
こうしてみると、時代やそのニーズに合わせて形状そのものを大きく変える自動車とは違い、鉄道車両はデザインは大きく変わっても、全体的に丸くなったりして自動車のように大きく姿を変えていません。しかし、走行機器や安全性やサービスは30年や40年で劇的に変わり、車両の整備時も大きく負担をかけることなく実施できる点で確実に進化しています。自動車と鉄道車両で共通の進化がみられるのは、やはり環境性能を重視していることです。窒素酸化物やすすなどの有害物質を抑えていることは、これら二者のみならず、引き続き乗り物全般の使命と言えそうです。
しかし、在来線は大抵最高運転速度が130km/hに抑えられています。いくら高速運転対応の車両を開発しても地上の設備がそのままなので、そのような車両を開発する必要はないのです。走行機器は進化しているとはいえ、走行性能については、あくまで旧来方式の気動車の性能を維持するような仕組みであり、大幅に性能が引き上げられているわけではありません。そういった意味では、40年を経過しても動力性能は飛躍的な進化を遂げたわけではありません。しかし、上述の厳しい環境問題をクリアしつつ性能を維持しているという見方に変えれば、飛躍的な進化を遂げていると判断できなくもなさそうです。
今後の課題としては、北海道だけに着目すると、コスト削減を目的に、新規に車両を開発する力が残っていないことです。要は、技術開発が行われていないので、今後数十年にわたって技術力の停滞が問題視されてきます。JR四国の2700系が製造されていることから、まだまだ従来の大出力気動車が製造可能な過程だと思いますが、いずれは環境問題がさらに厳しくなり、そうした気動車の製造ができなくなる時期がくるでしょう。キハ261系も同じです。キハ261系が製造できなくなれば、北海道における特急気動車は窮地に立たされます。
H100形の場合は、東日本のGVE-400系と基本設計を同じにし、それに耐寒・耐雪構造を強化する程度で済みましたが、東日本は高速用の特急気動車用の車両を保有していないため、同車用の技術開発をする必要がないわけです。なので、キハ261系のような気動車が製造できなくなった場合、それに代わる車両を製作する場合は、H100形のノウハウを特急用に応用するか、他社の気動車をベースに一からつくり上げていくしかないのです。
鉄道車両は確実に進化していますが、北海道では今は停滞期に入り、経営難に陥っている状況下では、新規の開発ができない状況にあります。
国鉄時代のように、気動車については、再び技術力が追いつかない時代がまたやってきてしまうのでしょうか?路線の存廃問題を含め、将来的にも北海道の鉄道はまだまだ不安が残ります。
そして、おまけでもうワンシーン。


同じ場所でキハ183系5100番台クリスタルエクスプレスとも並んでいたこともありました。同車の落成が1989年なので車齢差はおよそ30年です。
残念ながら、同車は昨秋で引退してしまいました。同じ苗穂運転所(札ナホ)所属ですが、4両中3両が五稜郭車両所に輸送されたようで、本線上での共演はもちろん、苗穂運転所構内での共演も果たすことができなさそうです。
クリスタルエクスプレスは1編成しかない特殊な車両です。晩年は車体にも疲れがみえていましたが、仮にこれが全般検査を終えた直後で綺麗な状態だったら、30年後のH100形と見比べても、決して30年の歳月を感じさせないクリスタルエクスプレスが際立ってみえたと思います。とても、クリスタルエクスプレスが30年弱経過した車両とはいまだに思えないです。
ということで、まもなく営業運転を開始するH100形と他の車両の並びを紹介しました。
旧苗穂駅構内から撮影した写真で、残念ながらこのアングルで写真を撮影することはできません。新駅舎も苗穂工場が眺められて便利ですが、旧駅舎は苗穂運転所(札ナホ)に隣接しており、同運転所構内の様子を間近で確認できることが嬉しかったですね。
旧駅舎の敷地は更地となり、どのように活用していくか未定です。もう撮影できなくなったアングルから、既に引退した車両、そして廃車・解体が始まったグループの車両を撮影できてよかったと思います。当記事に掲載した写真は、数年後必ず貴重になるでしょう。
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当時、H100形が北海道にやってきたばかりということもあり、昨今よりも見かける度に新鮮でした。こうして苗穂運転所(札ナホ)構内に留置され、我々の目から届く範囲の場所に留置されていたこともありました。
まずは、キハ40形気動車との並びです。日高本線用の350番台です。
元々同線には小型で低コストなキハ130形気動車が分割民営化後に登場しましたが、塩害による車体の腐食や踏切事故で運転士が重傷を負った背景から、早々に廃車されました。後継となるのはキハ40形気動車で、キハ130形気動車時代のダイヤに合わせるために機関換装で出力増強を図り、所々塩害対策も実施されていたはずです。
完全オリジナルではありませんが、キハ40形気動車の製造が1977年~1983年にかけてなので、両者で車齢差が40年から40年弱ぐらいあります。
40年後の車両と見比べると、デザインは大きく変更されていますが、鉄道車両としての構造はほとんど変わっていません。自動車のイメージやコンセプトカーのように、丸いデザインや超ビッグなタイヤを履かせ、ワイド&ローを強調したデザインでもなく、40年を経過した今もフツーの形です。
一方、40年もの間に技術は進歩しており、行先表示器が設置されたり、種別表示器も行先表示器を含めてLED化、低床で身障者対応トイレになるなど、身体の不自由な方でも利用しやすいやさしい車両になっています。
動力面でも、搭載されるディーゼルエンジンから直接動力として伝わる従来の方式ではなく、ディーゼルエンジンは発電用とし、そこで得られた電力によってモーターで走行します。よって、部品を少なくすることで保守低減や信頼性の向上により、安定した輸送が実施されるようになります。
あくまで数値上の走行性能(起動加速度)も公表されていますが、あくまで数値上のデータです。そのデータでは、既存のキハ40形気動車と同等か劣るレベルの走行性能のようです。H100形の試運転時の加速動画を拝見していると、キハ40形気動車にはみられない強烈な加速で駅を発車していく動画もあります。
日産自動車からも同じようにエンジンは発電用としてモーターで走行する自動車が複数ラインナップされていますが、排気量に見合わない走行性能を有しているようです。また、変速機が搭載されておらず、且つエンジンから直接動力を伝達する方式ではないため、加速時はフラットトルクで常時一定のパワーが得られるはずです。力強いモーターの加速とそれらのタイムラグを無くしたことで、従来のキハ40形気動車と同等、使用環境によっては、それ以上の走行性能が期待されます。
2018年に北海道入りしてから2年。ようやく3月のダイヤ改正から函館本線の山線を中心に営業運転を開始する予定です。
例えば、1枚目の写真が40年前の写真としましょう。突然目の前にH100形という40年後の車両が並びました。
皆さんはどういう印象を受けますか??
速いんだろうなぁ~
鋭い加速をするんだろうなぁ~
このような感じですか??
でも実際は40年を経過しても、走行性能はキハ40形とほぼ同等のようです。
昨今は新車が出てきて引き続き注目はされますが、昔ほどの注目はないと思います。それは、画期的な性能を秘めていないからです。
昨今の状況から、気動車は性能が頭打ちになってきている印象があります。
例えば、最新のJR四国で導入している振り子式車両2700系のエンジン出力は1基あたり450psです。同程度の出力を持った機関は1990年代から既に存在しています。そして、30年前に2000系で実用化した制御つき自然振り子式が最新の2700系でも引き続き採用されました。30年経過した今でも、いまだカーブを高速で通過する際は制御つき自然振り子式に頼らざるを得ない状況が続いているようです。
JR四国を含め、現在は制御つき自然振り子式に代わって車体傾斜装置を搭載した車両を投入し、保守低減を図っていますが、四国では2600系や8600系で空気の容量不足が欠点となり、量産車では空気タンクの増設が実施されました。前者については量産化を断念し、従来の制御つき自然振り子式の2700系を製造しています。
こうしてみると、特に従来方式の気動車においては、30年もの時間があったにも関わらず、技術的な進歩は思ったほど進んでいないとみています。近年ではハイブリッド気動車やディーゼルエレクトリック方式気動車が登場しましたが、一部鉄道雑誌では、有用性についてはまだまだ従来の液体式の方が高い記載もされていますね。
国鉄時代から気動車や機関車の技術力不足はありました。特に、大出力機関を搭載する車両については、熱問題をクリアできないという問題を複数抱え、結果的に長らく活躍しなかった車両もあります。
製造当初、キハ183系も先に登場したキハ181系に比べて出力で劣っていました。また、キハ40形気動車と同一のエンジンが搭載されていたなんて今となっては驚きですよね。
それほど、当時は技術力が進展しておらず、保守面を優先せざるを得ませんでした。その後、スピードアップとともに機関出力の増強を図っていくわけですが、キハ183系の登場時はローカル気動車と一部を共用せざるを得なかった悲しい現実がありましたね。
速達性を必要としない気動車はハイブリッドやディーゼルエレクトリック方式に切り替えられていくでしょう。しかし、特急用としてのディーゼル気動車は、まだまだハイブリッドやディーゼルエレクトリック方式は未知の世界です。今後、JR東海がHC85系を投入し、既存のキハ85系を置き換える計画です。パンタグラフを持たない特急列車用のハイブリッド車両です。ハイブリッド車が定期特急列車で使用されるのは、初の試みとなります。JR東海もエンジンの有無を除けば、限りなく電車に近い設計としていると発表していることから、形式名も電車と同じクハやモハを使用しています。気動車の部類に入ると思いますが、正式に鉄道雑誌などで紹介されるまでは、どのように表現していいかわかりませんね。
ハイブリッド式のような環境にやさしい車両が普及していくか、性能を重視して従来の方式を引き続き採用していくのか、列車や線区によってその判断が委ねられてくるわけですが、ちょうど日本の在来線の昨今の気動車は、どちらの道に進むかの選択が迫られています。
数が少ないうちは、環境にやさしい車両を新規に投入することで車種のラインナップが増えてしまい、利点が生かされないでしょう。しかし、増備によって増え続けたときに、初めてその恩恵が受けられます。燃費改善や部品数が削減され、車両メンテナンスが有利になります。
一方、従来方式の気動車を引き続き採用すると、構造は大きく変わるわけではないので、研修時間を多くかける必要はありません。車両の検査も従来から大きく変えることなく、実施することができるでしょう。しかし、部品数が多いので、少ない人材で現場を回していると、作業効率が非常に悪くなります。
北海道では、ローカル気動車については前者を選択し、今後部品数削減によって車両メンテナンス体制を有利にする体制になります。特急気動車については、従来方式が引き続き採用されますが、車種を統一することで車両メンテナンス体制の強化を図ります。
こうしてみると、時代やそのニーズに合わせて形状そのものを大きく変える自動車とは違い、鉄道車両はデザインは大きく変わっても、全体的に丸くなったりして自動車のように大きく姿を変えていません。しかし、走行機器や安全性やサービスは30年や40年で劇的に変わり、車両の整備時も大きく負担をかけることなく実施できる点で確実に進化しています。自動車と鉄道車両で共通の進化がみられるのは、やはり環境性能を重視していることです。窒素酸化物やすすなどの有害物質を抑えていることは、これら二者のみならず、引き続き乗り物全般の使命と言えそうです。
しかし、在来線は大抵最高運転速度が130km/hに抑えられています。いくら高速運転対応の車両を開発しても地上の設備がそのままなので、そのような車両を開発する必要はないのです。走行機器は進化しているとはいえ、走行性能については、あくまで旧来方式の気動車の性能を維持するような仕組みであり、大幅に性能が引き上げられているわけではありません。そういった意味では、40年を経過しても動力性能は飛躍的な進化を遂げたわけではありません。しかし、上述の厳しい環境問題をクリアしつつ性能を維持しているという見方に変えれば、飛躍的な進化を遂げていると判断できなくもなさそうです。
今後の課題としては、北海道だけに着目すると、コスト削減を目的に、新規に車両を開発する力が残っていないことです。要は、技術開発が行われていないので、今後数十年にわたって技術力の停滞が問題視されてきます。JR四国の2700系が製造されていることから、まだまだ従来の大出力気動車が製造可能な過程だと思いますが、いずれは環境問題がさらに厳しくなり、そうした気動車の製造ができなくなる時期がくるでしょう。キハ261系も同じです。キハ261系が製造できなくなれば、北海道における特急気動車は窮地に立たされます。
H100形の場合は、東日本のGVE-400系と基本設計を同じにし、それに耐寒・耐雪構造を強化する程度で済みましたが、東日本は高速用の特急気動車用の車両を保有していないため、同車用の技術開発をする必要がないわけです。なので、キハ261系のような気動車が製造できなくなった場合、それに代わる車両を製作する場合は、H100形のノウハウを特急用に応用するか、他社の気動車をベースに一からつくり上げていくしかないのです。
鉄道車両は確実に進化していますが、北海道では今は停滞期に入り、経営難に陥っている状況下では、新規の開発ができない状況にあります。
国鉄時代のように、気動車については、再び技術力が追いつかない時代がまたやってきてしまうのでしょうか?路線の存廃問題を含め、将来的にも北海道の鉄道はまだまだ不安が残ります。
そして、おまけでもうワンシーン。


同じ場所でキハ183系5100番台クリスタルエクスプレスとも並んでいたこともありました。同車の落成が1989年なので車齢差はおよそ30年です。
残念ながら、同車は昨秋で引退してしまいました。同じ苗穂運転所(札ナホ)所属ですが、4両中3両が五稜郭車両所に輸送されたようで、本線上での共演はもちろん、苗穂運転所構内での共演も果たすことができなさそうです。
クリスタルエクスプレスは1編成しかない特殊な車両です。晩年は車体にも疲れがみえていましたが、仮にこれが全般検査を終えた直後で綺麗な状態だったら、30年後のH100形と見比べても、決して30年の歳月を感じさせないクリスタルエクスプレスが際立ってみえたと思います。とても、クリスタルエクスプレスが30年弱経過した車両とはいまだに思えないです。
ということで、まもなく営業運転を開始するH100形と他の車両の並びを紹介しました。
旧苗穂駅構内から撮影した写真で、残念ながらこのアングルで写真を撮影することはできません。新駅舎も苗穂工場が眺められて便利ですが、旧駅舎は苗穂運転所(札ナホ)に隣接しており、同運転所構内の様子を間近で確認できることが嬉しかったですね。
旧駅舎の敷地は更地となり、どのように活用していくか未定です。もう撮影できなくなったアングルから、既に引退した車両、そして廃車・解体が始まったグループの車両を撮影できてよかったと思います。当記事に掲載した写真は、数年後必ず貴重になるでしょう。
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