789系1000番台の代走で窮地を乗り越えた「ライラック」
代走・編成変更 - 2020年02月14日 (金)
先日、789系0番台による「ライラック」で車両不具合が相次いで発生し、札幌~旭川間の輸送が窮地に追い込まれました。


2017年3月のダイヤ改正より、785系の置き換え及び、道北方面の一部特急列車の旭川駅発着に伴い、それの代替として789系0番台を有効活用する形で道央圏に転用されました。
それからというもの、冬季を中心に車両不具合が発生するようになり、度々789系1000番台による代走が確認されていました。先日は過去の代走時でも今までにない状況になり、札幌~旭川間の輸送が窮地に追い込まれました。
一時的に「ライラック」4運用中3運用が789系1000番台による代走になりました。
その写真をこれから紹介していきますが、その代走が特に多かった2月10日に撮影したものです。

まずは、特急「ライラック13号」の代走列車から。江別市内にある市街道路踏切から撮影しました。代走時しか見られない「ライラック」のヘッドマークを表示しています。

白石~厚別間のいつもの撮影スポットから特急「ライラック15号」を撮影しました。後続列車も代走でした。

実は、札幌駅で確認したことがなかったため、特急「ライラック23号」を札幌駅で確認してきました。先行する特急「ライラック21号」が運休となり、同列車も5両編成での代走だったので、車内は混雑していました。

初めて撮影した789系1000番台代走時の「ライラック」の行先表示器です。

1号車側に移動して撮影しました。

25分後に札幌駅に到着する特急「ライラック26号」も代走ということで、苗穂の自由通路の上から撮影しました。
最終的に、2月12日の特急「ライラック4号」まで代走だったはずです。予定では当日の特急「ライラック18号」まで代走でしたが、特急「ライラック5号」から所定の編成が入り、それ以降は代走は発生していません。
ここまで代走が多くなった理由は、まず8日の特急「ライラック40号」が美唄駅で車両点検を実施し、美唄~札幌間を部分運休としました。これに伴い、特急「ライラック41号」と特急「ライラック48号」にも運休が発生しました。
そして、翌9日は1運用のみが代走でしたが、10日になると、旭川運転所(旭アサ)構内と岩見沢駅で相次いで車両不具合が発生します。旭川駅で同駅発着の特急列車の接続を兼ねる「ライラック」はなんとしてでも運行しなければなりません。ということで、「カムイ」の一部を運休とし、その車両を使って「ライラック」が運行されました。
午前中の札幌から旭川へ向かう列車と午後の旭川から札幌へ向かう列車で一時的に4運用中3運用が789系1000番台による代走運転でした。日中から夕方にかけて「カムイ」の運用にも順次復帰し、6本中1本は「すずらん」の運用にも入っていましたから、少なくとも10日は789系1000番台は全編成が何らかの形で稼働していたはずです。
列車の運休情報を照らし合わせると、中にはとんでもない運用を組んでいた列車もあったと予想します。例えば、
まず、特急「カムイ8号」の代わりに、特急「ライラック10号」(旭川7:55発)へ充当させ、そのまま特急「ライラック11号」(札幌10:00発)に、そして特急「ライラック22号」(旭川12:00発)に、特急「カムイ19号」(札幌14:00発)に充当していったと思います。
本来であれば、特急「ライラック22号」の折り返しは、特急「ライラック21号」(札幌14:30発)になり、札幌14:00発の列車については、新たに札幌運転所(札サウ)から車両が回送され、特急「カムイ19号」として運用に入ります。
その後は、折り返しとなる特急「カムイ32号」を運休とし、代わりに特急「ライラック34号」に充当しました。理由は、特急「大雪4号」と旭川駅で接続を図るためです。その後、通常では札幌到着後に折り返しとなる特急「ライラック35号」から所定の編成に戻ることから、ここでも運用変更が生じ、本来の特急「カムイ31号」(札幌18:00発)に無理やり充当させ、その後は通常と同じように運用された流れです。
札幌駅での折り返し時間が5分という無謀な運用が組まれていたようです。しかし実際は車内清掃や折り返し準備で間に合わないので、後続列車にも影響が生じたうえで遅れて発車したことでしょう。
特急「ライラック35号」から中途半端に1編成だけ運用に復帰したわけですが、理由は、翌日が祝日で特急「ライラック旭山動物園号」の運用が控えていました。特急「ライラック35号」で旭川駅に到着すると、その運用は翌日の特急「ライラック4号」から入ります。おそらく、同列車に充当するために、どうしても旭川へ送り込まなければならなかったのでしょう。
ということで、長々と記載しましたが、閲覧する皆さんは把握できましたでしょうか?
時刻表を眺めながら運用の仕組みを辿ってきてください。
道央圏転用前の青函連絡時代の789系0番台は、昨今とはまるで立場が逆でした。昨日Instagramの方でコメントをいただいたので、やりとりしていましたが、青函連絡時代は485系で不具合が度々発生し、そのピンチヒッターで代走で789系0番台が運用に入ったこともありました。それが今では逆になり、すっかり助けられる側、つまり485系と同じ立場になりました。夏季に故障はほとんど発生せず、冬季に集中していることから、雪や低温が影響している可能性が高そうです。
それに引き換え、元々道央圏で活躍している789系1000番台は、本当に故障の少ない車両です。むしろ故障はないといっても過言ではありません。厳冬期でもトラブルなく、安定した輸送が実施できるのが1000番台の強みです。車両繰りをみても、緊急時はほぼ全編成を稼働させていることから、壊れない、絶対的な安心感がある車両ということが伝わってきます。
過去の資料を辿っていると、キハ261系1000番台とともに、徹底した寒冷地対策が実施されているようで、ありとあらゆるトラブルを想定して設計・開発しているようです。内装は燃えにくい素材とすることで、万が一の車両火災時にも備えられているようです。
今回も一気にドカ雪が確認された後に車両不具合が相次いで発生しました。今後も引き続き極端な低温や降雪量が多く確認された後は、代走とそれに伴う「カムイ」の運休に注意が必要になりそうです。
こうしてみると、冬季に札幌~旭川間を移動するには、壊れない「カムイ」の方が安心できそうです。
↓ブログランキングにご協力お願いします↓

にほんブログ村

人気ブログランキング


2017年3月のダイヤ改正より、785系の置き換え及び、道北方面の一部特急列車の旭川駅発着に伴い、それの代替として789系0番台を有効活用する形で道央圏に転用されました。
それからというもの、冬季を中心に車両不具合が発生するようになり、度々789系1000番台による代走が確認されていました。先日は過去の代走時でも今までにない状況になり、札幌~旭川間の輸送が窮地に追い込まれました。
一時的に「ライラック」4運用中3運用が789系1000番台による代走になりました。
その写真をこれから紹介していきますが、その代走が特に多かった2月10日に撮影したものです。

まずは、特急「ライラック13号」の代走列車から。江別市内にある市街道路踏切から撮影しました。代走時しか見られない「ライラック」のヘッドマークを表示しています。

白石~厚別間のいつもの撮影スポットから特急「ライラック15号」を撮影しました。後続列車も代走でした。

実は、札幌駅で確認したことがなかったため、特急「ライラック23号」を札幌駅で確認してきました。先行する特急「ライラック21号」が運休となり、同列車も5両編成での代走だったので、車内は混雑していました。

初めて撮影した789系1000番台代走時の「ライラック」の行先表示器です。

1号車側に移動して撮影しました。

25分後に札幌駅に到着する特急「ライラック26号」も代走ということで、苗穂の自由通路の上から撮影しました。
最終的に、2月12日の特急「ライラック4号」まで代走だったはずです。予定では当日の特急「ライラック18号」まで代走でしたが、特急「ライラック5号」から所定の編成が入り、それ以降は代走は発生していません。
ここまで代走が多くなった理由は、まず8日の特急「ライラック40号」が美唄駅で車両点検を実施し、美唄~札幌間を部分運休としました。これに伴い、特急「ライラック41号」と特急「ライラック48号」にも運休が発生しました。
そして、翌9日は1運用のみが代走でしたが、10日になると、旭川運転所(旭アサ)構内と岩見沢駅で相次いで車両不具合が発生します。旭川駅で同駅発着の特急列車の接続を兼ねる「ライラック」はなんとしてでも運行しなければなりません。ということで、「カムイ」の一部を運休とし、その車両を使って「ライラック」が運行されました。
午前中の札幌から旭川へ向かう列車と午後の旭川から札幌へ向かう列車で一時的に4運用中3運用が789系1000番台による代走運転でした。日中から夕方にかけて「カムイ」の運用にも順次復帰し、6本中1本は「すずらん」の運用にも入っていましたから、少なくとも10日は789系1000番台は全編成が何らかの形で稼働していたはずです。
列車の運休情報を照らし合わせると、中にはとんでもない運用を組んでいた列車もあったと予想します。例えば、
まず、特急「カムイ8号」の代わりに、特急「ライラック10号」(旭川7:55発)へ充当させ、そのまま特急「ライラック11号」(札幌10:00発)に、そして特急「ライラック22号」(旭川12:00発)に、特急「カムイ19号」(札幌14:00発)に充当していったと思います。
本来であれば、特急「ライラック22号」の折り返しは、特急「ライラック21号」(札幌14:30発)になり、札幌14:00発の列車については、新たに札幌運転所(札サウ)から車両が回送され、特急「カムイ19号」として運用に入ります。
その後は、折り返しとなる特急「カムイ32号」を運休とし、代わりに特急「ライラック34号」に充当しました。理由は、特急「大雪4号」と旭川駅で接続を図るためです。その後、通常では札幌到着後に折り返しとなる特急「ライラック35号」から所定の編成に戻ることから、ここでも運用変更が生じ、本来の特急「カムイ31号」(札幌18:00発)に無理やり充当させ、その後は通常と同じように運用された流れです。
札幌駅での折り返し時間が5分という無謀な運用が組まれていたようです。しかし実際は車内清掃や折り返し準備で間に合わないので、後続列車にも影響が生じたうえで遅れて発車したことでしょう。
特急「ライラック35号」から中途半端に1編成だけ運用に復帰したわけですが、理由は、翌日が祝日で特急「ライラック旭山動物園号」の運用が控えていました。特急「ライラック35号」で旭川駅に到着すると、その運用は翌日の特急「ライラック4号」から入ります。おそらく、同列車に充当するために、どうしても旭川へ送り込まなければならなかったのでしょう。
ということで、長々と記載しましたが、閲覧する皆さんは把握できましたでしょうか?
時刻表を眺めながら運用の仕組みを辿ってきてください。
道央圏転用前の青函連絡時代の789系0番台は、昨今とはまるで立場が逆でした。昨日Instagramの方でコメントをいただいたので、やりとりしていましたが、青函連絡時代は485系で不具合が度々発生し、そのピンチヒッターで代走で789系0番台が運用に入ったこともありました。それが今では逆になり、すっかり助けられる側、つまり485系と同じ立場になりました。夏季に故障はほとんど発生せず、冬季に集中していることから、雪や低温が影響している可能性が高そうです。
それに引き換え、元々道央圏で活躍している789系1000番台は、本当に故障の少ない車両です。むしろ故障はないといっても過言ではありません。厳冬期でもトラブルなく、安定した輸送が実施できるのが1000番台の強みです。車両繰りをみても、緊急時はほぼ全編成を稼働させていることから、壊れない、絶対的な安心感がある車両ということが伝わってきます。
過去の資料を辿っていると、キハ261系1000番台とともに、徹底した寒冷地対策が実施されているようで、ありとあらゆるトラブルを想定して設計・開発しているようです。内装は燃えにくい素材とすることで、万が一の車両火災時にも備えられているようです。
今回も一気にドカ雪が確認された後に車両不具合が相次いで発生しました。今後も引き続き極端な低温や降雪量が多く確認された後は、代走とそれに伴う「カムイ」の運休に注意が必要になりそうです。
こうしてみると、冬季に札幌~旭川間を移動するには、壊れない「カムイ」の方が安心できそうです。
↓ブログランキングにご協力お願いします↓

にほんブログ村

人気ブログランキング

- 関連記事
-
-
【代走レポート】高速気動車に負けない俊足ぶり!!2月16日の上りの特急「宗谷」をノースレインボーエクスプレスで代走 2020/02/18
-
789系1000番台の代走で窮地を乗り越えた「ライラック」 2020/02/14
-
【代走レポート】2月4日の上りの特急「宗谷」をノースレインボーエクスプレスで代走 2020/02/05
-