【2020年3月14日(土)ダイヤ改正レポートその4】普通列車に格下げされる区間快速「いしかりライナー」
その他あれこれ - 2020年03月04日 (水)
江別~札幌間または札幌~手稲間で快速運転を行う区間快速「いしかりライナー」。
2007年10月ダイヤ改正の運行体系再編以来、12年半にわたって運行時間帯の縮小を除いて現行体制を維持してきましたが、残念ながら今年3月のダイヤ改正で普通列車に格下げ、廃止されます。

現在の運行体系は、いずれの区間もデータイム毎時2本運転です。江別~札幌間または札幌~手稲間で快速運転を行い、それ以外の区間については各駅に停車します。一部で江別発札幌行きなど、区間快速でありながら、全区間快速運転を実施する列車もあります。
観光シーズンになれば訪日外国人需要も多く、近年は運用の関係で日中でも6両編成で運行される列車もあります。特に札幌~手稲間で快速運転を実施する列車については、快速「エアポート」に引けをとらない俊足ぶりで、同区間を10分程度で高速で結んでいる列車もあります。

2007年9月までは、データイムの列車は原則として江別~手稲間を通して快速運転を実施していました。
現在の運行体系にした理由は、中間となる札幌駅で利用客の多くが入れ替わるためと聞いています。しかし、利用客の入れ替わりが激しいとはいえ、別に札幌駅を境に運行体系を見直す必要はありませんでした。現行の運行体系に変更したことで札幌~手稲間で引き続きパターンダイヤを組むためには、一部列車で札幌駅に20分程度停車する列車も生まれ、非常に効率の悪い輸送体系を生み出しました。
例えば、現行ダイヤでは小樽方面に向かう12時台と14時台に、不便なダイヤが確認されます。12時台は江別駅12時25分に札幌方面に向けて発車する区間快速「いしかりライナー」で、その5分後に同じく札幌方面に向かう普通列車が追いかけます。後者は札幌から区間快速「いしかりライナー」になります。
前者が札幌駅到着後、パターンダイヤ保持のため、18分停車することになります。この18分間に何が起きているかというと、先行して追いついてしまった普通列車を先に発車させ、そのあとに、江別~札幌間の後続の普通列車(札幌駅からいしかりライナー)を先行させます。札幌~手稲間では途中で後続列車を待避できる駅は1つもないので、札幌駅で時間調整をする必要があります。時間調整をしなければ、先行列車に追いついてしまうからです。普通列車発車後、だいたい10分前後で後続の快速列車が発車するパターンダイヤです。これは区間快速「いしかりライナー」のみならず、同区間を運行する快速「エアポート」にも当てはまります。全ては手稲駅での乗り換え利便を考慮したものです。
そして14時台では、これの逆パターンが起きており、江別駅14時15分に札幌方面に向けて発車する普通列車(札幌駅からいしかりライナー)で、後続に区間快速「いしかりライナー」が8分後に追いかけるダイヤがあります。
こちらもパターンダイヤ保持による時間調整のため、札幌駅で19分停車します。この間に札幌駅で先に到着している快速「エアポート141号」の発車と後続の区間快速「いしかりライナー」から転身した普通列車に先行されます。そして途中の区間で追いつかないように先行する普通列車から10分の間隔を設けて札幌駅を発車するので、停車時間が長くなってしまうダイヤ上の仕組みがあります。
過去には、12時台に江別方面へ向かう列車でも札幌駅で20分以上停車する運用もありました。これもいずれもパターンダイヤ保持するためです。しかし、運用効率が悪い影響からか、現在は札幌駅で分離し、従来の小樽~江別間通しの運用が、小樽~札幌間、札幌~江別間にそれぞれ分けられました。
一方、札幌~江別間については、快速運転を実施するにも関わらず、先行する普通列車を追い抜く列車は1つもありません。要は普通列車にしても区間快速「いしかりライナー」にしても先行する列車に乗れば先に各駅に到着できるダイヤになっています。同区間で区間快速「いしかりライナー」と普通列車の所要時間差は一部を除いてだいたい4分~6分程度であり、千歳線の快速「エアポート」と普通列車のように所要時間に大きな差はなく、快速運転の恩恵はそれほど大きくありませんでした。
また、札幌~江別間については運行体系上の問題があり、待避可能な駅も少ないため、快速列車・普通列車問わず、先行列車が先に到着するシステムになっており、快速運転のメリットが生かされていない状況にありました。加えて、普通列車しか停車しない駅における利用増が目立っており、苗穂駅はアリオ札幌へのアクセスや周辺の再開発における宅地化、商業施設と一体となったタワーマンションのオープンが控えています。森林公園駅は周辺に道立高校が2箇所あり、周辺の宅地化、北海道博物館の開設とアクセス向上、高砂駅も周辺の宅地化があり、利用者が多く見込まれる状況から、各駅停車化を実施し、混雑緩和と利便性向上を図ることがねらいです。
これらを統合的に判断すれば、区間快速「いしかりライナー」の必要性は低くなってしまいます。
これに伴い、運行体系の見直しによってデータイムでは札幌~手稲間が快速列車と普通列車合わせて1時間あたり8本から7本に、札幌~江別間も5本から4本に削減されます。江別駅から札幌方面に向かう列車については、時刻表を確認した限りでは運行を取り止めになる時間帯の列車が固定されていないものの、札幌から江別方面へ向かう列車については、札幌駅毎時15分または16分発の江別行き、区間快速「いしかりライナー」が削減対象になります。これにより、データイム毎時江別行きが2本、岩見沢行きが2本ずつで交互に設定されます。
札幌圏の普通列車が一部削減される理由について、ほかに、快速「エアポート」を増発するために、乗務員をそちらに回す必要があるというのも、理由の1つになっています。

区間快速「いしかりライナー」は、札幌圏でどこでも撮影できるでしょう。管理者のオススメは大麻駅です。上下列車ともに3分以内で発着し、中には1分差で発着します。写真のように、発車シーンと入線シーンが重なって駅構内で交換する風景も見られます。これを撮影する前に、写真だとキハ201系の入線シーンも撮影できるので、短時間や短期間でより多くのいしかりライナーを撮影したいのであれば、大麻駅で十分です。停車駅なので高速で通過するわけでもないので、管理者のように腕に自信のない方でも綺麗に撮影することができますよ。
ダイヤ改正まであと10日に迫りました。こうしたシーンもあと10日で見納めですね。
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2007年10月ダイヤ改正の運行体系再編以来、12年半にわたって運行時間帯の縮小を除いて現行体制を維持してきましたが、残念ながら今年3月のダイヤ改正で普通列車に格下げ、廃止されます。

現在の運行体系は、いずれの区間もデータイム毎時2本運転です。江別~札幌間または札幌~手稲間で快速運転を行い、それ以外の区間については各駅に停車します。一部で江別発札幌行きなど、区間快速でありながら、全区間快速運転を実施する列車もあります。
観光シーズンになれば訪日外国人需要も多く、近年は運用の関係で日中でも6両編成で運行される列車もあります。特に札幌~手稲間で快速運転を実施する列車については、快速「エアポート」に引けをとらない俊足ぶりで、同区間を10分程度で高速で結んでいる列車もあります。

2007年9月までは、データイムの列車は原則として江別~手稲間を通して快速運転を実施していました。
現在の運行体系にした理由は、中間となる札幌駅で利用客の多くが入れ替わるためと聞いています。しかし、利用客の入れ替わりが激しいとはいえ、別に札幌駅を境に運行体系を見直す必要はありませんでした。現行の運行体系に変更したことで札幌~手稲間で引き続きパターンダイヤを組むためには、一部列車で札幌駅に20分程度停車する列車も生まれ、非常に効率の悪い輸送体系を生み出しました。
例えば、現行ダイヤでは小樽方面に向かう12時台と14時台に、不便なダイヤが確認されます。12時台は江別駅12時25分に札幌方面に向けて発車する区間快速「いしかりライナー」で、その5分後に同じく札幌方面に向かう普通列車が追いかけます。後者は札幌から区間快速「いしかりライナー」になります。
前者が札幌駅到着後、パターンダイヤ保持のため、18分停車することになります。この18分間に何が起きているかというと、先行して追いついてしまった普通列車を先に発車させ、そのあとに、江別~札幌間の後続の普通列車(札幌駅からいしかりライナー)を先行させます。札幌~手稲間では途中で後続列車を待避できる駅は1つもないので、札幌駅で時間調整をする必要があります。時間調整をしなければ、先行列車に追いついてしまうからです。普通列車発車後、だいたい10分前後で後続の快速列車が発車するパターンダイヤです。これは区間快速「いしかりライナー」のみならず、同区間を運行する快速「エアポート」にも当てはまります。全ては手稲駅での乗り換え利便を考慮したものです。
そして14時台では、これの逆パターンが起きており、江別駅14時15分に札幌方面に向けて発車する普通列車(札幌駅からいしかりライナー)で、後続に区間快速「いしかりライナー」が8分後に追いかけるダイヤがあります。
こちらもパターンダイヤ保持による時間調整のため、札幌駅で19分停車します。この間に札幌駅で先に到着している快速「エアポート141号」の発車と後続の区間快速「いしかりライナー」から転身した普通列車に先行されます。そして途中の区間で追いつかないように先行する普通列車から10分の間隔を設けて札幌駅を発車するので、停車時間が長くなってしまうダイヤ上の仕組みがあります。
過去には、12時台に江別方面へ向かう列車でも札幌駅で20分以上停車する運用もありました。これもいずれもパターンダイヤ保持するためです。しかし、運用効率が悪い影響からか、現在は札幌駅で分離し、従来の小樽~江別間通しの運用が、小樽~札幌間、札幌~江別間にそれぞれ分けられました。
一方、札幌~江別間については、快速運転を実施するにも関わらず、先行する普通列車を追い抜く列車は1つもありません。要は普通列車にしても区間快速「いしかりライナー」にしても先行する列車に乗れば先に各駅に到着できるダイヤになっています。同区間で区間快速「いしかりライナー」と普通列車の所要時間差は一部を除いてだいたい4分~6分程度であり、千歳線の快速「エアポート」と普通列車のように所要時間に大きな差はなく、快速運転の恩恵はそれほど大きくありませんでした。
また、札幌~江別間については運行体系上の問題があり、待避可能な駅も少ないため、快速列車・普通列車問わず、先行列車が先に到着するシステムになっており、快速運転のメリットが生かされていない状況にありました。加えて、普通列車しか停車しない駅における利用増が目立っており、苗穂駅はアリオ札幌へのアクセスや周辺の再開発における宅地化、商業施設と一体となったタワーマンションのオープンが控えています。森林公園駅は周辺に道立高校が2箇所あり、周辺の宅地化、北海道博物館の開設とアクセス向上、高砂駅も周辺の宅地化があり、利用者が多く見込まれる状況から、各駅停車化を実施し、混雑緩和と利便性向上を図ることがねらいです。
これらを統合的に判断すれば、区間快速「いしかりライナー」の必要性は低くなってしまいます。
これに伴い、運行体系の見直しによってデータイムでは札幌~手稲間が快速列車と普通列車合わせて1時間あたり8本から7本に、札幌~江別間も5本から4本に削減されます。江別駅から札幌方面に向かう列車については、時刻表を確認した限りでは運行を取り止めになる時間帯の列車が固定されていないものの、札幌から江別方面へ向かう列車については、札幌駅毎時15分または16分発の江別行き、区間快速「いしかりライナー」が削減対象になります。これにより、データイム毎時江別行きが2本、岩見沢行きが2本ずつで交互に設定されます。
札幌圏の普通列車が一部削減される理由について、ほかに、快速「エアポート」を増発するために、乗務員をそちらに回す必要があるというのも、理由の1つになっています。

区間快速「いしかりライナー」は、札幌圏でどこでも撮影できるでしょう。管理者のオススメは大麻駅です。上下列車ともに3分以内で発着し、中には1分差で発着します。写真のように、発車シーンと入線シーンが重なって駅構内で交換する風景も見られます。これを撮影する前に、写真だとキハ201系の入線シーンも撮影できるので、短時間や短期間でより多くのいしかりライナーを撮影したいのであれば、大麻駅で十分です。停車駅なので高速で通過するわけでもないので、管理者のように腕に自信のない方でも綺麗に撮影することができますよ。
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