苗穂界隈に留置されていたキハ183系の解体始まる
キハ183系 - 2020年04月09日 (木)
しばらく、苗穂工場、苗穂運転所(札ナホ)など、苗穂界隈で留置されていたキハ183系に動きがあり、一部車両から解体が始まっています。



車体の解体がほぼ完了し、台車のみになっている車両も確認されます。長らく使用されていなかった「キハ183‐504」から解体が始まったようです。

昨年撮影していました。写真の車両です。キハ183系500番台の先頭車で、1500番台などよりも乗降口の位置が異なるのが特徴です。
同車はN183系に部類される車両です。既存の0番台の車両を有効活用したうえで製造されたのが同車です。登場直前の頃、道内では特急列車の短編成化が進み、中間車でサービス電源用の機関を備えるキハ184形0番台が余剰気味になっていました。同車を有効活用するため、同車とペアを組んで使用することを前提に製造されました。そのため500番台の先頭車は、先頭車でありながらサービス用電源機関を搭載しない唯一の車両になります。それと引き換えに、トイレ・洗面所を設置し、大出力エンジンも合わせて搭載しました。この大出力エンジンとは、「北斗」として高速化に貢献した同型のエンジンであり、後に一時的な使用休止を余儀なくされるエンジンです。
キハ183系の編成を組む際のルールを説明しましょう。
まずは、編成全体のサービス用電源を確保できるよう編成を組まなければなりません。サービス用電源がなければ、車内における冷暖房機器、照明などが機能しなくなります。このサービス用電源を搭載している車両が先頭車だったり、既に全廃しているキハ184形0番台だったりします。1両あたり最大4両分の給電能力を有する電源機関を搭載しています。
後にサービス用電源を供給できる中間車の相棒を老朽化によって先に失ったことで先頭車でありながら、先頭車として使用することが難しい状況に追い込まれました。電源機関を搭載する先頭車を連結すれば良い話ですが、キハ283系のように先頭車を多く製造しているわけではなく、数年前まで先頭車が不足する事態に陥っていた苗穂車にとって、もはや3両編成や2両編成で本線を走行する札幌運転所(札サウ)への車輪研削作業を行うための回送列車ぐらいでしか使用されなくなり、たとえ営業列車として使用されても、指定席の増結用として中間車としての使用に限定されました。もはや相棒を先に失ってしまったことで用途がほぼほぼ失われていた車両・グループです。


500番台の一部から400番台へ改番されたグループも存在します。波動用輸送用として「とかち」として使用されていた車両から一部が改造されました。同車について鉄道雑誌等でも改造内容があまり明らかにされていませんが、波動輸送用に伴い、出力適正化・パワーダウンを実施し、最高運転速度も110km/hに落とされているようです。
現在、キハ183系で運行する定期列車は、札幌・旭川~網走間の「オホーツク」・「大雪」のみです。2018年7月以降、最高運転速度が120km/h対応の車両に揃えられたことで、一時使用されていた400番台についてもそれ以降は営業運転に入らず、苗穂界隈で留置され続けています。
Youtubeなどを確認していると、昨今の「オホーツク」は、函館本線内で「ライラック」と同等の走りを披露しているようです。おそらく、120km/h運転を実施していると思われ、加減速時に「カムイ」や「ライラック」といった高速列車に差をつけられているといった印象です。それを考えると、110km/h対応車も2018年7月以降入らなくなったことにも納得がいきます。
苗穂界隈に留置されている車両の中には、1500番台といったこれらの理由に該当しない車両も一部含まれていますが、大半は110km/h対応車であったり、サービス用電源を供給する電源機関を搭載しない先頭車のため、もはや本来の役割として使用することができない不要の車両です。それらの車両を中心に今後解体が進められていくことになりそうです。
次回は今回とは異なるキハ183系の話題について紹介していきます。
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車体の解体がほぼ完了し、台車のみになっている車両も確認されます。長らく使用されていなかった「キハ183‐504」から解体が始まったようです。

昨年撮影していました。写真の車両です。キハ183系500番台の先頭車で、1500番台などよりも乗降口の位置が異なるのが特徴です。
同車はN183系に部類される車両です。既存の0番台の車両を有効活用したうえで製造されたのが同車です。登場直前の頃、道内では特急列車の短編成化が進み、中間車でサービス電源用の機関を備えるキハ184形0番台が余剰気味になっていました。同車を有効活用するため、同車とペアを組んで使用することを前提に製造されました。そのため500番台の先頭車は、先頭車でありながらサービス用電源機関を搭載しない唯一の車両になります。それと引き換えに、トイレ・洗面所を設置し、大出力エンジンも合わせて搭載しました。この大出力エンジンとは、「北斗」として高速化に貢献した同型のエンジンであり、後に一時的な使用休止を余儀なくされるエンジンです。
キハ183系の編成を組む際のルールを説明しましょう。
まずは、編成全体のサービス用電源を確保できるよう編成を組まなければなりません。サービス用電源がなければ、車内における冷暖房機器、照明などが機能しなくなります。このサービス用電源を搭載している車両が先頭車だったり、既に全廃しているキハ184形0番台だったりします。1両あたり最大4両分の給電能力を有する電源機関を搭載しています。
後にサービス用電源を供給できる中間車の相棒を老朽化によって先に失ったことで先頭車でありながら、先頭車として使用することが難しい状況に追い込まれました。電源機関を搭載する先頭車を連結すれば良い話ですが、キハ283系のように先頭車を多く製造しているわけではなく、数年前まで先頭車が不足する事態に陥っていた苗穂車にとって、もはや3両編成や2両編成で本線を走行する札幌運転所(札サウ)への車輪研削作業を行うための回送列車ぐらいでしか使用されなくなり、たとえ営業列車として使用されても、指定席の増結用として中間車としての使用に限定されました。もはや相棒を先に失ってしまったことで用途がほぼほぼ失われていた車両・グループです。


500番台の一部から400番台へ改番されたグループも存在します。波動用輸送用として「とかち」として使用されていた車両から一部が改造されました。同車について鉄道雑誌等でも改造内容があまり明らかにされていませんが、波動輸送用に伴い、出力適正化・パワーダウンを実施し、最高運転速度も110km/hに落とされているようです。
現在、キハ183系で運行する定期列車は、札幌・旭川~網走間の「オホーツク」・「大雪」のみです。2018年7月以降、最高運転速度が120km/h対応の車両に揃えられたことで、一時使用されていた400番台についてもそれ以降は営業運転に入らず、苗穂界隈で留置され続けています。
Youtubeなどを確認していると、昨今の「オホーツク」は、函館本線内で「ライラック」と同等の走りを披露しているようです。おそらく、120km/h運転を実施していると思われ、加減速時に「カムイ」や「ライラック」といった高速列車に差をつけられているといった印象です。それを考えると、110km/h対応車も2018年7月以降入らなくなったことにも納得がいきます。
苗穂界隈に留置されている車両の中には、1500番台といったこれらの理由に該当しない車両も一部含まれていますが、大半は110km/h対応車であったり、サービス用電源を供給する電源機関を搭載しない先頭車のため、もはや本来の役割として使用することができない不要の車両です。それらの車両を中心に今後解体が進められていくことになりそうです。
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