クリスタルエクスプレスの2階建車両、「キサロハ182-5101」が苗穂工場解体線へ
キハ183系 - 2020年05月17日 (日)
昨年9月に引退し、苗穂運転所(札ナホ)で留置されていた「キサロハ182-5101」が苗穂工場解体線へ移動しています。

今週はキハ283系のグリーン車を先に解体していたはずです。その台車も見えますね。
そしてその手前には「キサロハ182-5101」の姿がありました。週明けから解体作業に入ると思われます。
ときを同じくして、五稜郭車両所でも同車を除く3両が解体されているようです。ゴールデンウィーク期間中に最後の様子を確認しに行こうと計画していましたが、新型コロナウィルスの影響で行動を自粛したため、それも叶わず、、、。
Twitterなどでの掲載写真でその様子を確認するだけにしました。

ラストランを終えた後の昨年11月に「キサロハ182-5101」を除く3両が函館に輸送されました。同車だけ苗穂運転所(札ナホ)で冬を過ごし、先日苗穂工場に入場して週明けから解体されるスケジュールになると思われます。
長らく営業運転に入っていないキハ183系の400番台や1500番台の一部車両とともに留置されています。車両の解体は主に苗穂工場や釧路運輸車両所(釧クシ)で多く実施されていましたが、近年は五稜郭車両所でも多く実施されています。また同所では、キハ283系も送り込まれており、いずれクリスタルエクスプレスのように解体されると思われます。

クリスタルエクスプレスのラストランが告知されたのは昨年の8月9日でした。昨年の今頃はまだ同車が引退するとは誰も想定していなかったのです。
というのも、後継となるキハ261系5000番台が今年度から投入される予定であり、これと入れ替わる形で置き換えが予想されていましたから、置き換え時期としては今年度が有力視されていました。加えて、夏季には札幌~富良野間の「フラノラベンダーエクスプレス」の運行が控えており、2往復運転を維持するためには、リゾート気動車を少なくとも2本残す必要がありました。しかし実際は、キハ261系5000番台投入よりも前倒しして引退することになり、残るリゾート気動車はノースレインボーエクスプレスのみとなっていました。
クリスタルエクスプレスが引退してしまったことで今年度の夏季の「フラノラベンダーエクスプレス」の運行体系が気になっていましたが、新型コロナウィルスの影響によって、同列車も6月下旬まで運行取り止めとなりました。新型コロナウィルスの影響がなければどのような運行体系となっていたのか気になるところでしたが、コロナの影響で編成不足に悩まされず、救われた部分は少なからずあったと思います。


昨年の9月に富良野駅で撮影したクリスタルエクスプレスのラストランの写真です。昨年の運転をもって、30年の歴史に幕を下ろしました。
クリスタルエクスプレスは1989年に製造されました。2017年で引退したニセコエクスプレスと同様、苗穂工場で自社製造されたキハ183系によるリゾート気動車の第2弾であり、北海道のリゾート気動車では5番目に登場した車両です。正式名称は「クリスタルエクスプレス トマム&サホロ」であり、晩年のように、登場時は富良野方面での活躍を想定したものではなく、名前のとおり、登場当時急増していたトマム方面の団体・臨時列車用として製造された車両です。登場時は3両編成でしたが、翌1990年に2階建車両「キサロハ182-5101」を加えて4両編成となりました。引退までこの4両編成を維持しています。
富良野方面でメインに使用されていたフラノエクスプレスが引退し、その後富良野方面への臨時列車はクリスタルエクスプレスを中心に使用されてきました。正式名称に「トマム&サホロ」が入り、トマム方面へもかつて運行された特急「トマムサホロスキーエクスプレス」などで使用実績があり、道内各地で使用されましたが、圧倒的に富良野方面への乗り入れが多かった車両です。実質的なフラノエクスプレスの後継車両と言えるでしょう。
しかし、2階建車両が少人数・小旅行向けの特殊な設備であり、踏切事故の影響によって展望スペースの座席も撤去されました。一般の座席車として使用できるのは実質的には3両で、「キサロハ182-5101」を含まない3両での定員は128名です。これは仮に現役のキハ183系の一般車で編成を組んだ際の2両分にも満たない定員数です。
後者の安全確保の観点による座席の撤去は仕方ありませんが、登場当時の好景気時代の小旅行向けの設備では次第に対応できなくなり、晩年は専ら夏季の「フラノラベンダーエクスプレス」の運転のみで、それ以外の時期については、苗穂工場で遊休状態となっていました。「フラノラベンダーエクスプレス」で使用するために1編成を残しておいたようなものです。
車両を維持し続けるにも、少なからずお金がかかりますから、経営がひっ迫しているJR北海道にとって、同車を維持し続けることにもはや利点はありませんでした。ノースレインボーエクスプレスのように、定期列車の代走でも使用できれば少なからず維持し続ける理由がありますが、定員数が少ないうえに特殊な設備をもつクリスタルエクスプレスでは、結果的に代走にも使用できないため、晩年は単なるお荷物の存在だったのです。
登場から30年での引退となりましたが、波動用だったことや、晩年はほとんど稼働していなかったことを踏まえると、一般的な車齢30年の車両と比較すると、走行距離は少なかったはずです。特に晩年は使用する列車が限られていたので、少々勿体なかったというのが正直なところです。
先に引退したニセコエクスプレスのように保存の話もありませんでした。富良野方面でメインに使用されていたとはいえ、愛称に地名等がつかず、道内各地でオールマイティに活躍できる車両となれば、保存するにも活躍したエリアにおける特別な愛着がないため、保存しようにも難しいというのが現状ではないでしょうか?ノースレインボーエクスプレスにしても、クリスタルエクスプレス以上に道内を駆け巡っていますから、車両を保存するとなれば、生まれ故郷である苗穂を除いて難しいと管理者は思います。
話題が逸れ気味ですが、いずれにしても、苗穂工場の解体線にクリスタルエクスプレスの2階建車両だった「キサロハ182-5101」が入りました。週明けから解体されることが予想されます。
最後になりますが、同車の台車は「サハネ581-15」からの流用です。実は北海道では、国鉄分割民営化時にサハネ581形が7両を本州から継承されたようですが、老朽化と車両の使用・配置計画の見直しによって営業運転に就くことなく廃車となりました。車体はもう既にありませんが、一部の部品を活用してクリスタルエクスプレスの2階建車両に活用していました。
そうした廃車発生品を使用している点にも注目するのであれば、他の3両よりも「キサロハ182-5101」の方が注目すべき車両だと思います。同車の解体によって初代「スーパーとかち」にも使用されていたキサロハ182形は形式消滅することになりそうです。
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今週はキハ283系のグリーン車を先に解体していたはずです。その台車も見えますね。
そしてその手前には「キサロハ182-5101」の姿がありました。週明けから解体作業に入ると思われます。
ときを同じくして、五稜郭車両所でも同車を除く3両が解体されているようです。ゴールデンウィーク期間中に最後の様子を確認しに行こうと計画していましたが、新型コロナウィルスの影響で行動を自粛したため、それも叶わず、、、。
Twitterなどでの掲載写真でその様子を確認するだけにしました。

ラストランを終えた後の昨年11月に「キサロハ182-5101」を除く3両が函館に輸送されました。同車だけ苗穂運転所(札ナホ)で冬を過ごし、先日苗穂工場に入場して週明けから解体されるスケジュールになると思われます。
長らく営業運転に入っていないキハ183系の400番台や1500番台の一部車両とともに留置されています。車両の解体は主に苗穂工場や釧路運輸車両所(釧クシ)で多く実施されていましたが、近年は五稜郭車両所でも多く実施されています。また同所では、キハ283系も送り込まれており、いずれクリスタルエクスプレスのように解体されると思われます。

クリスタルエクスプレスのラストランが告知されたのは昨年の8月9日でした。昨年の今頃はまだ同車が引退するとは誰も想定していなかったのです。
というのも、後継となるキハ261系5000番台が今年度から投入される予定であり、これと入れ替わる形で置き換えが予想されていましたから、置き換え時期としては今年度が有力視されていました。加えて、夏季には札幌~富良野間の「フラノラベンダーエクスプレス」の運行が控えており、2往復運転を維持するためには、リゾート気動車を少なくとも2本残す必要がありました。しかし実際は、キハ261系5000番台投入よりも前倒しして引退することになり、残るリゾート気動車はノースレインボーエクスプレスのみとなっていました。
クリスタルエクスプレスが引退してしまったことで今年度の夏季の「フラノラベンダーエクスプレス」の運行体系が気になっていましたが、新型コロナウィルスの影響によって、同列車も6月下旬まで運行取り止めとなりました。新型コロナウィルスの影響がなければどのような運行体系となっていたのか気になるところでしたが、コロナの影響で編成不足に悩まされず、救われた部分は少なからずあったと思います。


昨年の9月に富良野駅で撮影したクリスタルエクスプレスのラストランの写真です。昨年の運転をもって、30年の歴史に幕を下ろしました。
クリスタルエクスプレスは1989年に製造されました。2017年で引退したニセコエクスプレスと同様、苗穂工場で自社製造されたキハ183系によるリゾート気動車の第2弾であり、北海道のリゾート気動車では5番目に登場した車両です。正式名称は「クリスタルエクスプレス トマム&サホロ」であり、晩年のように、登場時は富良野方面での活躍を想定したものではなく、名前のとおり、登場当時急増していたトマム方面の団体・臨時列車用として製造された車両です。登場時は3両編成でしたが、翌1990年に2階建車両「キサロハ182-5101」を加えて4両編成となりました。引退までこの4両編成を維持しています。
富良野方面でメインに使用されていたフラノエクスプレスが引退し、その後富良野方面への臨時列車はクリスタルエクスプレスを中心に使用されてきました。正式名称に「トマム&サホロ」が入り、トマム方面へもかつて運行された特急「トマムサホロスキーエクスプレス」などで使用実績があり、道内各地で使用されましたが、圧倒的に富良野方面への乗り入れが多かった車両です。実質的なフラノエクスプレスの後継車両と言えるでしょう。
しかし、2階建車両が少人数・小旅行向けの特殊な設備であり、踏切事故の影響によって展望スペースの座席も撤去されました。一般の座席車として使用できるのは実質的には3両で、「キサロハ182-5101」を含まない3両での定員は128名です。これは仮に現役のキハ183系の一般車で編成を組んだ際の2両分にも満たない定員数です。
後者の安全確保の観点による座席の撤去は仕方ありませんが、登場当時の好景気時代の小旅行向けの設備では次第に対応できなくなり、晩年は専ら夏季の「フラノラベンダーエクスプレス」の運転のみで、それ以外の時期については、苗穂工場で遊休状態となっていました。「フラノラベンダーエクスプレス」で使用するために1編成を残しておいたようなものです。
車両を維持し続けるにも、少なからずお金がかかりますから、経営がひっ迫しているJR北海道にとって、同車を維持し続けることにもはや利点はありませんでした。ノースレインボーエクスプレスのように、定期列車の代走でも使用できれば少なからず維持し続ける理由がありますが、定員数が少ないうえに特殊な設備をもつクリスタルエクスプレスでは、結果的に代走にも使用できないため、晩年は単なるお荷物の存在だったのです。
登場から30年での引退となりましたが、波動用だったことや、晩年はほとんど稼働していなかったことを踏まえると、一般的な車齢30年の車両と比較すると、走行距離は少なかったはずです。特に晩年は使用する列車が限られていたので、少々勿体なかったというのが正直なところです。
先に引退したニセコエクスプレスのように保存の話もありませんでした。富良野方面でメインに使用されていたとはいえ、愛称に地名等がつかず、道内各地でオールマイティに活躍できる車両となれば、保存するにも活躍したエリアにおける特別な愛着がないため、保存しようにも難しいというのが現状ではないでしょうか?ノースレインボーエクスプレスにしても、クリスタルエクスプレス以上に道内を駆け巡っていますから、車両を保存するとなれば、生まれ故郷である苗穂を除いて難しいと管理者は思います。
話題が逸れ気味ですが、いずれにしても、苗穂工場の解体線にクリスタルエクスプレスの2階建車両だった「キサロハ182-5101」が入りました。週明けから解体されることが予想されます。
最後になりますが、同車の台車は「サハネ581-15」からの流用です。実は北海道では、国鉄分割民営化時にサハネ581形が7両を本州から継承されたようですが、老朽化と車両の使用・配置計画の見直しによって営業運転に就くことなく廃車となりました。車体はもう既にありませんが、一部の部品を活用してクリスタルエクスプレスの2階建車両に活用していました。
そうした廃車発生品を使用している点にも注目するのであれば、他の3両よりも「キサロハ182-5101」の方が注目すべき車両だと思います。同車の解体によって初代「スーパーとかち」にも使用されていたキサロハ182形は形式消滅することになりそうです。
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