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北海道の鉄道の内容を中心に自身の知識も含めながらブログの記事を日々更新しています。札幌市在住のため、主に札幌圏を走行する列車についての話題です。

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【コラム】9年前の大事故を忘れてはならない

正式には2日経過してしまいましたが、9年前のあの事故を忘れてはなりません。







「石勝線列車脱線火災事故」ですよね。

9年前の5月27日21時55分頃に、特急「スーパーおおぞら14号」が石勝線の新夕張~占冠間の清風山信号場付近を走行中に脱線し、第1ニニウトンネル内に停止後、列車から火災が発生しました。

乗務員は避難誘導ができず、利用客自身でドアを開けて降車し、徒歩でトンネル内から脱出しました。この事故によって、死者こそ出さなかったものの、利用客78名と乗務員1名が負傷されました。

原因として、JR北海道では次のように説明しています。

【車輪の表面が急ブレーキ等により部分的に摩耗し、円形形状が不整となったため、振動により4両目の減速機を支える吊りピンが脱落。これにより4両目の減速機と推進軸が脱落し後部台車2軸が脱落、脱落した減速機の「かさ歯車」が衝撃したことにより、6両目の燃料タンクが破損。漏れ出した経由が飛散し、発電機付近で出火したものと考えられます。】

この大事故をきっかけに、事故後の対策として、現地の判断を最優先とする「緊急時のお客様避難誘導マニュアル」の策定や、トンネル設備の改善、車両に避難はしごや懐中電灯を設置しています。

そのほか、さまざまな検査基準の見直しや、車両メンテナンスに必要な時間を十分に確保すべく、減速運転による車両への負荷軽減や、減便による予備車両確保に努めています。

また、避難誘導訓練も実施しており、教育や訓練の充実を図っています。


この脱線火災事故こそ、昨今のJR北海道につながる初めの出来事でした。これ以降、車両トラブルが相次いだり、軌道検査データの改ざんなどの不祥事にも見舞われるようになります。これらの問題を1つ1つ解決していく一方で、次は経営がひっ迫し、これまで後回しにされてきたローカル輸送を中心とした経営改善に踏み切ることになります。

事故後に廃止された路線は、江差線の木古内~江差間、留萌本線の留萌~増毛間、夕張支線の新夕張~夕張間、そして先日廃止された札沼線の北海道医療大学~新十津川間です。江差線については、五稜郭~木古内間の第三セクター化によって孤立するという車両繰り等の理由もありますが、不採算路線であったことは変わりませんでした。

そして、来年3月のダイヤ改正では、不採算路線の存廃については見送られるものの、極端に利用の少ない旅客駅を廃止する方針で調整しています。国鉄時代、旧旭川鉄道管理局(現在のJR北海道旭川支社)の下で設けられた仮乗降場の数が道内でも圧倒的に多く、その多くが国鉄分割民営化とともに正式に旅客駅へと昇格しています。営業キロを正式に設けることで正式な運賃計算が可能になることや、時刻表への記載がされることが主な理由だと思います。

元々駅を設けるほどの利用はないが、無視できないエリアに設置された仮乗降場ですから、設置から長い年月が設置した昨今では、周囲の人口がゼロになり、当然使用されていない駅も出てきました。来年3月のダイヤ改正ではついにそこにメスが入ります。

たとえ利用がない駅でも、存続しているだけでお金がかかります。北海道の場合だと、極端な例で除雪費用です。特に旧旭川鉄道管理局管内となると、豪雪地帯になりますから、除雪作業は必須となります。そこに人手が少なからずかかりますから、たとえ1両程度のホームしかない簡素な駅でも構造や設置場所によって年間数十万円の除雪費用がかかります。駅単体でみれば、利用者がほぼゼロで、除雪費用がかかりますから、単純に赤字という計算です。

これらの駅を廃止しただけでも、大幅なコスト削減につながりますから、今回はココにメスが入り、後回しにされていたローカル輸送がさらに改善されていきます。

昨今の新型コロナウィルスのJR北海道の対応について、皆さんはどのような印象・見解を持ちましたか?管理者としては、さまざまな公共交通の中でもいち早く対応していたと思います。こうした緊急時における対応の迅速さについては、これまで幾度となく発生してきた緊急時における実際の現場での経験やその積み重ねが反映されていたと思います。決して今回だけではありません。車両不具合の際も遅延を最小限に抑えたり、別の車両を手配して折り返しとなる列車への影響等を少なくしています。

やはり、石勝線の脱線火災事故をきっかけに、安全運行という重要な基盤とともに、緊急時において迅速に対応できるようになりました。そして、それが教育・訓練という形で若手へと受け継がれていきます。この効果はすぐに出るわけではありませんが、例えば、その教育・訓練を受けた若手社員が後々会社を引っ張っていく存在になった際、どんな状況下でも対応できるJR北海道になっている可能性だってあるのです。

事故が起きてよかったわけではありませんが、事故をきっかけにより良い方向へ向かっていることは事実です。まだまだ長い年月がかかりそうですが、その効果は後々大きく評価されることは言うまでもありません。



火災事故で焼失したキハ283系の6両編成は、車体を切断したうえで現地からトラックで運ばれたことを耳にしていますが、一部車両は今も残されています。あくまでカットボディですが、JR函館本線の稲穂駅前に新たに設けられた社員研修センター内に「安全研修館」を設置しています。

一連の事故・事象・事業改善命令・監督命令を受けた会社の現状を振り返るとともに、安全についての考え方を理解し、安全意識及びコンプライアンス意識を醸成することを目的とした第Ⅱ期安全研修のために設置された施設です。

事故に関連する実物の展示をはじめ、大型グラフィック、事故当時の新聞記事、事故を経験した社員・関係者が語る体験談により、事故当時の状況、事故・事象の重大さについて身をもって体得してもらう施設となっています。

安全意識を継続して高め、安全風土を構築するとともに、鉄道人として鉄路を守る「仕事への誇り」・「使命感」を培うことができる安全研修施設を目指しているようです。


石勝線列車脱線火災事故は、JR北海道が変わるきっかけになった最初の出来事として、忘れてはならない出来事です。事故発生から長い年月が経過しましたが、こうして度々取り上げることで、改めて考えさせられることはたくさんあります。昨今は新型コロナウィルスの影響で大きく利用が落ち込んでいますが、JR北海道は事故発生から9年もの間、何度も危機的状況を乗り越えてきました。今回のコロナウィルスに関しても、必ずや乗り越えてくれるものと期待しています。











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コメント
9470:火災リスクの再認識を by シニアパートナー on 2020/05/29 at 16:24:11 (コメント編集)

石勝線脱線・火災事故はJR北海道にとって大きな宿題を投げかけた事故だったと思います。

小生も以前に運輸安全委員会の鉄道事故調査報告書(2013.5.31公表)を読みましたが、視点は大きく3つに分けられるように思います。
① 車輪踏面の形状不全により振動が発生、逆転機の脱落により脱線に至った。
② 脱線時若しくは機器脱落時に、一部部品が燃料タンクに損傷を与え、燃料漏れにより火災に至った可能性が高い。
③ 列車乗務員による事故発生の迅速な把握と乗客に対する避難誘導が十分ではなかった。

①は振動による機器の脱落という点で、気動車だけではなく全ての鉄道車両に当てはまり、全国の鉄道事業者に対して水平展開が必要な事例です。
②は燃料タンクを持つ気動車、機関車、電源車に当てはまる事象です。可燃物(軽油)を自載しているという点において、他の鉄道車両に比べて火災リスクの高さが際立ちます。
③は列車事故の際に、乗客の安全を最優先に自己の安全確保も含めどのような措置を講ずるべきか、十分な教育訓練を行う必要があります。

JR北海道の特性として、②の事象は常に事故の可能性があることを認識するべきです。JR北海道が保有する鉄道車両のうち8割以上は気動車であり、内燃機関という着火点と燃料を至近距離で自載配置しているリスクを再認識し、火災事故に対する教育訓練は徹底して行う必要があると考えています。

石勝線事故では、トンネル内に停止してしまったことも事故を大きくした要因で、死亡者が出なかったことは不幸中の幸いです。トンネル内火災は「急行きたぐに」の列車火災事故のように大惨事を招きます。運転士は『列車をトンネル外に出そうとしたが、動かなかった』と事故調査官に話しています。

JR北海道にとっては、軌道不良による脱線事故もあり、大きな鉄道事故対策を推進している最中です。安全確保に早道はありません。地道で継続的な活動と教育訓練が安全レベルを引き上げていくことにつながると思います。

9471: by hn on 2020/05/29 at 23:40:20

JR北海道だけでなく、北海道自体が災害に強い地域だと思います。胆振大地震で関心したのは被害が千歳と清田区辺りに集中していて、震源地の厚真町の隣の夕張市に関しては地盤が岩盤地質なのか被害がほぼなかったことです。

東京都、埼玉、群馬、神奈川県の一部だと地質が脆い関東平野に位置しているので、あれ位の大きさの揺れだと下敷きで逝く、あの地域は食糧自給もままならないので生き残った人の中でも餓死者はでます。

今日、岩見沢に行ってきたのですが、移住したくなるようないい街なのでオワコン都市東京から移住者を募るべきかと思います。

そうすれば通勤利用客も増えJR北海道も自立にもつながりますね。

最近のJR北海道ってJR東日本 北海道支社という感じもしなくもないです。
今日、岩見沢駅を行き来する列車たちを見て思ったのが羽越線の村上駅のような感じになったことです。

17年前ぐらいはスピーディーな785系スーパーホワイトアローと781系ライラックが札幌と旭川方面から30分おきに来ていたので忙しい印象でした。夜行オホーツクも停まっていたのでけっこう賑わっていた印象です。

あれから17年後の2020年、観光客向けキャラクターシールの貼り付けてある緑色の特急列車とシルバー色のスーパーホワイトアローもどき❓の特急列車が1時間おきにくるんですが、前と比べると結構ローカルでのんびりな感じになったなという印象です。

これが羽越線の新発田駅や村上駅に似通ってきてるんですよね。岩見沢も村上、新発田もベッドタウンの要素が強いので、朝は特急も普通列車も通勤客、ビジネス客で大忙し。
昼間は閑散。ライラックやライラック動物園号がきらきら羽越号だとしたら、宗谷とカムイはE653運用のいなほみたいなものかな?

前みたいな活気を取り戻すには東京や関西からの移住者が鍵を握ってますね。
農業雇用とかいいかもしれません。
IT活用の農業とか海外から大きな注目を集めている日本式自然栽培とか。

災害に強い北海道は発展間違いなしです。

9472:大事故を経て by トリプルセブン on 2020/05/30 at 23:46:56

 鉄道に限らず何事も、きっかけになる大きな出来事がないとそのものは大きく変わることはありません。
 私は飛行機も好きなのですが、航空業界でも、今までに多くの墜落や不時着等の大事故が起きてきたからこそ、今日の安全があるのです。大事故をきっかけとして、安全に関わる様々なことが変わってきました。「犠牲が出てからでは遅い」とよく言いますが、犠牲が出ないと何も変わらないのがこの世の中なのです。
 このような大事故を経験したJR北海道は、そういった意味で言えば、転機を迎えることができた幸運な立場であると思います(もちろん、負傷者を出してしまったことは良いことではありませんが)。今後、この事故を教訓として、何事にも迅速で適切な対応ができる会社に成長していってもらいたいと心から願うばかりです。

9475: by 管理人 on 2020/05/31 at 01:41:19

>>「シニアパートナー」さん、コメントありがとうございます。

この事故は、北海道のみならず、全国の鉄道会社へのメッセージでもあったと思います。

過度な高速化は安全を欠如させ、大参事を招くということです。北海道の場合は整備が不十分だったり、人が足りなかったり、気象条件が厳しかったりとさまざまな条件が加味されました。それでも、車両を酷使し過ぎると大参事になることが改めてわかった鉄道事故でもありました。

9年が経過しましたが、結局脱落した一部の部品が未だ見つかっておらず、調査もあくまで予想の部分もあり、完全な原因究明に至っていなかったと思います。

これが電車だったら、被害も最小限に済んだと思いますが、当該事故は気動車であり、後々燃料に引火しました。そして運が悪く、トンネル内で停止してしまいましたから、これらが事故を大きくしてしまいました。

日本全国でも気動車はたくさん走っていますが、今回のようなリスクを考慮するのであれば、特に同じように使用されている西日本や四国の特急気動車については、当該事故の調査結果を踏まえ、より一層の安全対策や車両メンテナンスを十分に実施する必要があると思っています。

事故から9年が経過しました。安全対策を実施している最中ですが、ようやく一部で成果が出てきたという印象です。これからもより一層力を入れ、北海道で大きな鉄道事故がなくなり、全国の鉄道会社のモデルケースになってくれることを期待したいです。

9476: by 管理人 on 2020/05/31 at 02:16:04

>>「hn」さん、コメントありがとうございます。

一年を通じて気象条件が厳しく、自然災害が多々あるのが北海道です。多少の被害程度なら自分たちで何とかしますよ。

苫小牧の人間には感心しました。胆振東部地震では、電気が使えず、特にIHを使用している家庭では調理そのものができません。冷蔵庫も電気を使いますから稼働しません。そのような状況の中でも、バーベキューをやって冷蔵庫の食べ物を消化したり、米も炊くことができるようになりますから、そうしてしのいだ家庭が多くあったそうです。管理者も誘われたんですが、さすがに行けませんでしたよ。

そのような状況下でもポジティブに何でもこなせるのが苫小牧のいいところだと思います。

北海道で人口を増やすには、ニセコ方面のように、外国人の移住か本州からの移住者を求めるしかありません。やはり農業での発展が好ましいですが、実際は厳しく、辞めていく方も多いと聞きます。

夕張市も財政再建団体として、数年前から道外から夕張を再生すべくやってくるそうですが、想像以上の過酷さで去っていく人間がほとんどだったと聞きます。一時的に増えるそうですが、結果的に長続きしません。このあたりを改善していかなければいけませんね。

管理者の知り合いで名古屋から小樽へ2年前に移住した方がいます。会社経営者の方で定年退職を機に、北海道に移住してきました。食べ物が美味しいことや、大自然溢れる北海道に魅力を持っていたようです。小樽ではその欲が足りず、今年から美瑛町に移住しました。北海道でも特に自然溢れる地域で、街並みも一部地域で電柱がなかったりと、景観も素晴らしい地域です。そのようにあえて北海道に移住してくる方もおられます。

そのような暮らしができる方は、第一線を退いてお金のことをあまり考えずに生活できる方に限られますが、そのような方法で人口を増やしていく方法もありだと思います。しかし、高齢者を増やしただけでは、医療や福祉が追いつかなくなる可能性がありますから、それはそれで課題もありますね。

札幌圏や札幌~旭川、札幌~室蘭は、特急の本数が少なくなった区間もありますが、普通列車は以前よりも充実し、利便性は向上したと思います。確かに、東日本感が少し出ているかもしれませんが、それは日中の一部の時間帯だけだと思います。午後以降は前者はほぼ30分ずつ特急が走っているので、時間帯と場所によっては列車が頻繁に行き来しますよ。

コロナ後は減便によって閑散とする時間帯が増えるかもしれません。社会全体が大きく変わることは間違いありませんから、これを機に、北海道の魅力を再認識していただければいいんですけどね。

返信内容がごちゃごちゃになってしまい、申し訳ありません、、、。

9477: by 管理人 on 2020/05/31 at 02:25:05

>>「トリプルセブン」さん、コメントありがとうございます。

物事何でもそうですよね。過去に何らかの失敗があり、中には多数の犠牲もありました。その反省を生かし、我々は安全で豊かな生活を送ることができています。

飛行機も管理者が知る限りでは、ハイジャック対策等、特に機内における防犯という点では、最新の設備やルールに日々更新されていると思います。飛行機に乗る機会が少ない管理者にとっては、いつの間にかルールが変わっていたりするので驚くことが多いです。

JR北海道では、過去に大きな事故や不祥事を起こしたことをきっかけに、さまざまな見直しや改善が実施されました。今は安全を第一にコロナの対応の際も迅速な対応が際立ちました。いつかは鉄道会社のモデルケース的存在になってくれることを期待します。

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