#キハ261系の日
キハ261系 - 2020年06月01日 (月)
Twitterで面白い内容があったので、せっかくなので当ブログでも取り上げてみましょうか。
令和2年6月1日ということで、今日はキハ261系の日らしいです。別にキハ261系である必要はないんですけどね。東日本でも「サフィール踊り子」で運行している車両も261系です。正確にはE261系ですよね。
北海道の鉄道関連ブログなので、もちろんキハ261系を取り上げていきましょう。令和2年6月1日のような、元号が変わらない限り実現しない日は管理者の生きている限りあと1回とかしかないでしょう。



キハ261系は、北海道の特急気動車のスタンダードになりつつあります。元々はそのような目的で製造されたわけではありませんでした。
日本国土は狭く、鉄道路線においても、外国のように長いストレート区間を有するだけの路線は少ないです。なので、列車を高速化させるためには、カーブでの速度向上も課題でした。
振り子式車両が登場するまで、鉄道車両は「カント」と呼ばれるレールの曲線部における内外において高低差を設けることで、ある程度の遠心力を打ち消したり、一定の乗り心地を保ってきました。しかし、列車が次第に高速化していくとカーブを高速で通過するためにカントだけでは対応し切れなくなっていきます。
そこで381系を皮切りに、全国規模で振り子式車両が登場していくわけですが、保守費用がかかり、部品数も多いことから、2000年代初頭の時点で敬遠されていくようになります。そこで、保守費用低減を図りながら、振り子式車両と同等の高速性能を有する車両が検討されました。北海道では、まず最初にキハ201系から始まり、その技術を特急車両に応用したのがキハ261系になります。
車体の傾斜角度はそれまで製造されていたキハ283系に比べて1/3程度の2°までになってしまいましたが、初めに投入された0番台では、比較的直線区間が多かったことから、電車に負けない性能を手に入れるため、一部車両を除いて460psの直噴ターボエンジンを各車に2基搭載しました。変速機の多段化の効果もあり、加速力では電車に負けない性能を手に入れました。
0番台については当初、札幌~旭川間で785系との併結運転を視野に入れられたほどで、その性能の高さがお分かりいただけると思います。
従来の振り子式車両からの利点は、北海道の場合は線区や路線を選ばずに一定の高速化が可能になることです。性能的には、従来の振り子式がリンク式自己操舵台車等の採用もあり、引き続き有利な状況でしたが、振り子式車両のように方面別に専用設備を有することなく、線区や路線を選ばずに一定の高速化ができるという点では、幅広く使用可能なことを意味します。
2007年10月には、キハ183系の一部を置き換えるために1000番台を製造します。苗穂工場においてノックダウン生産方式で製造されました。
車両の鋼体をメーカーから購入し、それ以外の組み立て作業を苗穂工場で実施する方式です。それ以前にも721系やキハ283系の一部車両でも実施していたと記憶しています。この生産方式を採用することで苗穂工場の技術力の向上を図るねらいがありました。1000番台の3次車までこの生産方式が採用されましたが、前回の記事でお伝えした石勝線列車脱線火災事故によって焼失したキハ283系の代替で製造された1000番台の4次車から川崎重工業での一括生産に切り替えられ、現在もそれが続いています。
キハ261系の増備と並行して、次世代特急気動車の開発も進めていました。それが後のキハ285系となり、札幌~函館間をキハ281系の最速達列車よりも約20分早い、2時間40分程度で結ぶ計画がありました。振り子式車両は次世代特急気動車で置き換え、「北斗」などのキハ183系はキハ261系に置き換えるといった構想もありましたね。
結果的に次世代特急気動車の開発は中止され、試作車も廃車・解体されました。JR北海道では老朽・劣化したキハ183系などが取り残された中での廃車でした。そして、老朽・劣化した車両の代替は、実績のあるキハ261系で置き換えていく方針に変わりました。
2015年度から増備車が次々と登場するわけですが、最初は北海道新幹線開業による本数増発のための増備で終わり、翌年からキハ183系の置き換えがスタートしていきました。現在は120両以上にもなり、長らく、北海道の特急気動車のスタンダードとして活躍してきたキハ183系よりも両数で上回りました。今年の3月のダイヤ改正では、釧路方面での営業運転も開始し、これによって道内で投入されていないのは網走方面のみとなりました。
今年度は臨時・代走用の5000番台が製造されるため、1000番台の増備数は少なくなりますが、来年度以降も引き続き増備し、既存の特急気動車を全て置き換える計画です。
現在製造している番台区分ではありませんが、20年前からキハ261系は存在し、未だに増備され続けています。日本の鉄道車両において、こうした鉄道車両もまた珍しいでしょう。現在製造し続けている1000番台も初期車の営業運転開始から今年で13年が経過します。
その間に機器類のブラッシュアップやグレードアップ指定席の投入拡大など、改善点が随所にみられます。0番台の営業運転開始から20年、1000番台の営業運転開始から13年がそれぞれ経過し、最新の車両でありながらベテランの域にも達している車両です。昨今のように車体傾斜装置が搭載されなくなり、120km/h化されても、ハイパワーなエンジン音やターボサウンドで我々を魅了し続けることでしょう。
↓ブログランキングにご協力お願いします↓

にほんブログ村

人気ブログランキング
令和2年6月1日ということで、今日はキハ261系の日らしいです。別にキハ261系である必要はないんですけどね。東日本でも「サフィール踊り子」で運行している車両も261系です。正確にはE261系ですよね。
北海道の鉄道関連ブログなので、もちろんキハ261系を取り上げていきましょう。令和2年6月1日のような、元号が変わらない限り実現しない日は管理者の生きている限りあと1回とかしかないでしょう。



キハ261系は、北海道の特急気動車のスタンダードになりつつあります。元々はそのような目的で製造されたわけではありませんでした。
日本国土は狭く、鉄道路線においても、外国のように長いストレート区間を有するだけの路線は少ないです。なので、列車を高速化させるためには、カーブでの速度向上も課題でした。
振り子式車両が登場するまで、鉄道車両は「カント」と呼ばれるレールの曲線部における内外において高低差を設けることで、ある程度の遠心力を打ち消したり、一定の乗り心地を保ってきました。しかし、列車が次第に高速化していくとカーブを高速で通過するためにカントだけでは対応し切れなくなっていきます。
そこで381系を皮切りに、全国規模で振り子式車両が登場していくわけですが、保守費用がかかり、部品数も多いことから、2000年代初頭の時点で敬遠されていくようになります。そこで、保守費用低減を図りながら、振り子式車両と同等の高速性能を有する車両が検討されました。北海道では、まず最初にキハ201系から始まり、その技術を特急車両に応用したのがキハ261系になります。
車体の傾斜角度はそれまで製造されていたキハ283系に比べて1/3程度の2°までになってしまいましたが、初めに投入された0番台では、比較的直線区間が多かったことから、電車に負けない性能を手に入れるため、一部車両を除いて460psの直噴ターボエンジンを各車に2基搭載しました。変速機の多段化の効果もあり、加速力では電車に負けない性能を手に入れました。
0番台については当初、札幌~旭川間で785系との併結運転を視野に入れられたほどで、その性能の高さがお分かりいただけると思います。
従来の振り子式車両からの利点は、北海道の場合は線区や路線を選ばずに一定の高速化が可能になることです。性能的には、従来の振り子式がリンク式自己操舵台車等の採用もあり、引き続き有利な状況でしたが、振り子式車両のように方面別に専用設備を有することなく、線区や路線を選ばずに一定の高速化ができるという点では、幅広く使用可能なことを意味します。
2007年10月には、キハ183系の一部を置き換えるために1000番台を製造します。苗穂工場においてノックダウン生産方式で製造されました。
車両の鋼体をメーカーから購入し、それ以外の組み立て作業を苗穂工場で実施する方式です。それ以前にも721系やキハ283系の一部車両でも実施していたと記憶しています。この生産方式を採用することで苗穂工場の技術力の向上を図るねらいがありました。1000番台の3次車までこの生産方式が採用されましたが、前回の記事でお伝えした石勝線列車脱線火災事故によって焼失したキハ283系の代替で製造された1000番台の4次車から川崎重工業での一括生産に切り替えられ、現在もそれが続いています。
キハ261系の増備と並行して、次世代特急気動車の開発も進めていました。それが後のキハ285系となり、札幌~函館間をキハ281系の最速達列車よりも約20分早い、2時間40分程度で結ぶ計画がありました。振り子式車両は次世代特急気動車で置き換え、「北斗」などのキハ183系はキハ261系に置き換えるといった構想もありましたね。
結果的に次世代特急気動車の開発は中止され、試作車も廃車・解体されました。JR北海道では老朽・劣化したキハ183系などが取り残された中での廃車でした。そして、老朽・劣化した車両の代替は、実績のあるキハ261系で置き換えていく方針に変わりました。
2015年度から増備車が次々と登場するわけですが、最初は北海道新幹線開業による本数増発のための増備で終わり、翌年からキハ183系の置き換えがスタートしていきました。現在は120両以上にもなり、長らく、北海道の特急気動車のスタンダードとして活躍してきたキハ183系よりも両数で上回りました。今年の3月のダイヤ改正では、釧路方面での営業運転も開始し、これによって道内で投入されていないのは網走方面のみとなりました。
今年度は臨時・代走用の5000番台が製造されるため、1000番台の増備数は少なくなりますが、来年度以降も引き続き増備し、既存の特急気動車を全て置き換える計画です。
現在製造している番台区分ではありませんが、20年前からキハ261系は存在し、未だに増備され続けています。日本の鉄道車両において、こうした鉄道車両もまた珍しいでしょう。現在製造し続けている1000番台も初期車の営業運転開始から今年で13年が経過します。
その間に機器類のブラッシュアップやグレードアップ指定席の投入拡大など、改善点が随所にみられます。0番台の営業運転開始から20年、1000番台の営業運転開始から13年がそれぞれ経過し、最新の車両でありながらベテランの域にも達している車両です。昨今のように車体傾斜装置が搭載されなくなり、120km/h化されても、ハイパワーなエンジン音やターボサウンドで我々を魅了し続けることでしょう。
↓ブログランキングにご協力お願いします↓

にほんブログ村

人気ブログランキング

- 関連記事
-
-
函館本線の岩見沢方面でキハ261系1000番台の試運転を実施 2020/06/12
-
#キハ261系の日 2020/06/01
-
キハ261系が営業運転開始から20年 2020/03/22
-