最後のとかち色先頭車「キハ183-406」が解体へ
キハ183系 - 2020年07月30日 (木)
苗穂界隈では・・・

場所は移動しつつ、長らくこのようにしてキハ183系が留置されていたわけですが、その中でも貴重な・・・


N183系以降の車両で唯一とかち色だった「キハ183-406」の解体が始まったようです。
先週末の時点では、苗穂工場の解体線で解体待ちでした。


解体線に入るまでは、苗穂工場敷地内でしばらく留置されていましたよ。

2018年7月から「オホーツク」・「大雪」で編成変更を実施し、現在の編成になりました。同じキハ183系ですが、原則N183系以降の車両で組成されるようになり、これを機に・・・

「キハ183-406」は営業運転から離脱し、苗穂運転所(札ナホ)敷地内で長らく留置されるようになります。ヘッドマークはずっと「大雪」を表示し続けていました。


同車の晩年は、営業列車は「オホーツク」・「大雪」の指定席の増結車両として中間に組み込まれる程度で、使用頻度は決して高いものではありませんでした。先頭車でありながら、先頭車として使用されず、苗穂運転所(札ナホ)と札幌運転所(札サウ)を行き来するフライス回送列車ぐらいでしか先頭車として使用されることはありませんでした。
同車はN183系に部類される車両です。改番前は500番台でした。既存の0番台の車両を有効活用したうえで製造されたのが同車です。登場直前の頃、道内では特急列車の短編成化が進み、中間車でサービス電源用の機関を備えるキハ184形0番台が余剰気味になっていました。同車を有効活用するため、同車とペアを組んで使用することを前提に製造されました。そのため500番台の先頭車は、先頭車でありながらサービス用電源機関を搭載しない唯一の車両になります。それと引き換えに、トイレ・洗面所を設置し、大出力エンジンも合わせて搭載しました。この大出力エンジンとは、「北斗」として高速化に貢献した同型のエンジンであり、後に一時的な使用休止を余儀なくされました。
キハ183系の編成を組む際のルールを説明しましょう。
まずは、編成全体のサービス用電源を確保できるよう編成を組まなければなりません。サービス用電源がなければ、車内における冷暖房機器、照明などが機能しなくなります。このサービス用電源を搭載している車両が先頭車だったり、既に全廃しているキハ184形0番台だったりします。1両あたり最大4両分の給電能力を有する電源機関を搭載しています。
後にこのサービス用電源を供給できる中間車の相棒を老朽化によって先に失います。よって、先頭車でありながら、先頭車として使用することが難しい状況に追い込まれました。電源機関を搭載する先頭車を連結すれば良い話ですが、キハ283系のように先頭車を多く製造しているわけではなく、数年前まで先頭車が不足する事態に陥っていた苗穂車にとって、もはや3両編成や2両編成で本線を走行する札幌運転所(札サウ)への車輪研削作業を行うための回送列車ぐらいでしか使用されなくなり、たとえ営業列車として使用されても、指定席の増結用として中間車としての使用に限定されました。もはや相棒を先に失ってしまったことで用途がほぼほぼ失われていた車両です。
そして、500番台の一部から400番台へ改番されたグループも存在します。波動用輸送用として「とかち」が全スーパー化され、同列車として使用されていた車両から一部が改造されました。同車について鉄道雑誌等でも改造内容があまり明らかにされていませんが、波動輸送用に伴い、出力適正化・パワーダウンを実施し、最高運転速度も110km/hに落とされているようです。
現在、キハ183系で運行する定期列車は、札幌・旭川~網走間の「オホーツク」・「大雪」のみです。2018年7月以降、最高運転速度が120km/h対応の車両に揃えられたことで、一時使用されていた400番台についてもそれ以降は営業運転に入らず、苗穂界隈で留置され続けています。そして、一部の車両から解体が始まっている状況です。
苗穂界隈に留置されている車両の中には、1500番台といったこれらの理由に該当しない車両も一部含まれていますが、大半は110km/h対応車であったり、サービス用電源を供給する電源機関を搭載しない先頭車のため、もはや本来の役割として使用することができない不要の車両です。それらの車両を中心に今後解体が引き続き進められていくことになりそうです。

とかち色車は中間車でも現存します。こちらも昨今は営業運転に入ることはなくなっているようですが、「キハ182-512」が唯一残っています。元々は特急「サロベツ」の増結用車両として重宝し、北海道新幹線開業を機に、1年ほど函館運輸所(函ハコ)に転籍。そして、再び苗穂に戻ってきて「オホーツク」・「大雪」に使用されていました。稀に臨時列車として使用されるおともありましたが、昨今は営業運転に入っておらず、お役御免になった可能性も否定できません。
今回紹介している「キハ183-406」をもって、とかち色の先頭車が消滅するとともに、「キハ182-512」も解体されれば、完全にとかち色車は過去のものとなります。また1つキハ183系から面白い車両が消滅し、編成を楽しむことができなくなるようですね。
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場所は移動しつつ、長らくこのようにしてキハ183系が留置されていたわけですが、その中でも貴重な・・・


N183系以降の車両で唯一とかち色だった「キハ183-406」の解体が始まったようです。
先週末の時点では、苗穂工場の解体線で解体待ちでした。


解体線に入るまでは、苗穂工場敷地内でしばらく留置されていましたよ。

2018年7月から「オホーツク」・「大雪」で編成変更を実施し、現在の編成になりました。同じキハ183系ですが、原則N183系以降の車両で組成されるようになり、これを機に・・・

「キハ183-406」は営業運転から離脱し、苗穂運転所(札ナホ)敷地内で長らく留置されるようになります。ヘッドマークはずっと「大雪」を表示し続けていました。


同車の晩年は、営業列車は「オホーツク」・「大雪」の指定席の増結車両として中間に組み込まれる程度で、使用頻度は決して高いものではありませんでした。先頭車でありながら、先頭車として使用されず、苗穂運転所(札ナホ)と札幌運転所(札サウ)を行き来するフライス回送列車ぐらいでしか先頭車として使用されることはありませんでした。
同車はN183系に部類される車両です。改番前は500番台でした。既存の0番台の車両を有効活用したうえで製造されたのが同車です。登場直前の頃、道内では特急列車の短編成化が進み、中間車でサービス電源用の機関を備えるキハ184形0番台が余剰気味になっていました。同車を有効活用するため、同車とペアを組んで使用することを前提に製造されました。そのため500番台の先頭車は、先頭車でありながらサービス用電源機関を搭載しない唯一の車両になります。それと引き換えに、トイレ・洗面所を設置し、大出力エンジンも合わせて搭載しました。この大出力エンジンとは、「北斗」として高速化に貢献した同型のエンジンであり、後に一時的な使用休止を余儀なくされました。
キハ183系の編成を組む際のルールを説明しましょう。
まずは、編成全体のサービス用電源を確保できるよう編成を組まなければなりません。サービス用電源がなければ、車内における冷暖房機器、照明などが機能しなくなります。このサービス用電源を搭載している車両が先頭車だったり、既に全廃しているキハ184形0番台だったりします。1両あたり最大4両分の給電能力を有する電源機関を搭載しています。
後にこのサービス用電源を供給できる中間車の相棒を老朽化によって先に失います。よって、先頭車でありながら、先頭車として使用することが難しい状況に追い込まれました。電源機関を搭載する先頭車を連結すれば良い話ですが、キハ283系のように先頭車を多く製造しているわけではなく、数年前まで先頭車が不足する事態に陥っていた苗穂車にとって、もはや3両編成や2両編成で本線を走行する札幌運転所(札サウ)への車輪研削作業を行うための回送列車ぐらいでしか使用されなくなり、たとえ営業列車として使用されても、指定席の増結用として中間車としての使用に限定されました。もはや相棒を先に失ってしまったことで用途がほぼほぼ失われていた車両です。
そして、500番台の一部から400番台へ改番されたグループも存在します。波動用輸送用として「とかち」が全スーパー化され、同列車として使用されていた車両から一部が改造されました。同車について鉄道雑誌等でも改造内容があまり明らかにされていませんが、波動輸送用に伴い、出力適正化・パワーダウンを実施し、最高運転速度も110km/hに落とされているようです。
現在、キハ183系で運行する定期列車は、札幌・旭川~網走間の「オホーツク」・「大雪」のみです。2018年7月以降、最高運転速度が120km/h対応の車両に揃えられたことで、一時使用されていた400番台についてもそれ以降は営業運転に入らず、苗穂界隈で留置され続けています。そして、一部の車両から解体が始まっている状況です。
苗穂界隈に留置されている車両の中には、1500番台といったこれらの理由に該当しない車両も一部含まれていますが、大半は110km/h対応車であったり、サービス用電源を供給する電源機関を搭載しない先頭車のため、もはや本来の役割として使用することができない不要の車両です。それらの車両を中心に今後解体が引き続き進められていくことになりそうです。

とかち色車は中間車でも現存します。こちらも昨今は営業運転に入ることはなくなっているようですが、「キハ182-512」が唯一残っています。元々は特急「サロベツ」の増結用車両として重宝し、北海道新幹線開業を機に、1年ほど函館運輸所(函ハコ)に転籍。そして、再び苗穂に戻ってきて「オホーツク」・「大雪」に使用されていました。稀に臨時列車として使用されるおともありましたが、昨今は営業運転に入っておらず、お役御免になった可能性も否定できません。
今回紹介している「キハ183-406」をもって、とかち色の先頭車が消滅するとともに、「キハ182-512」も解体されれば、完全にとかち色車は過去のものとなります。また1つキハ183系から面白い車両が消滅し、編成を楽しむことができなくなるようですね。
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