【コラム】函館界隈とキハ261系1000番台
コラム - 2020年09月01日 (火)
先日函館に行った際、キハ261系1000番台もたくさん撮影してきました。






およそ6年ぶりに函館方面に行きました。ということは、前回訪問した際は、まだ新幹線はなく、函館駅に789系0番台や485系、キハ183系が定期列車として乗り入れていた時代。6年を経過し、その間に北海道新幹線が新函館北斗駅まで到達したことで、函館界隈で見られる列車も大きく変わりました。
キハ261系1000番台は、2016年3月ダイヤ改正を機に、「スーパー北斗」にも投入されました。当初は3往復で、ダイヤ改正の度に勢力を拡大し、現在は12往復中9往復がキハ261系で運行されるようになりました。かつては3種類や2種類で運行されていた札幌~函館間も主力車種がキハ261系に変わりつつあります。
でもこれは、当初の計画とは違いますよね。

当初は、キハ285系を投入する計画でした。100両以上投入する計画があったと聞きますから驚きですよね。
新幹線開業には間に合わず、開業から2年ほど経過したタイミングで投入が予定されていました。札幌~函館間を最速3時間ジャストから20分短縮した2時間40分程度で結ぶ計画があったと聞きますから、その高性能ぶりが期待されました。
しかし、高すぎることと高性能すぎるという点から開発が中止になり、老朽化した特急気動車の置き換えは、それまで実績のあったキハ261系1000番台で実施されるようになります。当初の計画では、振り子式車両をキハ285系が、キハ183系をキハ261系が置き換える計画だったはずで、「北斗」にも20両前後が投入される計画でした。実際にそれは実現したものの、営業運転開始当初は既存の車両の置き換え用ではなく、あくまで増発用として投入され、既存車両の置き換えは1年後の2017年3月ダイヤ改正から徐々に実施されるようになります。
そして結局、「スーパー北斗」もキハ285系からキハ261系へとグレードダウンしてしまいました。
おそらく、キハ285系を川崎重工業で製造し、キハ261系を自社によるノックダウン生産で製造し、既存の特急気動車を置き換える壮絶な高速化計画があったと思います。しかし実際は、社員数が徐々に減っていき、有能な人材も流出。終いには、車両を維持することが難しいほどメンテナンス体制が疎かになり、当初の壮絶な計画は中止されることになります。
キハ261系で函館方面の特急列車がまもなく統一されようとする昨今、同車も車体傾斜装置が非搭載となり、所要時間もかつてのキハ183系「北斗」と同等レベルにまで速達性が低下しています。安全運行のためを考慮すると仕方ありませんが、かつて北の大地のスターと呼ばれた札幌~函館間の特急列車は、もはや時刻表上ではその輝かしい栄光を見ることができません。
札幌~函館間の特急列車は、2022年度を機に、キハ261系に統一される予定です。しかし昨今は、計画を前倒しする場合もあり、キハ281系の営業運転撤退がこれよりも早くなる可能性も否定できません。
実は、道内の優等列車において、函館に乗り入れる列車は優先的に新車を投入していました。かつて「おおぞら」も函館駅に乗り入れており、新車のキハ183系が投入されました。後を追うように「おおとり」や「北斗」にも投入されていくことになります。
実際に季節列車を除く、定期列車でオールキハ183系化がされたのは「北斗」が最初のはずで、N183系が製造された際も「北斗」にその多くが投入されました。そして、北海道で後に高速化に大きく貢献することになる振り子式車両第一号のキハ281系も札幌~函館間に投入しており、近年では札幌~函館間にキハ261系を優先的に投入している状況です。
こうしてみていると、北海道にとって「北斗」は特別な存在であり、常に新車が投入される度に、優先的に車両を置き換えてきました。キハ261系ではどうなるかわかりませんが、例えば、オールキハ261系化が他の列車より遅れるとしても、増備される新車を函館運輸所(函ハコ)に次々と配備し、今まで使っていた5次車などを他地域へ回すといった車両繰りが展開されるかもしれません。
実際に数年前に新車投入とともに、一部が札幌運転所(札サウ)へ転出しており、このあたりも特別感を感じます。青函連絡船は廃止されましたが、青函トンネルを通じて、今もなお本州からの接続列車という役割は変わりません。本州からもてなす体制を維持するためには、やはり新しい車両で歓迎した方が利用客側も気分がよくなりますよね。
2016年3月からのダイヤをみていると、当時の札幌方面へ向かう列車でキハ261系の1番列車が特急「スーパー北斗9号」でした。同列車に接続する「はやぶさ」は、東京から新函館北斗にやってくる1番列車でもあります。
当時管理者はどの列車にキハ261系が投入されるのかわからずに日々予想を立てていましたが、そうした歴史を振り返ると、すぐにわかったかもしれませんね。
今年度はキハ261系5000番台が投入されるため、1000番台の増備は例年よりも進みませんが、来年度以降は再び増備が継続されます。次回はどの列車が置き換え対象になるか不明ですが、例えば上述のように、函館に新車を配置して既存の車両を転出し、結果的に列車を置き換える方法も考えられます。
昨今は管理者も含め、そうした車両繰りをあらかじめ予想して楽しむファンもいます。当記事の内容及び、「北斗」の歴史を振り返りながら、今後のキハ261系の置き換え及び、配置計画を立てるのも面白いかもしれませんね。
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およそ6年ぶりに函館方面に行きました。ということは、前回訪問した際は、まだ新幹線はなく、函館駅に789系0番台や485系、キハ183系が定期列車として乗り入れていた時代。6年を経過し、その間に北海道新幹線が新函館北斗駅まで到達したことで、函館界隈で見られる列車も大きく変わりました。
キハ261系1000番台は、2016年3月ダイヤ改正を機に、「スーパー北斗」にも投入されました。当初は3往復で、ダイヤ改正の度に勢力を拡大し、現在は12往復中9往復がキハ261系で運行されるようになりました。かつては3種類や2種類で運行されていた札幌~函館間も主力車種がキハ261系に変わりつつあります。
でもこれは、当初の計画とは違いますよね。

当初は、キハ285系を投入する計画でした。100両以上投入する計画があったと聞きますから驚きですよね。
新幹線開業には間に合わず、開業から2年ほど経過したタイミングで投入が予定されていました。札幌~函館間を最速3時間ジャストから20分短縮した2時間40分程度で結ぶ計画があったと聞きますから、その高性能ぶりが期待されました。
しかし、高すぎることと高性能すぎるという点から開発が中止になり、老朽化した特急気動車の置き換えは、それまで実績のあったキハ261系1000番台で実施されるようになります。当初の計画では、振り子式車両をキハ285系が、キハ183系をキハ261系が置き換える計画だったはずで、「北斗」にも20両前後が投入される計画でした。実際にそれは実現したものの、営業運転開始当初は既存の車両の置き換え用ではなく、あくまで増発用として投入され、既存車両の置き換えは1年後の2017年3月ダイヤ改正から徐々に実施されるようになります。
そして結局、「スーパー北斗」もキハ285系からキハ261系へとグレードダウンしてしまいました。
おそらく、キハ285系を川崎重工業で製造し、キハ261系を自社によるノックダウン生産で製造し、既存の特急気動車を置き換える壮絶な高速化計画があったと思います。しかし実際は、社員数が徐々に減っていき、有能な人材も流出。終いには、車両を維持することが難しいほどメンテナンス体制が疎かになり、当初の壮絶な計画は中止されることになります。
キハ261系で函館方面の特急列車がまもなく統一されようとする昨今、同車も車体傾斜装置が非搭載となり、所要時間もかつてのキハ183系「北斗」と同等レベルにまで速達性が低下しています。安全運行のためを考慮すると仕方ありませんが、かつて北の大地のスターと呼ばれた札幌~函館間の特急列車は、もはや時刻表上ではその輝かしい栄光を見ることができません。
札幌~函館間の特急列車は、2022年度を機に、キハ261系に統一される予定です。しかし昨今は、計画を前倒しする場合もあり、キハ281系の営業運転撤退がこれよりも早くなる可能性も否定できません。
実は、道内の優等列車において、函館に乗り入れる列車は優先的に新車を投入していました。かつて「おおぞら」も函館駅に乗り入れており、新車のキハ183系が投入されました。後を追うように「おおとり」や「北斗」にも投入されていくことになります。
実際に季節列車を除く、定期列車でオールキハ183系化がされたのは「北斗」が最初のはずで、N183系が製造された際も「北斗」にその多くが投入されました。そして、北海道で後に高速化に大きく貢献することになる振り子式車両第一号のキハ281系も札幌~函館間に投入しており、近年では札幌~函館間にキハ261系を優先的に投入している状況です。
こうしてみていると、北海道にとって「北斗」は特別な存在であり、常に新車が投入される度に、優先的に車両を置き換えてきました。キハ261系ではどうなるかわかりませんが、例えば、オールキハ261系化が他の列車より遅れるとしても、増備される新車を函館運輸所(函ハコ)に次々と配備し、今まで使っていた5次車などを他地域へ回すといった車両繰りが展開されるかもしれません。
実際に数年前に新車投入とともに、一部が札幌運転所(札サウ)へ転出しており、このあたりも特別感を感じます。青函連絡船は廃止されましたが、青函トンネルを通じて、今もなお本州からの接続列車という役割は変わりません。本州からもてなす体制を維持するためには、やはり新しい車両で歓迎した方が利用客側も気分がよくなりますよね。
2016年3月からのダイヤをみていると、当時の札幌方面へ向かう列車でキハ261系の1番列車が特急「スーパー北斗9号」でした。同列車に接続する「はやぶさ」は、東京から新函館北斗にやってくる1番列車でもあります。
当時管理者はどの列車にキハ261系が投入されるのかわからずに日々予想を立てていましたが、そうした歴史を振り返ると、すぐにわかったかもしれませんね。
今年度はキハ261系5000番台が投入されるため、1000番台の増備は例年よりも進みませんが、来年度以降は再び増備が継続されます。次回はどの列車が置き換え対象になるか不明ですが、例えば上述のように、函館に新車を配置して既存の車両を転出し、結果的に列車を置き換える方法も考えられます。
昨今は管理者も含め、そうした車両繰りをあらかじめ予想して楽しむファンもいます。当記事の内容及び、「北斗」の歴史を振り返りながら、今後のキハ261系の置き換え及び、配置計画を立てるのも面白いかもしれませんね。
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