北海道で保存されているキハ82系特急気動車
気動車 - 2020年09月03日 (木)
たまには保存している車両の話題でも。
北海道では、2箇所でかつて北海道の優等列車で活躍した特急気動車キハ82系が展示・保存されています。



まず、その1箇所目が三笠市のクロフォード公園。三笠鉄道村の手前にあります。6両が保存されています。
残念ながら、外装は劣化していました。数年に一度お手入れをしていたはずです。また綺麗になって展示されることを期待しましょう。


そして、もう1箇所が小樽市総合博物館です。写真は「キハ82-1」でトップナンバー車です。2010年に準鉄道記念物に指定されているようですね。
こちらは綺麗な状態で保存されていました。

小樽市総合博物館の名物風景ですよね。
国鉄分割民営化を機に、一部が継承されたはずですが、そのほとんどが廃車となりました。一部は機器を流用してフラノエクスプレスやトマムサホロエクスプレスへと改造されています。
北海道ではかつて、「北斗」、「おおぞら」、「北海」、「おおとり」、「オホーツク」といった優等列車に充当されていました。しかし、それは厳しいものでした。
国鉄時代、北海道で使用される車両というのは、基本的に本州で使用された中古車が大半を占めました。その時点における経年劣化に加え、キハ82系特急気動車そのものが北海道に特化した耐寒・耐雪構造をもっていなかったため、冬季を中心に着雪による車両故障が続発しました。また、車体の腐食や凍結にも長年悩まされた車両でもあります。
実はこの流れは、キハ183系初期車の晩年とよく似ています。要は、同じ失敗を繰り返していたのです。
当時は国鉄ですから、北海道地方の鉄道管理局から北海道のためだけに老朽化した車両を置き換えるべく、車両を製造すべき要望を出しても無理な話で、老朽・劣化の激しい車両を無理やり修理して使用せざるを得ない状況でした。
後にそれが、北海道の鉄道の技術力の凄さが世間一般に浸透したと思います。そうした修繕技術の積み重ねが後に素晴らしい技術となって還ってきたと管理者はみています。

特に苗穂工場では、車両を自社で製造できる能力を有していました。有能な技術者のそのほとんどがJR北海道に継承されました。国が株主とはいえ、今まで抑えつけられていた状況から解放されて自由の身となりました。そうすると、リゾート気動車の新製や列車の高速化を重点的に推し進め、在来線一の特急列車も誕生させました。
その勢いは衰えることなく、レーシングカーのノウハウを詰め込んだキハ283系や振り子式に代わる車体傾斜装置の導入、高出力エンジンの開発など、特に気動車の分野において飛躍的な進化をみせ、電車についても、最新の789系のように、静粛性を維持しながら、高速で走行できる車両を誕生させています。
昨今では、在来線そのものが高速化の限界に達しています。JR北海道では経営がひっ迫している最中、将来的な鉄道車両の技術開発が難しい状況にあります。それでも、これまでの突き抜けた技術力があったからこそ、技術開発が停滞している昨今に加え、在来線における高速化の限界という背景から、未だに電車も気動車も他社に負けない一級の性能をもった車両が活躍しています。
だんだん本来の話題から逸れていますが、いずれにしても、キハ82系特急気動車は大変苦労した中で維持されました。維持できた理由は、有能な人材に溢れていたからにほかなりません。現在では、そうした有能な人材はだんだん離れていき、老朽化した車両も修理して長く使う方法から、早々と新車に置き換えて車両メンテナンス向上のために、少ない人材で効率を重視した体制に変わっています。老朽化した車両や都合の悪い車両はすぐに捨てられるようになってしまったのです。
かつての北海道では考えられないですが、経営をひっ迫している状況下では仕方ありません。こうした古い車両を眺めていると、北海道の鉄道は大きく変わった印象を強く受けます。それが良いのか悪いのかわかりませんが、いずれにしても、何か寂しさを感じてしまいます。
キハ82系特急気動車は、もちろん現役で稼働している車両はありません。上述のとおり、北海道では三笠市のクロフォード公園と小樽市総合博物館でそれぞれ展示・保管されています。もちろん見物することは可能ですが、前者については、今年は周辺でスズメバチが多く発生しているとのことです。毎年秋になると巣の個体数が一番増え、新女王バチ繁殖のために攻撃性が増しますから、訪問される際は十分気をつけてくださいね。
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北海道では、2箇所でかつて北海道の優等列車で活躍した特急気動車キハ82系が展示・保存されています。



まず、その1箇所目が三笠市のクロフォード公園。三笠鉄道村の手前にあります。6両が保存されています。
残念ながら、外装は劣化していました。数年に一度お手入れをしていたはずです。また綺麗になって展示されることを期待しましょう。


そして、もう1箇所が小樽市総合博物館です。写真は「キハ82-1」でトップナンバー車です。2010年に準鉄道記念物に指定されているようですね。
こちらは綺麗な状態で保存されていました。

小樽市総合博物館の名物風景ですよね。
国鉄分割民営化を機に、一部が継承されたはずですが、そのほとんどが廃車となりました。一部は機器を流用してフラノエクスプレスやトマムサホロエクスプレスへと改造されています。
北海道ではかつて、「北斗」、「おおぞら」、「北海」、「おおとり」、「オホーツク」といった優等列車に充当されていました。しかし、それは厳しいものでした。
国鉄時代、北海道で使用される車両というのは、基本的に本州で使用された中古車が大半を占めました。その時点における経年劣化に加え、キハ82系特急気動車そのものが北海道に特化した耐寒・耐雪構造をもっていなかったため、冬季を中心に着雪による車両故障が続発しました。また、車体の腐食や凍結にも長年悩まされた車両でもあります。
実はこの流れは、キハ183系初期車の晩年とよく似ています。要は、同じ失敗を繰り返していたのです。
当時は国鉄ですから、北海道地方の鉄道管理局から北海道のためだけに老朽化した車両を置き換えるべく、車両を製造すべき要望を出しても無理な話で、老朽・劣化の激しい車両を無理やり修理して使用せざるを得ない状況でした。
後にそれが、北海道の鉄道の技術力の凄さが世間一般に浸透したと思います。そうした修繕技術の積み重ねが後に素晴らしい技術となって還ってきたと管理者はみています。

特に苗穂工場では、車両を自社で製造できる能力を有していました。有能な技術者のそのほとんどがJR北海道に継承されました。国が株主とはいえ、今まで抑えつけられていた状況から解放されて自由の身となりました。そうすると、リゾート気動車の新製や列車の高速化を重点的に推し進め、在来線一の特急列車も誕生させました。
その勢いは衰えることなく、レーシングカーのノウハウを詰め込んだキハ283系や振り子式に代わる車体傾斜装置の導入、高出力エンジンの開発など、特に気動車の分野において飛躍的な進化をみせ、電車についても、最新の789系のように、静粛性を維持しながら、高速で走行できる車両を誕生させています。
昨今では、在来線そのものが高速化の限界に達しています。JR北海道では経営がひっ迫している最中、将来的な鉄道車両の技術開発が難しい状況にあります。それでも、これまでの突き抜けた技術力があったからこそ、技術開発が停滞している昨今に加え、在来線における高速化の限界という背景から、未だに電車も気動車も他社に負けない一級の性能をもった車両が活躍しています。
だんだん本来の話題から逸れていますが、いずれにしても、キハ82系特急気動車は大変苦労した中で維持されました。維持できた理由は、有能な人材に溢れていたからにほかなりません。現在では、そうした有能な人材はだんだん離れていき、老朽化した車両も修理して長く使う方法から、早々と新車に置き換えて車両メンテナンス向上のために、少ない人材で効率を重視した体制に変わっています。老朽化した車両や都合の悪い車両はすぐに捨てられるようになってしまったのです。
かつての北海道では考えられないですが、経営をひっ迫している状況下では仕方ありません。こうした古い車両を眺めていると、北海道の鉄道は大きく変わった印象を強く受けます。それが良いのか悪いのかわかりませんが、いずれにしても、何か寂しさを感じてしまいます。
キハ82系特急気動車は、もちろん現役で稼働している車両はありません。上述のとおり、北海道では三笠市のクロフォード公園と小樽市総合博物館でそれぞれ展示・保管されています。もちろん見物することは可能ですが、前者については、今年は周辺でスズメバチが多く発生しているとのことです。毎年秋になると巣の個体数が一番増え、新女王バチ繁殖のために攻撃性が増しますから、訪問される際は十分気をつけてくださいね。
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