新型コロナウィルスの影響で、来春ダイヤ改正で列車の運行本数を見直しへ
その他あれこれ - 2020年09月22日 (火)
新型コロナウィルスの影響を受けているJR北海道。
JR北海道のみならず、他の鉄道会社においても影響は深刻で、JR東日本やJR西日本でも大打撃を受けるなど、事態は深刻さを増しています。
先日、地元の報道機関から発表があり、JR北海道では来春のダイヤ改正で列車の列車の本数を減らす方向で調整しています。
具体的にどの列車を減便対象にするかは避けましたが、実施される可能性がある列車として・・・


これらの資料は、以前JR北海道から間引き運転をアナウンスされた際のもの。新型コロナウィルスの影響により、一時的に運休を実施していた列車です。一部列車は運用の関係で運休せざるを得ない列車もありましたが、概ねこれらの列車の中から減便となる列車が含まれていると予想します。
新型コロナウィルスによる影響という明確な背景があるので、JR北海道にとっても減便を実施できる、またとないチャンスになります。従来、沿線からの要望により、利用が少なく、列車の本数を減らしたくても減らすことができませんでした。新型コロナウィルスの影響という背景があれば、ある程度は列車を絞って運行できることが可能になり、さらなる輸送適正化が図られることでしょう。
資料のとおり、方面別にみていきましょう。
【旭川方面】
新型コロナウィルスの影響で最大6往復が運休していました。朝・晩を除き、概ね1時間あたり2本設定されているうちの1本が運休となっていました。減便を実施するのであれば、札幌駅または旭川駅から30分に発車する列車が対象になると予想します。
管理者としては、これを機に、冬季における輸送改善も合わせて実施してほしいところです。冬季といえば、789系0番台「ライラック」が車両故障に悩まされるシーズンでもあります。仮に旭川駅で接続となる特急列車が減便対象となれば、運用上において「ライラック」として運行する必要のない列車も出てきます。札幌~旭川間のメインを「カムイ」とし、接続列車に応じて最低限の「ライラック」を確保した方が、冬季においても車両故障を未然に防ぐことができ、且つ安定した輸送が確保されます。
また、例えば789系0番台を「すずらん」として使用すれば、冬季といえど、道南方面は雪が少ないので、雪害による車両故障が起こりにくい状況となるので、いずれにしても現状の輸送体系よりも利点となることが多くあります。

【網走方面】
新型コロナウィルスの影響で、日中の旭川~網走間の「大雪」が全て運休になったことがありました。例えば、一気に2往復減らす可能性は低いと思いますが、例えば、3運用を2運用に減らすことは可能です。
現行の「宗谷」・「サロベツ」のような運行体系とし、札幌直通は1往復減として、特急「オホーツク2号」と特急「オホーツク3号」を旭川駅発着とすれば、対応できると思います。前者については、現行ダイヤでもすぐに「ライラック」が走りますから、旭川駅からの接続列車として活用できますし、札幌~旭川間の輸送体系を変更すれば、札幌駅17時、18時に「ライラック」を持ってくることも可能な範囲です。使用するキハ183系も車齢30年に達し、老朽・劣化を踏まえると、少ない車両数で運行し、予備車両を多い体制としていた方が緊急時にも対応しやすいと思います。また、置き換えの際も運用数が少なければ、置き換えはしやすいですよね。

【稚内方面】
こちらは運用の関係もありましたが、「サロベツ」1往復が新型コロナウィルスの影響で運休となっていました。これ以上本数を減らすと運用に支障が出てきますが、引き続き宗谷本線沿線から札幌直通を望む声は多いです。「サロベツ」1往復と引き換えに、「スーパー宗谷」時代と同様に、札幌直通列車を2往復に増やす等の措置が考えられるかもしれません。
札幌直通にすることで、「ライラック」の必要性も現状よりも少なくなるので、車両の捻出や運行体系の変更もしやすくなると思います。

【函館方面】
北海道新幹線との接続列車になっている以上、新函館北斗駅の新幹線の発着時間帯や本数が変化しなければ変更されない可能性もありますが、新型コロナウィルスの影響で最大3往復が運休となっていました。
今年白老町にオープンした民族共生象徴空間・ウポポイが開業したこともあり、アクセス列車としてさらに重要な役割を担うようになりました。「すずらん」の減便を多くする代わりに、「北斗」を残す措置も考えられそうです。
また、減便のみならず、減車も視野に入れているということで、所定の編成が現在の7両から6両に減車される可能性もありそうです。


【室蘭方面】
一時、3往復が運休となっていましたが、利用が多くなる時間帯の列車を再開させたことで、運用の都合上を含めて1往復が後に運転再開となり、2往復が当面の間運休となっていました。
6往復が設定されていますが、その多くが「北斗」との運転間隔が広いわけではありません。よって、減便を実施してもさほど影響が出ない列車が多くあるのも事実で、減便が実施される可能性が高い列車になります。
【帯広・釧路方面】
所定編成の減車は実施していましたが、道内で唯一減便が実施されなかったのが特急「おおぞら」です。理由としては、札幌~帯広間の「とかち」で、3往復の運休が発生したことから、運休分をカバーする役割がありました。
おそらく、「おおぞら」については減便は実施されないと予想します。代わりに、札幌~帯広間の「とかち」で減便を実施し、最悪の場合、以前のように3往復減便し、本数を2往復程度まで減らされる可能性もあります。これにより、「おおぞら」の停車駅拡大が一部で実施される可能性があります。
ただ、本数が減ることで利点もあり、単線区間を走行する帯広・釧路方面では、列車の行き違いによって所要時間が前後しやすいです。減便によって列車の運行がなくなれば、例えば今まで行き違いのために停車していた列車については、その4~5分の停車時間を所要時間の短縮につなげることができます。例えば、減便によって停車駅拡大が実施されれば、所要時間も延びる傾向にある中で、これは有効な手段となりそうです。



【快速エアポート】
今年3月のダイヤ改正でデータイム毎時5本運転とし、大増発を実施した快速「エアポート」ですが、新型コロナウィルスの影響で新千歳空港を利用する利用客が減少し、増発のメリットが生かされていません。
新型コロナウィルスの影響で、多くの列車で運休が発生しました。一部時間帯で毎時5本運転が維持される可能性はあるものの、昨今の状況では、毎時4本運転でもさほど影響はありません。新設された特別快速も気になるところで、減便となれば、通常の快速タイプに格下げされる可能性も否定できません。いずれにしても、本数が多く設定されている以上、減便は免れないとみています。

ということで、方面別・列車別にみてみました。残念ながら、どの列車についても、減便を実施する可能性は高く、運行体系を大きく変更せざるを得ない列車も出てくるのではないでしょうか?
例年12月には来春のダイヤ改正内容が発表されますから、残り3カ月という期間でどのようなダイヤが組まれるのか注目したいですね。
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JR北海道のみならず、他の鉄道会社においても影響は深刻で、JR東日本やJR西日本でも大打撃を受けるなど、事態は深刻さを増しています。
先日、地元の報道機関から発表があり、JR北海道では来春のダイヤ改正で列車の列車の本数を減らす方向で調整しています。
具体的にどの列車を減便対象にするかは避けましたが、実施される可能性がある列車として・・・


これらの資料は、以前JR北海道から間引き運転をアナウンスされた際のもの。新型コロナウィルスの影響により、一時的に運休を実施していた列車です。一部列車は運用の関係で運休せざるを得ない列車もありましたが、概ねこれらの列車の中から減便となる列車が含まれていると予想します。
新型コロナウィルスによる影響という明確な背景があるので、JR北海道にとっても減便を実施できる、またとないチャンスになります。従来、沿線からの要望により、利用が少なく、列車の本数を減らしたくても減らすことができませんでした。新型コロナウィルスの影響という背景があれば、ある程度は列車を絞って運行できることが可能になり、さらなる輸送適正化が図られることでしょう。
資料のとおり、方面別にみていきましょう。
【旭川方面】
新型コロナウィルスの影響で最大6往復が運休していました。朝・晩を除き、概ね1時間あたり2本設定されているうちの1本が運休となっていました。減便を実施するのであれば、札幌駅または旭川駅から30分に発車する列車が対象になると予想します。
管理者としては、これを機に、冬季における輸送改善も合わせて実施してほしいところです。冬季といえば、789系0番台「ライラック」が車両故障に悩まされるシーズンでもあります。仮に旭川駅で接続となる特急列車が減便対象となれば、運用上において「ライラック」として運行する必要のない列車も出てきます。札幌~旭川間のメインを「カムイ」とし、接続列車に応じて最低限の「ライラック」を確保した方が、冬季においても車両故障を未然に防ぐことができ、且つ安定した輸送が確保されます。
また、例えば789系0番台を「すずらん」として使用すれば、冬季といえど、道南方面は雪が少ないので、雪害による車両故障が起こりにくい状況となるので、いずれにしても現状の輸送体系よりも利点となることが多くあります。

【網走方面】
新型コロナウィルスの影響で、日中の旭川~網走間の「大雪」が全て運休になったことがありました。例えば、一気に2往復減らす可能性は低いと思いますが、例えば、3運用を2運用に減らすことは可能です。
現行の「宗谷」・「サロベツ」のような運行体系とし、札幌直通は1往復減として、特急「オホーツク2号」と特急「オホーツク3号」を旭川駅発着とすれば、対応できると思います。前者については、現行ダイヤでもすぐに「ライラック」が走りますから、旭川駅からの接続列車として活用できますし、札幌~旭川間の輸送体系を変更すれば、札幌駅17時、18時に「ライラック」を持ってくることも可能な範囲です。使用するキハ183系も車齢30年に達し、老朽・劣化を踏まえると、少ない車両数で運行し、予備車両を多い体制としていた方が緊急時にも対応しやすいと思います。また、置き換えの際も運用数が少なければ、置き換えはしやすいですよね。

【稚内方面】
こちらは運用の関係もありましたが、「サロベツ」1往復が新型コロナウィルスの影響で運休となっていました。これ以上本数を減らすと運用に支障が出てきますが、引き続き宗谷本線沿線から札幌直通を望む声は多いです。「サロベツ」1往復と引き換えに、「スーパー宗谷」時代と同様に、札幌直通列車を2往復に増やす等の措置が考えられるかもしれません。
札幌直通にすることで、「ライラック」の必要性も現状よりも少なくなるので、車両の捻出や運行体系の変更もしやすくなると思います。

【函館方面】
北海道新幹線との接続列車になっている以上、新函館北斗駅の新幹線の発着時間帯や本数が変化しなければ変更されない可能性もありますが、新型コロナウィルスの影響で最大3往復が運休となっていました。
今年白老町にオープンした民族共生象徴空間・ウポポイが開業したこともあり、アクセス列車としてさらに重要な役割を担うようになりました。「すずらん」の減便を多くする代わりに、「北斗」を残す措置も考えられそうです。
また、減便のみならず、減車も視野に入れているということで、所定の編成が現在の7両から6両に減車される可能性もありそうです。


【室蘭方面】
一時、3往復が運休となっていましたが、利用が多くなる時間帯の列車を再開させたことで、運用の都合上を含めて1往復が後に運転再開となり、2往復が当面の間運休となっていました。
6往復が設定されていますが、その多くが「北斗」との運転間隔が広いわけではありません。よって、減便を実施してもさほど影響が出ない列車が多くあるのも事実で、減便が実施される可能性が高い列車になります。
【帯広・釧路方面】
所定編成の減車は実施していましたが、道内で唯一減便が実施されなかったのが特急「おおぞら」です。理由としては、札幌~帯広間の「とかち」で、3往復の運休が発生したことから、運休分をカバーする役割がありました。
おそらく、「おおぞら」については減便は実施されないと予想します。代わりに、札幌~帯広間の「とかち」で減便を実施し、最悪の場合、以前のように3往復減便し、本数を2往復程度まで減らされる可能性もあります。これにより、「おおぞら」の停車駅拡大が一部で実施される可能性があります。
ただ、本数が減ることで利点もあり、単線区間を走行する帯広・釧路方面では、列車の行き違いによって所要時間が前後しやすいです。減便によって列車の運行がなくなれば、例えば今まで行き違いのために停車していた列車については、その4~5分の停車時間を所要時間の短縮につなげることができます。例えば、減便によって停車駅拡大が実施されれば、所要時間も延びる傾向にある中で、これは有効な手段となりそうです。



【快速エアポート】
今年3月のダイヤ改正でデータイム毎時5本運転とし、大増発を実施した快速「エアポート」ですが、新型コロナウィルスの影響で新千歳空港を利用する利用客が減少し、増発のメリットが生かされていません。
新型コロナウィルスの影響で、多くの列車で運休が発生しました。一部時間帯で毎時5本運転が維持される可能性はあるものの、昨今の状況では、毎時4本運転でもさほど影響はありません。新設された特別快速も気になるところで、減便となれば、通常の快速タイプに格下げされる可能性も否定できません。いずれにしても、本数が多く設定されている以上、減便は免れないとみています。

ということで、方面別・列車別にみてみました。残念ながら、どの列車についても、減便を実施する可能性は高く、運行体系を大きく変更せざるを得ない列車も出てくるのではないでしょうか?
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