客車の劣化が激しい茂辺地の北斗星
客車・貨車 - 2020年12月14日 (月)
今夏に茂辺地の北斗星を見に行ってきました。



茂辺地北斗星広場。
住所は、北海道北斗市茂辺地3丁目3‐14。
行き方は、道南いさり火鉄道の茂辺地駅で下車し、歩いて徒歩5分前後です。車窓から少し見れますよ。車両も開放しているようですが、新型コロナウィルスの関係で閉鎖されていました。





整備されていない車体は傷み、可哀想な状態になっていました。保存している車両は「オハネフ25‐2」と「スハネ25‐501」です。
2016年にクラウドファンディングを通して実施されたプロジェクト『解体の危機にある27年間愛された寝台列車「北斗星」を守りたい!』。目標金額を1000万円とし、「オハネフ25-2」の保存が決まりました。そして、第二の目標金額として1250万円を定め、2両目の「スハネ25-501」の保存にも成功しました。
費用の負担が一番生じているのは輸送費で、札幌の苗穂工場から車両を運ぶため、輸送費用が異常なまでに高額となってしまいました。
2両の保存に成功しましたが、プロジェクト終了まで期間があることから、第三の目標金額として1600万円を定めました。
以下はその理由ですが、これは現在でもクラウドファンディングのページの冒頭に記載されています。
『応援コメントでもご要望の多かった保存後の維持をしっかりとしていくために、さらにネクストゴールとして1,600万円を目指すことにしました。
維持費に関しては委員会でも当初から必要なものだと考えていました。しかし、まずはなによりも車両の保存が優先ということで、車両の保存を目指してクラウドファンディングをさせていただきましたが、全国からの想像を超えるご声援に、皆様に甘える形となりますが、せっかく北斗星を保存するなら最良の状態で保存しよう、皆様に見に来ていただいたときに喜んでいただけるようにしようと決意いたしました。』
このコメントからすると、車体がこのような状態になるのも納得いきますよね。
記載されているとおり、車両の保存を優先したあまり、メンテナンスが行き届いていないのです。
1600万円に届きませんでしたが、それでも、総支援額¥15,885,000から¥12,500,000を引くと、修繕費用で¥338,5000を拠出できるはずなんです。協議の末、この費用で客車全体の屋根を補修し、その後はおそらく車体の劣化状況からしても、修繕されたことは一度もないでしょう。
長期的に車両を維持していくのではなく、車両の保存を優先し、メンテナンスが行き届いていない典型的な例になりそうです。
711系の際でも反響がありましたが、プロジェクトに協力した方々、つまり車両の保存のためにお金を出した方々は、こうした姿を望んでいたのでしょうか?海から距離も遠く離れていないため、塩害腐食も進行しやすいでしょう。
例えば、保存車両を1両とし、定期程な整備を実施していく方法と、可能な限り資金を集めて保存車両を増やし、その後のメンテナンスをあまり考慮しない方法。
皆さんはどちらを選びますか??
おそらく、前者の場合であれば、¥5,885,000が余るわけですから、屋根で覆うことが可能な保存状態が視野に入るぐらいの金額まで到達していたと思います。おそらく1両だけで屋根を設置するなり、ブルーシートで冬季だけでも覆うなりすれば、ここまで車体が劣化することもなかったはずです。
後日紹介しますが、春先に千歳市で保存しているアルコンを許可をもらって見てきましたが、屋根があるだけで保存状態はかなり違います。なので、管理者としては2両保存するのではなく、1両だけ保存という形をとり、長期的に車体が劣化しないように何らかの措置を講じるべきでした。
引き続き寄付も募集しています。現金書留で郵送する形で実施しているようですが、車体の修繕を実施していないあたり、ほとんどお金が集まっていない状況が伺えます。修繕にも莫大な資金を必要とします。車両を保存するだけなら勢いで達成できますが、その熱が冷めた後の長期的な保存というのは大変難しいことです。
車両の保存を優先した結果、このような哀れな姿になってしまいました。しかも今年度は新型コロナウィルスの影響で、内部は見学できないようで、管理者が行った際も人は誰もいませんでした。放ったらかしにされている様子が伺え、もしかしたら今現在はさらに車体の劣化が進んでいるかもしれません。
来年度には簡易宿泊所としてオープンする予定ですが、それなら尚更車体の修繕は重要になってくるでしょう。こうした様子を確認すると、とても心配になってきます。
北海道で車両を保存するには、やはり量よりも質が求められます。欲張ってはいけないということですね。
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茂辺地北斗星広場。
住所は、北海道北斗市茂辺地3丁目3‐14。
行き方は、道南いさり火鉄道の茂辺地駅で下車し、歩いて徒歩5分前後です。車窓から少し見れますよ。車両も開放しているようですが、新型コロナウィルスの関係で閉鎖されていました。





整備されていない車体は傷み、可哀想な状態になっていました。保存している車両は「オハネフ25‐2」と「スハネ25‐501」です。
2016年にクラウドファンディングを通して実施されたプロジェクト『解体の危機にある27年間愛された寝台列車「北斗星」を守りたい!』。目標金額を1000万円とし、「オハネフ25-2」の保存が決まりました。そして、第二の目標金額として1250万円を定め、2両目の「スハネ25-501」の保存にも成功しました。
費用の負担が一番生じているのは輸送費で、札幌の苗穂工場から車両を運ぶため、輸送費用が異常なまでに高額となってしまいました。
2両の保存に成功しましたが、プロジェクト終了まで期間があることから、第三の目標金額として1600万円を定めました。
以下はその理由ですが、これは現在でもクラウドファンディングのページの冒頭に記載されています。
『応援コメントでもご要望の多かった保存後の維持をしっかりとしていくために、さらにネクストゴールとして1,600万円を目指すことにしました。
維持費に関しては委員会でも当初から必要なものだと考えていました。しかし、まずはなによりも車両の保存が優先ということで、車両の保存を目指してクラウドファンディングをさせていただきましたが、全国からの想像を超えるご声援に、皆様に甘える形となりますが、せっかく北斗星を保存するなら最良の状態で保存しよう、皆様に見に来ていただいたときに喜んでいただけるようにしようと決意いたしました。』
このコメントからすると、車体がこのような状態になるのも納得いきますよね。
記載されているとおり、車両の保存を優先したあまり、メンテナンスが行き届いていないのです。
1600万円に届きませんでしたが、それでも、総支援額¥15,885,000から¥12,500,000を引くと、修繕費用で¥338,5000を拠出できるはずなんです。協議の末、この費用で客車全体の屋根を補修し、その後はおそらく車体の劣化状況からしても、修繕されたことは一度もないでしょう。
長期的に車両を維持していくのではなく、車両の保存を優先し、メンテナンスが行き届いていない典型的な例になりそうです。
711系の際でも反響がありましたが、プロジェクトに協力した方々、つまり車両の保存のためにお金を出した方々は、こうした姿を望んでいたのでしょうか?海から距離も遠く離れていないため、塩害腐食も進行しやすいでしょう。
例えば、保存車両を1両とし、定期程な整備を実施していく方法と、可能な限り資金を集めて保存車両を増やし、その後のメンテナンスをあまり考慮しない方法。
皆さんはどちらを選びますか??
おそらく、前者の場合であれば、¥5,885,000が余るわけですから、屋根で覆うことが可能な保存状態が視野に入るぐらいの金額まで到達していたと思います。おそらく1両だけで屋根を設置するなり、ブルーシートで冬季だけでも覆うなりすれば、ここまで車体が劣化することもなかったはずです。
後日紹介しますが、春先に千歳市で保存しているアルコンを許可をもらって見てきましたが、屋根があるだけで保存状態はかなり違います。なので、管理者としては2両保存するのではなく、1両だけ保存という形をとり、長期的に車体が劣化しないように何らかの措置を講じるべきでした。
引き続き寄付も募集しています。現金書留で郵送する形で実施しているようですが、車体の修繕を実施していないあたり、ほとんどお金が集まっていない状況が伺えます。修繕にも莫大な資金を必要とします。車両を保存するだけなら勢いで達成できますが、その熱が冷めた後の長期的な保存というのは大変難しいことです。
車両の保存を優先した結果、このような哀れな姿になってしまいました。しかも今年度は新型コロナウィルスの影響で、内部は見学できないようで、管理者が行った際も人は誰もいませんでした。放ったらかしにされている様子が伺え、もしかしたら今現在はさらに車体の劣化が進んでいるかもしれません。
来年度には簡易宿泊所としてオープンする予定ですが、それなら尚更車体の修繕は重要になってくるでしょう。こうした様子を確認すると、とても心配になってきます。
北海道で車両を保存するには、やはり量よりも質が求められます。欲張ってはいけないということですね。
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