日高本線の鵡川~様似間の廃止日が今年4月1日に繰り上げ
その他あれこれ - 2021年01月06日 (水)
廃止が決まった日高本線の鵡川~様似間。当初は2021年11月1日が廃止予定日でしたが、廃止日の繰り上げが認められ、4月1日に繰り上げられる予定です。

昨年10月27日に国土交通大臣に鉄道事業廃止の届出で行いました。その後、12月8日に北海道運輸局による関係者への「公衆の利便の確保に関する意見の聴取」を実施しました。
その後、廃止日を4月1日に繰り上げたとしても公衆の利便を阻害するおそれがないと認める通知を12月28日に国土交通大臣から受領しました。
よって、日高本線の鵡川~様似間の廃止日が4月1日に決定しました。
注目すべきは、2015年から昨年まで、幾度となく路線の存廃問題について関係者を交えて議論してきました。ですが、結果的に廃止という道を選択せざるを得ない状況になってしまいました。長い時間のかけて存廃問題に向き合ってきた割には、鉄道事業廃止の届出以降はかなり迅速な対応で進んでいます。
結局は他人任せだったのです。
道、自治体、JR北海道、そして国が交えて日高本線の問題について、5年にわたって何度も話し合いを行ってきました。再び鉄道を運行するために、最終的に約86億円に復旧費用が跳ね上がりました。運行を再開した場合の沿線自治体の負担が年間13億4千万円ということで、とても負担できるレベルではありません。
この試算が示された時点で既に結果はわかりきっていました。
道と国も介入することで日高本線の問題が何とかなると希望をもった沿線自治体も多かったと思います。ですが、結局は自治体とJR北海道のやり取りに委ねられ、結局話が進展しないまま廃止という選択肢を出しました。特に道は、何のために介入したのか不明で、自助努力と称してJRを突き放しただけに終わりました。
路線の存続にこだわった沿線自治体にも問題がありますが、それ以上に道の対応については、おかしな点がたくさんあります。この状況をなぜもっと報道しないのか不思議で、結局廃止という結論が出されてこれまでのやり取りが闇に葬られようとしています。
過去を振り返ってもきりがありません。せっかく道と国が関与したのであれば、路線の存廃のみならず、日高管内における今後の都市計画、まちづくりについての方向性を探り、鉄道路線廃止とともに路線バスやデマンドバスを中心とした新たな交通ネットワークを構築すべきでした。
具体的には、総合病院を設け、そこを軸とした交通ネットワークの構築です。
日高管内は地図で見ても広大なエリアであるにも関わらず、高齢者医療においては、苫小牧や札幌に頼らざるを得ない状況が続いています。鉄道を残す一番の理由として「弱者救済」が上げられていました。
主に高齢者医療を必要としている方に対して、交通の便を確保し、日高管内と苫小牧などを結べるようにすることです。ですが実際、弱者救済の手段は鉄道でなくてもよいのです。
鉄道は線路のない場所にはたどり着けません。つまり、その弱者が駅までどのようにして移動すればよいのか、そして例えば苫小牧駅に到着したら、どのようにして病院へ移動すればよいのか。以前この弱者救済についてコメントをいただいたことがありましたが、そこから管理者が考える限り、そうした体制が不透明なままなんですよね。
以前、過去の記事のコメントか何かで記載した記憶がありますが、本当の弱者救済を考えているのであれば、やはり戸口から戸口の移動に限ります。どのような方法かというと、自宅まで車で迎えに来て、車を降りたら病院にたどり着ける。そうした仕組みこそ、本当の弱者救済です。このことからも、鉄道は弱者救済としての使命を果たせるかといえば、不十分な点もあります。
さらに、高齢者医療を必要としている方の中には、家族がいない、身寄りがいない方もいるはずですから、そうした方のためにも、管理者が提案する戸口から戸口への移動が可能な本当の弱者救済が必要です。
そこで弊害となってくるのが地理的条件で、日高管内には大きな総合病院がなく、結果的に現在も苫小牧や札幌の病院に頼らざるを得ない状況です。であれば、日高本線廃止とともに日高管内の交通ネットワークを見直すとともに、管内の中心に総合病院を設け、そこを中心とした公共交通の在り方を検討すべきでした。本来はそうした新たな交通ネットワークを推進するための助言等を道や国が行わなければならなかったのです。
沿線住民を考慮せず、鉄道の存廃だけにこだわったという点では非常に残念な5年間でした。
これまで北海道内では不採算路線が廃止されてきましたが、そのほとんどでバス転換後に利用者減少によって減便を余儀なくされ、完全に廃止された路線や時刻表は残っているものの、完全予約制のバスで運行するなど、後年になって機能していない状況が伺えます。
今回は鵡川~様似間が廃止となりましたが、苫小牧~鵡川間についても、営業係数(100円の営業収入を得るのにどれだけの営業費用を要するかを表す指数)は802で厳しい数字です。国鉄時代であれば、廃止相応のレベルです。
残った区間についても厳しい状況であることは言うまでもなく、このまま続けばバス転換が相当と判断されるでしょう。H100形が現時点で日高本線に投入予定がないことを踏まえると、将来的な鉄道の維持は考慮されていないのかもしれませんね。
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昨年10月27日に国土交通大臣に鉄道事業廃止の届出で行いました。その後、12月8日に北海道運輸局による関係者への「公衆の利便の確保に関する意見の聴取」を実施しました。
その後、廃止日を4月1日に繰り上げたとしても公衆の利便を阻害するおそれがないと認める通知を12月28日に国土交通大臣から受領しました。
よって、日高本線の鵡川~様似間の廃止日が4月1日に決定しました。
注目すべきは、2015年から昨年まで、幾度となく路線の存廃問題について関係者を交えて議論してきました。ですが、結果的に廃止という道を選択せざるを得ない状況になってしまいました。長い時間のかけて存廃問題に向き合ってきた割には、鉄道事業廃止の届出以降はかなり迅速な対応で進んでいます。
結局は他人任せだったのです。
道、自治体、JR北海道、そして国が交えて日高本線の問題について、5年にわたって何度も話し合いを行ってきました。再び鉄道を運行するために、最終的に約86億円に復旧費用が跳ね上がりました。運行を再開した場合の沿線自治体の負担が年間13億4千万円ということで、とても負担できるレベルではありません。
この試算が示された時点で既に結果はわかりきっていました。
道と国も介入することで日高本線の問題が何とかなると希望をもった沿線自治体も多かったと思います。ですが、結局は自治体とJR北海道のやり取りに委ねられ、結局話が進展しないまま廃止という選択肢を出しました。特に道は、何のために介入したのか不明で、自助努力と称してJRを突き放しただけに終わりました。
路線の存続にこだわった沿線自治体にも問題がありますが、それ以上に道の対応については、おかしな点がたくさんあります。この状況をなぜもっと報道しないのか不思議で、結局廃止という結論が出されてこれまでのやり取りが闇に葬られようとしています。
過去を振り返ってもきりがありません。せっかく道と国が関与したのであれば、路線の存廃のみならず、日高管内における今後の都市計画、まちづくりについての方向性を探り、鉄道路線廃止とともに路線バスやデマンドバスを中心とした新たな交通ネットワークを構築すべきでした。
具体的には、総合病院を設け、そこを軸とした交通ネットワークの構築です。
日高管内は地図で見ても広大なエリアであるにも関わらず、高齢者医療においては、苫小牧や札幌に頼らざるを得ない状況が続いています。鉄道を残す一番の理由として「弱者救済」が上げられていました。
主に高齢者医療を必要としている方に対して、交通の便を確保し、日高管内と苫小牧などを結べるようにすることです。ですが実際、弱者救済の手段は鉄道でなくてもよいのです。
鉄道は線路のない場所にはたどり着けません。つまり、その弱者が駅までどのようにして移動すればよいのか、そして例えば苫小牧駅に到着したら、どのようにして病院へ移動すればよいのか。以前この弱者救済についてコメントをいただいたことがありましたが、そこから管理者が考える限り、そうした体制が不透明なままなんですよね。
以前、過去の記事のコメントか何かで記載した記憶がありますが、本当の弱者救済を考えているのであれば、やはり戸口から戸口の移動に限ります。どのような方法かというと、自宅まで車で迎えに来て、車を降りたら病院にたどり着ける。そうした仕組みこそ、本当の弱者救済です。このことからも、鉄道は弱者救済としての使命を果たせるかといえば、不十分な点もあります。
さらに、高齢者医療を必要としている方の中には、家族がいない、身寄りがいない方もいるはずですから、そうした方のためにも、管理者が提案する戸口から戸口への移動が可能な本当の弱者救済が必要です。
そこで弊害となってくるのが地理的条件で、日高管内には大きな総合病院がなく、結果的に現在も苫小牧や札幌の病院に頼らざるを得ない状況です。であれば、日高本線廃止とともに日高管内の交通ネットワークを見直すとともに、管内の中心に総合病院を設け、そこを中心とした公共交通の在り方を検討すべきでした。本来はそうした新たな交通ネットワークを推進するための助言等を道や国が行わなければならなかったのです。
沿線住民を考慮せず、鉄道の存廃だけにこだわったという点では非常に残念な5年間でした。
これまで北海道内では不採算路線が廃止されてきましたが、そのほとんどでバス転換後に利用者減少によって減便を余儀なくされ、完全に廃止された路線や時刻表は残っているものの、完全予約制のバスで運行するなど、後年になって機能していない状況が伺えます。
今回は鵡川~様似間が廃止となりましたが、苫小牧~鵡川間についても、営業係数(100円の営業収入を得るのにどれだけの営業費用を要するかを表す指数)は802で厳しい数字です。国鉄時代であれば、廃止相応のレベルです。
残った区間についても厳しい状況であることは言うまでもなく、このまま続けばバス転換が相当と判断されるでしょう。H100形が現時点で日高本線に投入予定がないことを踏まえると、将来的な鉄道の維持は考慮されていないのかもしれませんね。
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