苗穂工場に入場中の「マヤ35-1」
客車・貨車 - 2021年01月17日 (日)
「マヤ35-1」が苗穂工場に入場中です。

管理者も1年以上見ていないと思います。かなり久しぶりに見ました。
同車は「マヤ34-2008」の後継車です。


せっかくなので、これまでの同車について、先代の「マヤ34-2008」とともに、簡単にまとめます。
従来、北海道で長年使用されてきた「マヤ34-2008」ですが、製造から39年が経過し、老朽化が進行していました。同時に、経年による各種部品が生産中止になるなど、部品調達が困難な状況に陥り、車両メンテナンスに苦慮していました。
そこで新たな検測用の車両として後継車となる「マヤ35-1」を製造し、2017年5月17日付で札幌運転所に配置しました。
しかし、この時点では本格的な世代交代は実施されず、翌年3月まで車両性能の確認及び、検測装置のデータ検証などの各種試験が実施され、4月以降、本格的な稼働を開始しました。軌道検測用の車両として、形式名に「マヤ」とつく車両が製造されたのは実に36年ぶりのことで、同系は現時点で北海道のみに存在します。
従来使用していた「マヤ34-2008」については、世代交代完了後の2018年10月31日付で廃車となりました。
新製されたマヤ35形のエクステリアは、北海道新幹線のH5系と同系色の常盤グリーンをベースに、紅葉のオレンジ色と雪原の白色が検測車の走行とともに流れ動くイメージで、北海道に来てまもない頃は常盤グリーンのみのシンプルなエクステリアでしたが、後にオレンジと白色のラインが追加されました。

登場当時は写真のように、常盤グリーンのシンプルなエクステリアでした。これはこれでシンプルでよかったですよね。
最高運転速度は110km/hで、昨今のようにキハ40形気動車に牽引される場合は最高運転速度が95km/hとなります。先代のマヤ34形と比較して事業用客車のままですが、機能性は大幅に向上し、特に以下の3点において従来の検測方法から大幅に進化しています。
①積雪時の軌道変位が可能に(測定方法の変更)
従来の「マヤ34-2008」は、車輪をレールに接触させて測定を実施していましたが、冬期は雪や氷が挟まって正確な測定が実施できませんでした。そこでマヤ35形では、積雪時にも計測を可能にする光と磁気のセンサーを使うタイプに測定方法を変更し、雪や氷がレールや車輪に付着している状態で測定することが可能になりました。
②構造物との距離を光波により連続かつ自動で測定可能に(従来は人が定規で測定)
従来、トンネルや駅ホームなどの構造物と車両の距離を人が専用の定規を用いて測定していましたが、マヤ35形の投入に伴い、建築限界測定装置が新たに搭載されたことで、新たにレーザーで計測する仕組みを導入し、高精度で効率的な検査が可能になりました。
③線路の状況を撮影する前方画像処理装置の搭載
線路等の状態やその変化を把握するため、路盤の陥没などを常時収録できるようになりました。
また従来、建築限界測定用試験車として「オヤ31-32」が札幌運転所に配置されていました。
オヤ31形は1949年から1961年にかけて7両が従来の客車から改造製作された車両で、国鉄分割民営化後は四国を除く各旅客鉄道会社に1両ずつ承継されました。
建築限界試験とは、線路周辺の建造物に変化が生じた場合、駅舎などの建造物が走行する車両に障害物が触れないようにし、周囲の建造物が越えてはならない範囲内に収まっているかどうかを測定する試験です。
同車は車齢50年超えていたものの、鉄道路線において、車両の限界計測は実施する頻度は低いとはいえ、列車を安全に運行するためには必要な車両です。そのため、車齢が高いにも関わらず、長年にわたって配置されていました。
そこで、マヤ35形の投入を機に、建築限界測定装置が新たに搭載されたことで、従来のオヤ31形の役割も担うことが可能になりました。これにより、「マヤ34-2008」と同じくして、「オヤ31-32」についても、マヤ35形の本格的な稼働開始後の2018年9月10日付で廃車となっています。
このように、円滑な各種検測作業が実施できるようになったこと以外にも、マヤ35形に検測車としての役割を集約することで、老朽化した車両を置き換える等、車両運用の効率化にも貢献し、車両維持コストの低減を図っています。
残念ながら管理者は、マヤ35形を本線上で確認したことがありません。スジがわからないので、どうしようもないです。昔はキハ141形気動車などを使って検測作業を実施していましたが、マヤ35形以降はキハ40形気動車の300番台がほぼ専属で使用されているようです。
時刻が不明なので、北海道で活躍している車両といえど、ロイヤルエクスプレスなどといった運行時刻がわかっている車両より走行シーンは貴重かもしれません。
Twitterでも滅多に運行情報が出ません。見かけたときは運がよかったと言わざるを得ません。今年は撮れるのでしょうか??
いつかは走行シーンを撮れることを夢見て、、、
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管理者も1年以上見ていないと思います。かなり久しぶりに見ました。
同車は「マヤ34-2008」の後継車です。


せっかくなので、これまでの同車について、先代の「マヤ34-2008」とともに、簡単にまとめます。
従来、北海道で長年使用されてきた「マヤ34-2008」ですが、製造から39年が経過し、老朽化が進行していました。同時に、経年による各種部品が生産中止になるなど、部品調達が困難な状況に陥り、車両メンテナンスに苦慮していました。
そこで新たな検測用の車両として後継車となる「マヤ35-1」を製造し、2017年5月17日付で札幌運転所に配置しました。
しかし、この時点では本格的な世代交代は実施されず、翌年3月まで車両性能の確認及び、検測装置のデータ検証などの各種試験が実施され、4月以降、本格的な稼働を開始しました。軌道検測用の車両として、形式名に「マヤ」とつく車両が製造されたのは実に36年ぶりのことで、同系は現時点で北海道のみに存在します。
従来使用していた「マヤ34-2008」については、世代交代完了後の2018年10月31日付で廃車となりました。
新製されたマヤ35形のエクステリアは、北海道新幹線のH5系と同系色の常盤グリーンをベースに、紅葉のオレンジ色と雪原の白色が検測車の走行とともに流れ動くイメージで、北海道に来てまもない頃は常盤グリーンのみのシンプルなエクステリアでしたが、後にオレンジと白色のラインが追加されました。

登場当時は写真のように、常盤グリーンのシンプルなエクステリアでした。これはこれでシンプルでよかったですよね。
最高運転速度は110km/hで、昨今のようにキハ40形気動車に牽引される場合は最高運転速度が95km/hとなります。先代のマヤ34形と比較して事業用客車のままですが、機能性は大幅に向上し、特に以下の3点において従来の検測方法から大幅に進化しています。
①積雪時の軌道変位が可能に(測定方法の変更)
従来の「マヤ34-2008」は、車輪をレールに接触させて測定を実施していましたが、冬期は雪や氷が挟まって正確な測定が実施できませんでした。そこでマヤ35形では、積雪時にも計測を可能にする光と磁気のセンサーを使うタイプに測定方法を変更し、雪や氷がレールや車輪に付着している状態で測定することが可能になりました。
②構造物との距離を光波により連続かつ自動で測定可能に(従来は人が定規で測定)
従来、トンネルや駅ホームなどの構造物と車両の距離を人が専用の定規を用いて測定していましたが、マヤ35形の投入に伴い、建築限界測定装置が新たに搭載されたことで、新たにレーザーで計測する仕組みを導入し、高精度で効率的な検査が可能になりました。
③線路の状況を撮影する前方画像処理装置の搭載
線路等の状態やその変化を把握するため、路盤の陥没などを常時収録できるようになりました。
また従来、建築限界測定用試験車として「オヤ31-32」が札幌運転所に配置されていました。
オヤ31形は1949年から1961年にかけて7両が従来の客車から改造製作された車両で、国鉄分割民営化後は四国を除く各旅客鉄道会社に1両ずつ承継されました。
建築限界試験とは、線路周辺の建造物に変化が生じた場合、駅舎などの建造物が走行する車両に障害物が触れないようにし、周囲の建造物が越えてはならない範囲内に収まっているかどうかを測定する試験です。
同車は車齢50年超えていたものの、鉄道路線において、車両の限界計測は実施する頻度は低いとはいえ、列車を安全に運行するためには必要な車両です。そのため、車齢が高いにも関わらず、長年にわたって配置されていました。
そこで、マヤ35形の投入を機に、建築限界測定装置が新たに搭載されたことで、従来のオヤ31形の役割も担うことが可能になりました。これにより、「マヤ34-2008」と同じくして、「オヤ31-32」についても、マヤ35形の本格的な稼働開始後の2018年9月10日付で廃車となっています。
このように、円滑な各種検測作業が実施できるようになったこと以外にも、マヤ35形に検測車としての役割を集約することで、老朽化した車両を置き換える等、車両運用の効率化にも貢献し、車両維持コストの低減を図っています。
残念ながら管理者は、マヤ35形を本線上で確認したことがありません。スジがわからないので、どうしようもないです。昔はキハ141形気動車などを使って検測作業を実施していましたが、マヤ35形以降はキハ40形気動車の300番台がほぼ専属で使用されているようです。
時刻が不明なので、北海道で活躍している車両といえど、ロイヤルエクスプレスなどといった運行時刻がわかっている車両より走行シーンは貴重かもしれません。
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いつかは走行シーンを撮れることを夢見て、、、
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