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幻の「北斗」のダイヤ

本日二度目の更新です。

時刻表上で設定されたダイヤにも関わらず、実際に使われることのなかった「北斗」のダイヤを紹介します。





写真は2013年11月のダイヤ修正時のものです。

かつてJR北海道では、2013年7月に特急「北斗14号」発生した車両火災の影響で、キハ183系の一部車両が使用休止となり、定期「北斗」で使用する車両の一部が使用休止の対象となったことから、スラントノーズ車などの稼働できる車両を中心に編成を組んだ毎日運転の臨時「北斗」が代わりに運行されていました。

毎日運転の臨時列車が設定されていた一方で、定期列車復活に備えてダイヤは一応用意はされていました。ですが、復帰までに時間がかかり、翌年3月にもダイヤ改正が実施され、正式に復帰後のダイヤが修正されました。よって、一応用意されてはいたものの、実際に使われることがなかった「北斗」のダイヤが存在したのです。

写真だと濃い色で塗りつぶされている「北斗」が該当します。始発駅と終着駅で時刻変更がない列車は、特急「北斗4号」、特急「北斗17号」、特急「北斗19号」です。特急「北斗4号」と特急「北斗17号」については、出火事故車と同型のエンジンを搭載していたため、車両を使用停止せざるを得ない状況でしたが、120km/h対応車両での運転だったため、減速運転の影響が出なかった列車です。特急「北斗19号」については、途中で若干の時刻変更が生じているものの、始発駅と終着駅で時刻変更はなく、札幌圏で挽回しているようなダイヤとなっていました。

そのほかの列車については、4分~7分程度の延びとなりました。

最速は特急「北斗5号」と特急「北斗11号」で3時間33分でした。減速運転前が最速3時間29分でした。当時は+4分で走り切れるのかと疑問に思っていたところでしたが、設定されている以上は運行することができるダイヤだったのでしょう。キハ183系の性能には驚きました。

ですが、翌年3月のダイヤ改正で所要時間がさらに増加し、3時間40分台の運転になりました。このことから、やはり余裕がないダイヤ設定だと感じてしまいます。

それにしても、札幌圏なんかは凄いダイヤです。キハ183系の性能をフルに発揮し、120km/h運転になっても諦めないド根性ダイヤが組まれていました。

上述のとおり、列車によっては+4分というあり得ないようなダイヤが組まれていたわけですが、過去に鉄道ファン誌でキハ183系の運転方法について取材していた記事がありました。

130km/h運転の「北斗」の場合、基本的には120km/hから125km/hまでしか速度を出さず、遅延時に125km/hから130km/hの運転が見られるようです。なので、減速運転を実施後はほんのわずかに速度が落ちる程度のようです。

また、キハ183系の列車全てに該当しますが、フルノッチにするのはほんの最初だけで、基本的に走行中はフルノッチにはしないとのこと。理由は不明ですが、もしかしたらキハ181系のようなオーバーヒート対策の一環かもしれません。

常紋峠や北見峠でもフルノッチにしないというのだから、キハ183系の走行性能は凄いと感じます。

また、発進時にも気を遣うとのことです。エンジン換装後はそのようなことはないと思いますが、エンジン換装前の車両については、発進時に気をつけないと「ガクン」と勢いよく発進してしまうのです。

理由は何だったかな?エンジントルクが太いから?のような理由だったと思います。2004年8月号?「北海道の鉄道楽」の中に記載されていたと思います。

なので、運転する際は相応の技術が必要とのこと。雑誌が発売されていた当時は「北斗」はもちろん、「とかち」もありましたので、よく確認したものです。確かに、最初からフルノッチにすることはなく、運転士が気をつけていても「ガクン」となっていたのを思い出します。

微妙な操作加減が非常に難しかったと思いますよ。

雑誌がある方は確認してみてください。キハ183系ファンなら必ず手に入れたいはずですよ。


ということで、幻の「北斗」ダイヤを紹介しました。現在の札幌~函館間はキハ261系中心の車両繰りが組まれ、キハ183系から走行性能が大幅にアップしているはずです。しかし、来春ダイヤ改正以降はキハ261系の全ての列車が3時間40分台から50分台となります。現行ダイヤでは北海道新幹線との接続を果たす重要な役割があり、そのためにダイヤに余裕を持たせているので、以前のような余裕時分があまりないダイヤの設定は難しくなっているようです。

万が一遅延が発生して新幹線にも影響することは、あってはならないですからね。

速度が遅くなっても新幹線開業や本数が充実したこともあり、キハ261系投入初年度は利用率も向上したようです。昨今はコロナで悲惨な状況が続いていますが、いずれコロナが終息し、札幌~函館間の「北斗」も元気を取り戻してほしいと思います。











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コメント
10114: by シニアパートナー on 2021/01/25 at 14:16:17 (コメント編集)

フルノッチは、キハ183系以前の車両の場合は連続稼働の制限時間5分と決められていたと記憶しています。オーバーヒート対策ですね。キハ181系だけに限りません。

キハ183系は、常紋峠の力行でも全ノッチ数の60%程度だと聞いたことがあります。それ以上にすると、曲線制限速度を超過するらしいです。かつてのキハ82系とは違います。またキハ183系がオホーツクに導入された1986年ころ、旭川駅で初期故障によりキロ182のエンジンを停止したが、ダイヤに影響なかったと鉄道ジャーナル誌の記事に載っていました。

気動車の場合、一番出力を要するのは加速時だと思います。車も同じではないでしょうか。

10121: by 管理人 on 2021/01/25 at 22:51:36

>>「シニアパートナー」さん、コメントありがとうございます。

オーバーヒート対策とは記されていませんでしたが、発進時のみフルノッチにし、基本的に走行中はフルノッチでは走行しないことが記載されていました。

でも、おそらくオーバーヒート対策なんでしょうね。

エンジンを停止して走らせることは、車両がトラブルを起こした際に稀にありますよね。基本的に終着までエンジンを停止させて走らせることが多いです。エンジンを停止させても基本的に大きく遅延を発生することには至らず、数値的にも1tあたの出力換算で若干劣るだけなので、大きく影響は出ないはずですよ。

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