ニセコエクスプレスいませんでした!!
キハ183系 - 2021年01月21日 (木)
先日ニセコ町に行ってきました。
駅前のニセコエクスプレスを確認しようと思ったら・・・


いない!!
代わりに、木造の大きな建物が建っていました。

9600形蒸気機関車はブルーシートに覆われて冬眠していました。
ニセコエクスプレスとは・・・



こんな列車です。
1988年に苗穂工場で自社製造された車両です。しかも改造車ではありません。完全な新製車両です。
鉄道車両を自社で製造できることは本当に凄いことです。それだけ北海道の鉄道は活気に溢れていました。
3両編成ということもあり、晩年は混雑に対応できず、しかも冷房機器の故障という爆弾を抱えてしまいます。修繕には費用がかかることから、老朽化を機に引退しました。愛称こそニセコエクスプレスですが、富良野方面の臨時列車に使われたりと、オールマイティに使用されました。
むしろニセコ方面の乗り入れは晩年はほとんどなかったです。
華やかなリゾート列車でしたが、晩年は団体・臨時列車需要が少なく、1年のそのほとんどが苗穂工場で休む状態となり、もはや用無しの存在だったのです。
ニセコ町の有島記念館のホームページを確認すると、昨年の11月16日にニセコ町へ無事に里帰りしました。そして、ニセコエクスプレスを収蔵する車庫が昨年の12月中旬に完成しており、今年の春以降に予定している一般公開に備えて冬眠させる予定のようです。
なので、この木造の収蔵庫の中にニセコエクスプレスが眠っていると思われ、来春まではその姿を見ることができないようです。
これだけでは記事として物足りないので、保存までの経過を振り返ってみましょうか。
ニセコエクスプレスはクラウドファンディングによって、たくさんの方々から支援をいただいて保存に成功しました。題して、『ニセコエクスプレスの、里帰り。キハ183-5001号を守り抜く!』です。
当初は以下の予定で目標金額が設けられていました。
【第一目標金額:860万円】
車体購入費の一部+輸送費・路盤整備費の一部+車庫建設費の一部=650万円
返礼品費用+Readyfor手数料=210万円
【第二目標金額:950万円】
車体購入費の一部+輸送費・路盤整備費の一部=700万円
返礼品費用+Readyfor手数料=250万円
第一目標達成金額である860万円を達成すると、先頭部分を7メートルのみ切断して里帰りとなっていました。1両まるまる保存するためには、第二目標達成金額である950万円まで達成させなければなりませんでした。
第一目標達成金額と第二目標達成金額で差額は90万円です。差額が決して大きいわけではありません。これには理由があり、車体の一部を切断して保存するとなると、冬季に除雪をする際、窓ガラスの破損を伴う場合があり、これを防ぐために車庫を建設する予定でした。この車庫建設の費用に充てられるため、目標金額の差があまり大きくなかったのです。
第二目標金額達成の場合、車体を1両まるまる保存することができるため、車体切断によって車体強度が落ちることはありません。しかし、専用の車庫を建設するには莫大な費用がかかることから、車庫の建設費用については、当初第二目標金額の支援から捻出されない計画でした。1両まるまる保存する場合は、冬季の管理を考慮して有島記念公園の敷地内に保存する計画で、それが実現した形です。
ちなみに、解体された2両の車内外部品の一部を保守部品としてJR北海道から既に譲渡されています。
1両をまるまる保存することが決定した際、目標達成当初、目標金額+およそ100万円で同車の生まれ故郷である苗穂工場で補修・綺麗にして保存先のニセコ町へ旅立つ計画でしたが、補修分の費用には届かなかったため、ニセコ町鉄道文化協会が塗装修復する際の費用として使用する予定でした。
しかし、お色直しをしたうえで苗穂工場を旅立っていますから、その後において関係者の方々で金額を上乗せしたことで補修して旅立つことができたのかもしれません。
また、1両保存にあたり、車庫は設けられない計画でしたが、いつの間にか車庫で保管する計画に改められています。クラウドファンディングのページを確認しましたが、そのような計画変更等について記載されていませんでした。当初から大幅に計画が変更されており、当初の金額よりも大幅に費用が拠出されていると思われます。どこから拠出されているのかどうかは不明です。
やはり、車両を末永く維持していくとなると、やはり車庫や屋根は必要です。北海道では、車両の保存は成功しても2例目まではアフターメンテナンスがあまり考慮されず、悲惨な状況になっています。711系の方は昨秋までに修繕されたようで、綺麗な状態を再び維持し直したそうですが、北斗市茂辺地の24系については、残念な状態が続いています。以前、昨夏の様子をお伝えしましたが、北海道では冬季になるとさらに車体が劣化しやすくなります。おそらく写真で紹介した際のものより酷くなっているのではないでしょうか?
そうした教訓もあって、キハ183系スラントノーズ車からは綺麗に保存されるようになりました。夏季は屋根もない状態ですが、冬季はブルーシートで覆っているので、比較的綺麗な状態を維持しています。昨年は全然行けなかったので、今年も春以降訪問できればと思っています。
今のところ、春先から一般公開を予定しているようですが、スケジュール等については決まっていません。場所はニセコ駅の隣で、「一日散歩きっぷ」を使って行くのもいいでしょう。雪融けが進む春の山線の景色とともに、天気が良ければ羊蹄山も眺めることができるでしょう。
来春までおわずけになりそうですが、春の山線は景色が素晴らしく、特に羊蹄山と列車を一緒に撮影するのがオススメです。早く行きたくなってきました。今春の山線は楽しいことが盛りだくさんになりそうです。
↓ブログランキングにご協力お願いします↓

にほんブログ村

人気ブログランキング
駅前のニセコエクスプレスを確認しようと思ったら・・・


いない!!
代わりに、木造の大きな建物が建っていました。

9600形蒸気機関車はブルーシートに覆われて冬眠していました。
ニセコエクスプレスとは・・・



こんな列車です。
1988年に苗穂工場で自社製造された車両です。しかも改造車ではありません。完全な新製車両です。
鉄道車両を自社で製造できることは本当に凄いことです。それだけ北海道の鉄道は活気に溢れていました。
3両編成ということもあり、晩年は混雑に対応できず、しかも冷房機器の故障という爆弾を抱えてしまいます。修繕には費用がかかることから、老朽化を機に引退しました。愛称こそニセコエクスプレスですが、富良野方面の臨時列車に使われたりと、オールマイティに使用されました。
むしろニセコ方面の乗り入れは晩年はほとんどなかったです。
華やかなリゾート列車でしたが、晩年は団体・臨時列車需要が少なく、1年のそのほとんどが苗穂工場で休む状態となり、もはや用無しの存在だったのです。
ニセコ町の有島記念館のホームページを確認すると、昨年の11月16日にニセコ町へ無事に里帰りしました。そして、ニセコエクスプレスを収蔵する車庫が昨年の12月中旬に完成しており、今年の春以降に予定している一般公開に備えて冬眠させる予定のようです。
なので、この木造の収蔵庫の中にニセコエクスプレスが眠っていると思われ、来春まではその姿を見ることができないようです。
これだけでは記事として物足りないので、保存までの経過を振り返ってみましょうか。
ニセコエクスプレスはクラウドファンディングによって、たくさんの方々から支援をいただいて保存に成功しました。題して、『ニセコエクスプレスの、里帰り。キハ183-5001号を守り抜く!』です。
当初は以下の予定で目標金額が設けられていました。
【第一目標金額:860万円】
車体購入費の一部+輸送費・路盤整備費の一部+車庫建設費の一部=650万円
返礼品費用+Readyfor手数料=210万円
【第二目標金額:950万円】
車体購入費の一部+輸送費・路盤整備費の一部=700万円
返礼品費用+Readyfor手数料=250万円
第一目標達成金額である860万円を達成すると、先頭部分を7メートルのみ切断して里帰りとなっていました。1両まるまる保存するためには、第二目標達成金額である950万円まで達成させなければなりませんでした。
第一目標達成金額と第二目標達成金額で差額は90万円です。差額が決して大きいわけではありません。これには理由があり、車体の一部を切断して保存するとなると、冬季に除雪をする際、窓ガラスの破損を伴う場合があり、これを防ぐために車庫を建設する予定でした。この車庫建設の費用に充てられるため、目標金額の差があまり大きくなかったのです。
第二目標金額達成の場合、車体を1両まるまる保存することができるため、車体切断によって車体強度が落ちることはありません。しかし、専用の車庫を建設するには莫大な費用がかかることから、車庫の建設費用については、当初第二目標金額の支援から捻出されない計画でした。1両まるまる保存する場合は、冬季の管理を考慮して有島記念公園の敷地内に保存する計画で、それが実現した形です。
ちなみに、解体された2両の車内外部品の一部を保守部品としてJR北海道から既に譲渡されています。
1両をまるまる保存することが決定した際、目標達成当初、目標金額+およそ100万円で同車の生まれ故郷である苗穂工場で補修・綺麗にして保存先のニセコ町へ旅立つ計画でしたが、補修分の費用には届かなかったため、ニセコ町鉄道文化協会が塗装修復する際の費用として使用する予定でした。
しかし、お色直しをしたうえで苗穂工場を旅立っていますから、その後において関係者の方々で金額を上乗せしたことで補修して旅立つことができたのかもしれません。
また、1両保存にあたり、車庫は設けられない計画でしたが、いつの間にか車庫で保管する計画に改められています。クラウドファンディングのページを確認しましたが、そのような計画変更等について記載されていませんでした。当初から大幅に計画が変更されており、当初の金額よりも大幅に費用が拠出されていると思われます。どこから拠出されているのかどうかは不明です。
やはり、車両を末永く維持していくとなると、やはり車庫や屋根は必要です。北海道では、車両の保存は成功しても2例目まではアフターメンテナンスがあまり考慮されず、悲惨な状況になっています。711系の方は昨秋までに修繕されたようで、綺麗な状態を再び維持し直したそうですが、北斗市茂辺地の24系については、残念な状態が続いています。以前、昨夏の様子をお伝えしましたが、北海道では冬季になるとさらに車体が劣化しやすくなります。おそらく写真で紹介した際のものより酷くなっているのではないでしょうか?
そうした教訓もあって、キハ183系スラントノーズ車からは綺麗に保存されるようになりました。夏季は屋根もない状態ですが、冬季はブルーシートで覆っているので、比較的綺麗な状態を維持しています。昨年は全然行けなかったので、今年も春以降訪問できればと思っています。
今のところ、春先から一般公開を予定しているようですが、スケジュール等については決まっていません。場所はニセコ駅の隣で、「一日散歩きっぷ」を使って行くのもいいでしょう。雪融けが進む春の山線の景色とともに、天気が良ければ羊蹄山も眺めることができるでしょう。
来春までおわずけになりそうですが、春の山線は景色が素晴らしく、特に羊蹄山と列車を一緒に撮影するのがオススメです。早く行きたくなってきました。今春の山線は楽しいことが盛りだくさんになりそうです。
↓ブログランキングにご協力お願いします↓

にほんブログ村

人気ブログランキング

- 関連記事
-
-
キハ183系5200番台ノースレインボーエクスプレス、綺麗になっています!! 2021/01/29
-
ニセコエクスプレスいませんでした!! 2021/01/21
-
昨秋で消滅したキハ183系とかち色 2021/01/10
-