【2021年3月13日(土)ダイヤ改正レポートその2】一部列車で時刻変更を実施する「すずらん」
特急列車 - 2021年02月19日 (金)
今回は予約投稿記事です。
3月13日のダイヤ改正以降の札幌~東室蘭・室蘭間の「すずらん」についてです。
概ね現行ダイヤを維持しますが、特急「すずらん10号」だけ運行時刻が変更されます。
理由は、札幌~函館間において、現在の「北斗」の最終1往復が新型コロナウィルスによる利用減少によって運転が取り止められます。函館方面の特急列車については、ダイヤ改正以降は特急「北斗22号」が最終列車になることに伴い、札幌駅発車時刻を36分繰り下げて現在の特急「すずらん10号」の時間帯へ。そして、ダイヤ改正以降の特急「すずらん10号」は、現行ダイヤよりおよそ30分繰り下げられます。
ダイヤ改正以降の時刻は以下のとおりです。
【札幌~東室蘭・室蘭】
【室蘭・東室蘭~札幌】
※印の列車は、札幌~東室蘭間の運転の列車です。
新型コロナウィルスによる利用減少により、特急「すずらん」については、減便の可能性、そしてそれに伴う運用減少によって785系を引退させるというプランがネット上に流れていましたが、「すずらん」は本数削減等を実施できない理由があるのです。
それは、旧Sきっぷユーザーを守るためです。現在は「北斗」と「すずらん」で東室蘭~室蘭間を除いて同じ区間を走行するわけですが、役割が違う様子が見えてきます。
役割が異なるようになったのは、おトクなきっぷを改定した際です。従来は指定席往復割引きっぷ(Rきっぷ)や自由席往復割引きっぷ(Sきっぷ)が設定されていました。札幌~東室蘭間を利用する場合、後者になるわけですが、従来は「北斗」または「スーパー北斗」と「すずらん」で列車が限定されることはなく、どの特急列車も対象でした。
しかし、おトクなきっぷ改定後、これらは廃止され、札幌~東室蘭間を利用する場合、乗車券往復割引きっぷを購入し、さらに、指定席特急券または自由席特急券を別に買う手間が生じるようになりました。改定の際、お求めやすくなるように設定したと説明がありましたが、実際は不便になっただけで、実質料金が値上がりしました。
これをカバーすべく、オプション特急券を新たに設けました。
オプション特急券とは、一部の区間だけに設定され、乗車券往復割引きっぷと合わせてリーズナブルで特急列車の自由席を利用できるきっぷです。苫小牧や登別、東室蘭へ行く際は、乗車券往復割引きっぷに「すずらんオプション特急券」を合わせて購入することで、従来の自由席往復割引きっぷとほぼ同等の値段で移動することができましたが、今度は「すずらん」のみという制約が設けられ、「北斗」や「スーパー北斗」については、利用することはできるものの、東室蘭までの割引制度はなくなりました。
「北斗」や「スーパー北斗」については、「北斗オプション特急券」として伊達紋別や洞爺、長万部への利用を見据え、「すずらん」との役割を分ける形になりました。
背景としては、「北斗」や「スーパー北斗」に利用が集中していた体制を改めることや、北海道新幹線開業前の減便時代、札幌~東室蘭間の利用についても、「北斗」や「スーパー北斗」に利用が集中した経緯があり、札幌駅の時点で特に繁忙期であれば、定員オーバーで全員乗車することができないほど混雑したこともあり、これらの対策のために役割を完全に分けたと思われます。
もちろん、従来どおり利用することも可能ですが、「北斗」や「スーパー北斗」で割引制度を廃止し、割増感を出すことで「すずらん」へ利用促進を図った形となります。
過去にいただいたコメントでは、現在はコロナ禍で移動は減っているものの、室蘭や苫小牧エリアから札幌への移動の際、ビジネスで自由席往復割引きっぷ(Sきっぷ)を重宝していましたが、おトクなきっぷ改定後はほぼ同額の乗車券往復割引きっぷ+すずらんオプション特急券という組み合わせを選択せざるを得なくなり、加えて利用できる列車や時間帯が絞られてしまい、逆に不便になったという声も聞きます。移動代や出張費用の増額も難しいということで、各企業様もビジネスマンもやむ無く「すずらん」を利用しているような形です。
その後、「えきねっとトクだ値」などの新たな割引サービスが設けられるも、札幌~東室蘭間は「すずらん」でしか割引サービスを実施せず、「北斗」や「スーパー北斗」については、札幌市内及び南千歳から函館エリアに限定した設定となっています。割引サービスの選択肢が増えたとしても、役割を完全に分けている以上、札幌~東室蘭間については、料金を抑えて移動するのであれば、「すずらん」を選択するという従来の流れは変わらないようです。
こうした旧Sきっぷユーザーを守るために、「すずらん」は簡単には減便できない理由があるのです。おトクなきっぷ改定後はむしろ特定の列車で利用が増えている傾向にあり、昨年のコロナ禍でも「すずらん」については、一部列車でいち早く営業運転を再開させた経緯があります。
札幌~東室蘭間では、「北斗」を補完する列車ですが、役割が分けられてしまっている以上、その補完する役割の列車も簡単に減便対象にはできません。おそらく、特定の曜日における計画運休にならないのも、利用者から少なからず声があったものと推測します。
管理者は室蘭方面へ行く際は大抵「すずらん」を利用します。電車なので静かで快適なのです。もちろん、「北斗」よりも割安という理由もありますが、静かで快適でウトウトしながら移動するにはちょうどよい列車です。
同列車には、今では貴重な存在となった785系も使用しており、地味な存在ながら日によっては何かと注目される列車です。道南方面で悪天候になった際、「北斗」が運休となっても、運行区間の関係で「すずらん」は動いている場合が多く、ときには救世主になります。
地味な特急列車ながら、その活躍ぶりはときには威力を発揮します。コロナに負けず、今後も活躍が期待されます。


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3月13日のダイヤ改正以降の札幌~東室蘭・室蘭間の「すずらん」についてです。
概ね現行ダイヤを維持しますが、特急「すずらん10号」だけ運行時刻が変更されます。
理由は、札幌~函館間において、現在の「北斗」の最終1往復が新型コロナウィルスによる利用減少によって運転が取り止められます。函館方面の特急列車については、ダイヤ改正以降は特急「北斗22号」が最終列車になることに伴い、札幌駅発車時刻を36分繰り下げて現在の特急「すずらん10号」の時間帯へ。そして、ダイヤ改正以降の特急「すずらん10号」は、現行ダイヤよりおよそ30分繰り下げられます。
ダイヤ改正以降の時刻は以下のとおりです。
【札幌~東室蘭・室蘭】
列車名 | 運行時刻 | 所要時間 |
特急「すずらん2号」 | 札幌(7:30発)➡東室蘭(8:58着) | 1時間28分※ |
特急「すずらん4号」 | 札幌(11:21発)➡室蘭(13:05着) | 1時間44分 |
特急「すずらん6号」 | 札幌(13:56発)➡室蘭(15:38着) | 1時間42分 |
特急「すずらん8号」 | 札幌(16:03発)➡室蘭(17:49着) | 1時間46分 |
特急「すずらん10号」 | 札幌(19:14発)➡室蘭(21:03着) | 1時間39分 |
特急「すずらん12号」 | 札幌(22:00発)➡室蘭(23:44着) | 1時間44分(-2分) |
【室蘭・東室蘭~札幌】
列車名 | 運行時刻 | 所要時間 |
特急「すずらん1号」 | 室蘭(5:25発)➡札幌(7:13着) | 1時間48分 |
特急「すずらん3号」 | 室蘭(6:54発)➡札幌(8:38着) | 1時間46分 |
特急「すずらん5号」 | 東室蘭(9:22発)➡札幌(10:54着) | 1時間32分※ |
特急「すずらん7号」 | 室蘭(13:38発)➡札幌(15:28着) | 1時間50分 |
特急「すずらん9号」 | 室蘭(16:30発)➡札幌(18:16着) | 1時間46分 |
特急「すずらん11号」 | 室蘭(18:12発)➡札幌(20:02着) | 1時間50分 |
※印の列車は、札幌~東室蘭間の運転の列車です。
新型コロナウィルスによる利用減少により、特急「すずらん」については、減便の可能性、そしてそれに伴う運用減少によって785系を引退させるというプランがネット上に流れていましたが、「すずらん」は本数削減等を実施できない理由があるのです。
それは、旧Sきっぷユーザーを守るためです。現在は「北斗」と「すずらん」で東室蘭~室蘭間を除いて同じ区間を走行するわけですが、役割が違う様子が見えてきます。
役割が異なるようになったのは、おトクなきっぷを改定した際です。従来は指定席往復割引きっぷ(Rきっぷ)や自由席往復割引きっぷ(Sきっぷ)が設定されていました。札幌~東室蘭間を利用する場合、後者になるわけですが、従来は「北斗」または「スーパー北斗」と「すずらん」で列車が限定されることはなく、どの特急列車も対象でした。
しかし、おトクなきっぷ改定後、これらは廃止され、札幌~東室蘭間を利用する場合、乗車券往復割引きっぷを購入し、さらに、指定席特急券または自由席特急券を別に買う手間が生じるようになりました。改定の際、お求めやすくなるように設定したと説明がありましたが、実際は不便になっただけで、実質料金が値上がりしました。
これをカバーすべく、オプション特急券を新たに設けました。
オプション特急券とは、一部の区間だけに設定され、乗車券往復割引きっぷと合わせてリーズナブルで特急列車の自由席を利用できるきっぷです。苫小牧や登別、東室蘭へ行く際は、乗車券往復割引きっぷに「すずらんオプション特急券」を合わせて購入することで、従来の自由席往復割引きっぷとほぼ同等の値段で移動することができましたが、今度は「すずらん」のみという制約が設けられ、「北斗」や「スーパー北斗」については、利用することはできるものの、東室蘭までの割引制度はなくなりました。
「北斗」や「スーパー北斗」については、「北斗オプション特急券」として伊達紋別や洞爺、長万部への利用を見据え、「すずらん」との役割を分ける形になりました。
背景としては、「北斗」や「スーパー北斗」に利用が集中していた体制を改めることや、北海道新幹線開業前の減便時代、札幌~東室蘭間の利用についても、「北斗」や「スーパー北斗」に利用が集中した経緯があり、札幌駅の時点で特に繁忙期であれば、定員オーバーで全員乗車することができないほど混雑したこともあり、これらの対策のために役割を完全に分けたと思われます。
もちろん、従来どおり利用することも可能ですが、「北斗」や「スーパー北斗」で割引制度を廃止し、割増感を出すことで「すずらん」へ利用促進を図った形となります。
過去にいただいたコメントでは、現在はコロナ禍で移動は減っているものの、室蘭や苫小牧エリアから札幌への移動の際、ビジネスで自由席往復割引きっぷ(Sきっぷ)を重宝していましたが、おトクなきっぷ改定後はほぼ同額の乗車券往復割引きっぷ+すずらんオプション特急券という組み合わせを選択せざるを得なくなり、加えて利用できる列車や時間帯が絞られてしまい、逆に不便になったという声も聞きます。移動代や出張費用の増額も難しいということで、各企業様もビジネスマンもやむ無く「すずらん」を利用しているような形です。
その後、「えきねっとトクだ値」などの新たな割引サービスが設けられるも、札幌~東室蘭間は「すずらん」でしか割引サービスを実施せず、「北斗」や「スーパー北斗」については、札幌市内及び南千歳から函館エリアに限定した設定となっています。割引サービスの選択肢が増えたとしても、役割を完全に分けている以上、札幌~東室蘭間については、料金を抑えて移動するのであれば、「すずらん」を選択するという従来の流れは変わらないようです。
こうした旧Sきっぷユーザーを守るために、「すずらん」は簡単には減便できない理由があるのです。おトクなきっぷ改定後はむしろ特定の列車で利用が増えている傾向にあり、昨年のコロナ禍でも「すずらん」については、一部列車でいち早く営業運転を再開させた経緯があります。
札幌~東室蘭間では、「北斗」を補完する列車ですが、役割が分けられてしまっている以上、その補完する役割の列車も簡単に減便対象にはできません。おそらく、特定の曜日における計画運休にならないのも、利用者から少なからず声があったものと推測します。
管理者は室蘭方面へ行く際は大抵「すずらん」を利用します。電車なので静かで快適なのです。もちろん、「北斗」よりも割安という理由もありますが、静かで快適でウトウトしながら移動するにはちょうどよい列車です。
同列車には、今では貴重な存在となった785系も使用しており、地味な存在ながら日によっては何かと注目される列車です。道南方面で悪天候になった際、「北斗」が運休となっても、運行区間の関係で「すずらん」は動いている場合が多く、ときには救世主になります。
地味な特急列車ながら、その活躍ぶりはときには威力を発揮します。コロナに負けず、今後も活躍が期待されます。


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