【コラム】JR西日本でさえ、ローカル線維持困難を表明するご時世
コラム - 2021年02月19日 (金)
本日二度目の更新です。道東方面滞在期間中に作成しておいた記事があるので、正午前後はそれらの記事をしばらく掲載していきたいと思います。
昨夜、衝撃的なニュースが流れました。JR西日本が新型コロナウィルスの影響による経営悪化でローカル線維持困難を表明したのです。
具体的な路線や線区が上げなかったものの、廃線を視野に入れた見直しについてJR西日本・長谷川一明社長が言及し、バスやLRT(次世代型路面電車)への転換などを沿線の関係者らと話し合いを進めていくということです。
皆さんどう思いますか??
あのJR西日本がですよ!?
JR北海道と同じような雰囲気になってきました。
JR北海道と決定的な違いは、新幹線や京阪神といった大きなドル箱を有していたことです。数値的には赤字だった地方ローカル線輸送をもカバーできる収益源を有していたからこそ、赤字でも地方ローカル線を維持してきました。
しかし、コロナ禍によって在宅勤務が多くなった昨今、鉄道利用が大幅に減少し、そのドル箱を有する状況でも採算がとれなくなりました。今まで地方ローカル線の赤字を補てんが今度はできなくなってしまったのです。
JR北海道の島田修社長の言及のとおり、アフターコロナで利用者はコロナ前の水準に戻らない可能性を指摘しており、JR西日本についても、アフターコロナについては言及していませんが、今後も十分な利用の回復は見込めず、赤字の補てんが難しいことから、これを機に、利用者の少ないローカル線は、廃止を含めて在り方を見直していく方針です。
こうしてみると、地方ローカル線の問題は北海道だけではなかったということを改めて認識します。北海道が全国に先駆けて不採算路線の整理に着手しましたが、これはJR東日本やJR東海、JR西日本のようなドル箱を有していなかったからです。札幌圏の千歳線でも営業係数(100円の利益に得るのにかかる費用)は100円を少し上回るので、要は赤字なのです。北海道にも新幹線がありますが、収益に貢献しているどころか、むしろ大赤字なのです。
ネット上で調べていると、東京を出発した新幹線は新青森駅を境にさらに利用が減るということで、北海道新幹線は依然として厳しい状況が続いています。これまで日常でJR北海道が起こっていた利用実態が、コロナの影響でそれが全国に波及しつつあるのです。
JR西日本からこうした声が出たということは、他のJRの各旅客鉄道会社についても、その声を出す可能性も今後十分あり得るでしょう。JR東日本は北へ向かえば向かうほど鉄道の利用は減少し、JR東海も東海道新幹線というドル箱を有してきました。一方、在来線に目を向けると、数値的なものは管理者は確認していませんが、おそらく採算がとれないはずです。東海道新幹線を有していたからこそ、在来線にも近郊形車両をバンバン投入し、採算をとりつつ、利便性や先進性を維持できたと思います。
残るはJR四国とJR九州ですが、前者については、コロナ禍以前から将来的に不採算路線の見直しについて言及していました。コロナ禍となった現在、その予定が前倒しされる可能性は否定できません。後者については、豪雨などの自然災害も重なり、数値的には厳しい状況ということは言うまでもありません。あとは、大量に製作した観光用の車両を今後どのような形で活用していくのか気になります。
過去のネット記事を確認した限りでは、観光用の車両を増やす一方で、既存の特急車両については、しばらくは置き換え計画もなく、延命化で乗り切るといった方策だったと思います。これで例えば、社員数が北海道のように減少が著しければ、車両メンテナンスが十分できない状態が続き、10年前の特急「スーパーおおぞら14号」のように脱線して火を吹いて、そこから地に落とされる形になります。
なので管理者としては、JR九州は第二のJR北海道感がしてならないのです。九州の鉄道は管理者も好きで、Instagramでもフォローしている方が複数います。かつての北海道のようにならないか心配ではあるんですよね。
不採算路線やローカル線の廃止について、JR北海道が先駆けて実施してきましたが、当然批判もたくさんありました。管理者としても利用がないなら廃止すべきという考えを当初から貫き通しました。鉄道ファンからすれば、あり得ない考え方だったかもしれません。もちろん鉄道ファンを中心に管理者にも批判はたくさんありましたよ。
当初は、北海道内でも数字だけで利用実態がわからなかったのです。地元の報道機関は沿線自治体側に有利になるような報道しかしませんでした。やがて、これが全国で実態が報じられると、風向きが一気に変わりました。
現在は、当初廃止に反対としていた人間も、そうした利用実態が見えたことで考え方を改めた人間も少なからずいるはずです。ブログやSNSを継続しているとわかりますよ、廃止に反対という書き込みがいかに少なくなったかを。
それら批判はいまだに続いています。今年3月のダイヤ改正で北海道では18駅が廃止になりますが、いまだに「廃線への下準備」と捉えているんですよ!?考えられないです。
そうしたJR北海道が経験してきたことが、今後はこれがコロナ禍による収益悪化で全国展開されるはずです。北海道だけそうした不採算路線の整理を実施し、批判を続けてきた人間にとって、これが全国展開されていくとどのような考え方になるのか?
そうした人間たちはこれからが本当に見物です。
本州での不採算路線の整理に際し、北海道のように長期戦になるのか、それとも沿線自治体側がJRの事情を十分に考慮したうえで早期に決着がつくのか、このあたりはまだわかりません。しかし、北海道のようにJR側に全てをなすりつけるような存続方法を模索したり、地図から地名が消えるといった理由で存続させるといった筋が通らないやり方は絶対ダメです。
鉄道会社側が悪いのではなく、全ては利用者増につなげる人口を増やさなかった自治体側に非があるにほかならないのですから。
「まちがあって鉄道を含めた公共交通がある」のです。「鉄道を含めた公共交通があってまちがある」わけではないのです。この意味をはき違えてはなりません。
今後の流れとしては、北海道のように観光列車を走らせて収益を確保する方策も検討されるでしょう。しかし、場所は大きく異なれど、北海道でそうした過去の実績が十分ありますから、そうした見方は厳しいと言わざるを得ません。
見直し対象となるのは、まず特急列車などが走っていない閑散路線から対象になるでしょう。早期に北海道のように単独で維持することが可能なのか無理なのかを表で表し、営業係数などの具体的な数値も公表すべきです。不透明なままだと後々まで問題を引きずってしまう可能性もありますからね。
徐々にコロナの影響が出てきました。鉄道が衰退の一途を辿る可能性があることは残念ですが、鉄道は大量輸送を実施してこそ威力を発揮します。道路網が全国的に拡充し、各々で移動する現代にとっては、鉄道の衰退は仕方のないことかもしれません。
将来的に目指すべきは、自動車も鉄道も飛行機もそれぞれが共存できる社会を実現することです。昨今の北海道ではそのバランスがとれていませんが、北海道のみならず、全国的に将来的にはそうしたバランスのとれた公共交通網が整備されることを期待しています。
↓ブログランキングにご協力お願いします↓

にほんブログ村

人気ブログランキング
昨夜、衝撃的なニュースが流れました。JR西日本が新型コロナウィルスの影響による経営悪化でローカル線維持困難を表明したのです。
具体的な路線や線区が上げなかったものの、廃線を視野に入れた見直しについてJR西日本・長谷川一明社長が言及し、バスやLRT(次世代型路面電車)への転換などを沿線の関係者らと話し合いを進めていくということです。
皆さんどう思いますか??
あのJR西日本がですよ!?
JR北海道と同じような雰囲気になってきました。
JR北海道と決定的な違いは、新幹線や京阪神といった大きなドル箱を有していたことです。数値的には赤字だった地方ローカル線輸送をもカバーできる収益源を有していたからこそ、赤字でも地方ローカル線を維持してきました。
しかし、コロナ禍によって在宅勤務が多くなった昨今、鉄道利用が大幅に減少し、そのドル箱を有する状況でも採算がとれなくなりました。今まで地方ローカル線の赤字を補てんが今度はできなくなってしまったのです。
JR北海道の島田修社長の言及のとおり、アフターコロナで利用者はコロナ前の水準に戻らない可能性を指摘しており、JR西日本についても、アフターコロナについては言及していませんが、今後も十分な利用の回復は見込めず、赤字の補てんが難しいことから、これを機に、利用者の少ないローカル線は、廃止を含めて在り方を見直していく方針です。
こうしてみると、地方ローカル線の問題は北海道だけではなかったということを改めて認識します。北海道が全国に先駆けて不採算路線の整理に着手しましたが、これはJR東日本やJR東海、JR西日本のようなドル箱を有していなかったからです。札幌圏の千歳線でも営業係数(100円の利益に得るのにかかる費用)は100円を少し上回るので、要は赤字なのです。北海道にも新幹線がありますが、収益に貢献しているどころか、むしろ大赤字なのです。
ネット上で調べていると、東京を出発した新幹線は新青森駅を境にさらに利用が減るということで、北海道新幹線は依然として厳しい状況が続いています。これまで日常でJR北海道が起こっていた利用実態が、コロナの影響でそれが全国に波及しつつあるのです。
JR西日本からこうした声が出たということは、他のJRの各旅客鉄道会社についても、その声を出す可能性も今後十分あり得るでしょう。JR東日本は北へ向かえば向かうほど鉄道の利用は減少し、JR東海も東海道新幹線というドル箱を有してきました。一方、在来線に目を向けると、数値的なものは管理者は確認していませんが、おそらく採算がとれないはずです。東海道新幹線を有していたからこそ、在来線にも近郊形車両をバンバン投入し、採算をとりつつ、利便性や先進性を維持できたと思います。
残るはJR四国とJR九州ですが、前者については、コロナ禍以前から将来的に不採算路線の見直しについて言及していました。コロナ禍となった現在、その予定が前倒しされる可能性は否定できません。後者については、豪雨などの自然災害も重なり、数値的には厳しい状況ということは言うまでもありません。あとは、大量に製作した観光用の車両を今後どのような形で活用していくのか気になります。
過去のネット記事を確認した限りでは、観光用の車両を増やす一方で、既存の特急車両については、しばらくは置き換え計画もなく、延命化で乗り切るといった方策だったと思います。これで例えば、社員数が北海道のように減少が著しければ、車両メンテナンスが十分できない状態が続き、10年前の特急「スーパーおおぞら14号」のように脱線して火を吹いて、そこから地に落とされる形になります。
なので管理者としては、JR九州は第二のJR北海道感がしてならないのです。九州の鉄道は管理者も好きで、Instagramでもフォローしている方が複数います。かつての北海道のようにならないか心配ではあるんですよね。
不採算路線やローカル線の廃止について、JR北海道が先駆けて実施してきましたが、当然批判もたくさんありました。管理者としても利用がないなら廃止すべきという考えを当初から貫き通しました。鉄道ファンからすれば、あり得ない考え方だったかもしれません。もちろん鉄道ファンを中心に管理者にも批判はたくさんありましたよ。
当初は、北海道内でも数字だけで利用実態がわからなかったのです。地元の報道機関は沿線自治体側に有利になるような報道しかしませんでした。やがて、これが全国で実態が報じられると、風向きが一気に変わりました。
現在は、当初廃止に反対としていた人間も、そうした利用実態が見えたことで考え方を改めた人間も少なからずいるはずです。ブログやSNSを継続しているとわかりますよ、廃止に反対という書き込みがいかに少なくなったかを。
それら批判はいまだに続いています。今年3月のダイヤ改正で北海道では18駅が廃止になりますが、いまだに「廃線への下準備」と捉えているんですよ!?考えられないです。
そうしたJR北海道が経験してきたことが、今後はこれがコロナ禍による収益悪化で全国展開されるはずです。北海道だけそうした不採算路線の整理を実施し、批判を続けてきた人間にとって、これが全国展開されていくとどのような考え方になるのか?
そうした人間たちはこれからが本当に見物です。
本州での不採算路線の整理に際し、北海道のように長期戦になるのか、それとも沿線自治体側がJRの事情を十分に考慮したうえで早期に決着がつくのか、このあたりはまだわかりません。しかし、北海道のようにJR側に全てをなすりつけるような存続方法を模索したり、地図から地名が消えるといった理由で存続させるといった筋が通らないやり方は絶対ダメです。
鉄道会社側が悪いのではなく、全ては利用者増につなげる人口を増やさなかった自治体側に非があるにほかならないのですから。
「まちがあって鉄道を含めた公共交通がある」のです。「鉄道を含めた公共交通があってまちがある」わけではないのです。この意味をはき違えてはなりません。
今後の流れとしては、北海道のように観光列車を走らせて収益を確保する方策も検討されるでしょう。しかし、場所は大きく異なれど、北海道でそうした過去の実績が十分ありますから、そうした見方は厳しいと言わざるを得ません。
見直し対象となるのは、まず特急列車などが走っていない閑散路線から対象になるでしょう。早期に北海道のように単独で維持することが可能なのか無理なのかを表で表し、営業係数などの具体的な数値も公表すべきです。不透明なままだと後々まで問題を引きずってしまう可能性もありますからね。
徐々にコロナの影響が出てきました。鉄道が衰退の一途を辿る可能性があることは残念ですが、鉄道は大量輸送を実施してこそ威力を発揮します。道路網が全国的に拡充し、各々で移動する現代にとっては、鉄道の衰退は仕方のないことかもしれません。
将来的に目指すべきは、自動車も鉄道も飛行機もそれぞれが共存できる社会を実現することです。昨今の北海道ではそのバランスがとれていませんが、北海道のみならず、全国的に将来的にはそうしたバランスのとれた公共交通網が整備されることを期待しています。
↓ブログランキングにご協力お願いします↓

にほんブログ村

人気ブログランキング

- 関連記事
-
-
【コラム】北海道で今でこそ必要な特急列車の編成 2021/04/09
-
【コラム】JR西日本でさえ、ローカル線維持困難を表明するご時世 2021/02/19
-
【コラム】「SL冬の湿原号」用車両改修・来年度以降も運行継続=釧網本線の長期存続になるか!? 2021/02/12
-