3月ダイヤ改正以降、大量の余剰車を生み出しているキハ261系1000番台の増結用中間車
キハ261系 - 2021年03月19日 (金)
3月ダイヤ改正以降、キハ261系1000番台の増結用中間車で大量の余剰車を生み出しています。

写真は昨年の秋に撮影したもの。函館駅から函館運輸所(函ハコ)の様子を撮影したものです。
形式はキハ260形1300番台と函館運輸所(函ハコ)であれば、キハ260形1400番台も該当します。
ダイヤ改正後は写真以上に大量に函館運輸所(函ハコ)で普段眠っていると思いますよ。
同所には数え間違いがなければ36両の増結用中間車が在籍しています。そのうち、ダイヤ改正以降は所定が5両編成になり、6運用なので日頃使うのは6両だけになります。所定編成しか組まない閑散期になれば、30両もの増結用中間車が常に予備として待機していることになります。
札幌運転所(札サウ)でもキハ260形1300番台が在籍しており、こちらは函館よりも少ない16両が在籍していますが、日頃使うのは特急「おおぞら」2運用で2両のみ。同所では、ほかにも特急「とかち」が3運用ありますが、所定が4両編成のため、先頭車を含む2両1ユニット同士を連結すれば、増結用中間車は必要ありません。よって、こちらでも14両が常に予備として待機していることになります。
キハ260形1300番台については、今後2両の増備計画があります。配置がどこになるのか不明ですが、せっかくの新製車が所定編成の減車によって登場直後から予備状態でスタートを切る可能性もあります。
ということで、現時点で閑散期になれば44両もの予備車または余剰車を生み出していることになります。キハ261系1000番台は1両あたりおよそ3億円と公表されていますから、それを考えるとダイヤ改正以降のこの現状はイタいですよね。
ザックリ計算しても132億円をかけてせっかく製造したのに、何も使われない状況に陥っているわけです。但し、キハ261系1000番台の場合、初期車は苗穂工場で自社製造してるので、それを考えると、製造費用はもっと抑えられているはずですよ。
函館に多くの予備が在籍することになりますが、理由は、コロナ禍になるまでは函館方面は通常期でも増結運転を実施することが多く、繁忙期になれば9両編成や10両編成を組成する運用もあるため、さらに予備として残すことを考えれば、繁忙期になればその多くが稼働している状態でした。
コロナ禍になって減車を余儀なくされされれば、当然需要を多く見込んで車両を多く配置した計画に陰りが見え、よって大量の余剰車を生み出してしまいました。新幹線開業以降、新幹線需要はそこまで大きくありませんが、本数が大幅に増えたことで一時は高速バスよりもシェアが上回っていたこともあり、イケイケ状態だったことは確かです。
しかし、思わぬところで新型コロナウィルスの影響を受け、かつて出火事故や車両メンテナンスを理由に増結を実施することが難しく、その結果窮地に追い込まれ、その苦しかった時期をまた繰り返してはならないと、繁忙期においても増結車両や予備車両を十分確保できる体制がとられましたが、それが反って裏目に出てしまった状況です。
逆に、車両の発注によっては、こんなに予備や余剰車を生み出すことはありませんでした。JR北海道は、車両を製造するにあたり、先頭車の製造を絞る傾向があります。理由は同じ3億円でも製造費用が先頭車の方が高いようです。その影響が出ているのが2003年に増備された721系の8次車であったり、キハ261系1000番台だったりします。
前者の場合は先頭車は製造されず、中間車のみ製造し、既存の編成を組み替えることで6両固定編成や、余剰となった先頭車を組み合わせて3両編成を新たに組成しています。キハ261系1000番台の場合、先頭車が貫通構造でありながら、デビューからまだ中間に先頭車が入る編成が実現していないのです。
キハ283系のように、先頭車を多く製造しておけば、こうしたことにはならなかったはずです。管理者としてはいまだに、キハ261系の先頭車を含む2両1ユニット構造の利点がいまいち理解できず、これも昨今では裏目に出てしまっています。
理由は、どんなに需要が少なかろうと4両編成未満では運行することができないのです。なので、キハ261系充当列車については、4両未満になることは現時点ではあり得ないのです。
こうしたコロナ禍という危機を経験した以上、キハ261系の後継車となる車両は2両1ユニットや、中間車を大量に製造する方針はとられなくなるはずです。加えて、将来的に札幌~函館間を結ぶ特急列車も新幹線に役割を譲ることで廃止になれば、そもそも長大編成を組成させる必要もなくなるわけです。今後北海道で必要なのは、キハ187系やキハ189系、2700系といった高性能且つ短編成で運行できる車両です。
JR北海道の島田修社長もアフターコロナになっても利用が戻らない可能性について示唆しており、これら大量の予備・余剰車がどのような形で活用されていくのか注目です。
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写真は昨年の秋に撮影したもの。函館駅から函館運輸所(函ハコ)の様子を撮影したものです。
形式はキハ260形1300番台と函館運輸所(函ハコ)であれば、キハ260形1400番台も該当します。
ダイヤ改正後は写真以上に大量に函館運輸所(函ハコ)で普段眠っていると思いますよ。
同所には数え間違いがなければ36両の増結用中間車が在籍しています。そのうち、ダイヤ改正以降は所定が5両編成になり、6運用なので日頃使うのは6両だけになります。所定編成しか組まない閑散期になれば、30両もの増結用中間車が常に予備として待機していることになります。
札幌運転所(札サウ)でもキハ260形1300番台が在籍しており、こちらは函館よりも少ない16両が在籍していますが、日頃使うのは特急「おおぞら」2運用で2両のみ。同所では、ほかにも特急「とかち」が3運用ありますが、所定が4両編成のため、先頭車を含む2両1ユニット同士を連結すれば、増結用中間車は必要ありません。よって、こちらでも14両が常に予備として待機していることになります。
キハ260形1300番台については、今後2両の増備計画があります。配置がどこになるのか不明ですが、せっかくの新製車が所定編成の減車によって登場直後から予備状態でスタートを切る可能性もあります。
ということで、現時点で閑散期になれば44両もの予備車または余剰車を生み出していることになります。キハ261系1000番台は1両あたりおよそ3億円と公表されていますから、それを考えるとダイヤ改正以降のこの現状はイタいですよね。
ザックリ計算しても132億円をかけてせっかく製造したのに、何も使われない状況に陥っているわけです。但し、キハ261系1000番台の場合、初期車は苗穂工場で自社製造してるので、それを考えると、製造費用はもっと抑えられているはずですよ。
函館に多くの予備が在籍することになりますが、理由は、コロナ禍になるまでは函館方面は通常期でも増結運転を実施することが多く、繁忙期になれば9両編成や10両編成を組成する運用もあるため、さらに予備として残すことを考えれば、繁忙期になればその多くが稼働している状態でした。
コロナ禍になって減車を余儀なくされされれば、当然需要を多く見込んで車両を多く配置した計画に陰りが見え、よって大量の余剰車を生み出してしまいました。新幹線開業以降、新幹線需要はそこまで大きくありませんが、本数が大幅に増えたことで一時は高速バスよりもシェアが上回っていたこともあり、イケイケ状態だったことは確かです。
しかし、思わぬところで新型コロナウィルスの影響を受け、かつて出火事故や車両メンテナンスを理由に増結を実施することが難しく、その結果窮地に追い込まれ、その苦しかった時期をまた繰り返してはならないと、繁忙期においても増結車両や予備車両を十分確保できる体制がとられましたが、それが反って裏目に出てしまった状況です。
逆に、車両の発注によっては、こんなに予備や余剰車を生み出すことはありませんでした。JR北海道は、車両を製造するにあたり、先頭車の製造を絞る傾向があります。理由は同じ3億円でも製造費用が先頭車の方が高いようです。その影響が出ているのが2003年に増備された721系の8次車であったり、キハ261系1000番台だったりします。
前者の場合は先頭車は製造されず、中間車のみ製造し、既存の編成を組み替えることで6両固定編成や、余剰となった先頭車を組み合わせて3両編成を新たに組成しています。キハ261系1000番台の場合、先頭車が貫通構造でありながら、デビューからまだ中間に先頭車が入る編成が実現していないのです。
キハ283系のように、先頭車を多く製造しておけば、こうしたことにはならなかったはずです。管理者としてはいまだに、キハ261系の先頭車を含む2両1ユニット構造の利点がいまいち理解できず、これも昨今では裏目に出てしまっています。
理由は、どんなに需要が少なかろうと4両編成未満では運行することができないのです。なので、キハ261系充当列車については、4両未満になることは現時点ではあり得ないのです。
こうしたコロナ禍という危機を経験した以上、キハ261系の後継車となる車両は2両1ユニットや、中間車を大量に製造する方針はとられなくなるはずです。加えて、将来的に札幌~函館間を結ぶ特急列車も新幹線に役割を譲ることで廃止になれば、そもそも長大編成を組成させる必要もなくなるわけです。今後北海道で必要なのは、キハ187系やキハ189系、2700系といった高性能且つ短編成で運行できる車両です。
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