3月ダイヤ改正前に廃止された石北本線・生野駅(A52)
駅 - 2021年03月25日 (木)
今回は予約投稿記事です。
3月ダイヤ改正で廃止された石北本線の生野駅。「いくの」と読みます。




冬は山間部の白い雪野原のど真ん中にある駅です。付近に国道242号線があります。夏季は周辺は農業地域として畑のど真ん中にあり、農家が数軒あります。それ以外は何もない駅です。
同駅も元々仮乗降場として設置され、国鉄分割民営化と同時に旅客駅へ昇格しました。大半の普通列車が通過するいわゆる秘境駅の1つです。
遠軽方面へは朝の7時42分発のみが停車し、それ以降の4本は全て通過。北見方面も13時15分発と16時20分発の2本しかなく、それ以外の列車は全て通過していました。
晩年における平日の乗車人員平均は0.4人で「1名以下」でした。おそらく鉄道ファンのみの利用があっただけで、地域住民の利用はほぼ皆無だったことが伺えます。
このエリアは北見市と遠軽町の境目で、本州で言う県境にあたります。北海道で高速道路が徐々に延伸していく中で、遠軽~北見方面については延伸計画そのものがないはずです。旭川紋別自動車道もオホーツク海沿岸へのアクセス向上を図ったもので、旭川経由で北見へ高速で結ぶというのが主目的ではありません。
札幌から北見方面へ高速道路を使って行く場合、むしろ帯広方面からかつての池北線ルートを経由した方が冬季においても積雪量が少ないので、安全という見方もできます。陸別方面はまだ部分的にしか開業していないといえど、旭川・遠軽経由で北見入りするよりも地形がよく、アップダウンが少ないという点でも推奨されているルートと言えます。
鉄道においても、北見・網走方面への輸送について、帯広を経由して池北線経由で特急列車を高速化させる計画もあったのです。特急「オホーツク」を走らせた場合、現行よりも20分程度時間短縮が見込まれ、アップダウンが少ない池北線(後のふるさと銀河線)の高速化を実施し、札幌と北見・網走を結ぶ計画がありました。
旅客列車のみならず、石北本線で秋頃貨物列車を使って実施される農産物輸送においてもそれは利点となり、石北本線経由だと急こう配を有することから、プッシュプルという特殊な運転方法(昔は重連運転)が採用されています。仮に池北線(後のふるさと銀河線)経由で運行されていれば、ディーゼル機関車も1列車あたり1両で済んだ話もあり、JR貨物にとっても運行コストを大きく抑えられることができたのです。
しかも第三セクター鉄道に転換後に高速化事業を展開したとしても、北越急行のようにJRや貨物などの他社の車両が乗り入れることで線路使用料が定期的に入るので、黒字までならないにしても、特急が運行されている限りは、銀河線を廃止することは難しいのは言うまでもなく、高速化されれば、早期にキハ261系を投入し、今よりも札幌と北見方面はより速く結ぶことができていたのかもしれません。
一方で、そちらに力を注いでしまうと、輸送量的に少なくとも石北本線の上川~留辺蘂間あたりは不要になります。そうこうしているうちに、ふるさと銀河線の体力が尽きてしまって廃線になってしまったので、そうした話は幻に終わってしまいました。
話が脱線してしまいましたが、それだけ生野駅が設置されているエリアでは、利便性が後回しになり、高速道路ですらそのルートから外れるという寂しい状態です。周辺では2005年と2006年に特急が停車する自治体が遠軽町と北見市にそれぞれ合併されており、主要駅と位置付けられている駅が立地されているエリアでも相当厳しい状況であることが伺えます。
おそらく、北海道では利用が極端に少ない駅の整理は今後も継続されていきます。むしろ、今までこうした駅が残っていたことが奇跡です。
最後に、たくさんのコメントありがとうございます。本日の夜以降返信していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
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3月ダイヤ改正で廃止された石北本線の生野駅。「いくの」と読みます。




冬は山間部の白い雪野原のど真ん中にある駅です。付近に国道242号線があります。夏季は周辺は農業地域として畑のど真ん中にあり、農家が数軒あります。それ以外は何もない駅です。
同駅も元々仮乗降場として設置され、国鉄分割民営化と同時に旅客駅へ昇格しました。大半の普通列車が通過するいわゆる秘境駅の1つです。
遠軽方面へは朝の7時42分発のみが停車し、それ以降の4本は全て通過。北見方面も13時15分発と16時20分発の2本しかなく、それ以外の列車は全て通過していました。
晩年における平日の乗車人員平均は0.4人で「1名以下」でした。おそらく鉄道ファンのみの利用があっただけで、地域住民の利用はほぼ皆無だったことが伺えます。
このエリアは北見市と遠軽町の境目で、本州で言う県境にあたります。北海道で高速道路が徐々に延伸していく中で、遠軽~北見方面については延伸計画そのものがないはずです。旭川紋別自動車道もオホーツク海沿岸へのアクセス向上を図ったもので、旭川経由で北見へ高速で結ぶというのが主目的ではありません。
札幌から北見方面へ高速道路を使って行く場合、むしろ帯広方面からかつての池北線ルートを経由した方が冬季においても積雪量が少ないので、安全という見方もできます。陸別方面はまだ部分的にしか開業していないといえど、旭川・遠軽経由で北見入りするよりも地形がよく、アップダウンが少ないという点でも推奨されているルートと言えます。
鉄道においても、北見・網走方面への輸送について、帯広を経由して池北線経由で特急列車を高速化させる計画もあったのです。特急「オホーツク」を走らせた場合、現行よりも20分程度時間短縮が見込まれ、アップダウンが少ない池北線(後のふるさと銀河線)の高速化を実施し、札幌と北見・網走を結ぶ計画がありました。
旅客列車のみならず、石北本線で秋頃貨物列車を使って実施される農産物輸送においてもそれは利点となり、石北本線経由だと急こう配を有することから、プッシュプルという特殊な運転方法(昔は重連運転)が採用されています。仮に池北線(後のふるさと銀河線)経由で運行されていれば、ディーゼル機関車も1列車あたり1両で済んだ話もあり、JR貨物にとっても運行コストを大きく抑えられることができたのです。
しかも第三セクター鉄道に転換後に高速化事業を展開したとしても、北越急行のようにJRや貨物などの他社の車両が乗り入れることで線路使用料が定期的に入るので、黒字までならないにしても、特急が運行されている限りは、銀河線を廃止することは難しいのは言うまでもなく、高速化されれば、早期にキハ261系を投入し、今よりも札幌と北見方面はより速く結ぶことができていたのかもしれません。
一方で、そちらに力を注いでしまうと、輸送量的に少なくとも石北本線の上川~留辺蘂間あたりは不要になります。そうこうしているうちに、ふるさと銀河線の体力が尽きてしまって廃線になってしまったので、そうした話は幻に終わってしまいました。
話が脱線してしまいましたが、それだけ生野駅が設置されているエリアでは、利便性が後回しになり、高速道路ですらそのルートから外れるという寂しい状態です。周辺では2005年と2006年に特急が停車する自治体が遠軽町と北見市にそれぞれ合併されており、主要駅と位置付けられている駅が立地されているエリアでも相当厳しい状況であることが伺えます。
おそらく、北海道では利用が極端に少ない駅の整理は今後も継続されていきます。むしろ、今までこうした駅が残っていたことが奇跡です。
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