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北海道の鉄道の内容を中心に自身の知識も含めながらブログの記事を日々更新しています。札幌市在住のため、主に札幌圏を走行する列車についての話題です。

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3月ダイヤ改正前に廃止された石北本線・生野駅(A52)

今回は予約投稿記事です。

3月ダイヤ改正で廃止された石北本線の生野駅。「いくの」と読みます。









冬は山間部の白い雪野原のど真ん中にある駅です。付近に国道242号線があります。夏季は周辺は農業地域として畑のど真ん中にあり、農家が数軒あります。それ以外は何もない駅です。

同駅も元々仮乗降場として設置され、国鉄分割民営化と同時に旅客駅へ昇格しました。大半の普通列車が通過するいわゆる秘境駅の1つです。

遠軽方面へは朝の7時42分発のみが停車し、それ以降の4本は全て通過。北見方面も13時15分発と16時20分発の2本しかなく、それ以外の列車は全て通過していました。

晩年における平日の乗車人員平均は0.4人で「1名以下」でした。おそらく鉄道ファンのみの利用があっただけで、地域住民の利用はほぼ皆無だったことが伺えます。

このエリアは北見市と遠軽町の境目で、本州で言う県境にあたります。北海道で高速道路が徐々に延伸していく中で、遠軽~北見方面については延伸計画そのものがないはずです。旭川紋別自動車道もオホーツク海沿岸へのアクセス向上を図ったもので、旭川経由で北見へ高速で結ぶというのが主目的ではありません。

札幌から北見方面へ高速道路を使って行く場合、むしろ帯広方面からかつての池北線ルートを経由した方が冬季においても積雪量が少ないので、安全という見方もできます。陸別方面はまだ部分的にしか開業していないといえど、旭川・遠軽経由で北見入りするよりも地形がよく、アップダウンが少ないという点でも推奨されているルートと言えます。

鉄道においても、北見・網走方面への輸送について、帯広を経由して池北線経由で特急列車を高速化させる計画もあったのです。特急「オホーツク」を走らせた場合、現行よりも20分程度時間短縮が見込まれ、アップダウンが少ない池北線(後のふるさと銀河線)の高速化を実施し、札幌と北見・網走を結ぶ計画がありました。

旅客列車のみならず、石北本線で秋頃貨物列車を使って実施される農産物輸送においてもそれは利点となり、石北本線経由だと急こう配を有することから、プッシュプルという特殊な運転方法(昔は重連運転)が採用されています。仮に池北線(後のふるさと銀河線)経由で運行されていれば、ディーゼル機関車も1列車あたり1両で済んだ話もあり、JR貨物にとっても運行コストを大きく抑えられることができたのです。

しかも第三セクター鉄道に転換後に高速化事業を展開したとしても、北越急行のようにJRや貨物などの他社の車両が乗り入れることで線路使用料が定期的に入るので、黒字までならないにしても、特急が運行されている限りは、銀河線を廃止することは難しいのは言うまでもなく、高速化されれば、早期にキハ261系を投入し、今よりも札幌と北見方面はより速く結ぶことができていたのかもしれません。

一方で、そちらに力を注いでしまうと、輸送量的に少なくとも石北本線の上川~留辺蘂間あたりは不要になります。そうこうしているうちに、ふるさと銀河線の体力が尽きてしまって廃線になってしまったので、そうした話は幻に終わってしまいました。

話が脱線してしまいましたが、それだけ生野駅が設置されているエリアでは、利便性が後回しになり、高速道路ですらそのルートから外れるという寂しい状態です。周辺では2005年と2006年に特急が停車する自治体が遠軽町と北見市にそれぞれ合併されており、主要駅と位置付けられている駅が立地されているエリアでも相当厳しい状況であることが伺えます。

おそらく、北海道では利用が極端に少ない駅の整理は今後も継続されていきます。むしろ、今までこうした駅が残っていたことが奇跡です。


最後に、たくさんのコメントありがとうございます。本日の夜以降返信していきたいと思いますので、よろしくお願いします。









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コメント
10326:嗚呼、生野駅。 by 天寧 on 2021/03/25 at 19:14:51 (コメント編集)

こんばんは。
生野駅は乗り降りしたことはないのですが、1994年8月にドライブで立ち寄りました。その頃は待合室に使われていたポンコツバスがホームの脇にありましたが、猛暑だったその年はバスの内部も灼熱地獄。内部は散らかり放題でした。
石北本線の遠軽周辺はホント過疎地域ですね。瀬戸瀬駅と安国駅に跨線橋があるのはまさにシュールの一言。生田原駅は構内踏切なのに・・。
生野駅というのは播但線にもありますね。同駅は前後の勾配の関係で完全右側通行になった珍しい構内の駅です。キハ47を両運転台化したキハ41で通ったのが懐かしい思い出です。

10328: by 氷海軌道 on 2021/03/25 at 21:54:04

 生野駅はバスの廃車体を待合室にしていた事で有名な駅でした。よく農家さんがバス等を買い取って休憩室代わりにするという話を聞きますが、それを駅の待合室に流用するとは何とも奇抜な発想です。

 北見〜遠軽の高速道路計画としては、遠軽町から北見市端野町に至る「遠軽北見道路」の計画があった筈です。鉄道は北見市留辺蘂町を経由しますが、こちらは佐呂間町経由のルートで、僅かな部分が旭峠道路として開通しております。但し、現在はまだ調査中の段階であり、全通はまだまだ先の話です。

 もし全通した場合は石北本線は大打撃を被る事でしょう。ついでに紋別地方⇔女満別空港のアクセスも改善され、オホーツク紋別空港の存続も危ぶまれるかもしれません。

10335: by 管理人 on 2021/03/26 at 01:11:32

>>「天寧」さん、コメントありがとうございます。

黄色い廃バスが待合室として置かれていたと思います。もう何年も前に撤去されているはずです。

周辺はもう何もないです。遠軽市街が都会と感じるほどですよね。しかも周辺は特急が停車する駅なのに遠軽駅以外は無人駅。北海道でもなかなかないです。

播但線の駅は特急「はまかぜ」も停車する北海道とは違う主要駅。分岐制限が理由でしたっけ?珍しい駅ですよね。

10343: by 管理人 on 2021/03/28 at 23:37:26

>>「氷海軌道」さん、コメントありがとうございます。

待合室が黄色い廃バスがあったと思います。だいぶ前に撤去されていたと思います。

一度知床行った際に333号線通りましたよ。生田原・留辺蘂経由よりも短絡であることは間違いありませんが、北見市街を通り越してしまうので、オホーツク産直市場でトイレ休憩せざるを得ないんですよね。もっと市街地寄りだと有難いんですけどね。佐呂間町から新佐呂間トンネルあたりまではもうバイパスのような造りで、走りやすかった記憶があります。

美幌から女満別空港までバイパスがあったはずなので、美幌までバイパスなり高速道路で結ばれれば女満別空港への利便は良くなると思います。バイパスが設置されているあたり、北見市を意識しているせいか、女満別の方が重宝されているというか、そうした傾向はあると思います。高速道路がこのまま充実していけば、女満別空港が有利になりそうな雰囲気ですよね。

10748: by 龍 on 2021/09/14 at 13:49:50 (コメント編集)

2021年、北海道留辺蘂高等学校が2023年度で募集を停止することが正式に決定しました。同校への通学利用のための請願駅として設置された西留辺蘂駅の動向が注目されます。

10752: by 管理人 on 2021/09/15 at 21:55:39

>>「龍」さん、コメントありがとうございます。

主に留辺蘂高校の通学用に使われている駅ですが、立地場所が住宅街ということもあり、それ以外の通勤等での利用もあるのかどうか気になります。

それで一定の利用が見込まれるのであれば残り、現状高校生が利用の9割などを占めていれば廃止でしょう。

現在は一部列車が西留辺蘂止まりとなっていますが、仮に廃止されるとすれば、留辺蘂駅発着になりそうですね。

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