【コラム】北海道で今でこそ必要な特急列車の編成
コラム - 2021年04月09日 (金)
新型コロナウィルスの影響で苦境に立たされているJR北海道。




輸送適正化を考えると、気動車特急はこうした編成で十分なんですよね。
先日からようやく5両編成にして、札幌~函館間の特急「北斗」は輸送量に見合った編成になりつつあります。それでも、深夜の列車などは空席が目立ちますよ。
特にこれらの編成で十分なのが稚内・網走方面です。稚内方面については、今冬に何度か代走がありましたが、度々キハ54形気動車の単行で代走される事態。通常は4両編成ですが、1両で十分なほど利用が落ち込んでいるのです。
そして、網走方面については、道東方面に旅行に行った際、網走駅で特急「大雪3号」を確認してきましたが、列車から降りた乗客の人数は僅か18人。遅延が発生していたので諦めましたが、後続の特急「オホーツク3号」だったらどうだったのか??札幌直通の利点で18人を上回っていたのか、深夜という理由でさらに利用が減っていたのか。
いずれもコロナ禍の影響もありますが、所定4両編成では過剰なレベルにまで落ち込んでいるのです。
いずれにしても、1両で十分なんですよ。


キハ183系、キハ281系、キハ283系を置き換えるキハ261系。先頭車を含めて2両1ユニット構成です。なので、現状では最短で4両編成しか組めないのです。キハ283系のように先頭車を多く製造している形式ではありませんから、いずれにしても短編成には向かない車両です。
JR北海道では、これを今後も増備し続けます。

先日紹介しましたが、3月ダイヤ改正以降、所定編成の減車でキハ261系1000番台の増結用中間車が大量に余っています。繁忙期になれば多少解消されると思いますが、閑散期には全体で44両が使われません。
新幹線開業や本数増加の波に乗って増結を前提とした車両配置計画を立てました。そして、JR北海道は以前より先頭車の製造を極端に嫌います。キハ261系1000番台も然り、721系8次車も中間車しか製造されなかった背景をみるとわかりますよね。
中間車よりも先頭車の方が製造費用が高いようです。ほかにも理由があるかもしれませんが、とにかく先頭車の製造を最低限にまで絞る傾向があります。
そうなれば、結果的に増結を実施する場合に備えて中間車を多く製造する必要があります。しかしリスクもあり、増結を実施しない場合はそれら中間車は余してしまうことになります。そして今がちょうどその危機的状況なのです。
車両増結時に先頭車も活用するというキハ283系のような運用形式としていれば、おそらく、もっと全体の製造数を絞れたはずで、且つ車両も極端に余すことなくコロナ禍であっても全体的に活用することができたと思います。
最新のJR四国の2700系特急気動車は、中間車はなく先頭車のみの構成です。1両3.5億の製造費用がかかるバケモノですが、それでも1両単位で車両の増解結ができ、そのときの状況に応じて細かく輸送に対応させることができます。
一方、キハ261系の場合は2両1ユニット構成としているため、どんなに需要がなくても最短で4両以上組まざるを得ません。2両の需要でも4両を組まざるを得ないのです。四国の場合は初期投資はかかりますが、高価な先頭車ばかり製造している四国の方式は昨今のコロナ禍だとより適正な判断と言えます。キハ261系のドカ食い燃料代を考えたら、およそ5千万円の製造費用差はあっという間に埋めることができるはずです。
気動車の歴史を振り返ってみると、国鉄時代から気動車の中間車は形式も少なければ製造数も少ないと思います。先頭車と中間車の比率でみても、圧倒的に先頭車の比率の方が多いはずです。気動車は電化されていない区間を基本的に走行します。電化されていない区間は電化区間に比べて輸送密度が基本的に落ちますから、状況に応じて1両単位で輸送適正化が可能なように国鉄時代から試行錯誤が練られてきたと思います。
国鉄時代で長大編成用の気動車といえば、管理者はキハ181系とキハ183系(初期グループ)ぐらいしか思いつきません。JR化以降の車両だと、キハ281系、HOT7000系、キハ261系あたりでしょうか?
北海道で活躍しているキハ183系も初期車は非貫通先頭車で、中間車も多く製造されていました。どちらかというと現在のキハ261系のような長大編成向きでした。しかし、徐々に列車の増発や拠点駅での分離、短編成化によって、やはり先頭車が足りなくなっていきます。後に中間電源車を先頭車に改造してキハ183系100番台が登場しますが、抜本的な改善は500番台・1500番台が登場するまで実施されなかったと思います。このマイナーチェンジ車では、先頭車の構造を大きく見直し、貫通型先頭車として輸送適正化に大きく貢献したでしょう。
キハ281系では先頭車は多く製造されず、長大編成向きの構成になりましたが、その後継となるキハ283系では、先頭車が全体のおよそ1/3を占める形式になりました。
後に高速運転が利用者から評価されて先頭車を連ねた増結運転が頻繁に見られました。現在もそうした列車があり、JR東海の「(ワイドビュー)ひだ」も、場合によって長大編成を組む列車ながら、長大編成向きの車両構成ではなく、先頭車も多く確保されているのが特徴です。
先頭車を多く製造することで、製造費用は多くかかっていたと思いますが、昨今のような輸送量が激変する場合にはやはり強いです。やはり、国鉄時代から続く先頭車ばかりの形式構成は現代でも通用し、それは四国の2700系が証明しましたね。
キハ261系は、先頭車を含めて2両1ユニット構成ですが、管理者はいまだにその構成のどこにメリットがあるのかわかりません。雑誌などを確認しても、その点が触れられていないんですよね。島田修社長もアフターコロナになっても利用が戻らない可能性があることを示唆しており、加えて今後も続く地方での人口減少などで特急列車の利用は減少の一途を辿るでしょう。いずれにしても、最新のキハ261系は、早くも時代にそぐわない車両になりつつあります。
そのキハ261系もいずれ後継車両に置き換えられる時代が来ます。現状を踏まえると、後継車となる車両は2両1ユニットや、中間車を大量に製造する方針は適正ではありません。加えて、将来的に札幌~函館間を結ぶ特急列車も新幹線に役割を譲ることで廃止になれば、そもそも長大編成を組成させる必要もなくなります。
今後北海道で必要なのは、キハ187系やキハ189系、2700系といった高性能且つ短編成で運行できる車両です。
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輸送適正化を考えると、気動車特急はこうした編成で十分なんですよね。
先日からようやく5両編成にして、札幌~函館間の特急「北斗」は輸送量に見合った編成になりつつあります。それでも、深夜の列車などは空席が目立ちますよ。
特にこれらの編成で十分なのが稚内・網走方面です。稚内方面については、今冬に何度か代走がありましたが、度々キハ54形気動車の単行で代走される事態。通常は4両編成ですが、1両で十分なほど利用が落ち込んでいるのです。
そして、網走方面については、道東方面に旅行に行った際、網走駅で特急「大雪3号」を確認してきましたが、列車から降りた乗客の人数は僅か18人。遅延が発生していたので諦めましたが、後続の特急「オホーツク3号」だったらどうだったのか??札幌直通の利点で18人を上回っていたのか、深夜という理由でさらに利用が減っていたのか。
いずれもコロナ禍の影響もありますが、所定4両編成では過剰なレベルにまで落ち込んでいるのです。
いずれにしても、1両で十分なんですよ。


キハ183系、キハ281系、キハ283系を置き換えるキハ261系。先頭車を含めて2両1ユニット構成です。なので、現状では最短で4両編成しか組めないのです。キハ283系のように先頭車を多く製造している形式ではありませんから、いずれにしても短編成には向かない車両です。
JR北海道では、これを今後も増備し続けます。

先日紹介しましたが、3月ダイヤ改正以降、所定編成の減車でキハ261系1000番台の増結用中間車が大量に余っています。繁忙期になれば多少解消されると思いますが、閑散期には全体で44両が使われません。
新幹線開業や本数増加の波に乗って増結を前提とした車両配置計画を立てました。そして、JR北海道は以前より先頭車の製造を極端に嫌います。キハ261系1000番台も然り、721系8次車も中間車しか製造されなかった背景をみるとわかりますよね。
中間車よりも先頭車の方が製造費用が高いようです。ほかにも理由があるかもしれませんが、とにかく先頭車の製造を最低限にまで絞る傾向があります。
そうなれば、結果的に増結を実施する場合に備えて中間車を多く製造する必要があります。しかしリスクもあり、増結を実施しない場合はそれら中間車は余してしまうことになります。そして今がちょうどその危機的状況なのです。
車両増結時に先頭車も活用するというキハ283系のような運用形式としていれば、おそらく、もっと全体の製造数を絞れたはずで、且つ車両も極端に余すことなくコロナ禍であっても全体的に活用することができたと思います。
最新のJR四国の2700系特急気動車は、中間車はなく先頭車のみの構成です。1両3.5億の製造費用がかかるバケモノですが、それでも1両単位で車両の増解結ができ、そのときの状況に応じて細かく輸送に対応させることができます。
一方、キハ261系の場合は2両1ユニット構成としているため、どんなに需要がなくても最短で4両以上組まざるを得ません。2両の需要でも4両を組まざるを得ないのです。四国の場合は初期投資はかかりますが、高価な先頭車ばかり製造している四国の方式は昨今のコロナ禍だとより適正な判断と言えます。キハ261系のドカ食い燃料代を考えたら、およそ5千万円の製造費用差はあっという間に埋めることができるはずです。
気動車の歴史を振り返ってみると、国鉄時代から気動車の中間車は形式も少なければ製造数も少ないと思います。先頭車と中間車の比率でみても、圧倒的に先頭車の比率の方が多いはずです。気動車は電化されていない区間を基本的に走行します。電化されていない区間は電化区間に比べて輸送密度が基本的に落ちますから、状況に応じて1両単位で輸送適正化が可能なように国鉄時代から試行錯誤が練られてきたと思います。
国鉄時代で長大編成用の気動車といえば、管理者はキハ181系とキハ183系(初期グループ)ぐらいしか思いつきません。JR化以降の車両だと、キハ281系、HOT7000系、キハ261系あたりでしょうか?
北海道で活躍しているキハ183系も初期車は非貫通先頭車で、中間車も多く製造されていました。どちらかというと現在のキハ261系のような長大編成向きでした。しかし、徐々に列車の増発や拠点駅での分離、短編成化によって、やはり先頭車が足りなくなっていきます。後に中間電源車を先頭車に改造してキハ183系100番台が登場しますが、抜本的な改善は500番台・1500番台が登場するまで実施されなかったと思います。このマイナーチェンジ車では、先頭車の構造を大きく見直し、貫通型先頭車として輸送適正化に大きく貢献したでしょう。
キハ281系では先頭車は多く製造されず、長大編成向きの構成になりましたが、その後継となるキハ283系では、先頭車が全体のおよそ1/3を占める形式になりました。
後に高速運転が利用者から評価されて先頭車を連ねた増結運転が頻繁に見られました。現在もそうした列車があり、JR東海の「(ワイドビュー)ひだ」も、場合によって長大編成を組む列車ながら、長大編成向きの車両構成ではなく、先頭車も多く確保されているのが特徴です。
先頭車を多く製造することで、製造費用は多くかかっていたと思いますが、昨今のような輸送量が激変する場合にはやはり強いです。やはり、国鉄時代から続く先頭車ばかりの形式構成は現代でも通用し、それは四国の2700系が証明しましたね。
キハ261系は、先頭車を含めて2両1ユニット構成ですが、管理者はいまだにその構成のどこにメリットがあるのかわかりません。雑誌などを確認しても、その点が触れられていないんですよね。島田修社長もアフターコロナになっても利用が戻らない可能性があることを示唆しており、加えて今後も続く地方での人口減少などで特急列車の利用は減少の一途を辿るでしょう。いずれにしても、最新のキハ261系は、早くも時代にそぐわない車両になりつつあります。
そのキハ261系もいずれ後継車両に置き換えられる時代が来ます。現状を踏まえると、後継車となる車両は2両1ユニットや、中間車を大量に製造する方針は適正ではありません。加えて、将来的に札幌~函館間を結ぶ特急列車も新幹線に役割を譲ることで廃止になれば、そもそも長大編成を組成させる必要もなくなります。
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