「北斗」・「大雪」・「サロベツ」で閑散期における曜日運休が拡大
その他あれこれ - 2021年06月06日 (日)
本日2度目の更新です。
快速「エアポート」や特急「カムイ」のほかに、閑散期における曜日運休対象列車についても、新型コロナウィルス感染症拡大の影響で年間の運休日数が拡大しています。

列車別に見ていきましょう。
・特急「北斗」
閑散期における曜日運休対象列車は特急「北斗5号」と特急「北斗14号」です。4月、10月、11月で年間30日程度の運休としていましたが、6月2日(水)から+9日間追加となりました。
管理者でも当該1往復が閑散期における曜日運休対象列車というのが驚きです。というのも、運行時間帯は異なるものの、一時期出火事故による減便の影響で減らされた時間帯の列車でもあるのです。その際は混雑で対応できなくなることもしばしば。北海道新幹線開業までの1年半にわたって苦戦を強いられていた時期を乗り越えました。
それが今となっては、閑散期における曜日運休対象列車に。本数が増えたことも理由の1つだと思いますが、それにしても6年、7年を経て利用が大きく変動しているようです。かつてはこの時間帯の列車の本数を減らすことなどあり得ませんでした。
当該1往復はキハ281系で運行されている列車です。曜日によっては、キハ281系充当列車が2往復となり、さらに活躍の幅が狭められている印象を受けます。一方、1日の走行距離が減る代わりに車両への負荷は軽減されます。閑散期における曜日運休は延命策として有効な手段だと思いますが、2022年度末で札幌~函館間の特急列車はキハ261系に統一される見込みで、これに合わせて既に車両の投入スケジュールも概ね決定していると思われ、1日の稼働数が少なくなろうが、代わりに引退が先延ばしされることには結びつかないと思います。
かつて、札幌~函館間の主力車両として大活躍したキハ281系も、現在はキハ261系の勢力が拡大し、一部が閑散期における曜日運休対象列車に。場合によっては1日2往復という寂しい状況になってしまいました。

・特急「大雪」
旭川~網走間を結ぶ特急「大雪」は、2往復全ての列車が閑散期における曜日運休対象列車となっています。4月、5月、9月、10月、11月で年間50日程度の運休としていましたが、6月1日(火)から+14日間追加となりました。
石北特急は依然として苦しい状況が続いており、新型コロナウィルスの影響でさらに利用が減少しています。元々利用が多い列車ではなく、繁忙期も増結も1両程度に抑えられている状況です。高速バスなどのライバルの影響もあり、鉄道利用が落ち込んでいます。
よく旭川駅発着によって利用が落ち込んだ話を耳にしますが、必ずしもそれが影響しているわけではなく、やはり沿線の過疎化が進行していることが上げられ、北見峠や常紋峠などのいわゆる県境のような場所を2ヶ所越えます。さらに、遠軽町白滝のようなコンビニもないような場所もあり、根本的に沿線に人がいなくなっているというのが実態です。2005年、2006年には沿線の町村が遠軽町及び北見市にそれぞれ合併しており、いずれにしても単独で自治体を形成する力も15年ほど前から限界だった様子が伺えます。

・特急「サロベツ」
旭川~稚内間を結ぶ特急「サロベツ」は、特急「サロベツ4号」と特急「サロベツ3号」が閑散期における曜日運休対象列車となっています。4月、5月、10月、11月で年間30日程度の運休としていましたが、6月1日(火)から+14日間追加となりました。
稚内方面が夜間、旭川方面が午後の時間帯という変則的な曜日運休となっています。こちらは運用上の都合でそうせざるを得ません。
まずは、札幌に直通する稚内方面の午前中と札幌方面の深夜の列車は対象外となります。理由は車両を所属先に戻す必要があるからです。2運用あるので、1日おきで札幌に車両を送り込まなければなりません。そうなると、上りの特急「宗谷」に充当される特急「サロベツ1号」も対象とすることはできません。
一方、利用の減少を踏まえると、日頃から利用が少ない特急「サロベツ3号」は対象列車にすべきで、同列車を運休とするには、同じ運用の特急「サロベツ4号」を運休せざるを得ないのです。
よって、閑散期における曜日運休時は、1日目は下りの特急「宗谷」のみで南稚内滞泊、2日目は従来どおりという変則的な運用になっています。
将来的に通年で2往復以下になる可能性も否定できません。可能であれば、2往復に減らす代わりに、どちらも札幌直通にするなど、かつての「スーパー宗谷」時代のような体制とした方がよいかもしれません。依然としてキハ261系0番台の車両数は少ないですが、はまなす編成やラベンダー編成といった車両が登場し、その代替を担うことができる車両が増えました。
北海道における多客臨もたかが知れており、昨今充当している「北斗」や「とかち」へのはまなす編成充当も、管理者としてはあまり意味のないことだと思っています。そうしたことに活用するよりも宗谷線特急として活用し、減便する代わりに全ての特急列車を札幌直通に切り替えたり、多目的車両活用によって快適性を向上する方策とした方がいいです。折り返し時間もかつてのように確保することが可能になるので、現行のような遅延に弱いダイヤでなくなるため、定時運行がよりしすくなるダイヤにもなります。
また、札幌直通列車を増やすことで特急「カムイ」・特急「ライラック」の一部を代替できることも可能になります。なので、予備車両を含めて車両が十分揃えられれば、札幌直通もある程度利点が出てくるんですよね。
このあたりも特急「大雪」を含めて、次回のダイヤ改正で検討してほしいところです。必ずしも石北本線や宗谷本線で本数を維持し続ける必要はないです。

これらの列車の特徴としては、北海道は札幌を中心に軸を定めなければならないのに対し、比重を赤字垂れ流しの北海道新幹線や宗谷本線、石北本線に置いていることです。北海道新幹線との接続を考慮しなければならないから、札幌発着もある程度固定されてしまうし、宗谷本線と石北本線で本数を維持しなければならないから、折り返し時間が確保されず、加えて極端な時間帯に特急列車が設定せざるを得ないのです。
重視すべきは、札幌への利用または札幌からの利用ですから、そこに比重を置かない限り、鉄道利用は伸びないでしょう。北海道新幹線も札幌まで延伸したとしても、青函圏輸送は従来とほぼ変わらず、メインは札幌~新函館北斗間の利用になるはずです。
本数を維持するために無理やり設定するよりも、そうした制限から解除されたダイヤにした方がまだ可能性はあるはずですよ。北海道の中心は札幌なのに、そこに比重を置かず、赤字垂れ流しの場所に集中させるという意味不明なことをやっています。思い切って新幹線にあまり考慮しないダイヤにしたり、道北方面は本数を減らして全て札幌直通にした方が札幌~旭川間の特急列車のさらなる合理化という点で、昨今のご時世では適しているかもしれません。
コロナ禍で利用が戻らない可能性も検討したうえで大きな改革が必要だと思います。
話題は大きく逸れてしまいましたが、これら3列車について、閑散期における曜日運休が増えました。危惧すべきは来春のダイヤ改正であり、利用が回復すなければ完全な臨時列車化、さらなる運行本数の削減、あるいは廃止も視野に入ってくるでしょう。特道北方面の特急列車については、先行きが不安定な状況になってきました。今後の動向に注目です。
↓ブログランキングにご協力お願いします↓

にほんブログ村

人気ブログランキング
快速「エアポート」や特急「カムイ」のほかに、閑散期における曜日運休対象列車についても、新型コロナウィルス感染症拡大の影響で年間の運休日数が拡大しています。

列車別に見ていきましょう。
・特急「北斗」
閑散期における曜日運休対象列車は特急「北斗5号」と特急「北斗14号」です。4月、10月、11月で年間30日程度の運休としていましたが、6月2日(水)から+9日間追加となりました。
管理者でも当該1往復が閑散期における曜日運休対象列車というのが驚きです。というのも、運行時間帯は異なるものの、一時期出火事故による減便の影響で減らされた時間帯の列車でもあるのです。その際は混雑で対応できなくなることもしばしば。北海道新幹線開業までの1年半にわたって苦戦を強いられていた時期を乗り越えました。
それが今となっては、閑散期における曜日運休対象列車に。本数が増えたことも理由の1つだと思いますが、それにしても6年、7年を経て利用が大きく変動しているようです。かつてはこの時間帯の列車の本数を減らすことなどあり得ませんでした。
当該1往復はキハ281系で運行されている列車です。曜日によっては、キハ281系充当列車が2往復となり、さらに活躍の幅が狭められている印象を受けます。一方、1日の走行距離が減る代わりに車両への負荷は軽減されます。閑散期における曜日運休は延命策として有効な手段だと思いますが、2022年度末で札幌~函館間の特急列車はキハ261系に統一される見込みで、これに合わせて既に車両の投入スケジュールも概ね決定していると思われ、1日の稼働数が少なくなろうが、代わりに引退が先延ばしされることには結びつかないと思います。
かつて、札幌~函館間の主力車両として大活躍したキハ281系も、現在はキハ261系の勢力が拡大し、一部が閑散期における曜日運休対象列車に。場合によっては1日2往復という寂しい状況になってしまいました。

・特急「大雪」
旭川~網走間を結ぶ特急「大雪」は、2往復全ての列車が閑散期における曜日運休対象列車となっています。4月、5月、9月、10月、11月で年間50日程度の運休としていましたが、6月1日(火)から+14日間追加となりました。
石北特急は依然として苦しい状況が続いており、新型コロナウィルスの影響でさらに利用が減少しています。元々利用が多い列車ではなく、繁忙期も増結も1両程度に抑えられている状況です。高速バスなどのライバルの影響もあり、鉄道利用が落ち込んでいます。
よく旭川駅発着によって利用が落ち込んだ話を耳にしますが、必ずしもそれが影響しているわけではなく、やはり沿線の過疎化が進行していることが上げられ、北見峠や常紋峠などのいわゆる県境のような場所を2ヶ所越えます。さらに、遠軽町白滝のようなコンビニもないような場所もあり、根本的に沿線に人がいなくなっているというのが実態です。2005年、2006年には沿線の町村が遠軽町及び北見市にそれぞれ合併しており、いずれにしても単独で自治体を形成する力も15年ほど前から限界だった様子が伺えます。

・特急「サロベツ」
旭川~稚内間を結ぶ特急「サロベツ」は、特急「サロベツ4号」と特急「サロベツ3号」が閑散期における曜日運休対象列車となっています。4月、5月、10月、11月で年間30日程度の運休としていましたが、6月1日(火)から+14日間追加となりました。
稚内方面が夜間、旭川方面が午後の時間帯という変則的な曜日運休となっています。こちらは運用上の都合でそうせざるを得ません。
まずは、札幌に直通する稚内方面の午前中と札幌方面の深夜の列車は対象外となります。理由は車両を所属先に戻す必要があるからです。2運用あるので、1日おきで札幌に車両を送り込まなければなりません。そうなると、上りの特急「宗谷」に充当される特急「サロベツ1号」も対象とすることはできません。
一方、利用の減少を踏まえると、日頃から利用が少ない特急「サロベツ3号」は対象列車にすべきで、同列車を運休とするには、同じ運用の特急「サロベツ4号」を運休せざるを得ないのです。
よって、閑散期における曜日運休時は、1日目は下りの特急「宗谷」のみで南稚内滞泊、2日目は従来どおりという変則的な運用になっています。
将来的に通年で2往復以下になる可能性も否定できません。可能であれば、2往復に減らす代わりに、どちらも札幌直通にするなど、かつての「スーパー宗谷」時代のような体制とした方がよいかもしれません。依然としてキハ261系0番台の車両数は少ないですが、はまなす編成やラベンダー編成といった車両が登場し、その代替を担うことができる車両が増えました。
北海道における多客臨もたかが知れており、昨今充当している「北斗」や「とかち」へのはまなす編成充当も、管理者としてはあまり意味のないことだと思っています。そうしたことに活用するよりも宗谷線特急として活用し、減便する代わりに全ての特急列車を札幌直通に切り替えたり、多目的車両活用によって快適性を向上する方策とした方がいいです。折り返し時間もかつてのように確保することが可能になるので、現行のような遅延に弱いダイヤでなくなるため、定時運行がよりしすくなるダイヤにもなります。
また、札幌直通列車を増やすことで特急「カムイ」・特急「ライラック」の一部を代替できることも可能になります。なので、予備車両を含めて車両が十分揃えられれば、札幌直通もある程度利点が出てくるんですよね。
このあたりも特急「大雪」を含めて、次回のダイヤ改正で検討してほしいところです。必ずしも石北本線や宗谷本線で本数を維持し続ける必要はないです。

これらの列車の特徴としては、北海道は札幌を中心に軸を定めなければならないのに対し、比重を赤字垂れ流しの北海道新幹線や宗谷本線、石北本線に置いていることです。北海道新幹線との接続を考慮しなければならないから、札幌発着もある程度固定されてしまうし、宗谷本線と石北本線で本数を維持しなければならないから、折り返し時間が確保されず、加えて極端な時間帯に特急列車が設定せざるを得ないのです。
重視すべきは、札幌への利用または札幌からの利用ですから、そこに比重を置かない限り、鉄道利用は伸びないでしょう。北海道新幹線も札幌まで延伸したとしても、青函圏輸送は従来とほぼ変わらず、メインは札幌~新函館北斗間の利用になるはずです。
本数を維持するために無理やり設定するよりも、そうした制限から解除されたダイヤにした方がまだ可能性はあるはずですよ。北海道の中心は札幌なのに、そこに比重を置かず、赤字垂れ流しの場所に集中させるという意味不明なことをやっています。思い切って新幹線にあまり考慮しないダイヤにしたり、道北方面は本数を減らして全て札幌直通にした方が札幌~旭川間の特急列車のさらなる合理化という点で、昨今のご時世では適しているかもしれません。
コロナ禍で利用が戻らない可能性も検討したうえで大きな改革が必要だと思います。
話題は大きく逸れてしまいましたが、これら3列車について、閑散期における曜日運休が増えました。危惧すべきは来春のダイヤ改正であり、利用が回復すなければ完全な臨時列車化、さらなる運行本数の削減、あるいは廃止も視野に入ってくるでしょう。特道北方面の特急列車については、先行きが不安定な状況になってきました。今後の動向に注目です。
↓ブログランキングにご協力お願いします↓

にほんブログ村

人気ブログランキング

- 関連記事
-
-
今年も北海道にやってきたJR東日本のキヤE193系「East-i D」 2021/06/24
-
「北斗」・「大雪」・「サロベツ」で閑散期における曜日運休が拡大 2021/06/06
-
新型コロナウィルスの影響に伴う快速「エアポート」・特急「カムイ」の減便始まる 2021/06/06
-