【コラム】北海道における鉄道車両の夜間滞泊
コラム - 2021年06月21日 (月)
今回は北海道の鉄道車両の夜間滞泊について。
調べてみると奥が深いんですよ。
基本的には所属先などで滞泊するのが一般的ですが、運用の関係でそれ以外の場所で滞泊せざるを得ないこともあるのです。その代表が駅ですよね。





北海道も翌朝まで駅構内で休んでいる鉄道車両も見受けられます。しかし、北海道の場合は拠点駅だけなんですよね。
本州では、終着駅でそのまま滞泊するケースも見られるようですが、北海道では有人駅などの拠点駅でない限り、それはほぼあり得ないです。
理由は、冬季における凍結の影響を防ぐためです。このため、1時間以上かけて始発駅や終着駅から滞泊先(車両基地など)へ車両を回送することもあるのです。
路線別に見ていきましょうか。
【函館本線】
①函館運輸所(函ハコ)
②森駅
③長万部駅
➃倶知安駅
⑤小樽駅
⑥札幌運転所(札サウ)
⑦札幌駅
⑧岩見沢駅または岩見沢運転所
⑨滝川駅
⑩旭川駅
⑪苗穂運転所(札ナホ)
道内で一番滞泊先が多いのが函館本線です。間違いがなければ11ヶ所で滞泊先が設けられています。倶知安駅ではキハ201系が2本滞泊しており、翌朝は蘭越へ一旦回送されて快速「ニセコライナー」になる列車と倶知安駅発の列車の2本があります。
上記でも札幌駅滞泊の様子を撮影しています。以前は11番線を使用していましたが、11番線が使えなくなってしまったため、3番線に滞泊番線が変更されています。その関係で、特急「ライラック48号」が1番線到着に変更されたりしていますね。
【室蘭本線】
①苫小牧運転所(札トマ)
②東室蘭駅
室蘭本線は上記2ヶ所のはずです。東室蘭駅では、785系や789系1000番台の滞泊があります。確認していると、乗務員も同じ車両で札幌に戻るようですね。
驚いたのが、気動車はエンジンをかけたまま夜間滞泊を実施するようです。冬季だとエンジンがかからなくなる等の心配もありますから、夜の間はずっとエンジンをつけっぱなしのようです。燃料消費量はどれぐらいになるのでしょう?決して利用が多いわけではないのに、列車を走らせるために凄いお金がかかっているんですね。
【札沼線】
該当なし
札沼線は夜間滞泊がありません。末端区間が現役の頃は、最終は石狩月形駅までの運転でした。そこから毎日札幌の苗穂まで車両を回送していたのです。朝も石狩当別や石狩月形まで車両をわざわざ回送していたのです。
【留萌本線】
該当なし
留萌本線も夜間滞泊はありません。車両は旭川運転所(旭アサ)所属の車両を使用するので、留萌始発と最終の留萌行きは片道は旭川運転所(旭アサ)からの回送となります。除排雪負担が大きいことも理由ですが、夜間滞泊先がないことによる車両回送の手間という問題が、JR北海道が留萌本線の存続に難色を示している理由の1つだと思います。
【石北本線】
①遠軽駅
②北見運転所
③網走駅
石北本線は上記3駅です。それ以外の駅が終着の場合は最寄りの駅まで回送されます。意外に滞泊先として設定されていないのが上川駅で、運用が始まる前または、運用終了後は全て旭川運転所(旭アサ)から回送されています。その場合は新旭川駅で折り返し運転となるようです。
【根室本線】
①富良野駅
②新得駅
③帯広運転所
④釧路運輸車両所(釧クシ)
根室本線は上記4駅です。池田駅は滞泊先に含まれていません。池田~釧路間で音別駅発や厚内駅発、浦幌駅着や音別駅着など細かく設定されています。
おそらく、厚内までと音別まででそれぞれ滞泊先が帯広と釧路に分かれていると思われ、早朝と夜間は片道はわざわざ回送しているのだと思います。
【花咲線】(根室本線)
①根室駅
花咲線は根室駅のみ滞泊が実施されています。最終の根室行きの列車が翌朝の根室駅始発列車に充当されるようです。
【釧網本線】
①摩周駅
②知床斜里駅
釧網本線では上記2駅で滞泊が実施されています。朝に川湯温泉駅発と緑駅発の列車があります。それらの列車は、前者が摩周駅からの送り込み、後者については知床斜里駅からそれぞれ送り込まれているようです。
【宗谷本線】
①名寄運転所(名寄駅)
②南稚内
③旭川運転所(旭アサ)
路線距離が長いにも関わらず、滞泊先が少ないのが宗谷本線。名寄運転所(名寄駅)と南稚内駅の2ヶ所のみです。旭川運転所(旭アサ)も宗谷本線に入るため、記載上は宗谷本線に含めさせていただきます。
音威子府駅では夜間滞泊は実施されていません。車両は名寄から回送されるようです。また、上りの稚内駅発の最終が幌延行きとなっています。同駅でも夜間滞泊は実施されないので、車両は南稚内まで回送されるようですね。
【富良野線】
該当なし
富良野駅は根室本線い含めさせていただきました。それ以外の場所では夜間滞泊は実施されません。
このような感じで、車両の回送にもひと手間かかるというのが北海道です。そのほか、千歳線の千歳方面の最終列車なんかは、千歳駅での滞泊がないため、札幌運転所(札サウ)まで回送されています。昔、千歳行きの最終列車と千歳駅の始発列車の運用が同じだったと思います。滞泊は手稲でわざわざ回送していたので、札幌運転所(札サウ)滞在時間なんてほんの数時間レベルだったはずです。
かといって、乗務員の休憩等も考慮しなければならないため、夏だけ特別な運用を組むわけにもいきません。北海道の鉄道はいろいろと大変なのです。
調べてみると奥が深い鉄道車両の夜間滞泊。本州などではどういった対応がされているのでしょうか?私鉄なども調べてみるとなかなか面白いかもしれませんね。
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調べてみると奥が深いんですよ。
基本的には所属先などで滞泊するのが一般的ですが、運用の関係でそれ以外の場所で滞泊せざるを得ないこともあるのです。その代表が駅ですよね。





北海道も翌朝まで駅構内で休んでいる鉄道車両も見受けられます。しかし、北海道の場合は拠点駅だけなんですよね。
本州では、終着駅でそのまま滞泊するケースも見られるようですが、北海道では有人駅などの拠点駅でない限り、それはほぼあり得ないです。
理由は、冬季における凍結の影響を防ぐためです。このため、1時間以上かけて始発駅や終着駅から滞泊先(車両基地など)へ車両を回送することもあるのです。
路線別に見ていきましょうか。
【函館本線】
①函館運輸所(函ハコ)
②森駅
③長万部駅
➃倶知安駅
⑤小樽駅
⑥札幌運転所(札サウ)
⑦札幌駅
⑧岩見沢駅または岩見沢運転所
⑨滝川駅
⑩旭川駅
⑪苗穂運転所(札ナホ)
道内で一番滞泊先が多いのが函館本線です。間違いがなければ11ヶ所で滞泊先が設けられています。倶知安駅ではキハ201系が2本滞泊しており、翌朝は蘭越へ一旦回送されて快速「ニセコライナー」になる列車と倶知安駅発の列車の2本があります。
上記でも札幌駅滞泊の様子を撮影しています。以前は11番線を使用していましたが、11番線が使えなくなってしまったため、3番線に滞泊番線が変更されています。その関係で、特急「ライラック48号」が1番線到着に変更されたりしていますね。
【室蘭本線】
①苫小牧運転所(札トマ)
②東室蘭駅
室蘭本線は上記2ヶ所のはずです。東室蘭駅では、785系や789系1000番台の滞泊があります。確認していると、乗務員も同じ車両で札幌に戻るようですね。
驚いたのが、気動車はエンジンをかけたまま夜間滞泊を実施するようです。冬季だとエンジンがかからなくなる等の心配もありますから、夜の間はずっとエンジンをつけっぱなしのようです。燃料消費量はどれぐらいになるのでしょう?決して利用が多いわけではないのに、列車を走らせるために凄いお金がかかっているんですね。
【札沼線】
該当なし
札沼線は夜間滞泊がありません。末端区間が現役の頃は、最終は石狩月形駅までの運転でした。そこから毎日札幌の苗穂まで車両を回送していたのです。朝も石狩当別や石狩月形まで車両をわざわざ回送していたのです。
【留萌本線】
該当なし
留萌本線も夜間滞泊はありません。車両は旭川運転所(旭アサ)所属の車両を使用するので、留萌始発と最終の留萌行きは片道は旭川運転所(旭アサ)からの回送となります。除排雪負担が大きいことも理由ですが、夜間滞泊先がないことによる車両回送の手間という問題が、JR北海道が留萌本線の存続に難色を示している理由の1つだと思います。
【石北本線】
①遠軽駅
②北見運転所
③網走駅
石北本線は上記3駅です。それ以外の駅が終着の場合は最寄りの駅まで回送されます。意外に滞泊先として設定されていないのが上川駅で、運用が始まる前または、運用終了後は全て旭川運転所(旭アサ)から回送されています。その場合は新旭川駅で折り返し運転となるようです。
【根室本線】
①富良野駅
②新得駅
③帯広運転所
④釧路運輸車両所(釧クシ)
根室本線は上記4駅です。池田駅は滞泊先に含まれていません。池田~釧路間で音別駅発や厚内駅発、浦幌駅着や音別駅着など細かく設定されています。
おそらく、厚内までと音別まででそれぞれ滞泊先が帯広と釧路に分かれていると思われ、早朝と夜間は片道はわざわざ回送しているのだと思います。
【花咲線】(根室本線)
①根室駅
花咲線は根室駅のみ滞泊が実施されています。最終の根室行きの列車が翌朝の根室駅始発列車に充当されるようです。
【釧網本線】
①摩周駅
②知床斜里駅
釧網本線では上記2駅で滞泊が実施されています。朝に川湯温泉駅発と緑駅発の列車があります。それらの列車は、前者が摩周駅からの送り込み、後者については知床斜里駅からそれぞれ送り込まれているようです。
【宗谷本線】
①名寄運転所(名寄駅)
②南稚内
③旭川運転所(旭アサ)
路線距離が長いにも関わらず、滞泊先が少ないのが宗谷本線。名寄運転所(名寄駅)と南稚内駅の2ヶ所のみです。旭川運転所(旭アサ)も宗谷本線に入るため、記載上は宗谷本線に含めさせていただきます。
音威子府駅では夜間滞泊は実施されていません。車両は名寄から回送されるようです。また、上りの稚内駅発の最終が幌延行きとなっています。同駅でも夜間滞泊は実施されないので、車両は南稚内まで回送されるようですね。
【富良野線】
該当なし
富良野駅は根室本線い含めさせていただきました。それ以外の場所では夜間滞泊は実施されません。
このような感じで、車両の回送にもひと手間かかるというのが北海道です。そのほか、千歳線の千歳方面の最終列車なんかは、千歳駅での滞泊がないため、札幌運転所(札サウ)まで回送されています。昔、千歳行きの最終列車と千歳駅の始発列車の運用が同じだったと思います。滞泊は手稲でわざわざ回送していたので、札幌運転所(札サウ)滞在時間なんてほんの数時間レベルだったはずです。
かといって、乗務員の休憩等も考慮しなければならないため、夏だけ特別な運用を組むわけにもいきません。北海道の鉄道はいろいろと大変なのです。
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