最後の「優駿浪漫カラ―」の解体が始まる
気動車 - 2021年09月13日 (月)
先日、苗穂工場の解体線に移動した最後の「優駿浪漫カラ―」の「キハ40-351」と「キハ40-356」。先週から前者の方から解体作業が始まりました。



車体の一部が既に切断されていました。来週あたりまでに解体作業が完了するペースだと思います。これにより、日高本線用として使用してきた「優駿浪漫カラ―」の350番台は完全に消滅することになりそうです。

「優駿浪漫カラ―」の350番台は、日高本線用に投入されましたが、高波による大きな被害を受け、日高本線が寸断されて一部区間が不通になって以降、ほかの苫小牧運転所(札トマ)所属のキハ40形気動車と共通で使用されるようになりました。そのため、千歳駅や新夕張駅、岩見沢駅、東室蘭駅、長万部駅といった苫小牧運転所(札トマ)のヨンマルが受け持つエリア全域でその姿が見られるようになりました。
昨今淘汰が進んでいるキハ40形700番台からの改造車です。1998年から1999年にかけて、従来使用されていたキハ130形気動車を置き換えるために10両が改造されました。元々日高本線は同700番台が使用され、キハ130形気動車に置き換えられており、新製車両投入によって置き換えられた車両で再度その新製車両を置き換えるという珍しい事態となりました。
キハ130形時のダイヤを維持するため機関をN-DMF13HZB (330 PS / 2,000 rpm) に換装して出力を増強しています。また、落ち葉などによる空転対策のため砂撒き装置を台車に装備しています。学園都市線用に改造された300番台とは異なり、車内の改造は実施されず、冷房装置も搭載されていません。このあたりが長く使用できなかった理由の1つになるでしょう。
前身となるキハ130形気動車では、低コストで運用可能なことや軽量車体の恩恵もあって所要時分の短縮に貢献しました。しかし、小型気動車化したため、車内が狭いという声が多く寄せられたことも事実で、利用者の評判もよくありませんでした。
徐々に小型気動車ゆえの問題点が浮き彫りになり、軽量車体ゆえ、踏切事故が発生した際に運転台が大破し、低運転台構造ということもあって運転士が両脚切断という重傷を負いました。さらに原形をとどめないほど大破した踏切事故も発生しており、修理不可で廃車となった事例もあるようです。
また、鋼板が薄い軽量車体ということもあり、塩害腐食が早期に進行したことや、本州向けの汎用車を投入したため、一重2段窓やデッキなし構造が冬季における車内保温能力低下を招きました。1988年と1990年に日高本線に投入されましたが、これらの理由で淘汰は10年後の1998年から始まり、2000年までに一般営業運転を終了しました。イベント用車両については、2001年まで残ったようです。
その後継車が350番台となるわけですが、その350番台が亡き今、苫小牧~鵡川間では、苫小牧運転所(札トマ)所属のキハ40形気動車で運行しているようです。「道央 花の恵み号」を含めて6両が主に日高本線用として残りました。ほかの5両については塗装変更などは実施されず、一般色の1700番台です。
H100形の新製で、追われる立場となった北海道のヨンマル。「優駿浪漫カラー」もそのうちの1つです。こうして徐々に北海道からヨンマルは姿を消していくことでしょう。今年度は釧路への配置も始まり、道東方面のヨンマルも数を減らしていきそうです。
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車体の一部が既に切断されていました。来週あたりまでに解体作業が完了するペースだと思います。これにより、日高本線用として使用してきた「優駿浪漫カラ―」の350番台は完全に消滅することになりそうです。

「優駿浪漫カラ―」の350番台は、日高本線用に投入されましたが、高波による大きな被害を受け、日高本線が寸断されて一部区間が不通になって以降、ほかの苫小牧運転所(札トマ)所属のキハ40形気動車と共通で使用されるようになりました。そのため、千歳駅や新夕張駅、岩見沢駅、東室蘭駅、長万部駅といった苫小牧運転所(札トマ)のヨンマルが受け持つエリア全域でその姿が見られるようになりました。
昨今淘汰が進んでいるキハ40形700番台からの改造車です。1998年から1999年にかけて、従来使用されていたキハ130形気動車を置き換えるために10両が改造されました。元々日高本線は同700番台が使用され、キハ130形気動車に置き換えられており、新製車両投入によって置き換えられた車両で再度その新製車両を置き換えるという珍しい事態となりました。
キハ130形時のダイヤを維持するため機関をN-DMF13HZB (330 PS / 2,000 rpm) に換装して出力を増強しています。また、落ち葉などによる空転対策のため砂撒き装置を台車に装備しています。学園都市線用に改造された300番台とは異なり、車内の改造は実施されず、冷房装置も搭載されていません。このあたりが長く使用できなかった理由の1つになるでしょう。
前身となるキハ130形気動車では、低コストで運用可能なことや軽量車体の恩恵もあって所要時分の短縮に貢献しました。しかし、小型気動車化したため、車内が狭いという声が多く寄せられたことも事実で、利用者の評判もよくありませんでした。
徐々に小型気動車ゆえの問題点が浮き彫りになり、軽量車体ゆえ、踏切事故が発生した際に運転台が大破し、低運転台構造ということもあって運転士が両脚切断という重傷を負いました。さらに原形をとどめないほど大破した踏切事故も発生しており、修理不可で廃車となった事例もあるようです。
また、鋼板が薄い軽量車体ということもあり、塩害腐食が早期に進行したことや、本州向けの汎用車を投入したため、一重2段窓やデッキなし構造が冬季における車内保温能力低下を招きました。1988年と1990年に日高本線に投入されましたが、これらの理由で淘汰は10年後の1998年から始まり、2000年までに一般営業運転を終了しました。イベント用車両については、2001年まで残ったようです。
その後継車が350番台となるわけですが、その350番台が亡き今、苫小牧~鵡川間では、苫小牧運転所(札トマ)所属のキハ40形気動車で運行しているようです。「道央 花の恵み号」を含めて6両が主に日高本線用として残りました。ほかの5両については塗装変更などは実施されず、一般色の1700番台です。
H100形の新製で、追われる立場となった北海道のヨンマル。「優駿浪漫カラー」もそのうちの1つです。こうして徐々に北海道からヨンマルは姿を消していくことでしょう。今年度は釧路への配置も始まり、道東方面のヨンマルも数を減らしていきそうです。
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