来春のダイヤ見直しでキハ283系が引退へ
キハ283系 - 2021年09月16日 (木)
キハ283系は札幌~釧路間の高速化に大きく貢献し、道央と道東の距離が一気に縮まりました。釧路方面のみならず、キハ281系の増備の目的で、函館方面にも投入され、一時は北海道の特急気動車の看板的存在にまでなりました。



そのキハ283系ですが、来春のダイヤ見直しで、最後の活躍を続ける札幌~釧路間から撤退し、キハ261系に置き換えられることになりました。
2011年の石勝線特急列車脱線火災事故を機に、車両トラブルが相次いで発生するようになります。トラブルが止まないことや、車両数を確保できなくなった理由から、2013年11月に減速・減便ダイヤを施行し、キハ283系については、最高運転速度が従来の130km/hから110km/hに落として運行するようになりました。昨今までこの状況が続いています。
ほかの特急列車などが概ね120km/hに抑えられているのに対し、キハ283系だけ110km/h。理由は、車体強度(剛性)が他の車両と比較して不足しており、高速走行時において振動が他の車両よりも多く発生してしまうからです。利用者に対しては、高速走行に加えて、さらに乗り心地も考慮しなければなりません。その振動が発生する許容範囲のレベルが最高運転速度110km/hになるわけです。
車体剛性が不足している理由としては、車体が軽量であることが上げられます。
以下は過去のコラムです。参考にしてください。
参考URL:【コラム】キハ283系の最高運転速度が110km/hに制限されている理由
ですから、もう110km/h運転に変更された時点で、既に車体の方は悲鳴を上げていたにほかなりません。過酷な使用条件下、ライバルに対抗すべく、圧倒的な高速運転が車体の寿命を縮めました。
またほかにも、車両を維持すべく、ランニングコストの問題もあります。キハ283系の場合、振り子式車両という点に加え、レール側面の摩耗の減少、キシリ音などを減少させるために、輪軸中心が曲線半径方向に向くように操舵する操舵機能を持つ台車「リンク式自己操舵台車」を採用しています。特殊な装備のため、部品数が多く、保守整備においても、整備時間がほかの車両よりも多かったり、年数が経過していることで故障時における修理の部品の確保や保守費用の増大を抑える必要がありました。
JR北海道では、それら負担を減少させるべく、少ない人数で即戦力になる人材を育成しなければなりません。使用用途に合わせて車両をある程度統一させたり、形状は異なっても機器類を統一させたりすることで、保守整備の負担軽減を図っています。
振り子式車両は高速化に貢献できる反面、部品数が多く、特殊な装備を有する振り子式車両においては、このあたりが欠点となる部分です。いずれ北海道の特急気動車はキハ261系に統一されるわけですが、110km/h運転まで落とされて車両の寿命を短くしてしまったキハ283系から、順次置き換えを進めていくようです。



後継車両は現在、特急「おおぞら」3往復で使用しているキハ261系1000番台です。現時点で釧路運輸車両所(釧クシ)に14両が配置されています。今回の置き換えに際し、22両の追加投入で対応します。残りは8両なので、10月に納車予定の先頭車ユニット2本ずつ(4両編成×2本)の計8両で、22両ということになるのでしょう。次回も釧路配置になりそうですね。
これにより、先頭車ユニットが釧路に5本配置になります。しかし、今回の車両統一を機に特急「おおぞら」に関して、使用車両を全て釧路運輸車両所(釧クシ)に統一されることを予想し、札幌運転所(札サウ)から一部車両を転属させる可能性をみています。
いずれにしても、増結で使う中間車が足りません。ですが、1両単位で増結できる1300番台や1400番台はこれ以上増備される経計画はありません。よって、他の車両基地から増結用中間車を転属という形で確保する必要があります。
ということで、車両の耐用年数等を合わせる意味において、札幌から7次車20両を釧路に転属させて、計42両体制で特急「おおぞら」の運用が組まれると予想します。札幌車については、5次車までの車両が残存し、再び特急「とかち」だけになると予想しています。
ダイヤなどは発表されていませんが、キハ283系と同じく札幌~釧路間を3時間台で走破できるのかが気になるところです。キハ261系の最速列車は特急「おおぞら5号」の4時間01分です。札幌~南千歳間で先行する快速「エアポート」の影響で3時間台に一歩及ばないダイヤになっています。
一方、南千歳~釧路間の所要時間では最速となっており、札幌~南千歳間のダイヤ調整で3時間台突入は実現できます。池田~白糠間で多少のロスがあるにしても、時刻表上で両者の性能差はほとんどありません。キハ283系の引退は残念ですが、キハ261系に統一された新時代の「おおぞら」の幕開けも楽しみですね。
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そのキハ283系ですが、来春のダイヤ見直しで、最後の活躍を続ける札幌~釧路間から撤退し、キハ261系に置き換えられることになりました。
2011年の石勝線特急列車脱線火災事故を機に、車両トラブルが相次いで発生するようになります。トラブルが止まないことや、車両数を確保できなくなった理由から、2013年11月に減速・減便ダイヤを施行し、キハ283系については、最高運転速度が従来の130km/hから110km/hに落として運行するようになりました。昨今までこの状況が続いています。
ほかの特急列車などが概ね120km/hに抑えられているのに対し、キハ283系だけ110km/h。理由は、車体強度(剛性)が他の車両と比較して不足しており、高速走行時において振動が他の車両よりも多く発生してしまうからです。利用者に対しては、高速走行に加えて、さらに乗り心地も考慮しなければなりません。その振動が発生する許容範囲のレベルが最高運転速度110km/hになるわけです。
車体剛性が不足している理由としては、車体が軽量であることが上げられます。
以下は過去のコラムです。参考にしてください。
参考URL:【コラム】キハ283系の最高運転速度が110km/hに制限されている理由
ですから、もう110km/h運転に変更された時点で、既に車体の方は悲鳴を上げていたにほかなりません。過酷な使用条件下、ライバルに対抗すべく、圧倒的な高速運転が車体の寿命を縮めました。
またほかにも、車両を維持すべく、ランニングコストの問題もあります。キハ283系の場合、振り子式車両という点に加え、レール側面の摩耗の減少、キシリ音などを減少させるために、輪軸中心が曲線半径方向に向くように操舵する操舵機能を持つ台車「リンク式自己操舵台車」を採用しています。特殊な装備のため、部品数が多く、保守整備においても、整備時間がほかの車両よりも多かったり、年数が経過していることで故障時における修理の部品の確保や保守費用の増大を抑える必要がありました。
JR北海道では、それら負担を減少させるべく、少ない人数で即戦力になる人材を育成しなければなりません。使用用途に合わせて車両をある程度統一させたり、形状は異なっても機器類を統一させたりすることで、保守整備の負担軽減を図っています。
振り子式車両は高速化に貢献できる反面、部品数が多く、特殊な装備を有する振り子式車両においては、このあたりが欠点となる部分です。いずれ北海道の特急気動車はキハ261系に統一されるわけですが、110km/h運転まで落とされて車両の寿命を短くしてしまったキハ283系から、順次置き換えを進めていくようです。



後継車両は現在、特急「おおぞら」3往復で使用しているキハ261系1000番台です。現時点で釧路運輸車両所(釧クシ)に14両が配置されています。今回の置き換えに際し、22両の追加投入で対応します。残りは8両なので、10月に納車予定の先頭車ユニット2本ずつ(4両編成×2本)の計8両で、22両ということになるのでしょう。次回も釧路配置になりそうですね。
これにより、先頭車ユニットが釧路に5本配置になります。しかし、今回の車両統一を機に特急「おおぞら」に関して、使用車両を全て釧路運輸車両所(釧クシ)に統一されることを予想し、札幌運転所(札サウ)から一部車両を転属させる可能性をみています。
いずれにしても、増結で使う中間車が足りません。ですが、1両単位で増結できる1300番台や1400番台はこれ以上増備される経計画はありません。よって、他の車両基地から増結用中間車を転属という形で確保する必要があります。
ということで、車両の耐用年数等を合わせる意味において、札幌から7次車20両を釧路に転属させて、計42両体制で特急「おおぞら」の運用が組まれると予想します。札幌車については、5次車までの車両が残存し、再び特急「とかち」だけになると予想しています。
ダイヤなどは発表されていませんが、キハ283系と同じく札幌~釧路間を3時間台で走破できるのかが気になるところです。キハ261系の最速列車は特急「おおぞら5号」の4時間01分です。札幌~南千歳間で先行する快速「エアポート」の影響で3時間台に一歩及ばないダイヤになっています。
一方、南千歳~釧路間の所要時間では最速となっており、札幌~南千歳間のダイヤ調整で3時間台突入は実現できます。池田~白糠間で多少のロスがあるにしても、時刻表上で両者の性能差はほとんどありません。キハ283系の引退は残念ですが、キハ261系に統一された新時代の「おおぞら」の幕開けも楽しみですね。
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