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コロナに負けず、2021年も特急「ニセコ号」の運行が終了

今年も札幌と函館を函館本線山線(小樽・倶知安・ニセコ経由)を使って走る特急「ニセコ号」の運行が終了しました。

昨年までキハ183系一般車が使用されていましたが・・・



今年は、同じキハ183系でもリゾート気動車として唯一残るノースレインボーエクスプレス!!特急「ニセコ号」運行開始以来、初めての充当で、昨年までとは異なり、床の高いハイデッカー構造の車両は、函館本線山線のみならず、函館本線から太平洋を一望できたことでしょう。

ノースレインボーエクスプレスのような床の高い車両が函館本線山線に入線するのは過去にもあまり例がなく、意外や意外です。

過去にニセコ方面での使用に重点を置いていたニセコエクスプレスだけ北海道のリゾート気動車でハイデッカー構造とはなりませんでした。客室を低床化した理由は、曲線の多い函館本線の山線での使用を考慮したためとされ、一般的車両と比較して床面の嵩上げは200mmに抑えられていました。

ハイデッカー構造の車両が全く入線しなかったというわけではありませんが、それでも場合によっては数年に1回程度しか確認できなかったので、大変珍しいシーンが展開されたでしょう。



函館方面から札幌駅での到着シーンを。管理者はこの2回だけの撮影で終わりました。

札幌駅到着時は、特急「おおぞら11号」と並びます。来年も設定される場合、はまなす編成やラベンダー編成が使用され、且つ運行時刻等に変更がなければ、キハ261系同士の並びが実現しそうです。

今年の運行は、運行開始直前になって緊急事態宣言が発令され、運行が難しいものと思われましたが、それにも関わらず、当初の予定どおり運行しました。この様子だと、2年にわたって運行取り止めを余儀なくされた急行「花たび そうや号」も来年はようやく設定されることになりそうです。

緊急事態宣言下で今回臨時列車を運行しており、同列車だけ取り止めになるのは今後示しがつきませんからね。

管理者も函館方面への日帰りを計画していましたが、緊急事態宣言期間中ということで諦めました。来年以降機会があれば、函館方面に行きたいです。


上記ではまなす編成やラベンダー編成について少し触れましたが、実は来年は車両変更を余儀なくされる可能性も出ています。理由は以下の3つです。


①ノースレインボーエクスプレスの一部車両の冷房不具合

一部車両で冷房不具合が発生していたようです。不具合が発生していたにも関わらず、はまなす編成は特急「とかち」への充当、ラベンダー編成は、特急「フラノラベンダーエクスプレス」や臨時列車「HOKKAIDO LOVE! ひとめぐり号」の試運転などで駆り出されており、代走車両の手配もままならない状況でした。不具合を抱えたまま運行され、これはかつてニセコエクスプレスでも同様の事象が発生していました。

結局不具合を修繕することなく、キハ183系一般車に車両を変更して対応し、ニセコエクスプレスはその後、春先の団体列車やさよなら運転も冷房を必要としない秋に実施されています。

ニセコエクスプレス現役時との違いは、車両などの修繕費用については、国からの支援を受けられるようになったことです。昨今の合理化で生まれたキハ261系5000番台のはまなす編成やラベンダー編成とは異なり、ワンオフ車両のため、後の整備をほぼ考慮しない構造で登場から30年近く経過している昨今、保守整備に大変苦労していることでしょう。

あとは、支援金からノースレインボーエクスプレスの修繕費を拠出できる余裕があるのか不明ですが、場合によっては、冷房を必要としないシーズンに限定して使用される可能性も出てくるでしょう。


②プラグドア不具合

ノースレインボーエクスプレスの乗降扉はプラグドアです。戸袋がないため、ドア開閉時にボディの外側に移動して最後に内側に沈み込む「外プラグ式」構造です。「内プラグ式」構造もありますが、キハ281系やキハ283系もノースレインボーエクスプレスのように「外プラグ式」構造を採用しています。

利点としては、ドアが閉まった状態でボディ外壁と面一になるので、美観に優れるとともに、空気抵抗や風切り音などの騒音低減、着雪防止に効果があります。

一方、開閉作業の際に移動してから押し出したり、引き出したり、またはその逆の2段動作となるため、構造が複雑になりやすく、破損や動作不良などへのリスクが高くなります。部品数も多いため、一般的な引き戸構造のドアよりも製造及び維持コストが高くなります。

近年では、保守費用低減を理由に、採用する車両が減っており、主に引き戸構造を採用しています。

ノースレインボーエクスプレス新製時は、まだJR北海道が元気だった時代。後の時代のことなどほぼ考慮しません。外見が美しい車両を製造するとともに、プラグドアを採用したことでしょう。ノースレインボーエクスプレスについては、過去に宗谷線特急代走時に、乗降扉に不具合が発生し、そのドアを締切とし、ガムテープで内側から応急処置をするという痛々しい姿で連日使用されていました。当時は通常車両の確保がままならず、修繕されないまま代走車両としてほぼ毎日使用されていました。今回も完全にその不具合が完治していないようで、このあたりも冷房機器とともに修繕されるのかどうか、これら機器の不具合で引退を早めるのか気になるところです。


③倶知安駅のホーム移設

倶知安駅では、北海道新幹線札幌延伸に伴い、既存の駅に新幹線の駅を併設する形で工事が進められます。そのため、現在の在来線の設備が支障になることから、ホームを西側に移設し、新ホームを10月31日から供用開始します。

新ホームは4両編成対応になります。ノースレインボーエクスプレスは5両編成で、新ホームに編成全てで客扱いができなくなります。よって、来年以降はドアカットで対応するのか、はまなす編成やラベンダー編成などに変更して1両減車して4両編成で対応するのか、そもそも設定自体をやめてしまうのか。

いずれにしても来年は今年とは異なる対応をせざるを得ないので、どのようになるのか気になります。



これらの理由から、来年はノースレインボーエクスプレスの設定が難しくなる見方もできるのです。プラグドア不具合はまだしも、冷房機器の故障は利用客へ大きな影響が出ます。場合によっては返金対応になることもあるそうで、修繕に際して莫大な費用がかかるのであれば、故障をそのまま放置して使い続けるしかありません。

なので、今後は冷房機器を使用しない春先や晩秋、冬季の宗谷線特急の代走などの使用範囲に絞られそうです。特急「ニセコ号」以降は、しばらく運行予定がありません。再び修繕のための長期休車扱いとするのか、宗谷線特急の代走で重宝するのか不明ですが、検査入場後で綺麗な状態にも関わらず、早くもトラブルが出て、先行きが黄色信号になりつつあります。


団体・臨時列車用の車両でありながら、汎用性が高く、ほかのリゾート気動車よりも酷使されているノースレインボーエクスプレス。はまなす編成やラベンダー編成が後継車両ということで既に発表されており、引退もそう遠くはないと思いますが、可能な限り、長生きしてほしいですね。











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コメント
10792:倶知安駅 by GG on 2021/09/25 at 02:29:18

4両分のホームがあれば、ノースレインボーは停止位置を0.5両分ほどずらすだけで5両編成の全ドアで乗降が可能です。

10794: by 若潮 on 2021/09/26 at 16:48:46 (コメント編集)

JR四国も初期の2000系8000系はプラグドアでしたが、南風号でドアがめくれて土讃線のトンネルに激突して以来、普通のスライドドアになってしまいましたね。
新幹線もかつては内プラグドアでしたが、N700系は流線型の一部になる先頭車だけ内プラグドアであとはスライドドア、E5系に至っては全てスライドドアですので、メンテ増大は看過できない値なのかもしれません。

10800: by 管理人 on 2021/09/28 at 18:18:30

>>「GG」さん、コメントありがとうございます。

そういえば、キハ261系などのように、先頭部分に乗降扉ありませんよね。多少停止位置ずらすだけで対応できそうですよね。

返信が遅くなり、申し訳ありませんでした。

10802: by 管理人 on 2021/09/28 at 18:28:26

>>「若潮」さん、コメントありがとうございます。

引戸にすると、空気抵抗の影響を受けやすくなります。速度が速い新幹線なら尚更です。それでも採用するということは、メンテナンスの影響か、そこまでの高速走行に対応していないのか。少なくとも北海道ではドアがめくれることはなかったはずですよ。

北海道では採用車種が少ない反面、どの車両も後に注目を浴びた車両ばかりです。なので、メンテナンスや空気抵抗よりも美観の方を重視したような感じがしますよ。一種の当時のステータスみたいなものを感じます。

返信が遅くなり、申し訳ありませんでした。

10803:倶知安駅周辺の道路事情 by 龍 on 2021/09/29 at 02:47:48 (コメント編集)

函館本線は、倶知安駅の南北で道路と交差しています。駅の南側は北海道道58号倶知安ニセコ線(道道58号)の陸橋が線路を跨いでおり、北側は倶知安町道北3条通西線(メルヘン通)と交差する踏切が設置されています。

倶知安町は北海道新幹線の倶知安駅周辺を地上案から高架案に変更するよう要望しました。理由は、鉄道設備による市街地の分断を解消することです。新幹線には踏切を設置できないため、地上に線路を敷いた場合は道路を陸橋かアンダーパスにして交差させることになります。なので、地上案では駅の南側にある道道58号の陸橋はそのまま使用できますが、北側にあるメルヘン通の踏切は撤去して陸橋かアンダーパスにするしかありません。それらの問題点を主張した倶知安町の意見が通り、新幹線は倶知安駅周辺を高架で建設することになりました。

また、新幹線を高架で建設しても、並行在来線が高架化されず地上のまま残る場合には、陸橋と踏切をそのまま使うことになります。こうなった場合も倶知安町としては困ったことになります。並行在来線の維持費についてももちろんですが、一番の問題は駅の南側にある陸橋です。

実際に地図を見てもらえば分かりますが、倶知安駅の東側にある現在の駅前広場からは直接南下して道道58号に入ることができません。前述の通り道道58号が陸橋になっているため、陸橋の終端まで交差点がないのです。現状では、駅前から東に伸びている北海道道271号倶知安停車場線(駅前通)を進んで右折し(さすがに駅前通と国道5号の交差点まで行く必要はありませんが)そこから道道58号との交差点で右折することになります。メルヘン通の踏切を渡って迂回するという手もありますが、いずれにしても遠回りを強いられます。

陸橋を廃止して平面交差にすれば、倶知安駅の東口から直接南下して道道58号に入ることができます。新幹線の開通によって倶知安駅には西口も新設され、そこに繋がる道路も整備されますが、当然この道路も道道58号やメルヘン通と接続します。

また、道道58号は将来、高規格道路「倶知安余市道路」の倶知安ICと接続する予定です。西側から東側にかけて、倶知安IC〜倶知安駅〜倶知安町の中心部〜国道5号という位置関係になり、これらを東西に伸びる道道58号が全て一直線に結ぶことになります。

倶知安町としては、まちづくりを推進する上で道道58号とその周辺道路のスムーズな動線を確保したいのですが、並行在来線(函館本線)の線路が地上に残るとそれが難しくなってしまいます。倶知安駅周辺の道路は全て平面交差(交差点)にし、駅の南北にある陸橋と踏切を撤去して高架の線路が地上の道路を跨ぐ立体交差にする。この形に何としても持っていきたいのです。

10814: by 管理人 on 2021/10/01 at 21:34:51

>>「龍」さん、コメントありがとうございます。

倶知安駅周辺と札幌駅周辺が一番新幹線の建設で難しいところですよね。

近年では、それなりに規模の大きい駅を高架化する動きが見られます。やはり、東西あるいは南北の格差を是正するためであったり、利点は多いですよね。

倶知安の場合は駅周辺は高架化する方向で進んでいたはずですが、それだけでは問題解決にはならず、そうなれば在来線が邪魔ですよね。

手っ取り早いのが、在来線も高架してしまう方法ですが、新幹線開業後はさらに利用状況が悪化する路線・区間に対し、そのような必要は全くありません。このあたりも、倶知安町が在来線廃止の検討にやや前向きな姿勢を見せているのもよくわかります。

倶知安余市道路が使用されるようになれば、もはや在来線の必要はなくなるでしょう。高速バスの方がより便利になりそうです。そのためにも、58号線を軸とした新たな交通網とともに、新幹線を含めた新たな再開発が必要だと思います。

返信が遅くなり、申し訳ありませんでした。

10842: by スーパー白鳥98号 on 2021/10/06 at 17:35:01

今年のニセコ号ですが、ノースレインボー車の使用はやむを得なかったとも思えます。理由は、はまなす編成やラベンダー編成が他の列車で使用されていることが大きいと思います。来年以降は恐らくノースレインボーはもう使わず、はまなす編成かラベンダー編成のどちらかになるでしょう。その場合、4両編成での運転になると思います。それは、倶知安駅のホーム移設によるものなので仕方ないでしょう。キハ183系一般車で運転することは無いとも言い切れませんが、車齢30年以上経過した車両を使うのもどうかと思います。ノースレインボーもキハ183も他の車両のように道内中走行しているので、結構酷使している分老朽化は早めていると思います。ノースレインボーももう寿命であることは間違い無いはずですし、キハ183については寿命を越しているような気がしますがどう考えられるでしょうか。

10848: by 管理人 on 2021/10/08 at 19:14:36

>>「スーパー白鳥98号」さん、コメントありがとうございます。

あとは、まず山線へキハ261系5000番台が試運転なりで入線実績があったか?ということです。記憶にありませんが、入線実績がなければ、ノースレインボーエクスプレスしか充当することができません。

倶知安駅の問題は、ノースレインボーエクスプレスの場合、キハ261系のように先頭部に乗降扉がないので、ホームから少しはみ出して臨時列車用の停止位置を設置すれば問題なさそうです。

ただ冷房器不具合という持病を抱えています。ニセコエクスプレスの場合は、冷房不具合が発生した後、夏季の運転を避けるようにして、団臨やさよなら運転を実施しました。まずはその不具合が解消されなければ、夏季の運転がそもそも難しく、ラベンダーエクスプレスとしての運転も難しくなります。

キハ183系は不運な車両で、ちょうどJR北海道が傾いている際に車齢が高いにも関わらず、第一線で使用せざるを得ませんでした。外装をいくら綺麗にしても、中は腐食だらけでしょう。今までの車両をみても、やはり30年が節目だと思います。

ノースレインボーエクスプレスも他のリゾート気動車に比べて、汎用性の高さゆえ酷使されています。車検を通したのが奇跡です。ですが、不具合が発生している以上、従来まで使用頻度は高くなさそうな気がします。

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