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【コラム】冬でもオーバーヒートってあり得るの!?先日のキハ183系の特急「オホーツク4号」を検証する

1月8日の特急「オホーツク4号」が、石北本線の上川~白滝間を走行していたところ、オーバーヒートを知らせる表示が出て、勾配を上ることができず、遠軽駅まで47キロ後退したトラブルがありました。

当初、オーバーヒートの表示で一旦列車を平地に後退させて15分の休憩をとり、再度運行を再開させたものの、再びオーバーヒートを知らせる表示が出たため、列車を主要駅である遠軽駅まで後退させて運休となりました。

乗客47名はその後、タクシーによる代行輸送となりました。

そして1月10日の深夜、当該編成がDE15形ディーゼル機関車の重連によって遠軽駅構内から所属先の苗穂運転所(札ナホ)へ回送されたようです。原因は調査中です。

管理者がTwitterを確認している限りでは、「キハ183系=ボロいから」という理由であまり深く考えられていなかったのが残念です。

では、1つ1つポイントで見ていきましょうか。

まずは、オーバーヒートを起こした編成。実は昨今ではあまり見られない編成で運行されていたようです。


<遠軽⇔札幌・網走:キハ183系>

キハ183-1506キロ182-7553キハ182-508キハ183-4558


上記の4両編成でした。

編成を見る限りでは、まず編成全体の出力が低いです。

キハ183系と聞くと、「高出力」、「力持ち」というイメージがあるかもしれませんが、番台区分によって出力が異なります。この中で大出力機関を搭載するのは、おそらく今回オーバーヒートを起こしたであろう3号車の「キハ182-508」です。機関換装が実施されていない製造時から原番のまま残る数少ない車両で、搭載機関はDML30HSJ形(550 PS / 2,000 rpm)を1機搭載しています。

キハ183系の中で大出力機関を搭載するのがキハ183形500番台とキハ182形500番台、キハ182形550番台、キロ182形500番台です。原番のまま残っているのはいずれも中間車のみでハイデッカーグリーン車2両、普通車中間車2両の計4両だけのはずです。それ以外は廃車か、7550番台化、お座敷車へ改番されています。





数年前に苗穂工場一般公開の際に展示されていたので、写真を掲載しておきます。確かこの写真だったはず。

この同型のエンジン搭載車が一時使用停止となりました。全ての車両が搭載しているわけではないので、動けるキハ183系と動けないキハ183系がはっきり分かれていましたね。使用停止の最中も臨時の「北斗」などでキハ183系が使用されていましたが、ほぼ先頭車だけで組成された編成だったりと、0番台を除いてほぼ中間車が使用できない状況に陥りました。

次に、遠軽方先頭車は「キハ183-1506」です。登場時期は「キハ182-508」と同じです。搭載機関はDMF13HS形(250 PS / 2,000 rpm)です。実はそこまで大出力機関を搭載しているわけではないのです。

一方、札幌・網走方先頭車の「キハ183-4558」は、元々特急「北斗」の130km/h運転対応化に伴う120km/h車との予備車共用化のために登場した区分番台です。原番+3000とし、ブレーキシリンダー圧力切替弁による自動切替機能を追加しました。機関も形式と出力の増大が実施されており、DMF13HZ(330 PS / 2,000 rpm)となりました。過給器へのインタークーラー追設が主な出力向上の理由です。

そして、ハイデッカーグリーン車は7550番台で、部品調達が困難になり、メンテナンスに苦慮している背景から、重要機器取替工事を機に、機関をキハ261系1000番台と同等のN-DMF13HZK(460 PS / 2100 rpm)に換装した車両です。





こちらも数年前の苗穂工場一般公開の際に展示されていました。昨今のエンジンらしく、小排気量化とともに軽量コンパクトなエンジンです。エンジンだけで2100kg違います。大型ミニバン1台分です。出力は低下しているものの、同時に変速機も換装されており、さらに軽量化によってパワーダウンを多少カバーしています。

ということで、これらの車両で組まれた4両編成でした。


まず、オーバーヒートについて調べていきたいのですが、まずは題名のとおり、冬にオーバーヒートすることなんてあるの??っていう疑問にたどり着くと思います。

答えは、場合によってはオーバーヒートも発生し得るのです。

基本的にオーバーヒートといえば、暑い夏に発生しやすいです。それは自動車などでも同じです。特にサーキットを走る車であれば、外気温が低ければ、熱の上昇も夏季に比べたら安定します。但し、ず~っと前の車の真後ろを間隔もあまり空けずに走っていると、冷却器に風が当たらなくなってオーバーヒートになりやすい傾向に陥りますし、出力を向上させる場合も従来よりも熱量が増えるので、冷却器を新たに装着するなどの対策をとる必要があります。

そのほか、ホースの劣化による冷却水漏れ、サーモメータ―の不具合、ウォーターポンプの劣化なども考えられます。これらは冬季でもオーバーヒートが発生し得る原因になります。特に冷却水漏れについては、線路に漏れた跡が確認されるはずなので、これもすぐに原因がわかるでしょう。

しかしながら、報道でも原因不明とされていたことから、これらが起因する可能性は低いです。そのほかに、冬季は雪ならではの原因があります。それは、ラジエーターなどの冷却器に雪が溜まって塞いでしまうと、働きが鈍くなったり、滞ったりしてエンジンの冷却が間に合わなくなり、結果的にオーバーヒートを引き起こす原因にもなります。

ラジエーターとは、エンジンを冷却するための部品の1つです。冷却水やクーラント液とも呼ばれ、車種やメーカーによって液体の色は赤やピンク、青などで異なりますが、どの車種にも原則としてエンジン内部の熱を冷却するための冷却水が搭載されています。

この冷却水の役割としては、エンジン内に冷却水の通路があり、冷却水が流れる際にエンジンの熱を奪います。ここで冷却水が熱くなっていますから、ラジエーターで冷やされ、ポンプを介してエンジン内へ戻されます。ラジエーターはファンによる送風と走行する際の風で冷却水を冷やしています。

ただ、冷却水も時間が経過すれば蒸発などによって適量値から不足することもあります。冷却水が不足すればエンジン内部で発生した熱の吸収が鈍るわけですから、オーバーヒートの原因にもなります。自家用車であれば、2~3年に1回のメンテナンスで十分であり、大抵の場合は車検時に見てもらっているでしょう。

また、上述のとおり、ラジエーターに雪が付着して走行中の風が当たらなくなり、冷却水の冷却が十分に実施できない場合は、当然オーバーヒートにつながります。各主要機器にトラブルはないものの、結果的にオーバーヒートの兆候がみられる原因の1つであり、管理者はこれを疑っています。このトラブルは意外と気づきづらいです。



年末年始輸送期間中に撮影した写真を再度掲載しますが、下回りもこれだけ雪が付着しているということは、単に雪煙を巻き上げて走行してきただけでなく、場所によっては、雪が降り積もり、半ばラッセル状態で走行してきた区間もあるはずです。

鉄道車両のエンジン位置は床下で、ラジエーターなどの冷却器も床下にしかも走行中の風が当たるように配置されているはずです。このように床下にびっしり雪が付着していることを踏まえると、冷却器に風が当たらなくなったことを疑います。

過去に石北特急では、タンポポの綿毛が冷却器の吸気口付近にびっしり付着してオーバーヒートになりそうなこともあったり、そのほか、やはり冷却水漏れもあったようです。

気動車にも水温計や油温計が装着され、走行中も運転士がそれを管理しながら乗務しているのであれば話は別ですが、自家用車や鉄道車両には基本的に装着されるものではなく、大抵の場合、不具合が発生したらチェックランプがつく仕組みが一般的だと思います。なので、例えば今回のようにオーバーヒートが発生したようだと乗務員は把握できますが、あくまでここまでしかわからず、詳細な原因というのはわからないままなんですよね。

ここ数年で石北特急は何度かオーバーヒートしている傾向が見られます。原因も決してエンジンが古いからという理由だけでなく、冷却水漏れや冷却器の吸気口を塞ぐといった原因もあります。JR東海が試験走行中のHC85系のように、状態監視システムがつけられるわけではないので、水温計や油温計といった機器を運転台に新たに取りつけるだけでも対策にはなると思います。

それで、夏季や冬季を含めて温度管理を実施しながら運行すると未然にトラブルを防ぐことができると思います。ただその状況に陥った場合、途中で運転を打ち切るなどの措置が必要な場合の代行輸送手段などが今後の課題です。














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コメント
11039: by 南の虎 on 2022/01/24 at 15:24:27

根本的に、出力不足が大きいと思います。
出力低下→ラジエターへの送風不全(ご指摘のような雪による送風不全もあるかもしれません)→オーバーヒート気味→さらに出力低下→アウト
ということを疑っています。

いくらエンジンが軽量化されたといっても、編成全体出力が330+460+500+330=1620PS,1両平均405PSでは、キハ40系に毛が生えた程度で、キハ54に大きく劣りますし、1両10t弱程度の重量差があることを考えるとパワーウェイトレシオは大きく異なります。
当然ながら登坂力がかなりかわってくると思います。
183系気動車、私は大好きな気動車ですが、どうしてこんな場当たり的な改造を繰り返してしまったのかなと思います。特に+5000番台化した重要機器取替工事では、キハ261系にエンジン等を合わせるために換装しています。それはわかるのですが、あまりにもバラバラすぎて統一が取れていないと思います。
183系を使い倒すのは良いのですが、どの車両をいつまで使う、という計画が、なされているとは思いますが、あまり見えないなぁと思っています。
(キロ182-500を早期に3両ほど退役させたのも不思議でした。用途がないのでしょうが)

11042: by 管理人 on 2022/01/25 at 23:14:25

>>「南の虎」さん、コメントありがとうございます。

出力低下とラジエターへの送風不全の順が逆だと思います。送風不全で熱ダレを起こして出力低下という流れだと思います。

編成全体の出力は確かに低いです。かつてキハ183系がパワーアップする前にもこうした出力の小さい編成で運行していたこともありました。しかし、現在と違うのは編成の両数で両数が増えるほど1tあたりに使える出力が大きくなる・有利になります。

Twitterでは、前日の特急「オホーツク2号」旭川駅到着時に既にアイドリングで異音が発生し、空吹かしも行っていたようです。発車時に変な青煙を吹いていたようなので、このときにいきなりトラブルを起こしたとは考えにくく、それ以前からその兆候があったと思います。ただ、特急「オホーツク3号」充当前に簡単な検査はできるはずですから、そこでなぜ差し替えなかったのか疑問です。

機関換装は出力向上よりもメンテナンスに振ったもので、合理化の1つです。元々使い始めた路線・列車が違っていたので、いきなりそれを最大25‰を有する石北本線に持ってくること自体が難しいことなのかもしれません。

いずれにしても、編成の出力不足の傾向にあったことは言うまでもありません。編成を組む際は考慮してほしいところです。

返信が遅くなり、申し訳ありませんでした。

11044:オーバーヒートの理屈は一緒ですか by 千葉日台 on 2022/01/26 at 21:36:20

キハ181系は奥羽線のつばさ号などで問題になったとききます。

機関的には500馬力のエンジンは板谷峠を表定速度50km/h台で走行が可能らしいですが、勾配とカーブが多く低速を余儀なくされトンネルで冷却効果が邪魔される板谷峠ではラジエーターがトラブルを起こしたそうです。

環境は違えど冷却効果が邪魔されたという部分では一緒だったのかも知れませんね。

キハ183に関してですが、NN7550改造車の上り北斗で大沼公園からの上り坂がかなり苦戦していた印象があります。

今回はキハ183-1500・1550の今となっては低馬力車両もあります。無理があったのかもしれません。

ただ、今回はレアケースかも知れません。石北線は一応キハ40の機関未乾燥車も使われている区間です。

必要以上に反応しない(キハ183・ポンコツ・引退しろにならない)事が大事だと思います。

11051: by 管理人 on 2022/01/29 at 00:10:42

>>「千葉日台」さん、コメントありがとうございます。

山岳路線走行中にトラブルが続発したようです。ほかにも「しなの」が該当したと思います。

夏場にオーバーヒートが多く発生しました。コストダウンを図り、冷却器が空冷式タイプのものだったはずですから、夏場だったら場合によってほぼ熱風を取り込むだけなので、トラブルを起こすのは当たり前です。エンジンも大出力で熱効率が悪かったと聞きます。山岳路線走行の際は変速段での走行が多かったようで、エンジンの回転数が高く、結果的にこれもオーバーヒートにつながる要因となりました。

逆に屋根上にラジエーターを設置してもあまり意味があるとは感じられず、後に対策として床下にラジエーター追設していたはずですからね。

今回のトラブルは結局原因は謎に包まれたままですが、ここ数年で年に何回かこうした症状が出ているので、可能な限りこうしたトラブルは出さないでほしいです。

返信が遅くなり、申し訳ありませんでした。

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