【コラム】キハ143形は早期に置き換えるべき車両
コラム - 2022年01月23日 (日)
今回は当ブログでもあまり取り上げないキハ143形。


札幌~室蘭間で使用されています。運用のメインは苫小牧~室蘭間ですが、早朝と深夜には札幌発着列車も設定されています。札幌から(へ)東室蘭及び室蘭直通の列車はキハ143形による2両編成です。
苫小牧運転所(札トマ)に所属し、苗穂運転所(札ナホ)や東室蘭駅で夜間滞泊の運用もあります。2枚目の写真のように、「ワンマン」と表示されますが、それはあくまで苫小牧~室蘭間のみです。札幌直通列車については、札幌~苫小牧間は車掌が乗務し、「普通」と表示されます。
実は元々客車で、それにエンジンや運転台を取りつけた改造車です。全国的にもこうした例は非常に少ないと思います。種車は50系客車です。車体はほぼ生かされ、まるで生きた化石のような車両です。
2012年まで学園都市線で活躍していました。ちょうどその頃は札幌~北海道医療大学間が電化され、2回にわたってダイヤ改正が実施され、その都度気動車列車を電車に置き換えていきました。車体の外見がほぼ同一のキハ141形やキハ142形も活躍していましたが、海外譲渡や本州へ譲渡された車両を除いてお役御免となりました。

キハ143形だけ残った理由としては、同車はキハ141形などの増備車であり、外見はほぼ同じものの中身はキハ150形とほぼ同等で冷房車です。キハ150形は上の写真の右側の車両です。
対して、キハ141形やキハ142形は非冷房車で、台車などはキハ56形からの廃車発成品を流用していました。最高運転速度もキハ143形が110km/hに対し、95km/hとなるなどの違いがありました。
これらの理由によって、引き続き活躍を続けています。
先日札幌駅で遭遇したら・・・

車体は残念な感じに・・・。検査前になれば、外装の塗膜が剥がれてボロボロの車両も確認されますよ。



キハ143形の写真を探してみると、やはり過去にもあまり撮影していないようです。
合理化や経費削減のために生まれたキハ143形の室蘭本線運用ですが、711系時代を知っている沿線の方々からすれば、実は評判はあまり良くありません。その理由が、減車とワンマン化です。
室蘭本線の苫小牧~東室蘭間は従来は一部列車を除いて711系による3両編成が使用されていました。途中は無人駅が多いですが、711系はワンマン運転対応ではないため、車掌が乗務していました。どんなに規模が小さい駅でも全ての乗降扉で客扱いを実施していました。
それがキハ143形に置き換わると、2両編成に減車されたため、特に通勤時間帯の混雑に対応が難しくなりました。そして、ワンマン運転のため、白老駅や登別駅などの主要駅を除いて、原則一番前の扉しか開きません。なので、乗降に時間を要するだけでなく、特に降りる際は先頭車に移動するという手間が新たに生じるようになります。結果、遅延が発生しやすく、後続に特急が迫っていた場合は、その特急まで遅れが発生する事態になっていたようです。
このように、経費削減の余波が利用客の不便を招いたようです。
また、題名のとおり、管理者も早期に置き換えるべき車両だと思っています。
その理由が・・・

先頭部だけの写真になりますが、理由がコレです。
大型トレーラーやトラックと踏切事故に遭遇した場合、一体どうなるでしょうか??
衝突安全などの基準も古いときのままで、運転士はおそらく軽傷では済まないでしょう。
かつて日高本線ではキハ130形気動車が使用されていました。私鉄などで用いられるような軽快気動車であり、出力が低くても軽くてそれなりの性能は出せますが、その軽量は主にボディの板厚を薄くしているのも理由で、過去に大型トラックと踏切事故を起こし、運転士が両足切断の重傷を負いました。
この大事故を受けて、キハ281系では運転士保護を目的とした高運転台スタイルが採用され、それが最新のキハ261系にも受け継がれています。733系などでも、キハ261系のような高運転台スタイルとはなっていませんが、高運転台スタイルが採用され、乗務員保護を目的に我々一般客が利用する客室車内よりも高い位置に運転台が設置されています。
2010年には函館本線で「スーパーカムイ」の踏切事故がありましたが、あれも789系1000番台だったからこそ運転士が重傷にはなりませんでした。あれが785系だったら運転士へのダメージも相当なものだったでしょう。
話は戻りますが、キハ143形はキハ130形気動車のように軽快気動車ではなく、自重も35t程度ありますが、それでも元々客車だったことを踏まえれば、いくら強度を確保しやすい鋼製車体とはいえ、車体は気動車や電車に比べて薄いはずです。
元々は札幌市周辺の人口増加によって間に合わせで用意された車両であり、その間に合わせの車両を転用したに過ぎないのです。このことから、管理者は万が一大型トラックなどと踏切で衝突した際の運転士保護などを考慮した場合、キハ143形は危ない車両という認識が強いです。
なので、H100形に早く置き換えるか、沿線住民の要望も含めて、再び近郊形電車を朝・夕中心に投入するかです。度々733系が試運転で室蘭方面に入線していたはずで、733系でなくても、721系なども含めて検討してほしいところです。
ただ、列車を運転するにも免許が必要です。電車を運転する際と気動車を運転する際で免許が違ってくるので、このあたりもかつて合理化とともに気動車化された理由の1つだと思います。
苫小牧~室蘭間も電化されていますが、同区間を走る定期列車における電車は特急「すずらん」6往復のみです。それ以外は全て気動車です。電化設備があるのに、これでは勿体ないところ。
沿線住民からすれば輸送体系に不満があるようなので、普通列車の再度電車化も期待したいです。
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札幌~室蘭間で使用されています。運用のメインは苫小牧~室蘭間ですが、早朝と深夜には札幌発着列車も設定されています。札幌から(へ)東室蘭及び室蘭直通の列車はキハ143形による2両編成です。
苫小牧運転所(札トマ)に所属し、苗穂運転所(札ナホ)や東室蘭駅で夜間滞泊の運用もあります。2枚目の写真のように、「ワンマン」と表示されますが、それはあくまで苫小牧~室蘭間のみです。札幌直通列車については、札幌~苫小牧間は車掌が乗務し、「普通」と表示されます。
実は元々客車で、それにエンジンや運転台を取りつけた改造車です。全国的にもこうした例は非常に少ないと思います。種車は50系客車です。車体はほぼ生かされ、まるで生きた化石のような車両です。
2012年まで学園都市線で活躍していました。ちょうどその頃は札幌~北海道医療大学間が電化され、2回にわたってダイヤ改正が実施され、その都度気動車列車を電車に置き換えていきました。車体の外見がほぼ同一のキハ141形やキハ142形も活躍していましたが、海外譲渡や本州へ譲渡された車両を除いてお役御免となりました。

キハ143形だけ残った理由としては、同車はキハ141形などの増備車であり、外見はほぼ同じものの中身はキハ150形とほぼ同等で冷房車です。キハ150形は上の写真の右側の車両です。
対して、キハ141形やキハ142形は非冷房車で、台車などはキハ56形からの廃車発成品を流用していました。最高運転速度もキハ143形が110km/hに対し、95km/hとなるなどの違いがありました。
これらの理由によって、引き続き活躍を続けています。
先日札幌駅で遭遇したら・・・

車体は残念な感じに・・・。検査前になれば、外装の塗膜が剥がれてボロボロの車両も確認されますよ。



キハ143形の写真を探してみると、やはり過去にもあまり撮影していないようです。
合理化や経費削減のために生まれたキハ143形の室蘭本線運用ですが、711系時代を知っている沿線の方々からすれば、実は評判はあまり良くありません。その理由が、減車とワンマン化です。
室蘭本線の苫小牧~東室蘭間は従来は一部列車を除いて711系による3両編成が使用されていました。途中は無人駅が多いですが、711系はワンマン運転対応ではないため、車掌が乗務していました。どんなに規模が小さい駅でも全ての乗降扉で客扱いを実施していました。
それがキハ143形に置き換わると、2両編成に減車されたため、特に通勤時間帯の混雑に対応が難しくなりました。そして、ワンマン運転のため、白老駅や登別駅などの主要駅を除いて、原則一番前の扉しか開きません。なので、乗降に時間を要するだけでなく、特に降りる際は先頭車に移動するという手間が新たに生じるようになります。結果、遅延が発生しやすく、後続に特急が迫っていた場合は、その特急まで遅れが発生する事態になっていたようです。
このように、経費削減の余波が利用客の不便を招いたようです。
また、題名のとおり、管理者も早期に置き換えるべき車両だと思っています。
その理由が・・・

先頭部だけの写真になりますが、理由がコレです。
大型トレーラーやトラックと踏切事故に遭遇した場合、一体どうなるでしょうか??
衝突安全などの基準も古いときのままで、運転士はおそらく軽傷では済まないでしょう。
かつて日高本線ではキハ130形気動車が使用されていました。私鉄などで用いられるような軽快気動車であり、出力が低くても軽くてそれなりの性能は出せますが、その軽量は主にボディの板厚を薄くしているのも理由で、過去に大型トラックと踏切事故を起こし、運転士が両足切断の重傷を負いました。
この大事故を受けて、キハ281系では運転士保護を目的とした高運転台スタイルが採用され、それが最新のキハ261系にも受け継がれています。733系などでも、キハ261系のような高運転台スタイルとはなっていませんが、高運転台スタイルが採用され、乗務員保護を目的に我々一般客が利用する客室車内よりも高い位置に運転台が設置されています。
2010年には函館本線で「スーパーカムイ」の踏切事故がありましたが、あれも789系1000番台だったからこそ運転士が重傷にはなりませんでした。あれが785系だったら運転士へのダメージも相当なものだったでしょう。
話は戻りますが、キハ143形はキハ130形気動車のように軽快気動車ではなく、自重も35t程度ありますが、それでも元々客車だったことを踏まえれば、いくら強度を確保しやすい鋼製車体とはいえ、車体は気動車や電車に比べて薄いはずです。
元々は札幌市周辺の人口増加によって間に合わせで用意された車両であり、その間に合わせの車両を転用したに過ぎないのです。このことから、管理者は万が一大型トラックなどと踏切で衝突した際の運転士保護などを考慮した場合、キハ143形は危ない車両という認識が強いです。
なので、H100形に早く置き換えるか、沿線住民の要望も含めて、再び近郊形電車を朝・夕中心に投入するかです。度々733系が試運転で室蘭方面に入線していたはずで、733系でなくても、721系なども含めて検討してほしいところです。
ただ、列車を運転するにも免許が必要です。電車を運転する際と気動車を運転する際で免許が違ってくるので、このあたりもかつて合理化とともに気動車化された理由の1つだと思います。
苫小牧~室蘭間も電化されていますが、同区間を走る定期列車における電車は特急「すずらん」6往復のみです。それ以外は全て気動車です。電化設備があるのに、これでは勿体ないところ。
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